Menu
 > レビュワー
 > アングロファイル さんの口コミ一覧。10ページ目
アングロファイルさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1000
性別 男性
年齢 60歳
自己紹介 レビュー数が1000に達したということで、活動を停止します。(今のところ)仕事がひじょうに忙しいので、映画を楽しむゆとりがありません。落ち着いたら再開するかもしれませんが、とりあえず未定です。

皆さま、ありがとうございました。縁があったらまたお会いしましょう。

※変更要望は出すかもしれません。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順123456789101112131415
投稿日付順123456789101112131415
変更日付順123456789101112131415
>> カレンダー表示
>> 通常表示
181.  遥か群衆を離れて(1967) 《ネタバレ》 
基本的にメロドラマなので、途中休憩を挟んで3時間近くもあると、さすがに途中で飽きてきました。しかし後半は怒濤の展開で、引き込まれます。 そもそもヒロインのバスシバが世間知らずの上、(あまりそうは見えないものの)感情的なもので、メロドラマとしてはあちらへフラフラこちらへフラフラと、見ているこちらも落ち着きません。彼女を誘惑する軍曹(テレンス・スタンプ)も同じタイプで、口で言っていることと本心とがけっこう違っています。これが大きな悲劇を生む元で、本作を見ると、人間というのはずいぶんいい加減なものだと思えてきます。ある種の業のようなものをメインの3人が体現していて、そのあたりがメロドラマでも文芸的だと感じさせるところです。こういう部分がなければ、最後まで見られなかったかもしれません。 これに対してガブリエルが理性派代表のような立場にいます。結末を見るとそれが最後に勝利するということかもしれませんが、しかしあれはちょっと納得しかねるところも。「愛情がなければダメ」と言っていたバスシバ、あっさり結婚しすぎでは……。 農民の生活が活写されており、風景も美しくそこは見ものでした。民謡を生かした音楽もよかったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-17 21:42:25)
182.  サボテンの花 《ネタバレ》 
なかなか面白い。特にステファニーがショールを贈られてからの暴走ぶりは楽しめました。ゴールディ・ホーンは、最初中学生かと思ったほど子供っぽく見えますが、役柄にぴったりでしょう。脇役も個性的な人がそろっています。 物語としては、ウソを重ねてにっちもさっちも行かなくなるパターンで、よくありますがそれだけに安心感があります。しかし、そのため不自然に感じてしまうところもあり、トニは不倫相手の妻に気を遣いすぎではなかろうかとか、ジュリアンがあれほど女性にもてるのがよくわからないといったところは、気になります。それに、あれだけ嘘を並べ、恋人を騙しておきながら結局ハッピーエンドとは、素直に納得しかねます。やはり、モテモテでも不思議でないキャスティングにしてもらいたかった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-09 21:49:26)
183.  いろはにほへと 《ネタバレ》 
現実の事件を元にしているためか、冒頭「これは架空の話です」という断り書きが出ます。どこまで事実通りかわかりませんが、この映画での投資経済会のメンバーは、犯罪を行っているつもりはありません。というか、合法的に運営していこうと考えています。ところが、そのための法案を通すため政治家に金を渡したり、内偵している刑事を遠ざけようと金品で釣ろうとするのは、あまり合法的とは言いかねます。なにやら、目先のことを追いかけて本質を見失っているようで、皮肉です。 皮肉といえば、金を渡した政治家の行動も痛烈な皮肉です。佐田啓二演ずる投資経済会会長は「誰だって金がほしいに決まっている」という信条の持ち主。しかし、金をもらった人間は自分の思うとおりに動くと考えたのが間違いでした。金だけもらってあとは知らん顔……。こういう展開だと、人間に対する信頼感が失せてきそうです。いや、信頼できないのは、最後に映し出された建物にいる人たちだけかもしれませんが。そうした風刺と社会批判が、事件ものの展開と無理なく溶け合っています。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2012-11-06 20:50:32)
184.  グラン・プリ(1966)
