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181.  シャンハイ(2010)
太平洋戦争〈前夜〉の上海を舞台にした日米中の諜報戦…という、面白そうな題材を扱っているにも関わらず、このつまらなさは何だ?起伏のない展開と凡庸な演出で、サスペンスとしてもラブストーリーとしても中途半端。しかし、俳優陣だけは豪華。チョウ・ユンファと渡辺謙は相変わらずの存在感だが、主役のジョン・キューザックにあまりにも華がない(好きな役者さんだけど)。コン・リーは綺麗だった。
[DVD(吹替)] 4点(2012-03-07 00:18:24)
182.  スリーデイズ 《ネタバレ》 
全くの犯罪の素人が、無罪(だと思う)妻を脱獄させる為に最後の賭けに出る。ラッセル・クロウと言えば、〈グラディエーター〉であり〈ロビン・フッド〉であり〈西部劇のアウトロー〉でもあるのに、今回はただの一介の教師であり優しい夫であり子煩悩の父親である。「脱獄のプロ」(リーアム・ニーソンが渋い)から「鍵を見つけろ」と言われれば、言葉通りに受け取り、インターネットの通販で仕入れた「万能キー」を刑務所で試そうとするお馬鹿さん。偽の身分証を入手しようと、怪しい路地でアブなそうな人に声をかければ、ボコボコにされてお金を巻き上げられる始末。「この人絶対失敗するな…」と思わせるところが巧い。だからこそ、いざ「脱獄計画」が始動した時のハラハラドキドキ感が尋常じゃない。やってることは犯罪以外の何ものでもないのに、100%感情移入して応援してしまう。何事も諦めないことが肝心なんだな、というのは『パピヨン』『大脱走』以来の感想です。
[DVD(吹替)] 8点(2012-03-04 16:39:00)(良:1票)
183.  スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション 《ネタバレ》 
「今さら続編かよ?」という観客の思いを初っ端から登場人物に語らせる大胆さ。これが『スクリーム』だよね!と、もうノリノリで楽しめた。ネーブ・キャンベル以下「生き残り組」は随分老けた印象だが、新ヒロインが結構可愛い。真犯人は当てられませんでした(泣)
[DVD(吹替)] 7点(2012-03-04 16:20:19)
184.  ザ・ウォード/監禁病棟 《ネタバレ》 
やはりそういうオチか…。ところどころエグイ描写があるものの、意外と普通のヒューマンドラマとしても観れてしまう。カーペンター作品という「ありがたみ」はあまりないかな。
[DVD(吹替)] 5点(2012-03-04 16:05:13)
185.  東京ゴッドファーザーズ
まるで実写のようにリアルで繊細なタッチでありながら、やはりアニメでしか成し得ない躍動感とファンタジーに満ちている。う~ん!これは傑作!小さな偶然の積み重ねがやがて大きな「奇蹟」へと収束していく様が、実に感動的。
[DVD(邦画)] 8点(2012-02-29 07:04:28)
186.  PERFECT BLUE 《ネタバレ》 
下手な実写映画よりも格段に怖いサイコ・アニメ。女優に転身したアイドルの周囲で起こる連続殺人事件。犯人は彼女を付け狙う異常なストーカーか、それとも自分自身のもうひとつの人格か…?正直アニメでやる必要あるの?とは思うものの、ヒロインと周辺人物の美醜を極端に対比させたキャラクターデザインや、視覚的にグロい大流血シーンと精神的にキツいレイプシーン等、実写ではさすがに無理か…(笑)ストーカーと偽ブログによるミスリードなど、サスペンス映画のストーリーとしても申し分ない。ただ、若干エロとグロに走りすぎた感があり、観る人を選ぶ映画。
[DVD(邦画)] 6点(2012-02-28 08:29:16)
187.  パルプ・フィクション 《ネタバレ》 
「金時計」のエピソードで死んだはずのヴィンセント(ジョン・トラボルタ)が「ボニーの一件」で再生し、「パンプキンとハニーバニー」の強盗事件に遭遇、これを収束し颯爽とレストランを後にする。それを目にした我々もまた、まるで新たな肉体を手に入れたかのように再生するのだ。ヴィンセントは(時系列的には)その後、ブッチ(ブルース・ウィリス)に射殺されるわけだが、それはジュールス(サミュエル・L・ジャクソン)言うところの「奇蹟」を信じなかった報いなのか?―しかしそこには、『ゴッドファーザー』のような深遠さはない。そこにあるのは、ただのギャング同士の意味の無い会話とお洒落なサーフミュージックと、とことんクールな映画的快感のみである。そしてそんな映画を我々は傑作と呼ぶのだ。10点以外つけようがないでしょ?
