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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3885
性別 男性
年齢 53歳

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2061.  HACHI/約束の犬
ウチの子供に「鐘の音が変だ」と突っ込まれるも(赤ちゃんの頃から寺ばかり連れて行ったからなあ)、外国の映画だからそういうものなのだと、無理に納得させて。この映画、時々挿入されるHACHIの視線のカメラが、逆に「HACHIに話しかけられる言葉が、決してHACHIには通じない」ということをかえって強調して、切ないんですね、しかしそれよりも、白眉は何と言っても、奥さんがギア様の墓参りに来るシーンだと思います。夫が亡くなってから、随分月日が流れて。町の景色も色々と変わってしまったんでしょうが(惜しむらくは、この“変化”をしっかり描いて欲しかった!)、なんとそこに、年老いて薄汚れはしたけれど「変わることなく」HACHIが居る、という、そのまさに「変わらない」ということの衝撃。人間は皆、それぞれの人生を送りおそらくは様々な転機などもあったであろうその中で、変わることなく、夫である飼い主を待つ犬。夫が亡くなってからの歳月が一気に縮まり、犬を通じて過去と直結する瞬間。このシーンは本当に感動いたしました。で、ここでちょっと複雑に感じるのはラストに付加された「実在のハチ公」についての紹介。実話であることと同時に、「今でも日本ではその場所にハチ公が銅像として立っている」ということが紹介されて、「変わらないこと」が改めて示されるのですが……当の我々日本人の感覚からすると、逆に「変わってしまった」ことを再認識してしまう訳ですね。この映画で描かれるような物語が、今の極彩色の渋谷駅で綴られることはもはやあり得ない……。またその一方、この映画に関して感慨深いのは、かつて、シッカンという犬を待ち続けるイングマル少年の物語(そして待つことをやめた時に彼は成長するのだけど)を描いたハルストレム監督が(映画館に足を運んだ私もまだ高校生で、スウェーデン映画なんて見たことも聞いたこともなかった)、二十数年後、今度は逆に、「犬の側の、待つ物語」として、我々にはあまりにも馴染みのあるハチ公を題材にした作品を、アメリカで撮ったということ。これはまあ、感慨深くはあるんですけれども、映画自体の中身とは別のオハナシ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-05-06 10:36:34)
2062.  バットマン&ロビン/Mr.フリーズの逆襲
例によってウチの子供に「またバットマンがちがうヒトになってる」と突っ込まれるが、「世の中そういうものである」と納得させる。ついでに言うと昨日、上賀茂神社の競べ馬を見に行ったら目の前で馬がオシッコして、子供曰く、本作の悪役のムキムキ男(シュワでは無い方)のチューブみたいな色だったらしい。尾籠な話で申し訳ありません。さて、この作品、嫌いじゃないんですね。これだけゴチャゴチャと怪人どもが戦う映画でありながら、ちゃんとアクションシーンがわかりやすく撮られている、これだけでも好感が持てます(昨今、編集自体がゴチャゴチャなのを、“臨場感”だと納得させようとする不届きな映画が多いと思います)。シュワがこうやって見るとあまり大きく見えず、単なるジジイとなっているのも意外性があるし、極悪人のMr.フリーズを、バットマンが「個人的な身内の治療」と引き換えに許してやる、というこの軽薄さも、堂が入ってますな。前作のロビン君から、さらに今回はバットガールとどんどん仲間を増やしてもまったく盛り上がらぬ期待感。毒々しいコスプレと小気味の良いアクションに対して、この中身の無いやっつけ感覚、まさにこのシリーズ(特にその打ち止め作)にふさわしいと言えるんじゃないですかね。こういうと全然褒めてないみたいですけど、実際、愉しいんです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-06 09:38:43)
2063.  愛と喝采の日々