カーレースが延々続くと飽きてきそうですが、カメラワークの工夫もあってそうは感じませんでした。大画面で見たら、かなりの迫力でしょうね。レーサー視線の映像は酔いそうですが……。画面分割は、成功したかどうか疑問。「喜」と「悲」を切り替えるシーンがいくつかありましたが、これは効果的でした。 物語としては、レーサーというのはレース以外に女のことしか考えていないのかと思いそうです(笑)。死と隣り合わせのレースに賭ける生き様を描いていてそれなりに見られました。おかげで長時間も気になりませんでした。女優さんではエヴァ・マリー・セイントよりもジェシカ・ウォルターの美しさが印象的。三船敏郎の口元を見る限り、ちゃんと英語をしゃべっていたようですが、英語の声は明らかに本人とは違っていましたね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-04 11:13:57)(良:1票)
185.  豚と軍艦 《ネタバレ》 
序盤はヤクザものかと思いましたが、良質の青春映画でした。欲に振り回される大人、その大人に振り回される若い2人。先の見えない生活に爆発して悲惨な最期を迎える近太は哀しいですが、春子に希望を託すラストが見ていてさわやかでした。コメディとしてはまあまあ笑えました。加藤武の暴走ぶりがいいし、死にきれなかった兄貴が生命保険の看板に掴まるところは特におかしい。しかし本作で一番光っていたのは吉村実子。決して美人というタイプではありませんが、顔つき、特に視線が力強く印象に残ります。 セリフがやや聞き取りづらく、人間関係や話が見えにくいところがあって残念。そのせいかどうか、基地の問題(「アメリカにたかる」という構図)を扱っているようですが、あまり感じられませんでした。しかし『俺たちに明日はない』のような、“破滅型青春ドラマ”として見る価値はありました。けっこう豪華なキャストも見ものです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-27 18:05:52)
186.  智恵子抄(1967) 《ネタバレ》 
言うまでもなく高村光太郎の智恵子抄ですが、そのままではドラマ化しにくいのか、佐藤春夫の小説版を原作にしています。 2人の出会いから智恵子の死まで、ていねいに撮られています。序盤のややぎこちない関係から結婚まで、見ていてほほ笑ましいのですが、そんな中にも後半への伏線がちらほら……。こうした構成はうまい。それにしても、高村光太郎は芸術家として激情型だと勝手に思っていましたが、本作ではそれほどでもない。厳しさは感じさせますが、智恵子の前だとなんだかフニャフニャになるのがおかしい。 後半智恵子がおかしくなってからは、もう岩下志麻の独擅場。ここですごいのは、智恵子が最初は正気な時もあって、自分が狂っていくことを自覚しているということ。これは怖い。このあたりから最終的におかしくなるまで、目が離せません。本作での智恵子さんはたおやかではかなげなイメージがあるので、暴れたりする時には哀れさが増す、ような気がしました。 全体としていいと思いますが、時間の関係かエピソードの羅列に流れたのが残念でした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-22 20:14:05)
187.  古都(1963) 《ネタバレ》 
これはまず、なにはさておいても岩下志麻の二役がすばらしい。もちろんメイクもあるでしょうが、育ちの違いによってかもし出される雰囲気まで伺えます。たおやかだけど弱さもある千重子。芯の強さをもつ苗子。2人が並んでいると本当に別人のようで、とても合成とは思えません。 物語としては、「育ちの違いによってできた、越えようにも越えられない大きな壁」を扱っています。その作の舞台を京都に選んだというのは、さすが川端康成。主人公2人以外の人も、このテーマを強調しています。長門裕之演ずる秀男は、クレーに触発されたデザインの帯を織ってしまうほど、現代的な若者です(デザインした父親との対比も生きていますね)。しかしそんな秀男でも、その壁は越えられなくて、結婚相手に苗子を選ばざるをえません。千重子の両親も、そんな壁はないような発言をしていますが、それだけに現実の厳しさが思い知らされます。これで悲恋ものならありきたりですが、姉妹の話にしたところが新鮮で、成功してると思います。 映像面では、なんといってもにわか雨のあと日が差してくる、あの場面が最高です。2人の間に希望の光が差すようで、とても美しい。全体的にはセットが多いようで、もう少し当時の京都の街並みを映してほしかったところです。市電も一瞬しか登場しなくて残念。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-15 20:32:12)(良:1票)
188.  妖星ゴラス 《ネタバレ》 
