201. カラーパープル(1985)
《ネタバレ》 ほとんどが暗く悲しいシーンであり、また長い作品であるが、人間の持ついろいろな面を見せてくれて、また見終わった後もいろいろと考えさせてくれて、簡単に結論が出ないところが良い。●再見してどきっとしたのは、序盤、妻ソフィアへの対応に悩むハーポに対し、セリーがさらっと「殴れば?」と言ってしまうシーンです。彼女は父からも夫からも常に殴られてきたので、「言うことを聞かせる」=「殴る」だと思い込んでいる、というかそれ以外知らない。だから、ほかの人に対しても、その概念以外のことを伝えることができない。こういった連鎖の問題は現在でも着実に存在しますし、85年の時点でそれをするりと映画の中で表現してしまった手腕が素晴らしい。 [DVD(字幕)] 7点(2018-01-01 01:26:20) |
202. グレムリン
《ネタバレ》 あれ?こんなにつまんなかったっけ?と思ってしまった。主人公側は揃って頭が悪そうな上に行動にも工夫がまるでないし、グレムリン側も、どばっと一度に出てくるだけでは、かえって怖くなくなってしまう。唯一の見所は、ママのキッチン対決シーンでした。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2017-12-12 01:11:32) |
203. トッツィー
テンポ良く、決めるべき部分もきちんと決めて、分かりやすく進んでいくコメディの佳作ですね。終盤はちょっと強引でしたが・・・。ジェシカ・ラングが意外に可愛らしい役回りだったのはちょっと驚きました。●再見して気づいたのですが、これ、ジーナ・デイヴィスのデビュー作なんですね。で、いきなりの下着登場!これにはびっくり!その後も、出番がありそうながら画面の端に留められたりしているカットが多く、ジェシカよりもそっちの方が気になりました。 [DVD(字幕)] 7点(2017-12-10 02:07:17) |
204. 普通の人々
淡々とした平坦な会話が延々と続いているだけなのに、なぜか最後まで筋が追えてしまう不思議な作品。各登場人物は、同じことを繰り返しているように見えて、ラストに至るまで僅かずつではあるが確実に変化している。その過程の一つ一つを、陳腐な盛り上げを入れずに素直に映像に収めた誠実な姿勢が、作品を心に残るものにしている。 [DVD(字幕)] 7点(2017-11-26 12:58:34) |
205. グーニーズ
あまりにも面白くなさすぎで、びっくりしました。とにかく、子供らがワーワーうるさすぎ、その割に何かの才能もなければ子供ならではの知略もない。その前に、演技がまったくつけられていないので、見ていて辛いだけです。ケリー・グリーンの登場に2点。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2017-11-08 20:59:50) |
206. キャプテン(1981)
《ネタバレ》 傑作の原作にして、傑作のアニメ。その劇場版なんだから、内容はダイジェスト版でそもそも谷口期のみだとしても、良い内容に決まっている。さらにいえば、テレビ版よりこっちの方が先であり、この劇場版がなければあのテレビ版もなかったかもしれないわけなので、その意味でもこの作品の意義は大きい。とりあえず内容としては、あの谷口タカオ畢生の名台詞、「俺みたいな素質も才能もない者は、こうやるしか方法はないんだ」が聞ければ、それでいいのです。あ、でも、青葉との決着の改変はちょっと間抜けで、ここはやはり、イガラシの「もうキャプテンも俺も投げられやしないんだ!」が聞きたかったかなあ・・・。 [DVD(邦画)] 7点(2017-11-05 02:14:44) |
207. ノスタルジア
それぞれのシーンの「画」としての重量感や破壊力は、とてつもない水準に達しているのですが・・・しかし、登場人物は監督に都合の良いように動かされているだけであって、行動の必然性がないので、名画を何十枚も続けて展示されているようにしか見えませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-11-04 00:34:17) |
208. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ/完全版
《ネタバレ》 導入部分で、ちょっとだけ時系列をいじることで、突如醸し出される壮大さ。魔術を見ているようです。その後も、4時間近くあるのに、無駄なシーンや台詞もなければ、無理矢理エピソードを入れて盛り上げ(ようとす)ることもない。一方で、これでもかというくらいのエキストラが象徴する、一つ一つのシーンへの気合の入れ方。きちんと別世界に連れて行ってくれるという点で、貴重な作品です。なお、個別のシーンで強烈だったのは、デボラとの路上の初会話のところで、群衆に埋もれると思っていた(というか埋もれていた)ヌードルスとデボラに、いつの間にかフォーカスが当てられている手品のようなくだり。それと、デボラとの楽屋での再会シーンで、メイクを落としながら話をさせるという豪腕の演出。●難点は、後で絶対何かあるだろうと思っていたジョー・ペシが、何もなかったこと。病院で一瞬登場するのは何だったんだろう? [ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-10-01 02:43:38) |
209. 必殺4 恨みはらします
《ネタバレ》 いきなり血しぶきのオープニング、天草四郎か蟇田素藤かという右京亮軍団のいでたち、これでもかというくらい登場人物を詰め込む展開なんかは、まさに深作印全開なのです。したがって、本来の必殺との違いなどはあまり気にしないのですが、それでも、仕事の対象になってない警備侍チームを攻撃してしまうのはまずいでしょ。そもそも、警備に気づかれて乱入される時点でダメであって、仕事人はやっぱり、誰も気づかない間にひっそり闇に潜んでやってくれるのでなければ。●ところで、かつての因縁話に出てくるあのお菊さんって、あの小林ひとみさんですよね? [DVD(邦画)] 6点(2017-09-17 01:20:47) |
210. 必殺!Ⅲ 裏か表か
《ネタバレ》 このシリーズの中ではマシな方。しかし、当時レギュラーの政と竜に加え、助っ人の壱と参、さらには秀まで引っ張り出しての豪華顔合わせを実現していながら、全然使いこなされていない。というか、前半は仕事人連中がほとんど出てきません。浮気発覚の主水をせんとりつがかばうシーンは想定外のヒットでしたが、その後のお経で台無し、しかもその後のフォローなし。最後の討ち入りは、「チャンバラ映画として」は一流ですが、これってすでに仕事人じゃないでしょ。 [DVD(邦画)] 6点(2017-09-09 01:55:12) |
211. 必殺! ブラウン館の怪物たち
まあ、中身はどうしようもないくらいグシャグシャなんだけど、実は私は、仕事人では竜と政が一番好きなので、この2人が動いているだけで、そこそこ満足なのです。すみません・・・。 [DVD(邦画)] 3点(2017-09-08 01:43:17) |
212. 愛しのロクサーヌ
《ネタバレ》 古き良き80'sラブコメ、なはずなんだが、展開に工夫がなく、それぞれのシーンもありきたりなので、さほど印象に残らない。もっと馬鹿馬鹿しく盛り上げてこそ、ダリル・ハンナの美しさとラストの幸福感が強調されたはずです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-09-07 00:11:52) |
213. クリエイター
全然テーマがはっきりしていませんし、登場人物の造形も何とも中途半端です。したがって、キャラクター同士のぶつかり合いも起こっていないので、変化もドラマもありません。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2017-09-06 00:57:36) |
214. 彼のオートバイ、彼女の島
《ネタバレ》 肝心のオートバイシーンを格好良く撮っておらず、「ただ走っているだけ」なのは致命的。しかも、意味もなく通行車のミラーを破壊するとか、走行トラブルの相手を殴る蹴るだとか、ほとんど暴走族以下ではないのか?「すぐにカッとなる人は運転には向いていません」と教習所で習わなかったか? [DVD(邦画)] 3点(2017-06-04 04:47:38) |
