181. 手錠のまゝの脱獄
人種差別のきびしい一昔前の米国南部で、白人と黒人を手錠でつなぐことはありうるのだろうか。最初は疑問に思ったのだがユーモアだと言う。そのユーモアとは仲の悪い者同士を鎖で繋いでおれば決して脱走しないだろう、いや例え脱走してもうまくいくはずがないというものだ。ある面なるほどと思うがそこがまた映画のテーマでもあるのだ。結果的には鎖が切れても繋がれていたとき以上の友情が生まれるのだが。ミッドナイトランほどはおもしろくはないが、人種差別問題という点でそれ以上の価値がある映画かもしれない。 [DVD(字幕)] 7点(2014-12-17 19:33:37) |
182. 愚か者の船
タイトルに興味を惹かれ見たのだが、国籍人種の違うたくさんの人たちが登場したくさんの物語が進行する、所謂グランドホテルのホテルが汽船になった映画だ。思わず笑ってしまいそうなシーンあり、感動させられるシーンあり、考えさせられるシーンもある。それでいてしっかりひとつにまとまっていると思う。人間誰しも愚か者なのかなあ。 [DVD(字幕)] 7点(2014-12-15 21:27:46) |
183. 鉄道員(ぽっぽや)(1999)
あの短い小説が2時間近い映画になったことにまず驚く。のちに「オリヲン座からの招待状」が同様の映画になったことで、浅田次郎の短編は映画として膨らませやすいのかと思ったのだが、一途に鉄道員としての生き様は原作以上のものを感じた。昔見たときは、高倉健が駅長とは似合わないと思っていたのだが、今また見直して見ると実に似合っているように思えた。年月がそうさせたのか。 [DVD(邦画)] 8点(2014-12-13 23:16:15) |
184. 社葬
伝えるための新聞ではなく売るための新聞がある、そういう一面を赤裸々にし新聞社内部の権力闘争を描いた映画だ。だから新聞記者など一切登場しないし、別に新聞社でなくとも舞台はどんな会社であってもいいような感じすらする。重役が多すぎて会長派と社長派とと整理して見ないととまどってしまうけど、軸になるのは学歴なき販売上がりの緒方拳と頭脳をめぐらし画策を図る東大卒エリート江守徹。全編を通じ大変おもしろいが、腹上死の偽装など何か見にくいものを見せられたような気もする。 [DVD(邦画)] 7点(2014-12-12 02:29:19) |
185. 奇跡の夏
大人には理解不能に思われることも子どもは子どもなりに考えている。そういう子どもの世界がしっかり描かれた映画だ。感動の実話、泣かせる映画と言ってしまえば安っぽくなってしまうが、親と子や兄弟の絆を改めて思い知らされる。子役の演技がすばらしく、弟を演じたパク・チビンはニュー・モントリオール国際映画祭にて主演男優賞を最年少受賞したほどだ。子どもの心理や成長過程が見て取れる良い映画だと思う。 [DVD(吹替)] 8点(2014-12-11 09:12:34) |
186. 爆烈野球団!
日韓併合へ向けての時代背景や政治的背景など一部よくわからないところもあるけど、瀬戸内少年野球団同様スポーツへの愛着や友情を交え心打つものがあった。主人公の4番打者のホームランでゲームセットではなく、そこからまた続いたのが良かった。 [DVD(字幕)] 7点(2014-12-09 22:31:23) |
187. アニー(1982)
後半の展開は今いちだけど子どもを主人公としたミュージカルとしては良いと思う。歌も親しみ安いし、何と言っても明るく元気なアニーが良い。 [DVD(吹替)] 7点(2014-12-08 19:42:11) |
188. 名探偵登場
壊れかけた橋、落ちてくる石像、チャイムならぬ悲鳴、次々に起こる仕掛けが大変おもしろい。それに加え目の見えない執事に口のきけない料理人の取り合わせ、おもしろさだけをとったら最高の映画である。ところがドアを開けると来訪者たちが消えたり現れたり、主人のトウェインが突然現れたり反対側に移動するなど不思議なことばかりで、謎は謎のまま。そしてまたストーリーはごちゃごちゃ支離滅裂、終盤なんかどうなっているのかわからない。誰が殺されたのか、誰が殺したのか。あげくのはて「最後の5ページで真犯人登場とは何ごとだ」の意味深長なことぱとなる。このへんになると従来の推理小説名探偵ものに対する痛烈な批判がこめられているのだろうが、ポワロとミス・マープルしか知らない私にとっては少々きつい。 [DVD(字幕)] 7点(2014-12-08 03:17:15) |
189. 恋人たち(1958)
ジャンヌ・モローの美しさとブラームス音楽で成り立っているような映画だ。ジャンヌの夫にしてみれば何が起こったのかもさっぱりだっただろうし、友人のマギーからみれば正気の沙汰とは思えなかっただろう。そして何と何とジャンヌ自身にしても不安を持ったままの旅出とは・・・。一夜にして燃え上がる愛とは何だろう。私にしてみれば例え夫を捨てることはできても娘を捨てることはできないと思うのだが・・・。 ところで主題曲としてあまりにも有名になったブラームスの弦楽六重奏曲第2楽章だけど、同じメロディーなのにある場面では甘く、また別の場面では不安を帯びて聞こえてくる。本当に映画にあった曲だ。 [DVD(字幕)] 5点(2014-12-06 22:16:31) |
190. 美女と野獣(2014)
シンプルながらよくまとまっていたジャン・コクトー版に較べ人物描写が希薄、これじゃベルが野獣を好きになる理由がまったくわからない。カラーとCG、音響など現代感覚と言えば聞こえは良いが・・・。特に後半の大魔神ならぬ巨人の出現は何じゃらほい。ファンタジー映画からモンスター映画に変わってしまった。 [映画館(字幕)] 3点(2014-12-04 22:03:18) |
191. おいしい結婚