一見、「二大女優激突の巻」ってな趣向なんですけれども、必ずしもそうでもない気もしてくるんですね。片や、バレエ一筋ウン十年、成功を収めたけれどももう結構お歳を召されて第一線から退こうか、という女性。片や、早々にバレエを引退して家庭を設けた女性。娘の世代がいよいよバレエ界の主役となっていく中で、互いへの嫉妬心もあり、“二大女優”くれば恒例(?)の、あのシバキ合いのシーンともなる訳ですが。その一方で、娘の世代にも恋愛ありスレ違いあり、アレコレある訳ですな。要するにこういったことは「人生」として描かれる。ところがところが。映画では、そういった「人生」と並行してバレエのレッスンシーンが(これはこれで独立するように)描かれて、作品の見所になっております。そしてクライマックスの華やかな舞台のシーンでは、もはや映画前半のドラマを忘れ去るかのように、バレエそのものが活き活きと、実に活き活きと描かれます。ここでは前半で描かれた「人生」に対し、「芸術」が描かれています。「芸術」は確かに「人生」に裏打ちされ「人生」を糧にするのだけれども、いざ舞台において繰り広げられるのはやっぱり「芸術」そのものなのであって「人生」ではない。例えば「人生経験積んできましたからこれは芸術と認めて下さい」みたいな言い訳は通用しないのですな。背景にどんなドラマがあろうと、ドラマの中でどんなキャラだろうと、舞台におけるミハイル・バリシニコフの躍動する肉体は光り輝く。それは芸術の残酷さでもあるのだけど。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-06 09:07:46)
2064.  ドライブ・アングリー3D
本当に、猛烈にバカですね~。そこが素晴らしい。説明不要、説明不能。「カルト集団へ復讐を誓う主人公」なんて言うと、ちょっとマトモに聞こえるけれど、実際にはそんな事はどうでもよくって、ただただ、主人公を含めた魑魅魍魎どもをひたすら戦わせ暴れさせて、そのメチャクチャさを楽しむ作品。エッチしてるところを襲撃されるくだりの、あのアホらしいスローモーション。実際にはあり得ない超高密度の活劇と虐殺、時間なんぞ表現の一手段に過ぎない訳で、アホらしさの表現のためには、堂々と伸び縮みさせちゃえばよい。自称FBIの男と橋の上で並走するシーンなんて、異常なまでに橋が長いし。このFBIのオッサンにいたっては、もはや一切の物理法則を無視しちゃってるしなあ。本作品、驚くことには途中で主人公自身が目を撃ち抜かれて死んでしまう。でもアタリマエのように生き返る。「確かに撃たれはしましたが、それが何か?」ってな感じで。わざわざサングラスをかけて、それを外して見せることで、何の説明も伴わない“撃たれた目”を強調するのには、つい笑っちゃいました。本作品は全体的に、こういう残酷描写を伴ったギャグが、実に冴えてて、かなり笑わせていただきました。
[DVD(字幕)] 8点(2012-05-06 07:31:05)
2065.  世界侵略:ロサンゼルス決戦 《ネタバレ》 
この程度の戦略と軍事力で他の星を侵略しようなんて、百年早いと思いますよ。勿論「この程度」のお陰で、米軍の通常火器と五分五分のいい勝負になっちゃう訳ですけれども(日本の自衛隊は、宇宙人の侵略から日本を守るための軍隊であれば、憲法違反ではない。らしい)。最新兵器による市街戦を描きたい、でもこの今の時代、明確な敵国は設定しづらい、そうだ今の軍事力をもってすりゃ宇宙人とだって戦えるぜ、宇宙人ならいくらぶっ殺したっていいしな、ってな感じ。でもでも。ロメロは“ゾンビ”と称して、人間を虐殺する映画を作ったし、『ブラックホーク・ダウン』だって虐殺を描いて見せ、そこには何とも言えぬ苦みがあった。宇宙人だからいくら殺したってイイだろ、ってのは実に甘いし、ましてその宇宙人との戦闘がこんな「いい勝負」だなんて、実にヌルいと思います。それにこの映画、驚く程にサスペンスが欠落しているんですが、ワザとやってるんですかね(だとすれば欠落ではなく排除だが)。でもサスペンス無しで、そこに一体何がありますかね。戦闘のリアルさ? リアルな戦争とは、映画みたいにサスペンスに満ちたもんじゃなく、面白おかしいもんじゃなくて……こんなダラダラと単調で退屈なもんだとでも言いたいんでしょうか?リアルなんだからガマンしなさいってか? 局地的な地上戦を徹底して描き、戦局全体を敢えて描かないことで、臨場感を演出しようというのが狙いかも知れないけれど、だから空間軸が不明確なのは狙い通りかも知れないけれど、時間軸まで不明確になっちゃってるのは、もうこれはテキトーとしか言いようがない(バスに乗り込むシーンの描写の適当な端折り方)。一体何が描きたいのか、そもそも何か描きたいことが、あるのか? あとそもそもこの映画って「リアル」なのか? 質より量のCG乱れ撃ち。UFOが出てきて「制空権を奪われた」と嘆いている能天気さに苦笑しちゃうし、宇宙人の弱点を探るのに獣医さんがノリノリで登場するのにも笑っちゃう。ラストの「司令船ぶっ壊して一発逆転」に至っては、これはもう完全にマンガ、リアルどころか、懐かしいノリにむしろホロリと来ちゃう。いや、題材的にはキライじゃないんです。五分五分の軍事力にしたいんならそれでもいいんです。ただ、それだったらせめて、敵に取り囲まれろ、籠城しろ、そして夜になって暗闇と闘ってみろ、と。 要するに、もっとサスペンスを!!
