2161. 戦火の勇気
《ネタバレ》 メグのミスキャストはいうまでもないんだけど、デンゼルの方も、あんな安定感のある人を使っちゃったら、真相を求めて逡巡して右往左往するキャラクターの面白みが出なくなると思う。ただし、同じシーンを視点を変えて繰り返すパターンは割と好きだったりするので、それだけで低い点はつけられないのだが。 [DVD(字幕)] 5点(2013-11-15 01:45:13) |
2162. 特別な一日
《ネタバレ》 どうということはない会話が延々と積み重ねられ、映画というよりは舞台劇のような前半は、平坦な印象しかなかったのです。しかし、2人の感情が高ぶるにつれて、かえって雰囲気は虚しさを増していき、一線を越えたところで、一気に色が反転する。むしろそれまでの平凡なやりとりこそが至福であったことが分かる仕掛けです。灯りが1つずつ消えていくラストも秀逸。見終わった後にこそ、じわじわと味わいが出てくる。 [DVD(字幕)] 8点(2013-11-14 02:10:13)(良:1票) |
2163. ゼロ・ダーク・サーティ
1つ1つの画面の重量感は、この監督ならでは。ジェシカ・チャスティンのシャープな存在感もなかなか。それにもかかわらず面白みがないのは、主人公は、あるいは組織全体は、その時点でどういう状況にあり、その中で何を目指しているのか、というところが見えないから。そしてそれによって、10年という時間の経過の意味合いが出てきていないから。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2013-11-08 01:49:35) |
2164. リンカーン
結局、デイ=ルイスの個人技と、美術や衣装関係の職人芸に寄りかかった内容になってしまったんだなあ。スピルバーグの場合、自己主張があればあるほど良い出来になっていて、何かを立てようとしたり、何かに忠実になったりすると、消化不良気味になってしまう気がします。サリー・フィールドやデヴィッド・ストラザーンの見せ場が思ったほどなかったのも意外。特にサリーは、久々の話題作登場で期待したんだけど。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2013-11-06 21:33:31) |
2165. 小川の辺
無難に無難に行っちゃったなあ。すべてがあらすじからの想像の範囲内で、映画というよりも、原作のプロモーション・フィルムを見ているかのようです。あと、それって明らかに現代的口語表現では?と思ってしまう台詞があちこちにある脚本の雑さも気になりました。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2013-10-22 01:39:54) |
2166. オールド・ボーイ(2003)
《ネタバレ》 無意味なシーンとか、勢い余っただけのシーンとか、失笑するような演出とかはあちこちにあるんだけど、第1に、「15年経ってから解放したのはなぜか」という魅力的すぎる謎と、その期間に対する必然性。第2に、例のHシーンで、その後の(合い鍵での?)出入りやプレゼント箱、その中の手首なんかが本題と見せかけておいて、実はHシーンそのものが本題だったという、手品のような手口。この2つのインパクトで、作品としては十分成り立っています。 [DVD(字幕)] 6点(2013-10-21 02:57:26) |
2167. 告発のとき
《ネタバレ》 苛酷な戦争体験が人をおかしくしてその結果云々というのは、すでに多数の先例があるわけで、この作品はその辺の枠を出ているものではない。しかも、ポール・ハギスの計算癖あふれる脚本をこういう題材でやられると、登場人物の死に体ぶりがかえって目立ってしまうのです。フランシス・フィッシャー(タイタニックのブカター婦人)をトップレスで登場させちゃったというびっくりする成果に+1点。 [DVD(字幕)] 5点(2013-10-20 00:10:56) |
2168. 群盗荒野を裂く
《ネタバレ》 何も知らずに見れば、そもそも誰が主人公なのかも想像がつきにくいオープニング。いや、それはそこだけではなく、話が進行してからも、誰が主導権を握るのかはなかなか予測がつかず、ひねりにひねりを加えて展開していく。ウエスタンの皮を被ってはいますが、骨子は現代型サスペンスですね。画面の左右と前後を存分に駆使した馬集団の疾走の撮り方も楽しい。 [DVD(字幕)] 6点(2013-10-18 22:36:11) |
2169. トゥームストーン
《ネタバレ》 今から見ると異様に豪華なキャストなんですよね。ただし、登場人物の描写は類型的で没個性的で、各俳優の持ち味が生かされていません。なお、私の最大の興味は、パクストン先生がいかにヘタレぶりを発揮して下さるかというところだったんですが、中盤までは冷静で落ち着いた役回りで、これなら出た意味ないじゃんと思っていたところ、いざ決戦前という段階で、実に情けないやられ方でお約束のように退場してしまったのは、やはりパク先生でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-10-14 02:46:12) |
2170. ママの遺したラヴソング
トラボルタはこのキャラを演じるにしてはヘンさ、エキセントリックさが足りないし、ヨハンソンは相変わらず表情不足で、ただの根暗少女にしか見えない。キャスティング次第でもう少しなんとかなったかとも思うが、この凡庸な脚本では限界があるか。あと、尺も長すぎです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-10-13 00:16:46) |
2171. やればやれるぜ全員集合!!
