221. カンバセーション・・・盗聴・・・
《ネタバレ》 前半の、同じ会話と同じ公園のシーンが執拗に繰り返され、そこからじわじわと次の展開が浮かび上がる構成力はなかなか。後半は違う世界に行ってしまい、結局何がしたかったのかはよく分からないのですが、74年の時点でこういったサイコ/一人称妄想系サスペンスに正面から取り組んでいたという点は、評価すべきかも。いろんな有名作品の源流が、実はここにあるのかもしれません。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-07-09 02:15:51) |
222. 異邦人の河
中身の大半は、ジョニー大倉扮する主人公がああだこうだうじうじうだうだと悩んだり行ったり戻ったりしているだけというお話。しかし、それでも作品世界を完結して成り立たせているジョニーのキャラの濃さというかアクの強さは、かなり貴重かもしれん。 [DVD(邦画)] 5点(2016-05-12 01:42:10) |
223. 11人のカウボーイ
《ネタバレ》 ホノボノムード全開の前半はあまり面白くないのですが、終盤のウェインとロングヘアーの対決の結果にはびっくり。その前に追跡を察知し、襲撃も想定している台詞があったので、まさかそれはないと思っていたのですが。途中までは区別がつかなかった少年たちも、ここから俄然良い顔つきになっています。あと、お姉ちゃん集団のその後が気になる・・・。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-05-06 00:23:00) |
224. ダーティハリー3
《ネタバレ》 2よりもさらに作りは大味なのだが、「とにかくキレて悪をぶっ放す」という線で統一しているのは、2よりもむしろ1に忠実な作りを感じさせる。犯人団がわざわざ逃げ場のないアルカトラスに立てこもるのはどうやってもありえないが、実は一番凄いのは、無邪気に登場する女性相棒刑事も最後は容赦なく殺していること。大抵の映画なら、このパターンは、何だかんだあって最後はいい雰囲気の名コンビになります、なんだけど、ハリーの鉄則(相棒は必ず不幸な目に遭う)の前には女だろうが関係ねえぜ、という制作者の不敵な態度が垣間見えて、この一貫性が作品を救っています。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-05-01 00:32:28) |
225. 父/パードレ・パドローネ
風景のインパクトとか、含蓄のありそうな台詞とか、シーンごとのいい感じのタメとか、個別に切り取ると魅力的な箇所はいくつもあるのですが・・・全体を通す芯とか筋がないので、優秀な切り絵をたくさん見ている感じでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-01-24 01:58:11) |
226. エクソシスト
《ネタバレ》 何か、全般的にえらくのんびりしているというか、当事者たち(少女除く)にも危機感なさそうというか、そんな雰囲気を感じてしまったのですが・・・前置きの長さにも、ちょっとびっくりしました。 [DVD(字幕)] 5点(2016-01-16 02:08:40) |
227. 地の群れ
《ネタバレ》 ここまでの人の心のどろどろした内容を具現化しようとした創造意欲には凄いものがあるし、1つの事件をきっかけに世界が集約していく終盤の迫力もなかなか。示唆深い割に容赦がないラストも印象深い。しかし、それに比べて前半は著しく未整理だし、主人公の過去のエピソードなんかも、あまり効果的に機能していないんだよな。 [DVD(邦画)] 5点(2016-01-11 00:37:26) |
228. レッド・バロン(1971)
《ネタバレ》 戦闘機隊の優美な飛行の撮り方については、背景の絵も含めてこだわり十分であり、しかも途中からは機体が華麗な極彩色になっていくという美味しい展開つき。なんだけど、地上に降りてからの部分は途端に物足りなくなっており、ここをもっと発展させたら地上も空中も両方引き立つのに・・・と思わせる箇所が多かった。 [DVD(字幕)] 5点(2015-12-27 01:06:32) |
229. 真田幸村の謀略
せっかくの十勇士という美味しいネタを使っていながら、全然生かされてないんですね。それぞれの勇士の個性なり特技なりという要素が掘り込まれていないので、いざ勢揃いという局面になっても、ちっともぞくぞくしない。しかもその後も、活躍らしい活躍をするわけでもなく。むしろ、描写という点においては、家康の方がはるかに主役っぽい扱いでした。役者陣の演技も何かみんなつまらなそうで、脚本や演出における熱の低さみたいなものを物語っています。 [DVD(邦画)] 5点(2015-10-12 01:02:09) |
230. 小さな巨人
《ネタバレ》 とにかく、細切れのエピソードをひたすら最後まで都合よく積み重ねているだけなのですが、終わってみたら何となくまとまっている気がするのが不思議。主人公が最後までうだうだしていて、何かがあっても別に立ち向かうわけではないという設定で通しているのが(序盤で主人公は銃撃が得意であることが描かれながら、その能力を使う場面は最後まで登場しない)、作品に一貫性を与えている。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-09-14 23:26:52) |
231. トラ・トラ・トラ!