[ブルーレイ(字幕)] 2点(2012-05-01 18:36:04)(良:2票)
2066.  セックスと嘘とビデオテープ
特に最初の方は、名言・迷言が続々と出てきて楽しめるんだけど(「男は結婚してからの方がモテる」ってのが笑えた。これは自信・自意識の問題、ニブさの問題)。全体的には、なんかイヤミな映画だと思えてしまう。そもそもこの「面白くないですよ」とわざわざアピールするようなタイトルからして、いかにも策略的。性の問題を大胆に取り上げて見せ、かつビデオカメラというアイテムを用いてトリッキーな味付けをしつつも、ストーリーはいたって素朴(特に結末が…)、語り口も多くは素朴、なのにそこにわざわざ「技術のための技術」みたいなシーンを入れてきたりするのが、イヤらしい。挑戦するのは結構だけど・・・。たぶん、タイトルに並べられた3つのキーワードのうち、おそらく「嘘」が最も重要なのに(あるいは、他の2つより一段上の次元に属するのに)、最もウェイトが低かったように感じられてしまうのが、本作の弱いところだと思う。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-04-29 08:50:43)
2067.  反逆児(1961)
徳川家康の息子にして織田信長の娘婿、切腹により若くして命を絶った悲劇の武将・信康を主人公にした時代劇。名前も「信」「康」なんて、実に憶えやすく、憶えやすいだけに存在感が薄く、(真実がどうだったかは知りませんけど)どっちかっていうと、信長の冷血横暴ぶりの一例として、歴史の脇役みたいにしか名前の上がらないヒトのような気がするのですが(日本史における、ローゼンクランツとギルデンスターンみたいな存在ですな)。それだけに、彼をどういうカラーで描くのかが注目されるところですが、残念ながらやっぱりこの映画の中でも特徴が薄い。妙な呪術にハマる妖怪のような母親など、ソレっぽい人々をソレっぽく配置して、東映時代劇らしくそれなりに豪華に仕上げて。手堅くはあっても、特色がもうひとつ感じられず、ただそんな「ソレっぽさ」で押し切られても、ピンとこないんですな。そんなボケボケのまま“同意”を求めてないで欲しい。。。むしろ、もっと明確に“理不尽”でなきゃいけないのではなかろうか。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-04-29 08:06:36)
2068.  エイリアン4
独身のころ、実家の居間のテレビを占領して洋画劇場などを観ておりますと、大抵は無視を決め込んでいる母親が、ごくまれに、さすがに見るに見かねたのかコメントを発することがありまして、例えば、『ポリス・ストーリー/香港国際警察』に対するコメントとしては「それにしても乱暴な映画ね~」、はたまた、『新・激突』とかいうテレビ映画を観ていた時には「それにしてもしょうもない映画ね~」、という感じで、非常に的を射たコメントだと思います。で、この『エイリアン4』に対するコメントですが、「それにしてもわけわからん映画ね~」でした。まあ、母としては、『エイリアン』と名がつく以上、四番煎じではあっても、もうちょっと普通にオモロイ映画を期待してたんでしょうけど・・・。それが、こんなヤケクソみたいな映画、ですからねえ。まあ、実際には、映画中盤ではしっかりサバイバルしてるんですけれども。ただ、全般的な印象としては、コレ、“何とかコード”に引っ掛かりそうな、不健全な感じがしてしまいまして。この映画を支配しているのは、畸形性への嗜好、ですよね(出演している俳優を見ても明らかに・・・)。で、「うわー、これって、やばいよなー」と、ちょっとひいてしまう。『エイリアン』を変にシリーズ化しちゃって、監督それぞれ、好き勝手なことばっかりやって。おいおい“エイリアン”で遊ぶのもいい加減にしろ~。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-04-27 00:17:05)
2069.  Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!