[ブルーレイ(吹替)] 10点(2012-02-27 22:31:25)
188.  宇宙人ポール 《ネタバレ》 
『ショーン・オブ・ザ・デッド』と『ホット・ファズ』が面白かったので、この二人にはいつも期待してしまうが、今回も過去作(スピルバーグをはじめSF映画の数々)へのリスペクトに溢れた、愛すべき作品となっている。ざっと挙げてみても『E.T.』『未知との遭遇』『スター・ウォーズ』『エイリアン』『プレデター』といった有名SFから、『脱出』『ロレンツォのオイル』『ブラインド・フューリー』など、SFとは関係のないものまで万遍なくオマージュを捧げているのが可笑しい。『スーパー8』のエイリアンとはお友達にはなりたくないが、この陽気な宇宙人ポールとは是非一緒に旅してみたい。ところで、タイトル候補に『ポール 俺たちとの遭遇』という案があったそうなのだが、そちらの方が作風に合っていたように思う。
[映画館(字幕)] 7点(2012-02-24 12:16:50)
189.  ナッシュビル 《ネタバレ》 
なかなかソフト化が実現しなかった、ロバート・アルトマン幻の名作。『ショート・カッツ』の前身とも言える群像劇で、24人(だっけ?)のスターが総出演。最初は登場人物の多さに混乱するが、キャラクターやその背景が分かるにつれ徐々に面白くなってくる。カントリーミュージックと60~70年代の〈アメリカ〉を知らないと理解できない部分もあるが、当のアルトマン自身は全くカントリーに興味がないらしく、そのアバウトさがまたこの監督らしい!エリオット・グールドとジュリー・クリスティが本人役で登場するところが面白い。
[DVD(字幕)] 7点(2012-02-22 07:27:16)
190.  老人Z 《ネタバレ》 
インパクトのあるタイトルにずっと気になっていた作品。絵柄がもろ80年代っぽいので最初はとっつきにくかったが、江口寿史の描く美少女は結構好き(アンミラとナース服ってのが凄い)。介護のオートマチック化に伴いスーパーコンピューターを搭載した看護ベッド「Z-001」が老人を乗せたままトランスフォームし暴走、老人の介護をしていた女子大生と厚生省の役人、ベッドの軍用化を狙う開発者、天才ハッカーの老人たちが「Z-001」を追う。やってることはハチャメチャだが、超高齢化社会と科学の進歩による代償という内容は、今こそ見直されるべきではないのか?「Z-001」の動力源が原子力で小型の原子炉が内蔵されているという設定、「危険はないのか?」という記者の質問に「微量でも放射能漏れが起これば即座に探知する」等と、もっともらしい答えで安全性を保障する厚生省。そしてそれに何の疑問も抱かない人々。未来を予見しているようでゾッとする。
[DVD(邦画)] 7点(2012-02-18 09:18:04)(良:1票)
191.  雲のように風のように<TVM>
子供の頃TVで観てずっと印象に残っていた。てっきり中国の史実だと思っていたら、完全なるフィクションということでビックリ!それにしてもよく出来ている。80分ほどの短い作品なので、壮大な歴史絵巻をダイジェストっぽく見せてはいるが、個性的な登場人物と奥深いテーマ性、緩急あるストーリーに引き込まれる。キャラクターデザインをジブリの近藤勝也が担当しているので、ジブリ作品と勘違いする人も多そう。
[DVD(邦画)] 7点(2012-02-18 08:57:08)
192.  ツーリスト 《ネタバレ》 
これはもう60年代のヒッチコック映画のノリで、今どきの観客には到底受け入れられないだろう。ジョニデ×アンジーの共演だけが目的で観る人にはただのヌルいサスペンス映画に過ぎないだろうが、50歳以降のおじさま世代には意外とウケるのではないか?自分もこのゆるやか~なコメディタッチのサスペンスに、妙な懐かしさを感じつつも楽しんだ次第です(まだ30代だけど)。
[DVD(字幕)] 5点(2012-02-15 23:47:23)
193.  秒速5センチメートル(2007) 《ネタバレ》 