これも昔テレビで見て以来。覚えていたのは「南極に基地を作って地球を動かす」ということと、怪獣マグマが出てくることくらい。改めて見たら、かなりまじめに作ってあります。地球を動かすのに660億メガトン必要だという計算は、正確なのだそうな。それを基に大法螺をでっち上げるのは愉快です。この映画はそうした地に足のついたところがあるのがいい。最初の隼号の犠牲もありそうですし、そのあとの予算をめぐってのやりとりなど、全然SFではありませんが、「現実らしさ」にひと役買っています。それに乗じて(?)細かい部分がけっこういい加減だったりするのには、笑ってしまいますが。人間ドラマが足りないと感じたのか記憶喪失が扱われていますが、全体から浮いた感じがします。水野久美の彼氏も誰だかよくわからないし。もしかしたらマグマ登場のためカットされた部分があって、そこでなにがしかのドラマが展開していたのかもしれませんが、そこまではわかりません。なんにせよ、もう少し時間があれば補足できたと思いますが、当時は二本立て興行が基本でしたから、限界だったのでしょう。こういうところでは常識を越えられなかったか。 クライマックスには東京が大津波に襲われるのですが、3.11以降にこれを見ると、いずれこんなことが現実に起こるかもしれないと不安になります。しかし危機が去ったあとは、みんな拍子抜けするほど気楽で、街の再建に意欲を燃やしています。現在の日本にもこうした意気があればいいと思いますが。そういう点では、現在こそ見る価値があるかもしれません。ただ、本作の基本は「科学の力で自然災害を回避する(人間の知恵と科学の勝利)」ということですから、それを考えると複雑ですが……。ちなみにゴラスは彗星でも隕石でもなく、黒色矮星というものだそうです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-14 21:26:25)
189.  戦争と平和(1965-1967) 《ネタバレ》 
原作は読みましたが、ほとんど忘れていて、途中から展開が全然読めません。とりあえず覚えているあたり(第2部)までは普通に見られました。が、後半は単調でどうにも飽きてしまいました。演出面でもなかなか興味深いところがあったのですが、後半になるとワンパターンに思えてきます。飛行機での撮影やカメラを延々横に動かしていく手法は、ちょっとしつこい。また、特に第4部では展開が早く、たとえばなぜナポレオン軍が撤退したのか、あれではよくわからないでしょう。原作が有名なので端折ったのかもしれませんが、ロシア人ならともかく、なじみのない人には不親切に感じられます。 大人数のエキストラを使っての戦闘シーンは、迫力があって見ごたえがありました。しかし先にも書いたとおり、同じことの繰り返しで飽きてきます。戦争の悲惨さはよく描けていたと思います。エキストラといえば、舞踏会など社交界の場面もすばらしかったです。原作では、物語の合間に作者の論考が度々はさまれています。そうしたところも映画に取り入れていましたが、ちょっと食い足りない気もしました。 キャストでは、なんといってもピエール役のセルゲイ・ボンダルチュク。イメージにぴったりです。ナターシャ役のリュドミラ・サベーリエワも素敵。それ以外の出演者も、原作の人間像を大切にした配役だったと思います。 力作ですし、立派な映画だと思いますが、それだけに後半失速したのが残念。戦闘場面など見せる要素はいいのですが、思想的な点ではやはり原作にはかなわないでしょう。ということで、少々辛めの点数をつけておきます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-10-08 21:44:23)
190.  招かれざる客(1967) 《ネタバレ》 
一応人種差別をテーマにした映画のようですが、実際に見るとそれが意図的に隠されている。出会ってわずかな期間で結婚を決めるとか、その日の夜に男が旅立つのでそれまでに決めないといけないとか、「父親が娘を嫁にやりたくない」シチュエーションだらけ。これなら相手が白人でも逡巡するでしょう。娘が無分別にも結婚を希望しているのも、計算ずみ。そうやって父親の反応を一般化しておいて、黒人メイドの反応などで人種問題をチクチクと突いてくる。これは大上段に振りかぶって取り上げられるよりも、はるかに好感が持てます。なによりも、「差別する人間=悪」というステロタイプの結論に陥らないのがよろしい(途中で例外はありましたが)。最後に父親が認める際も、自分の若かりし頃に思いをはせるという粋な計らい。親同士の話し合い、父と息子の対話など、見ごたえがありました。主題歌も魅力的。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-10-02 20:13:41)
191.  ひばりの森の石松 《ネタバレ》 
俳優・美空ひばりといえば、晩年に2時間ドラマで刑事を演じていたことぐらいしか記憶にありません。ということで、「森の石松? 大丈夫か?」と思いつつ見たのですが、大丈夫どころかみごとにはまっていました。調子がよくておっちょこちょい、おかげでちょっとイライラさせられるところもありますが、それもまた魅力でしょう。前半の仇討ち騒動より、後半でのお姫様とのふれあいが、ホロリとさせていい感じ。竜宮城での若侍はりりしくてあくまでかっこよく、茶摘み娘のお君ちゃんとあわせて、それぞれ魅力的に演じ分けているのはお見事。とっても楽しい映画でした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-09-06 21:09:02)