Mr.ビーンって、たまたまNHKつけたらやっててラッキー!というような状況で見るのがイイんですな。そういやずいぶん以前、某国内線でTV版を上映してるのにバッタリ出くわし、もう笑いこらえるのに必死。どうして他の乗客たちは皆、平然としてられるんだろうか・・・。という訳で、“偶然の出会いが一番笑える”ってのがそもそも映画化に向いてないんでしょうかねえ。ってか、映画みたいに作り込んだりせず、Mr.ビーンの暴走ぶりを作為なくテレビで垂れ流す方が、笑えるんでしょうなあ。ってか、『ビーン』を作った時点で「やっぱ映画にしちゃダメだな」って気付かなかったんですかねえ。でもでもでも、セリフに頼らず表情と仕草で表現する、古き良きサイレントパフォーマーのMr.ビーンが、カンヌに行って“映画”に殴り込み、ナレーション過多のエセ芸術映画を茶化しまくる。これって、悪くないと思う。
[地上波(字幕)] 4点(2012-04-24 00:36:52)(良:2票)
2070.  コンドル(1939)
映画開始から、次から次へとシーンを緊密に繋いで行く、その緊張感が圧巻、まるで映画の進行と実時間を合致させるかのような、いやそれ以上の濃密さ。船が着き、二人の男が現れ、一人の女が現れ、仲良くなり、と思ったら本当の主役が現れて二人の男は脇役に転落し、さらに二人のうちの一人が飛行機事故で命を落とし、悲しみに暮れるもやがて陽気な音楽へと変わって・・・と、立て続けに様々な事件が描かれていき、映画開始から「シーンの連続」が繰り広げられるおよそ30分。ようやく、時計のアップが写って時間経過の描写が省略され、ほっと一息といったところ。ジーン・アーサーが魅力的ですなあ(原節子に見えてしょうがない)。しかし彼女は決して映画の中心軸とはなりえず、さりとてヒーローたるケーリー・グラントすらも、困難なミッションを前にケガによって中心軸の座を明け渡す。と言う訳で、みんながヒーロー。ってのが、いいですね。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-04-23 23:48:09)
2071.  ポリス・ストーリー3
アクションシーン以外の演出に関してはやっぱりジャッキー監督の方が上かな? とか思いつつも、“刑事アクション”の枠をはるかに超えて、ほとんど戦争映画のノリになっていくあたり、たまには監督を替えてみるもんだ、と。ただし、正確に言うと「戦争映画のノリ」のノリ、80年代アホアクション映画のノリではありますが・・・。後半は、もうお約束中のお約束、ヘリの縄梯子につかまって空を飛ぶ!! 誰だって一度はやってみたいよね(やらせてくれるものなら・・・多分やらないけど)。ラストのNG集では、意外というか当然というか、ミシェル・ヨーにかなりスポットがあたっていて、この辺り、我々だけではなく現場でも彼女の頑張りに感心してたのかなあ、と。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-04-22 08:45:05)
2072.  突然炎のごとく(1961) 《ネタバレ》 
この映画って、「3人の男女が織りなす自由な恋愛劇、進歩的でロマンチックよねえ」とか言ってウットリ観なければいけないんだろうか。あるいは「最後は死んじゃって可哀そうねえ」とか言って泣かなきゃいけないんだろうか。いやいやいやいやいやまさかまさか。この作品は、これはもう、“コメディ”でしょ。だってだって、こんなに楽しいんだから。そりゃま、ゲラゲラ笑うようなギャグはありませんけど、映画そのものに仕組まれたたくらみ、イタズラ心が、イヤミとならず、驚きと楽しさとなって活き活きと伝わってくる。なんでこんな場面で、空撮なのか、とか。男女が会話している場面で、背景の別の男女がチューしまくってるのが気になって、肝心の会話の字幕も読めん、とか。この作品こそまさしく、撮る楽しみと観る楽しみの幸せな一致。ただし、もしかしたら、「これならオレにも撮れちゃうかも」と大勢の映画志望青年を勘違いさせてしまった作品かもしれませんが(もしかしたら大勢の俳優志望青年が川に飛び込んだのかも知れぬ)。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-04-22 08:10:44)
