201. ブラック・スワン
《ネタバレ》 あまり映画に意味とかテーマ性とかを求める方ではないのだが(面白けりゃいいじゃん!)、本作の鑑賞後に思ったことは、「で、結局何が言いたかったの?」である。要は舞台の主役を射止めた神経症気味のバレリーナが発狂して××するまでを描いたものだが、最後に「パーフェクト」とか言われてもねぇ…。この内容を扱うにしては、ダーレン・アロノフスキー監督はまとも過ぎるのではないかと思う。『レクイエム・フォー・ドリーム』を観た観客のほとんどは「麻薬って怖いね…」と思う筈だが、それこそがこの監督がまともである証だろう。本当はもっと狂った人が監督して、もっと狂った女優を起用すべきである。そういった観点からすれば、イザベル・アジャーニ×アンジェイ・ズラウスキー監督の『ポゼッション』は映画史上類を見ない狂人映画である。あれに比べれば本作は可愛いもの。 [映画館(字幕)] 6点(2012-02-04 14:35:19) |
202. 踊る大捜査線 秋の犯罪撲滅スペシャル<TVM>
《ネタバレ》 劇場版第1作への橋渡し的なTVスペシャル。いささかストーリーが生真面目過ぎる上、やや強引な展開が目立つ(都合良く現れる強盗や、放火犯の女一人を捕まえるのに人員を総動員する警視庁など)。青島と室井の確執を描くことで、劇場版を活かそうという試みだろうが、本作だけを単独で観てもあまり面白みはない。偉くなるのもゆるくないね~、室井さん。 [地上波(邦画)] 5点(2012-01-26 07:53:45) |
203. 踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル<TVM>
《ネタバレ》 登録ありがとうございます!!改めて「踊る」シリーズを観たのでレビューしようと思ったら、「初夏の交通安全スペシャル」はあるのに、歳末SPと秋SPがないではないか!…というわけで本作ですが、TVシリーズの最終回で交番勤務に戻された青島君が、湾岸署刑事課にカムバックするまでのお話。考えてみたら、15年も前の作品なので、みんな若い。長さんも生きてる。さらには、無名時代の仲間由紀恵や売出し中の広末涼子がチョイ役で出ているではないか!そんな新たな発見もあり、TVシリーズそのままの軽~いノリに頬が緩みっぱなし。ちょっと甘めに7点献上。 [地上波(邦画)] 7点(2012-01-26 07:33:01)(良:2票) |
204. ロボジー
《ネタバレ》 一緒に観に行った友人は、「微妙だな…」と言っていた。しかし、デビュー作の『裸足のピクニック』から矢口監督の作品を観ている自分にとっては、かなりツボだった(作中にわざわざ嘔吐シーンを入れる監督は信用できる)。正直、『ウォーターボーイズ』以降の作品は「らしくない」という印象だったが、今回はまさに本領発揮、矢口節全開だ。ロボットの中に爺さんを入れてしまおうという、そもそもの発想自体がいい加減。その爺さんを演じるのがミッキー・カーチス。周囲からは認知症と疑われ、家族からも若干疎まれ気味の孤独な老人だ。しかし、そんな彼が、ロボットを「演じる」ことで、ある種の生きがいを見出していく様は感動的でさえある。彼と共犯関係になる三人組のロボット開発者たち、そしてロボットに恋する女子大生。みんな不器用で孤独で、限りなく優しい。久し振りに良質の日本映画を観た。 [映画館(邦画)] 8点(2012-01-20 00:42:01)(良:2票) |
205. ジュリエットからの手紙
《ネタバレ》 あまり恋愛映画は観ない方なのだが、ここでの評価が高いので鑑賞。確かにヴァネッサ・レッドグレーブの「初恋の人探し」のくだりは、名女優の貫禄と相俟って素晴らしい。しかし、肝心のヒロインの恋愛模様が、「婚約者がいる身でありながら、旅先で会ったちょっといい男に恋をする」という手垢のついたネタでガッカリ…。そのために婚約者を自己中男に設定したのでは?と勘繰ってしまう。しかし、イタリアの情景と陽気なイタリアーノの人柄には心がほだされる。 [DVD(字幕)] 7点(2012-01-16 22:36:38) |
206. まほろ駅前多田便利軒
現代版「傷だらけの天使」のようなノリのバディ・ムービー。『探偵はBARにいる』でもそうだったが、松田龍平はこの手の相棒役をやるとハマる。 [DVD(邦画)] 7点(2012-01-16 22:31:00) |
207. スーパー!