192.  ハワイの若大将 《ネタバレ》 
『大学』よりはまとまっていますかね。常に青大将が関係していて、若大将との友情物語という側面が強かった印象です。共通の敵である赤マムシを出して、青大将が悪役にならないよう気を遣っています。そのためか、澄子さんは刺身のツマという感じ。東京オリンピックを控え、ホテル開業というネタを入れたのはよかった。最後はメインの4人で歌ったり、古屋老人とおばあちゃんがダンスをしたりと、サービス精神にあふれていました。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-08-20 09:57:05)(良:1票)
193.  大学の若大将 《ネタバレ》 
このシリーズは一度見てみたかったのですが、いざ見てみるとまあ普通ですかね(笑)。もっとロマンス色が濃いかと思ったら、あくまで一部の要素で、スポーツの方に重点が置かれているようです。主人公が特別の恋人といちゃつかないというのは、うまく考えられていると思います。ただそのため、恋人でもない澄子さんが焼き餅を焼きまくるのは、ちょっとどうかと思いました。それにしても、ここから私が子供時代にテレビで見た青春シリーズまでつながっているのですね。そのためかどうか、違和感を感じませんでした。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-08-19 16:30:21)
194.  おしゃれ泥棒
再見。初めて見たときは、オードリーとピーター・オトゥールの組み合わせはどうだろうと思ったのですが、全くの杞憂でした。おしゃれで適度にユーモアがあり、楽しめます。彫像を盗むのはそれほどスマートではなく、時間がかかったりするのですが、笑えるので問題ありません。全体にトボケた味が出ているのが、とってもいい!
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-08-18 20:15:42)
195.  切腹 《ネタバレ》 
いろいろと考えさせられる映画です。戦が終わって平和な時代になり、侍はどう生きていけばいいのか。単純に考えれば、戦士から政治家に転身すればいいわけですが、そう簡単に適応できない人もいる。政治家になっても、戦士時代の価値観が残っていれば、よけい難しいでしょう。 本作での悲劇は、要するに「中途半端な武士道」が生きていた時代の悲劇、と言えるかもしれません。半四郎が指摘したように、武士道などは形骸化して上っ面だけ、しかし、それがあたかも健在であるかのように扱うところに問題があるようです。生活のために武士道など捨ててしまったような求女が、切腹を騙って金を得ようとしてのも中途半端です。結局かつての侍の精神を持っていたのは半四郎くらいのものですが、それも時代の現実とは合わなくなっていたというのもまた悲劇……。 最後の斎藤勘解由の処置は、事実隠蔽で現代の会社が行えば非難されるでしょうが、江戸家老としての判断は間違っていないでしょう。親藩・譜代であろうとも改易やお取りつぶしになる時代であったことは、作中で語られています。藩存続を考えて事件を隠そうとしたこのは、まさに政治的判断でありましょう。 小林監督初の時代劇だそうですが、それらしく、全編リアルなタッチで描かれています。最後に斬り合いが出てきますが、ここも型にはまらずかなり現実的にありそうな立ち回りでした。仲代・丹波の対決も見ごたえあり。そういう点では時代劇の的を外しておらず、うまいと思います。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2012-08-17 22:40:32)
196.  カラマーゾフの兄弟(1968) 《ネタバレ》 
原作は未読なのでどの程度忠実なのかわかりませんが、長時間の割には見やすかったです。ただ、一度舞台化したのかと思うほど場面が固定されており、ほとんど会話だけで進んでいくのは評価が分かれそうです。 カラマーゾフ3兄弟の性格づけが面白い。長男は情熱的で激しやすい。逆に次男は冷静・理知的で無神論者。三男は修道院で修行しており、敬虔でまじめ。しかも父親は、この3人の性格を複雑に持ち合わせています。兄弟が極端なほど対比されており、そのあたりが見ものでした。ただ、会話ばかりですと、本ならば適宜読み返して内容を確認しながら進めるのですが、映画だとそうはいかずどんどん進んでいってしまうので困りました。そのためか、人物の心理の変化など捉えきれないところもありました。 後半、長男ミーチャはグルーシェンカの愛を勝ち取ったためか、温厚でおとなしい性格になっていきます。逆に次男イワンが罪の意識から狂気にとらわれてしまい、この2人は前半と後半で人物像が逆転してしまいます。無神論を語っていたイワンの末路は、それなりに意味があるのでしょう。第2部でミーチャが豪遊する場面はだれましたが、全体的に見ごたえがありました。ただ、原作を読んでいた方が理解が深まると思います。原作を知るために見るのは、有効かどうか判断がつきません。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-08-12 08:53:25)