2073.  帰らざる河
激流下りのアドベンチャー映画。生き別れた息子と再会した主人公。ある日、激流に呑まれそうになっている男女を救う。しかし男の方はとんでも無いヤツで、馬と銃を奪って去って行ってしまう。残された3人は、先住民の襲撃から逃れるため、筏で激流へと乗り出す。しかしその道中にも、先住民が襲って来たり、猛獣(これ何?)が襲って来たり、ヒゲ親父が襲って来たり。わざわざ筏にまで泳いできて襲撃する先住民のしつこさ、一体何が彼らをそこまで駆り立てるのか? もはやここまで来ると、これは襲撃などではなく、3人に何か用事があって追いかけているのではないかとすら思えてきて、これじゃまるで童謡の「森のくまさん」ですね。さてこの映画、画面の多層性にもコダワリを見せてまして、背景に手を抜かず人物を配置したり、時には複数の人物の所作をひとつの画面に収めたり。ただ・・・これが見ようによっては「せっかくマリリン・モンローを出演させたんだから、少しでも彼女を多くのシーンに登場させてやろう」というセコい意図であるように思えてしまい、ちょっとビンボーくさい気もしてきて。きっとこれがマリリン・モンローでなければ、そんな風には見えちゃうこともなかったのでは。と言う訳で、これは、「マリリン・モンローの映画」です。あと、ふんだんにロケ撮影を行っているのも良いのですが、ときどき、妙なシーンでスタジオ撮影になりますね・・・?
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-04-15 08:43:21)
2074.  パットン大戦車軍団
あれ、今まで何度か観たヤツでは、冒頭の演説シーンがラストにもあったと思ったけど(ただし冒頭よりもやや口調が柔らかい)、今回観たヤツではパットンがどこか遠くへと立ち去って終わっちゃった。ちょっとカッコつけ過ぎじゃあないですかね。この映画、頭悪そうな邦題がついていますけど(笑)、戦争映画というより伝記映画。ドイツとの戦争が終結してなお、映画が続き、むしろその後日談においてパットンの本領発揮みたいなところがあるのが面白い(何だか今回観たヤツは、“戦後”の部分が物足りなく感じちゃう)。このユニークな脚本を書いた人ってのが、映画監督のコッポラって人らしい、と言う訳で、私は子供の頃、コッポラってのは何だかとってもエライ万能人であるかのように思ってました。今ではどっちかというと、本作の脚本がとりわけ優れている訳ではないような気もしてますが。エピソードの羅列になっちゃってる感じ(そこがコッポラらしいのかも?)。敵の爆撃機に拳銃で応戦しようとするとか、アフリカで自分の前世を暗示する場面とか、兵士殴打事件とか、色々エピソードを盛り込む割にはそれが単発で、彼の変人ぶりを描くことに関してはやや未消化な感じも。一方で、戦闘シーンのスペクタクルばかりに頼ることなく、パットンの足跡を追うことに専念しつつ(「歓迎パレード」のシーンであったり、背景を変えながらひたすら続く「行軍」のシーンであったり)、その中で、パットンの変わっていく面と変わらない面を描いて行くのは、やっぱり上手いと思います。最初の方では「こんな頑固親父、皆に嫌われて、生きてて楽しいのかね」と思われるパットンが、だんだん愛すべきキャラに思えてくる。ジョージ・C・スコットの一直線ぶりがいい(そして脇にひかえるカール・マルデンのデカ鼻もいい)。パットンが、行軍の邪魔になるロバだかラバだかを容赦なく射殺する前半と、活き活きとした表情で楽しそうに行軍の交通整理をする後半。うーむ。何だか星野監督の中日時代と阪神時代みたいではないですか(……この喩えはイマイチでしたね、すみません)。歴戦の中で角がとれて丸くなったようなパットンだけど、反骨精神は最後まで貫いて見せる。あのペットの犬もイイですね、どこからあんな犬見つけてきたんですかね。「魅力ある主人公」映画部門、第1位に推薦いたします。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-04-15 08:23:53)