《ネタバレ》 中盤過ぎまでは、日本側が美術関係も会議の台詞一つ一つも異様にこだわっているのに対し、アメリカ側は司令室みたいな室内でああだこうだやっているシーンの繰り返しで、撮影の空気感自体がやたら呑気なのである。しかし、いざ攻撃シーンに入ると、突然怒濤の大反撃というか、やはり零戦が存分に宙を飛び交う(ただ零戦を撮るだけではなくて、背景と比較した見え方まで配慮している)迫力満載の映像大展開です。というわけで、真珠湾攻撃自体は、まあきちんと描かれているとは思いますが、これをきちんとしようとするのであれば、その背景になったアジア情勢とかヨーロッパ情勢とかも、ほんとはその前に盛り込んでおかないといけないんだけどね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-08-14 02:35:24) |
232. 大いなる勇者
《ネタバレ》 ショーン・ペンは、「イントゥ・ザ・ワイルド」を撮るときには、大分この作品を参考にしたのかなあ、とか楽しい想像もよぎる作品。導入部の静謐さがもたらす迫力はなかなかなのだが、話が進むほど、クロウ族との戦いに特化するような感じになって、主人公のスタートの立ち位置はどこに行ったの?と思ってしまう。最後の方で、主人公を何か伝説の存在っぽく持って行こうとしているのも、やや違和感。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-08-06 23:57:31) |
233. マジェスティック(1974)
《ネタバレ》 演出はところどころ妙に切れがあって面白いんだけど(最後の山荘の決戦、垂直方向と水平方向がクロスする構図とか)、肝心の前提がかなり強引で、どっちも何でそんなにムキになってるの?という感が拭い去れないのです。敵ボスも、逃走中にコケにされてムカついたというだけでは、ほかのことを全部放っといて主人公だけに固執する理由になるのかと思いますし、そもそもあれだけノーガードの主人公、その気になればいつでもどうとでもできたような・・・。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-07-13 01:34:56) |
234. ドラゴンへの道/最後のブルース・リー
《ネタバレ》 リーが突く。リーが蹴る。リーが殴る。ただひたすらそれを鑑賞し続ける作品。もちろん、それだけでも価値はある。自分で監督までやっちゃったら、そりゃ、こうしたくもなるわな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-06-26 02:59:54) |
235. 狼の挽歌
《ネタバレ》 導入部の、背景の説明一切なしのカーチェイスはなかなか。バックミラーの多用、狭い道のうねうね感がスリルを高めている。なんだけど、中盤は何となくだれてしまい、敵ボスも格好良く見えないのだが、結局これはラスト10分の鑑賞に行き着くための作品だったのだな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-05-04 02:36:29) |
236. 水戸黄門(1978)
当然のごとく、最初から最後まで全部お約束なのだが、たまにはお茶漬けをいただくことも必要なように、基本を思い出すことは大事。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-11-08 03:23:37) |
237. ジャッカルの日
《ネタバレ》 ひたすらターゲットに向けて一歩一歩進んでいく暗殺者と、それを地道にじわじわ追っていく捜査官。その構造だけで、中途半端な盛り上げを入れずに最後まで通した構成は潔いが、それならば知能戦的な部分はもっと見たかった。この描写だと、能力に優れたから対決やバトルが生じたというよりも、互いに相手の抜けている部分に助けられたように見えてしまう。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-10-19 02:57:51) |
238. 燃えよドラゴン
《ネタバレ》 ブルース・リーについては、アクション・シーン以上に、忍び込むときや隠れるときのしなやかな身のこなしの方が美しいと思いました。ただ、それ以外のすべてというか、筋立てや各シーンの設定なんかはものすごく雑でいい加減で、せっかくのリーの存在がもたらすはずの「熱さ」の部分を大きく削いでいるだけのような気が。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-08-15 01:25:17) |
239. サブウェイ・パニック
《ネタバレ》 犯人の作戦全体にも工夫があんまりないし、捜査側もワーワー騒いでいるだけであって、人質を取られながらも知能戦でクリアするという側面もないし、かといってとにかく何とかしようという情熱があるわけでもない。いっそこれだったら、思いっきりコメディチックにした方がよかったのではないかとさえ思います。導入部の犯人組がするする入っていく格好良さ以外には、あまり見るべきところがありませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-02-02 00:31:04) |
240. チャイコフスキー
力が入っていて真面目な作りなのは認めますが、伝記ものにありがちな罠として、主人公の一生を再現して追っていくところで手一杯になっていて、彼の何を表現したかったのかが不明なのです。彼が何を作曲したのか、は分かっても、彼がそのとき何を発想していたのか、は分かりません。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-02-23 23:57:14) |