197.  ニッポン無責任野郎 《ネタバレ》 
前作『時代』の平均は、仲間を思いやったり他人のために行動したりすることもあったので、ある種爽快感があったのですが、本作の源等はとにかく自分のことだけ。他人を都合のいいように利用して、ウソがばれたら開き直るという、無責任というより詐欺師。犯罪者に共感などできません。前作では「コツコツやる奴ァご苦労さん!」と言いつつ、そのコツコツやる相手に対する暖かい視線が感じられましたが、本作はそうした人たちを小馬鹿にして見下しているのも不愉快でした。社内の派閥争いや出世しようと汲々としている社員、拝金主義を揶揄するようなところもありますが、笑い飛ばすにはほど遠い(派閥抗争は、『用心棒』が元ネタでしょうか)。お話の方も、源が舌先三寸と運(ご都合主義ともいう)で強引に進んでいくのですが、みんな源を簡単に信用しすぎ。言動からおよそ信用できない人間だとわかりそうなものですが。そのあたりもうまくいきすぎです(あるいは、すぐ信用するから馬鹿にされるのか)。 しかし最後、平均が新社長で源がその秘書というのは、象徴的です。源は所詮秘書止まりで、社長や役員になれる器ではない。その点では整合性がとれていました。   民放での放送ですが、オリジナルの時間から考えて、ノーカットで見られたのは幸いでした。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-08-11 11:20:01)
198.  クレオパトラ(1963) 《ネタバレ》 
これはたしかに、「金はかけたが中身はそれに見合っていない」映画ですね。話が地味すぎる。大半が政治的な駆け引きか、あるいはクレオパトラとシーザー/アントニーとのロマンス。どちらも盛り上がりに欠ける内容です。相対的にアクションが少ない。クレオパトラのローマ入場場面は盛り上がりますが、演出としてはやはり単調。それでも前半はまだ見られます。ただ、シーザー役は完全にミスキャストでしょう。レックス・ハリスンといえば『マイ・フェア・レディ』に代表されるように、学者系・文化系が似合っています。どこをどう見ても歴史に名を残すような大将軍とは思えません。これが致命的。後半は、クレオパトラが誇り高く気品にあふれていることはわかりますが、プライドが高すぎてワガママという気もしてきます。それにひきかえアントニーが情けなさすぎ。前半はどちらかというとシーザーが主人公でクレオパトラは助演という役回りだったのが、後半はクレオパトラが中心になって、よかったのかどうか難しいところです。確実にすばらしかったのは最後の自決場面で、ここではクレオパトラの誇り高き美しさがきわだっていました。しかし、そこまで行くのがあまりにも長すぎました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-07-19 21:00:53)
199.  馬鹿まるだし 《ネタバレ》 
劇中でも出てくるわけですが、『無法松の一生』を彷彿とさせるところがあります。安さんは松さんよりも純粋というか、世間知らず。しかしそこが魅力で、無法松と同じく、今の日本人からは失われたものを垣間見させてくれます。労働運動や、ヤクザから暴力団へと移りゆくような世相も、よく表れていました。相手役の桑野みゆきが素敵。それと、八は本当にいい奴だなあ~。きっと最後のハガキも八が書いたんでしょうね。安さんは仲間に恵まれていましたが、それはきっと本人の人徳でしょう。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-07-08 22:03:35)
200.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
再見。初見時は大笑いした記憶がありますが、今回はあまり笑えなかった。それはおそらく、3.11以降放射能の脅威が身近に感じられるようになったためだと思います。初めて見たのは、東西冷戦がすでに過去のものとなっていた時で、どこか他人事として捉えていたのかもしれません。まあ、笑えなくなったとはいえ、本作の価値がいささかも下がるわけではありませんが。むしろ右往左往する大統領たちから、どうしても永田町の方々を連想してしまいます。今の日本人こそ見るべき映画ではなかろうか。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-06-18 20:30:10)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS