2221. 冒険者たち(1967)
もっともらしくあれこれ活動していますけど、前提となるスリルが感じられないのです。それぞれのパートも、あまりつながっているようには思えません。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-04-20 02:34:29) |
2222. ハンサム★スーツ
《ネタバレ》 昔のドラマは、「不細工であっても心の良さが花開いて最後にはいい目を見る」というのが、1つの定番であった。しかし、ある時期から、「そんなこと言ったって、実際には、見た目で全部決まっちゃうだろ。ありもしない話をするな」と見る側が変にスレてしまって、その王道パターンはいつしか廃れていった。この作品は、その失われた美徳を、おそらくは批判も嘲笑も覚悟の上で、見事なほどになぞっている。その制作姿勢そのものが、不細工の根性を最後には見せてくれる主人公の歩みそのものである。だから私はこの作品を支持する。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-04-18 00:52:11) |
2223. 最高の人生の見つけ方(2007)
肝心の2人の「それに至るまでの背景」にまったく配慮されていないので、死期を前にした脱走という設定に説得力が全然ない。というより、設定のための設定になってしまっている。したがって、ニコルソンとフリーマンをいくら掛け合わせても、「ただ喋っているだけ」であって、とても演技のぶつかり合いにはなっていない。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2013-04-15 01:00:09) |
2224. トイレット
前作や前々作に比べると、独特のクセは少し控えめなんだけど、それでもやっぱり人物が無機質でプラスチックなんだよなあ。ここはこうやって何を言わんとしているのですというのが、見えすぎなのです。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2013-04-14 22:37:31) |
2225. ラブ & ドラッグ
《ネタバレ》 ズウィックがいきなりこんな正統派ラブロマンスだという時点で、何か普通の作品とは違うのか?というある種の期待がよぎってしまうわけですが、特に違いはありませんでした。アン・ハサウェイにパーキンソンの役をやらせるというのも、もう少しそれを生かした何かがあると思ったのですが(ただ、脱ぎっぷりの良さにはびっくり)。導入部がちょっとまわりくどいのと、その後も、二人してうじうじ考えているだけで、ドラマとしての動きがさほどないんですよね。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2013-04-13 23:11:21)(良:1票) |
2226. チーム・バチスタの栄光
《ネタバレ》 原作の冴えない男性主人公を見栄えの良い女性に変えるって、この作品の15年も前に東野圭吾がそのネタで短編小説を1本書いてまで馬鹿にした手法だっていうのに、まだ堂々とそんなことをしてしまっている鈍感さに驚き。まあ、竹内結子は、そんな大損な役回りを押しつけられても、何とか雰囲気を壊さない程度にコメディ風味を入れて、頑張ってましたけどね。あと、この作品世界では、チーム・バチスタがいかに最強であるかを構築しておかないと、そこに切り込んでいく主人公たちのスリリングさが出てこないのに、その表現が劇中特集番組の説明部分だけって、前提が成立しないでしょ。それと、テレビドラマなみに安っぽい美術と照明も気になりました。ただし、執刀の場面で、見る側に専門用語が分かるかとか、人が動いた方が絵面が良いんじゃないかとか、余計なことを考えず、淡々とそのプロセスを追っていたのは、当然のこととはいえ、評価したい。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2013-04-12 02:11:48) |
2227. 余命1ヶ月の花嫁
何だかもう、脚本の言葉選びも役者の演技も各場面の組み立ても、すべてが説明的であり、安っぽく、稚拙。制作側のものすごい限界を感じてしまう。これを実話だと言って広報してしまうのは、モデルに失礼なのではないだろうか。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2013-04-11 02:05:02) |
2228. ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌
《ネタバレ》 これだけドカンドカンとドンパチズドドドだけで成り立っている作品の、どこがハード・ボイルドなのでしょうか(笑)。しかし、それだけ1つの要因だけに徹底して、クライマックスの病院で延々何十分も引っ張り続ける執念は、逆に凄い。さりげなく挿入される病院廊下の長回しも、きらっと光っていました。それにしても、敵の集団、武装占拠組だけでいったい何十人の大組織なんだろう。あれだけ頭数がいたら、もっと何でもできるような気がするけど。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-04-09 03:06:42) |
2229. まほろ駅前多田便利軒
《ネタバレ》 導入部分では、このまま焦点がはっきりせず雰囲気だけで流れていくのかな・・・と危惧していたのですが、登場人物が実際に動き出してからは、ぎりぎりのところで破綻せずにきちんとまとまっていました。主人公が便利屋という自分の基盤についてぶれていないところが、作品に線を通しています。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-04-08 03:30:02) |
2230. ローマ、愛の部屋
《ネタバレ》 主演女優の2人が最初から最後までほとんど全裸(!)というとんでもない設定でありながら、その設定に、あるいは女優の裸そのものに依存することなく、その中にドラマがきちんと封じ込められている。性的衝動すら凌駕するほど、そして何かの不安を押し隠すかのように繰り広げられる会話群がベースなのだが、その中でも、イタリア人従業員が3Pを断られて心底残念そうな顔をするなんていう爆笑的場面も挟みつつ、衣を脱いだり来たりのタイミングや各場面の2人の立ち位置、数回行われる性行為の意味合いの違いまで細かく計算したバランス感覚が絶妙。そして、その末に訪れる着地点の切なさは、エロティック版「恋人までの距離」(!!)と言いたくなってしまうほど。さらには、パソコンやボトルや携帯などの小道具の使い方、女優の体を綺麗に映す照明の当て方、重苦しい夜と爽快な朝の映像的な表現対比、作品を下品に流さないことに貢献している巧妙な挿入音楽など、テクニックにも周到な配慮が払われている。こんなエロ作品に高得点をつけたら良識を疑われちゃうなどと心配しつつも、けなすべき要素がないのです。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-08 00:53:06)(良:1票) |
2231. X-MEN:ファイナル ディシジョン
最後の大決戦の迫力はまあまあだったけど、大味といえば大味だし、個々の戦闘の締め方は結構雑。結局、キャラクターの詰め込みすぎに尽きるのではないでしょうか。それなりに魅力的でありながら、途中からどこ行ったキャラがいくつもあるし、処理しきれなかった感が満載です。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2013-04-07 00:30:59) |
2232. シティヒート(1984)
せっかくのキャスティングを全然生かしてないような・・・やっぱりイーストウッドは、通常人の皮を被った実はかなりずれてる奴、という役のときが一番光っていますね。この作品では、あまりにも普通すぎ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2013-04-07 00:20:19) |
2233. 機関車先生(2004)
《ネタバレ》 子供たちや島の人たちのいかにも「純朴でいい人たちでしょ?」と言わんばかりのステレオタイプで凡庸な描き方(それは逆側の「よそ者排斥派」も同じ)も問題なのだが、それ以上に根本的な問題点が2つ。まず、口がきけないという設定でありながら、ではどのようにコミュニケートを行ったのかという点がまったく描かれていない。発声言語がないのであれば、表情、仕草、動作など、程度は別としても表現はしないといけないのでは?子供たちは主人公のどこから何を学んだの?また、教員を主人公としていながら、教壇で、あるいは教室で、何をしたのか、どういうメッセージを発したのかという点が、完全に無視されている。剣道の試合で優勝してめでたしめでたし、全部解決というのであれば、主人公が島に来た意義からして自ら全否定しちゃってるでしょ。なので、最後に「君たちから言葉を学びました」などと文面だけで言われても、何の説得力もなく、空っぽの虚しさが吹き上げてくるだけなのです。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2013-04-02 01:54:24) |
2234. 危険な女たち