第一話からまさやんの曲がメロディだけでこっそり流れており、最終話のクライマックスに歌詞付きで来た時には、「うぉおおおお!!」と滂沱の涙(笑)そりゃ反則だわ。画は相変わらず綺麗。これでしばらくお花見に行かなくて済みそう。第二話にはリンドバーグの曲がかかっていたと思うが、この監督は自分と同世代なのかな?どおりで感覚的にちょっと通じるものがある。前作、前々作を観た上での感想だが、陳腐なSF的設定を排し、60分という中篇に仕立てたことでちょうど良い塩梅になった。
[DVD(邦画)] 7点(2012-02-14 09:51:47)
194.  雲のむこう、約束の場所 《ネタバレ》 
「もうひとつの戦後」というこの世界観は好きだが、結局のところストーリーの細部を作り込めておらず、妄想の粋を出ていない(まあ、この監督はいつもそうだが…)。皆さん不評の声優だが、吉岡秀隆と言えば「北の国から」で、北海道に焦がれる少年という役はもろ狙ってるんだろうね。「北の国から」も吉岡くんのモノローグで構築されていたように、ここでの彼の役割はかなり大きい。個人的には良質の配役だと思う。長編になったことで間延びした感があり、やや退屈に感じたのが残念。
[DVD(邦画)] 5点(2012-02-14 09:41:25)
195.  ほしのこえ 《ネタバレ》 
このアニメを一人で手がけた…というのは素直に凄いと思う。しかし、ひとつの作品として観た場合、『エヴァ』のもろパクリっぽいモノローグとロボットと使徒?の登場に辟易してしまう。短編で良かった。
[DVD(邦画)] 4点(2012-02-14 09:34:55)
196.  ゴーストライター 《ネタバレ》 
謎解きにばかり気を取られていると、オチの部分で「な~んだ」とガッカリするかもしれない。この映画はそこに到るまでの雰囲気を楽しむべきものなのだろう。とにかく全編に渡ってほとんど何も起こらないのに、ず~っとドキドキしながら観ることができた。昔のヒッチコック映画を思わせる。重厚な映像と音楽が渋い。大人のサスペンス映画。
[DVD(字幕)] 6点(2012-02-12 17:52:08)
197.  ドラゴン・タトゥーの女
言いたいことはほとんど【8bit】さんが書いてくれたので、これ以上コメントはないです…(笑)早くも今年のナンバー1映画に出会ってしまったかもしれない。オリジナル版も観たくなった。
[映画館(字幕)] 9点(2012-02-12 17:28:39)(良:1票)
198.  ムカデ人間 《ネタバレ》 
21世紀にもなって、こんなトンチキ映画を撮ろうと思った製作陣の姿勢がいい。そして、キャストの皆様も、よくもまあこんな変態映画に出演する気になったものだ(笑)ジャパニーズヤクザが終始関西弁でまくしたてているのが斬新と言えば斬新。映画の最後に、「三部作決定!!」とか堂々と次回予告をするところがまた凄い。続編が公開されたらまた観ちゃうんだろうな。
[DVD(吹替)] 5点(2012-02-08 17:45:39)
199.  ファイナル・デッドブリッジ 《ネタバレ》 
このシリーズを観ていて毎回思うことだが、よくもまあこんなに沢山の人の「死に方」を考えるものだ。『3』以降はさすがにマンネリ化しており、あまり期待はしていなかったものの、オープニングの橋の崩落事故はなかなかの迫力!その後の展開はいつも通りだが、「誰かを身代わりにすれば助かる」という新ルールを追加したことにより、心理ドラマとして少しだけ面白みが増した。そして、圧巻はラスト。まさかこんなオチが用意されているとは思いもよらなかったので、「うぉおおおっ!!!」とひとり興奮してしまった。シリーズのファンにはオススメ。
[DVD(吹替)] 6点(2012-02-07 22:04:26)(良:1票)
200.  ALWAYS 三丁目の夕日‘64 《ネタバレ》 
相変わらず想像した通りのことしか起こらない。前作のレビューで、「続編ができるとしたら、東京オリンピックの年で、六ちゃんの花嫁姿が観れるだろう」みたいなことを書いていた人がいたが、全くその通りになった。この予定調和が心地よいのであるが、第1作でやめておいても問題はなかったと思う。
[映画館(邦画)] 7点(2012-02-04 14:39:04)
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