背景の作り込みができていないので、その中での可笑しさも出てこない。つまり、とりあえずドリフを出しておけ、という制作上の安直さを感じてしまうのです。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2013-10-08 01:12:15) |
2172. 幸福のスイッチ
《ネタバレ》 肝心の主人公が、背景もなければ出発点もなく、ただ単にごちゃごちゃと自分以外への不満や文句を垂れ流しているだけなので、その時点でほとんど内容的な興味が湧きませんでした。あーそれと、お父さんの浮気がどうのこうのって部分は、話の筋の上で全然機能しておらず、明らかに無駄ですね。しかし、私にとって唯一目を引いたのが、すまん、実を言うと、中村静香ちゃんなのだ。演技力はぎりぎり基本クリアレベルながら、画面の一部にいるだけで人目を自然に集める雰囲気がある。途中、意図的なほどださいダウンベストやジャージで登場するのは、まともな衣装にしてしまうと、主役より目立ってしまうのを恐れられたからなのだろう。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2013-10-01 02:20:30)(良:1票) |
2173. 新しい人生のはじめかた
脚本も演出も何とも凡庸で・・・ホフマンとエマ・トンプソンを投入している意味がまったくない。大体、エマ・トンプソンとかだったら、あんな鬱陶しい子供依存症的母親でも、速攻で全部論破してさっさと家を飛び出しそうに見えるのだが。もっと鈍そうな人をキャスティングすべきでした。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2013-09-29 03:43:57) |
2174. NEXT-ネクスト-
内容がどうこう以前に、この作品で何でニコラス・ケイジとジュリアン・ムーアなのか、というのが最大の謎。しかし2人とも老けたなあ。ジェシカ・ビールが意外にチャーミングでした。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2013-09-25 00:55:18) |
2175. 知りすぎていた男
《ネタバレ》 冒頭、何気ない世間話の中で、自分の情報はことごとく聞き出され、こちらは相手のことは何も知らない状態になっている、というのは、物凄いこだわりを感じさせ、導入部としては最高なんですよ。しかしその後は、ラストまであらかじめ考えず、思いつきで脚本をつなげていったのではないか?と思わせるほどの場当たり的な展開の連続で、テンションが冷めていくのです。そもそもこの主人公、陰謀とか暗殺とか誘拐に立ち向かうには、ノーガード過ぎを通り越して天然過ぎだしね。アフリカ式のレストランでじっくりとシーンを撮ってくれたのは、ちょっと現地に行った気になって面白かったので、+1点。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-09-23 14:00:45)(良:1票) |
2176. ハッピーフライト(2008)
《ネタバレ》 肝心の綾瀬はるかのCAが、職業モラルも低ければ接客技術もCAとしてのトレーニングもなっておらず、見ていて苛々させるだけ。あのドジでノロマな松本千秋でも、いざ本番でお客さんの前に出たときには、人前に出して恥ずかしくない状態にはなっていたのを見習え。なおかつ、キャラクターとしても実は役に立っておらず、ストーリーの上でも、また危機を乗り切る上でも、ほとんど有効に機能していない。なので、最初から設定が成り立っていないのです。ほかの人たちもことごとくステレオタイプで面白みがないんだけど(客側含む)、唯一、自然な存在感を爽やかに発していた田畑智子に3点。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2013-09-23 02:05:44)(笑:1票) (良:1票) |
2177. 初恋の想い出
《ネタバレ》 何かが起こりそうで起こらないまま、最後まで延々引っ張られてしまうという困った作品。要するに、主人公の2人がうじうじうじうじと悩んで考え続けるのを見せられるだけなのである。したがって、ドラマとしては何も起こっていません。過去にあったことがどうこうという部分も、もっともらしく提示されてくる割には、それを踏まえた各親の思考が停止状態なので、設定として安直になってしまっているのです。 [DVD(字幕)] 4点(2013-09-17 00:21:33) |
2178. リカウント
《ネタバレ》 この硬派な題材に挑戦し、しかもその軌跡を忠実に残そうとした制作者の誠実な姿勢だけで、作品としての十分な価値がある。ケヴィン・スペイシーの真面目一本の役柄というのも実はなかなか似合っているが、その彼を筆頭に、俳優陣にも気合が感じられる。内容的に一番驚いたのは、連邦最高裁でもきちんと「弁論」があり、「審問」があるということ(日本とは大違いだ)。他方、間違って投票できなかった人が数万票だなんて、日本だったら集計方法以前にそこだけでアウトだと思うんだが・・・こういう制度論の違いも垣間見えて面白い。 [DVD(字幕)] 7点(2013-09-16 01:51:33) |
2179. 八日目の蝉
《ネタバレ》 誰がどういうことを考えてそうなってしまったのか分からないのだが、最大の敗因は、井上真央の側に重点を置きすぎてしまったこと。●原作では、まず逃亡時の部分を全部一続きにまとめることにより、先がどうなるか分からない、どこから誰が追ってくるか分からない主人公の不安感に読者を巻き込み、また逃亡終了の際のあっけなさ、容赦なさを際立たせることができた。しかも、そこから現在の話が始まることにより、自分が物心ついたときにはすべてが終了していて、その十字架を背負わされることになった、娘にとっての環境の理不尽さをも実感させることができた。この作品では、同時並行の形をとることで、永作の側は単なる過去の回想同様の扱いになってしまっている。裁判後(出所後)の永作が完全に無視されているのが、その象徴。●ラストの部分は、ほとんど別作品といってもいいくらい改変されているが、とりあえず、物語の最大のクライマックスである、岡山港でのすれ違いの場面を奪ったのはなぜなのか。また、娘が新たな視野に気づくのが、「その子はまだ朝ご飯を食べていないの」というたった一言であるところに意味があるのに、現像された写真などという分かりやすすぎるアイテムを持ち出しているのは、見る側をなめているとしか思えない。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2013-09-15 01:42:50) |
2180. 遠距離恋愛 彼女の決断
こんな凡庸な見るべきところのない脚本で実際に作品を作ってしまえるというのが謎だし、ドリューが今頃になって何でこんな作品に出ているのかというのも、謎。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2013-09-14 02:34:17) |