《ネタバレ》 いかにもな人たちが吸い寄せられるように別荘に集まってきて、いかにもな雰囲気の中で事件が起き、それらしい手がかりが撒かれたところまでは良かったんですよ。説明台詞とか、ちょっと安っぽい雰囲気には目をつぶって。ところが、みんなが別荘を去ってからは、出方が脇役っぽかった和由布子や夏八木勲はまだしも、結構なキーパーソン的な感じで出ていた藤真利子も三田村邦彦も出てこない!せっかくあれだけ「どの人でも犯人になれるし動機も想定できる(子供でさえ)」という環境を作っておいて、何でそれを自分でぶち壊すような真似をするの?この落差にはびっくりでした。 [DVD(邦画)] 5点(2013-04-01 03:15:05) |
2235. ホワイトアウト(2000)
《ネタバレ》 背景の省略できるところは省略してどこまでもアクションと対決に徹するなど、頑張っているのは分かるんですよ、頑張っているのは。だけど・・・制作側のセンスの上でのいろんな弱点がもろに足を引っ張ってしまいましたね。まず、セットや映像が綺麗すぎ、明るすぎ。その上で、せっかくダムを舞台にしていながら、ダムの雄大さ、堅固さを示す映像がほとんどない。つまり、その辺の山小屋を舞台にしているのと同じなのです。そしてやっぱり、終盤では変な感傷的表現の大暴発。流れと統一性を破壊しているのに気づかないのかな? [CS・衛星(邦画)] 4点(2013-03-31 23:08:33) |
2236. その土曜日、7時58分
《ネタバレ》 多角視点モノはもともと好きなのですが、それ以上に、このキャスティングだと、演技アンサンブルだけで十分楽しめますね。大御所アルバート・フィニーが最初あまり目立たないんだけど、途中から地響きを立てるようにせり上がってくる流れなどは、演出側と演技側の双方の風格を感じさせます。マリサ・トメイは、裏で絶対に何かやってるだろうと思っていたら何もなかったのは拍子抜けだったのですが、脱ぎっぷりのよさには力強く拍手。 [DVD(字幕)] 7点(2013-03-31 02:09:28)(良:1票) |
2237. アリス・イン・ワンダーランド
すべての方向性が中途半端で、物語が何も存在しない。筋は分かり切っているのだから、そこに何を解釈するのかということを組み入れないと、わざわざ作る意味がないと思うのだが。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2013-03-26 02:16:42) |
2238. 柳生一族の陰謀
《ネタバレ》 ●もう、冒頭の秀忠の葬儀シーンだけで、あまりの豪華キャストっぷりに失禁しそうになるわけですが、そこからもさらに出てくる出てくる、いろんな人が。●これだけ演技もアクションもできる役者が揃っていて、美術や衣装関係もきちんと揃っていたら、撮っていても監督は滅茶苦茶楽しかったんだろうなあ。そんな勢いまで伝わってきます。というか、これ、歴史をネタにした任侠映画であって、やってることは組長の跡目争いじゃん。その暴走した表現意欲が、奇跡的に全部プラスに働いています。●出雲の阿国にしても、尾張大納言にしても、小笠原玄信斎にしても、別にいなくてもストーリーは成り立ってしまうんだけど、そこに強引になおもサブキャラを噛ませていって、しかもそれぞれにちゃんと見せ場を用意してしまう豪腕ぶりが凄い。●公家衆という、ほとんどの時代劇では無視されている存在をここまで引っ張り上げた成田三樹夫、僅かな出番で忘れがたい存在感を残す夏八木勲、最後のちょっとした変化ですべてを表現している山田五十鈴、可憐というにも程がある大原麗子、はまり役の主演でありながら常に回りを立てる演技をしている千葉真一、共演シーンはほとんどないのに、常に他方の存在を念頭に置いた表現をしている松方弘樹&西郷輝彦、俳優陣の充実ぶりは、挙げていくときりがない。●あとやっぱり、こういうときのナレーターは、鈴木瑞穂大先生に優る方はおられません。 [DVD(邦画)] 9点(2013-03-26 02:02:10) |
2239. 刑務所の中
結局は主人公のモノローグが全部説明してしまっているわけで、それならば映画として何が表現したかったのか、その目的が不明。主人公自体、特段の意思も欲求も思考も感じられず、キャラクターとしての魅力がない。これは根源の創造性の問題なので、山崎努をもってしてもどうしようもないのです。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2013-03-24 02:18:27) |
2240. 早熟 ~青い蕾(つぼみ)~
《ネタバレ》 まさか2005年にもなって、こんなベタベタの作品を堂々と発表してしまう根性に驚嘆。これに対抗できるのは、関根恵子のデビュー直後の一連の作品くらいではないか。ただ、ベタなのは嫌いではないのだが、全体的にいろいろと都合良すぎというか、登場人物の人格よりも進行の便宜の方を優先してるっぽい箇所がいくつか目についた。 [DVD(字幕)] 6点(2013-03-20 01:04:42) |