見合いとか結納だとか古風にやるかと思えば、野外披露宴とは進んでるというか奇抜。大女優を取り巻く三人衆いや田中邦衛も入れると4人衆か、この辺のやりとりはおもしろいのだけど斉藤と唐沢の若手カップルがちょっと物足りない。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-12-02 15:10:49) |
192. トワイライト ささらさや
原作はファンタジーミステリーだろうけど、コメディっぽくそれでいて心温まるヒューマンドラマだ。赤ん坊のユウスケ君がとてもかわいくニコッとされるとたまらなくなる。母親のサヤさんともども応援したくなってしまう。おっかなく見えたユウタロウの父親も本当は愛情表現が苦手なだけだろうと予想のつく展開だけどそれでもやっぱり良い。隣の席あたりで涙ぐんでいて、「ばっかだねえ」と思っていたらこっちまでつられてしまった。 [映画館(邦画)] 7点(2014-12-01 15:41:56) |
193. ジキル博士とハイド氏(1941)
「ジキル博士とハイド氏」はフレデリック・マーチ主演に続き2作目、さすがに画面は精巧で美しく原作や前作に比べてストーリーもわかりやすくなっている。そして何よりもバーグマンとラナ・ターナーの二人の美女が際だっているのだが、バーグマンの汚れ役はピンと来ない。主役のスペンサー・トレイシーにしてもフレデリック・マーチを超えている思えないし・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2014-11-29 22:31:15) |
194. 河のほとりで
加山雄三と星由里子が恋人同士と言えばもちろん若大将シリーズなのだが、同時期に撮影された作品でありながら結構雰囲気が違う。若者の青春ロマンスもあるにはあるが、彼らの両親のロマンス、それも奪い取っただのその辺の清純とは言えない要素も含まれてくる。原作はとみると石坂洋次郎、さもありなん、台詞が小説のままの雰囲気すらあるのだ。おもしろかったのは、東野英治郎と乙羽信子の結婚式だ。牧師の有島一郎とその夫人沢村貞子がからんでやりとりが何ともおもしろい。そうそう加山雄三が年上の女性池内淳子と関係するなんてのもあって、結婚とはそんなに純粋なものばかりでないということを言っているようだ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-11-28 19:51:05) |
195. 想いのこし
試写会の評判つられて見たのだが、漫画チックな展開と内容の薄さにどこをどう感動して良いのかわからなかった。ただポールダンスについては、ストリップショーみたいなものではなく、サーカスか出初め式でのアクロバット演技というか、器械体操のアスリート競技のようなもので認識を変えさせられた。映画でのシーンもまずまずだったけどインターネット映像で見ると本当にすごいことがわかるし、鍛えられた筋力も必要。ガジロウの女装は大変艶めかしいが、演技は短期間でできるはずがない。 [映画館(邦画)] 4点(2014-11-27 16:18:48) |
196. 東京おにぎり娘
一見コメディ風のホームドラマからまり子をめぐる三人の男たち(伊藤雄之助の社長さんは除く)のバトルかと思いきや、みどりさんという女性の出現によりぐっと人情っぽくなる。美人でチャキチャキ看板娘の若尾さんの女らしさがとても良い。大阪生まれの江戸っ子の親爺もまたなかなかのもの。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-11-26 10:15:05) |
197. 紙の月
多額の預金を横領するという事件については同じでも、夫の存在が薄くなって隅より子、相川恵子という映画独自のキャストが登場することによって、原作とは別の「紙の月」になったと思う。決して悪いという意味ではなく、小説は小説、映画は映画の良さがあり、物語性よりサスペンス性を重視したとも言えるし、ガラスを割るシーンにはびっくりと言うほかない。ただ表面的な動機はわかるような気はするが、監督の意図する爽やかに破滅するヒロインには着いていけなかった。 [映画館(邦画)] 6点(2014-11-25 18:34:02)(良:1票) |
198. くじけないで
人生には楽しいことばかりでなく辛いことや悲しいことなどいろんなことがある。それらを自分に与えられたものとして肯定的に受け取り、優しさと温かさで他人に返すことができたらどんなにすばらしいことだろう。この映画には90歳過ぎてからの詩人柴田トヨさんの人柄がにじみ出していて、大変良いものを頂いたという実感だ。作り物でなく、ありのままの姿を語ったところが良い。差し詰め私も武田鉄矢同様のどうにもならない男だけど、トヨさんのような心境になれたらいいなと思う。 [DVD(邦画)] 8点(2014-11-25 09:11:51) |
199. 地上最大のショウ
私が子どもの頃は毎年のようにサーカスがやって来た。その中で見た映画、随分昔のことだからストーリーは忘れてしまっていたけれど、空中ブランコで技を競うシーンなど印象に残るシーンがなつかしい。終盤で列車がどうして脱線したのか、ピエロがどうして手錠をかけられたのか、子どもの頃は理解できなかったところが今になってわかった。あのピエロはジェームス・スチュワートだったんだな。映画としては7点かなと思ったけど、サーカスの大変さにプラス1点。 [映画館(字幕)] 8点(2014-11-24 20:45:01) |
200. ハーヴェイ
見える人には見える巨大な兎、最後には精神科の院長まで感染してしまって・・・。でも良いんじゃないかな、皆が幸せになるのなら。のっぽの人たちとそうでない人たちの身長差もあって別の意味でもおもしろかった。 [DVD(字幕)] 7点(2014-11-22 20:27:41) |