215. ときめきサイエンス
《ネタバレ》 普通だったら、冴えないオタク風の男子2名が、勝手に作った美女に逆にいろいろ教育されて、厳格な父や横暴な兄や理不尽ないじめっ子を乗り越え、人間としても成長していく・・・みたいなロイヤルロード展開を想像するのですが、びっくりするくらい、そんなものはほとんどなし。その代わり、適当に思いついたシーンを、何の迷いもなく具体的に映像化していっているだけ。ここまでまっすぐだと、このどこかの高校のSF系映研のようなノリも嫌いではないです。そうそう、ヘタレ演技の第一人者・ビルパク先生が頑張って(無理して?)凶暴兄貴を演じているのも、見ていて微笑みが止まりません。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-05-24 04:13:45) |
216. 恐怖分子
《ネタバレ》 いくつかの並行したストーリーがやがて一本に収束していく魅力的な設定でありながら、みんなが同じような表情で同じような芝居しかしていないので、異なる世界が1つに合体・集約するときのダイナミックさやドラマの動きが出てこない。つまり、役者が脚本のレール通りに動いているだけということ。例えばホテルの部屋で少女が男を刺すシーンで、少女が画面の外から飛び込んでくる、手元も表情も映さない、カメラが動くとそこには開いたドアだけ、というような冴えた画面も時折あったりはするんですけど。 [DVD(字幕)] 4点(2017-05-21 01:26:35) |
217. 天空の城ラピュタ
《ネタバレ》 実は最も印象的だったのは、初井言栄さんの充実した声優ぶり。そりゃ、舞台やテレビで海賊の女親分なんて役は絶対不可能だから、本当にこの役は楽しかったんだろうな。それが声の端々から伝わってきます。気のせいか、画面上のドーラの表情もほかの登場人物よりよく描けているように見えます。●そう思って見てみると、この作品の名シーンは、(1)とぼとぼ戻ってきたパズーが、海賊団の仲間に入るシークエンス。「私の若い頃にそっくりだよ」の一言。(2)見張りの2人の会話を盗み聞きして起こるドーラの変化。(3)ナイフと銃の交換のシーンでの、パズーとドーラの信頼関係。と、どれもドーラ絡みなのです。 [ブルーレイ(邦画)] 6点(2017-05-07 23:58:49) |
218. 風の谷のナウシカ
前半はご都合主義的な展開が積み重ねられているだけで、一貫性がまったくなし。クライマックスに向かう終盤はややましだったが、話の発想としては実に単純で、目新しさが何もない。当時、この作品がクラスの話題の中心だった思い出に+1点。 [ブルーレイ(邦画)] 4点(2017-05-05 23:26:57) |
219. スパルタンX
《ネタバレ》 冒頭の無意味なトレーニングシーンから、スケボーアクション、悪ガキ軍団の退治・・・という導入部分は期待満点なのですが、そこからが何となく弱いかなあ。ユン・ピョウはその後意外と活躍しないし、サモハンは最後にフェンシングなんかやっちゃうし(まあ、一度はやってみたかったのかもしれないが)。ただ、カーチェイスのところで、細切れカットでごまかすことなく、遠景ショットで全体を撮り尽くしているところには、「ちゃんとやってるんだぞ~」的な誇りを感じて、さすがだと思いました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-05-03 23:12:13) |
220. 誘拐報道
これだけのキャストを投入しておいて、まったく使いこなせていないというか何というか・・・犯人側も捜査側も報道側も、ほとんどは同じようなやりとりの繰り返しだし、ドラマという点で何の進展も変化もない。そもそも、軸足をどこに置きたかったのか、視点がブレブレなのです。そんな中でも、当時7歳の高橋かおりの安定感と存在感は驚異的。ショーケンですら押されてるし、小柳ルミ子なんかはむしろ演技面で助けられてるぞ。点数は、彼女を発掘したという価値と功績に対して。 [DVD(邦画)] 5点(2017-04-21 01:24:55) |