《ネタバレ》 おっさん版『キック・アス』という感じ。しかし、未成年者に銃を持たせたあちらに対し、本作ではきちんと成人した男女がギャング相手に奮闘するという内容で、そこらへんのモラルは守っている(むろん本作の主人公は、トラビス並みの狂人であることに間違いはないが、映画的には遥かにこちらの方が正しい)。また、無自覚に殺人を楽しむエレン・ペイジ(いい女優さんだよな)の顛末は当然の結果であり、この作品に暴力礼賛というメッセージは感じられなかった。それにしても、この手の映画にケビン・ベーコンが出ていると、それだけで得した気分になってしまう(笑) [DVD(吹替)] 7点(2012-01-09 22:48:05) |
208. モールス
《ネタバレ》 オリジナルの『ぼくのエリ』には満点をつけている。今回のリメイクも非常に楽しみにしていたし、おおまかなラインはオリジナルにほぼ忠実に作られている。ヒロインが『キック・アス』のクロエ・モレッツということで、美少女度も高い。しかし…何故だろう、オリジナルを観た時に感じた、胸を締め付けられるような切なさが、本作には決定的に欠けているのだ。よって、究極のラブストーリーとして10点評価だったオリジナルに比べ、リメイク版はよく出来たジュブナイル・ホラーという観点で、7点までしかつけられない。 [DVD(吹替)] 7点(2012-01-09 22:34:52)(良:1票) |
209. 世界侵略:ロサンゼルス決戦
《ネタバレ》 現代のハリウッドの映像技術ならば、この程度のことは出来るだろうという想定内の範囲のことしか起こらない。地球外生命体による大規模な侵略というプロットは『インデペンデンス・デイ』や『宇宙戦争』を思わせるが、その文法は『プライベート・ライアン』以降の戦争映画のそれで、終始エイリアンとの白兵戦に描写が絞られている。暴力や戦争に対する鋭い考察なんてものも一切ない。「米軍最高!ヒャッホー!!」という、もろ体育会系のノリ。ミシェル・ロドリゲスが出ていなければ観なかったかな。 [DVD(吹替)] 5点(2012-01-09 22:27:21) |
210. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦
《ネタバレ》 お正月に観る映画は特に気を遣う。できればハズレのない名作を観たいのだが、あまり時間がないので、上映時間は短めが良い。そんなわけで、ここ数年はお正月にはアニメを観ることにしている。そして、笑いと感動を同時に味わえる作品と言えば…『クレヨンしんちゃん』しかない。中でも、『アッパレ!戦国大合戦』は10点以外つけようがないほどの傑作だ。今年もまた、しんちゃんを観て笑い転げて、感動のあまり涙するのだろう。 [DVD(邦画)] 10点(2012-01-04 23:28:18)(良:1票) |
211. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
《ネタバレ》 「オトナ帝国の逆襲」または「さようなら、21世紀」。劇場版『クレしん』の中でも、傑作と名高い本作。中年男性諸氏の涙腺を直撃した「ひろしの回想シーン」はマジで号泣です!!クライマックスでしんちゃんが鼻血を垂らしながらタワーを駆け上るシーン→「ずるいぞ!」のキメ台詞まで、もう涙が止まりません。「ジブリがなんぼのもんじゃい!」とでも言いたげな、笑いと涙の波状攻撃。これぞアニメ史上の傑作。 [DVD(邦画)] 10点(2012-01-04 23:18:26)(良:2票) |
212. キッズ・オールライト
もっとドタバタコメディを想像していたが、意外とシリアスに家族のあり方を描いており、そこは好みの分かれるところだろう。精子提供者のマーク・ラファロがいかにも軽薄そうなおっさんを好演。娘役のミア・ワシコウスカは『アリス・イン・ワンダーランド』の少女だが、色白の綺麗な子だな~とつくづく思った。もっと映画に出て欲しいものだ。 [DVD(字幕)] 6点(2011-12-22 09:20:11) |
213. トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン
《ネタバレ》 映像10点、ストーリー0点という出来。はっきり言って90分過ぎたあたりからのシカゴ決戦だけを観れば良いと思う。アポロ計画だの新しい彼女だの就職活動だのはどうでも良い。途中ウトウトしてストーリーが判らなくなったが、全く何の問題もなかった。圧倒的なビルの倒壊以上に、脚本が決定的に崩壊している。しかしそれでも良いのだろう。監督がマイケル・ベイなのだから。 [DVD(吹替)] 7点(2011-12-17 19:40:44)(笑:1票) (良:1票) |
214. ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