2075.  エル・スール
お父っつぁんには秘密がある。そりゃあるさ。例えばどっかのサイトに映画の感想文モドキを書き込んでるとか(はい、実は家族には内緒なのです。今のところは)。かつて小さかった娘、聖体拝受式で社会への一歩を踏み出した(自分の手から離れ始めた)娘。娘が成長するに従い、親父の存在も相対的に小さくなってしまう。そして。映画がダウジングのペンダントへと回帰したところで、ペンダントが小さなケースにスッと吸い込まれるように収まるシーンに、グッときます。コレ、日本人の感覚で言いますと何だか、故人の体が火葬後に小さな骨壷に収まってしまう、あの感覚を思い起こさせます……。しかしラストは、まるで暗かった音楽が最後に突然転調して主題(=“南”)を明るく提示して終わるように、希望によって締めくくられます。ま、はっきり言いまして、「実は途中までしか映画化できなかった作品」なんてことは露知らず、この唐突なラストの意外性に感激していた訳でして。我ながら、またピンボケの感想を持ってしまったのかも知れぬ。だから家族には内緒なのです。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2012-04-14 12:32:02)
2076.  M:i:III
毎度、趣向を変えてくるシリーズ、今回は何だか画面も内容もゴチャゴチャですが。あと、「CG使えばスパイ映画だって、こんな怪獣映画みたいなスペクタクルにできちゃうぜ」みたいなノリ(はいはいわかってますよ)がある一方で、変に生々しくて下世話なところがあるのもヤなんですが(いくら毎回趣向を変えるとは言え・基本的には浮世離れしたシリーズであり続けて欲しい・主人公はひたすら超人で良い。人間らしく苦しんだり苦しめられるのは似合わず鬱陶しい・すみませんこの辺りは好みの問題かも知れませんが)。ただこの作品。派手な戦闘シーンの一方で、主人公が走るシーンが良く出てきますが、私、この走るシーンってのが(特にオッサンが走るのが)昔から好きでして、すみませんこれも好みの問題でしたね、で、本作、細切れのカットがもったいない。せっかく走るシーンなんだからもっとトム・クルーズをたっぷり走らせればいいのに!と思いながら観てると、ラスト近くになってちゃんと、長いワンカットで走ってみせてくれる(だよね?途中でワイプでこっそり切って無いよね?と心配になる昨今の撮影技術)。その直前の屋根を走るシーンでは。チャップリンの『キッド』を思いだしたりもするし。走るって、素晴らしい。
[地上波(吹替)] 7点(2012-04-13 04:19:40)(良:1票)
2077.  ネバー・クライ・ウルフ
チャールズ・マーティン・スミスと言えば何と言っても『アンタッチャブル』、作中での扱いの悪さでかえって存在感を示した(ある意味オイシイですな)名バイプレーヤーですが、その彼の主演作。アラスカでひとり、オオカミの生態調査を続ける男を演じていますが、もうこれは「演じている」なんてもんじゃない。映画は、雄大で過酷な大自然のロケーションにおいて、動物たちの姿がドキュメンタリー映画そのまんまに描かれる。彼は語り手であり、目撃者であり、いや、大自然の中に「人間一匹、ちっぽけな存在」として溶け込んで見せます。厳しさの中で時折り見せるユーモアにもホッとさせられたり。一方、ブライアン・デネヒーは例によっていかにも悪そうな顔、まさに曲者。映画の物語自体は、何も解決を示すことなく(『デルス・ウザーラ』を思いこさせる部分もありながら、全く異なる展開)、無力感を感じさせもします。しかし主人公の孤独ただそれだけが、どれほど我々の共感を呼ぶことか。見事な作品だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-04-08 11:13:07)
2078.  天使にラブ・ソングを・・・