《ネタバレ》 いつの間にかシリーズも4作目。監督はピクサーアニメのブラッド・バード。実写でもイケルことを証明した。前作に引き続き、サイモン・ペッグが続投してくれたのは嬉しい限り。コメディリリーフとして良い味を出していた。全体的にハラハラドキドキで飽きさせない出来。今回の悪役は核戦争を起こして世界平和を願う(?)というトンデモキャラで、ちょっと昔の007を思い出した。トム・クルーズは若干お年を召した印象で、アクションも疲れ気味か? [映画館(字幕)] 7点(2011-12-16 22:06:50)(良:1票) |
215. マイ・バック・ページ
《ネタバレ》 実体の伴わない「言葉遊び」をしているだけの学生運動家・松ケン、そんな彼の言動に翻弄されるジャーナリスト・妻夫木。やがては時代の波と共にのっぴきならない状況に追い込まれる(あるいは自らはまり込む)彼ら。70年代初頭を生きた二人の若者の苦い青春を描いた、山下監督渾身の一作。ざらついた映像に、当時を再現した美術、衣装、そして脇を固める「大人たち」の自然体の演技は圧巻。当時をよく知らなくても、そのリアルさには目を見張る。虚を突かれた時の松ケンの歪んだ口元が印象的。そして、もちろんラストの妻夫木の涙。あの瞬間のためにそれまでの長い2時間があったのだろう。 [DVD(邦画)] 8点(2011-12-16 21:54:26)(良:1票) |
216. ハンナ
《ネタバレ》 『ラブリーボーン』の愛くるしい幽霊シアーシャ・ローナンが、殺しのテクニックを身につけた殺人少女に変貌。彼女の今後に期待できる。内容は『ニキータ』のようなものか?と思いつつも、父親とCIAの女エージェントの目的がさっぱり判らず、ハンナが『ラン・ローラ・ラン』ばりにただ全速力で突っ走っている印象。もうちょっとハードでストイックな作品を期待していたが、ちょっと当てが外れた。『HANNA』のタイトルが出るオープニングとエンディングは格好良いのだが。 [DVD(吹替)] 6点(2011-12-16 01:10:21) |
217. スター・ウォーズ/ジェダイの復讐
《ネタバレ》 何だか随分イウォーク達の評判が良くないみたいだが(シルバニアファミリーって…)、個人的には可愛くて良かったよ。ちっちゃなクマさんたちが原始的な武器で帝国軍に立ち向かうってだけで泣けてくる。ところで、このシリーズはやはり画の見せ方が巧い。砂漠→雪原→森林と、シリーズごとに舞台を変え、そこで新たなアクションシークエンスを作り出すのだから、恐れ入る。修正版ではラストにアナキン(ヘイデン・クリステンセン)がヨーダとオビ=ワンと共に現れるシーンがあり、エピソード1~3を観た者にはじーんとくる。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2011-12-15 17:17:48) |
218. スター・ウォーズ/帝国の逆襲
《ネタバレ》 本作をシリーズ最高傑作と推すファンも多いようで。確かに単なる子供向けの冒険活劇に過ぎなかった前作と比べると、大人の鑑賞にも耐え得るストーリーとなっている。また、エピソード6への繋ぎとして、何もかも投げっぱなしの終わり方は逆に新鮮で良かった。ところで、ルーク役のマーク・ハミルは前作の撮影後に事故に遭い顔面を損傷したため、本作ではまるで顔つきが変わってしまっている(冒頭で雪男に顔を殴打されるシーンがあるのは、その説明付けのためと言われている)。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2011-12-15 17:07:57)(良:1票) |
219. スター・ウォーズ
《ネタバレ》 ジョン・ウィリアムスによるかの有名なテーマ曲と共に「STAR WARS」の文字がドーンと画面に現れ、エピソード4のあらすじが宇宙の彼方に向かって流れていくオープニング。これにはまんまとやられました。しかし、内容はいたって子供向けのSF映画という印象。タイトルに「WARS」とついているくらいだから、当然<戦争映画>としての側面もあるはずなのに、人が死ぬことの「痛み」がほとんど感じられない。ルークとレイア姫の育ての親があっさりと殺されるが、あまりにもあっさりしすぎ。オビ=ワンがダース・ベイダーに斬られた途端、消滅してしまうのも「?」でした(オビ=ワンにいたっては、その後も幽霊?になって何度も出てくるものだから、本当に死んだのかどうか判然としない)。『隠し砦の三悪人』から着想を得たという、ロボットコンビのやり取りは面白かった(会社の掃除機が青くて丸くてR2-D2に見えてしまう)。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2011-12-15 16:57:21)(良:1票) |
220. SUPER8/スーパーエイト(2011)
《ネタバレ》 子供の頃に観ていたらもっと素直に楽しめただろう。自分はスピルバーグの『E.T.』よりも、スティーヴン・キングの『IT』を思い出した。ジュブナイルSFとしてはそれなりに面白いが、皆さん仰っているように、エイリアンに感情移入できないというのがそもそも問題(←人を喰うなよ!)。エンドロールのゾンビ映画がいちばん面白かったというのは何とも皮肉。 [DVD(吹替)] 6点(2011-12-05 21:54:44) |