どうせ「芸達者ウーピーの芸に、オンブに抱っこ」みたいな作品じゃないの~と思ってたら、さにあらず。まず演出において「どう見せれば面白いか」と工夫を凝らしていて、その中でウーピーが暴れまわる。追跡シーンなどの楽しさ。いやホント、愉しい作品です。ところで、クリスマス前に百貨店とか行くと、催し物スペースで「ゴスペル無料コンサート」とかやってて、オバチャン達の同好会がノリノリで歌ってるけれどあまりお客さん集まって無くて。うわークリスマスだというのに罪だよなー、とか思いつつ、歌ってるオバチャン達の視線を感じつつ、私も立ち去っちゃうんですけど。この映画みたいにコーラスだけで「お客さん(?)」を教会に集められたら、苦労ないよね。と、あのオバチャン達は思ってるに違いない。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2012-04-08 08:56:25)(良:2票)
2079.  瞼の母 《ネタバレ》 
中村錦之助泣く。ひたすら泣く。背景も何もわからぬ映画開始早々から、いきなり何やら込み入ったことになっておりますが、前半のエピソードが一段落するとき、そこには「母親」⇒「涙」という構図が現れています。そしていよいよ、母を訪ねて三千里。皆から冷ややかな視線を投げかけられているようなオバチャンに対しても、主人公忠太郎はひたすら優しい。こんなにウェットだと、本当の母親に出会った日には、もう大変なことになっちゃうよ。ってな訳で、忠太郎にとっては母親は母親であって、身分も境遇も何もナイ、と言いたいところですが、いざ見つけ出した母親の方はそうもいかない。誰とでもうまくやっていけそうなキップのいい忠太郎として描かれた前半に対して、まさかまさかの強敵キャラなのでありました。それまでのテンポのよさから一転、二人のやりとりがじっくり描かれます。そして「どうしてやくざに何かなってしまったのか」という母の一言、これは歩み寄りの一言にも聞こえるけれど、実は忠太郎のアイデンティティに関わる、触れてはいけない一言。忠太郎は去り、さらには母との絆を断ち切りヤクザの道に生きることを決意するかのように、また人を斬ってしまう。その後で母が彼を探しに来たって、もう会うことはできない、会わせる顔も無い。目をつぶり涙を流す忠太郎の顔が大写しになったとき、その涙はもう、母を想う涙ではなく、まるで、瞼に浮かぶ母の面影を洗い流す涙であるかのよう。映画にしばしば挿入される短いカットが、見事に感情をゆさぶります。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2012-04-08 08:16:39)
2080.  ノウイング 《ネタバレ》 
ドロズニンのトホホな著作『聖書の暗号』を思い起こさせるような、未来の災厄を予言したという数字の暗号。そこからオハナシは思わぬ方向(あまり暗号とは関係ない方向)へと進み、最後は“ノアの方舟”へ。とりあえず企画的にはワケわからんけど(笑)、そのワケわからん流れをちゃんと繋いで行ってるのが、非常に好感持てます。面白く観させていただきました。息子が寝室で亡き母親のビデオを見ているのを目撃し、主人公はまた落ち込む。放心状態で酒を注ぐ手もおぼつかなく、こぼした酒で「手紙」を濡らしてしまう。コップの底の形に濡れた「手紙」に書かれた数字に目をやると・・・という、日常から非日常への繋がり(しかし私ならまずこの手紙、息子か誰かが偽造したものじゃないかと疑いますが…)。大災害のスペクタクル映像(ワンカットで描く墜落事故のインパクト。ネット上に転がってる“インチキ動画”みたいな雰囲気ではありますが)の合間に、時々姿を現す謎の集団に謎の石ころ。そこにさらに、「子供たちを救いたいあまり取り乱して勝手な行動をとる母親」と来るもんだから、ストーリーはひらすら思わぬ方向へと「繋がって」いく。“落ち葉”がしばしば背景に描かれるのも、映画を通じる一種の繋がりか。主人公の両親や妹(美人です)が、途中何のために登場したのかと思ったら、一緒に死ぬためだった、というのも切なくてイイじゃないですか。クライマックスに流れるベートーヴェン第7交響曲お馴染みアレグレット、選曲自体はベタな気もするけれど、映画途中で予告的に挿入しておくのなんかも、心憎いなあ。
[地上波(吹替)] 9点(2012-04-08 07:37:59)(良:1票)
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