221. けんかえれじい
《ネタバレ》 鈴木清順監督作品の中では比較的まともな方なのだが、それでも何だかギクシャクしてみえた。 なんか最初から最後までしっくりこない感じ。 それでもって特別見所もなく、特別面白いわけでもなく・・・ 鈴木清順監督の風変わりぶりだけを堪能すべき作品か。 終り方は確かに合点がいかない。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-04-21 23:19:05) |
222. 天国と地獄
《ネタバレ》 香川京子のムダ肉のない二の腕に釘付け。 アラン・ドロンも認めた三船敏郎のダンディズムに陶酔。 さて、前半の室内における心理劇は面白かったが、どうにかして三船敏郎に身代金を肩代わりさせようとするシナリオに、わざとらしさを感じた。 出発しようとして、なかなか出発しない三橋達也にも苛立ちを感じ、「うだうだ言ってないで早く出発しろや!コラ!!」と言いたくなった。 後半の犯人を追い詰めるくだりは、はっきり言ってそれほどの凄さは感じられない。 ただ、横浜の黄金町やドヤ街を舞台にした犯人と刑事との追走劇は、喧騒と不気味さの相まった街の雰囲気が存分に演出されており、緊迫感を盛り立てるような臨場感があった。 ラストシーンに関しては、山崎努の絶叫よりも、むしろ三船敏郎の落ち着きぶりの方が印象に残った。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-04-17 23:24:40)(良:1票) |
223. ワイルドバンチ
《ネタバレ》 ラストの銃撃戦とソーントンが一人座り込むシーンのみ印象的だった。 あとはひたすら平坦で、派手な爆破シーンやアクションシーンばかりで退屈極まりない。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-04-11 21:58:32) |
224. 殺しのテクニック
《ネタバレ》 終盤近くまで、「なんて中途半端なんだろう・・・」と思いながら鑑賞していた。 主人公の佇まいや音楽、度々訪れるイベントなどが、全て月並みで作りこんだ感じがしないのだ。 しかしラストシーンでの主人公とセキとの勝負シーンは、リアリティもあって楽しかった。 このラストシーンがなかったら、それこそ形だけの二流フィルムノワールになっていただろう。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-03-31 22:54:54) |
225. シェルブールの雨傘
《ネタバレ》 普通のミュージカルが苦手な私にとっては、セリフまで全て歌にのせるという実験的な本作の試みは、むしろ入り込みやすかった。 セリフは普通に話し、そしていきなり歌って踊り出すというギクシャク(私にはそう感じる)とした普通のミュージカルよりも、かえって移入しやすかったのだ。 本作は、とにかく色彩が素晴らしい! 登場人物達の服の色と、何らかの背景の色をシンクロさせるという、徹底的な演出には、思わず唸ってしまった。 そして、それらの華やかな色合いにも負けず劣らずカトリーヌ・ドヌーヴの金髪が輝いてみえた! その後のドヌーヴの飛躍も納得できるオーラを放っていたように思う。 内容だが、それにしても切ないストーリーだ。 特にラストの、雪が降る中の真っ白なガソリンスタンドでの二人の再会。 どうにも逆らいようのなかった二人の人生のすれ違いに、ため息が出た。 男女の出会いには、とかくタイミングが大きな鍵を握るが、本作のこの顛末を観ると、まさしくそう感じてしまう。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-03-29 22:55:31) |
226. 皆殺しの天使
不条理劇と言えば聞こえは良いが、単に「屋敷から抜け出せない」という原因を明らかにせず、適当にはぐらかしただけのように感じた。 最低限、屋敷から出られないだけの何らかの設定をもっと明確にしてほしかった。 いや、百歩譲って、屋敷から抜け出せないのはまだ許せるとしても、外部の人間が中に入れないというのは、いくらなんでも説得力を欠き、閉鎖的な空間における不条理劇を盛り上げるどころか盛り下げてしまっている。 不条理劇を描くにしても、最低限のリアリティや設定が必要だと思うのだが・・・ [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-03-21 01:21:37) |
227. イージー・ライダー
ロード・ムービーとしての面白味はイマイチだったが、男の自由な生き様を描いた部分は、なかなか良かった。 ジャック・ニコルソンが酒を飲んだ後に、脇をキュッキュっとやるあのパフォーマンが面白かった。 まあ、楽しくもなくつまらなくもないといったレベルだろうか。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-03-18 23:57:57) |
228. ニッポン無責任野郎
植木等が超人的すぎて、気楽にサラリーマン稼業をやっていくことについて、参考にならなかった(苦笑) [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-03-16 23:38:54) |
229. 憂国
《ネタバレ》 これがこの世のものとは思えない代物で、暗いモノクロ映像と相まって、気色の悪さ全開の作品だった。 例えれば、昔のTV番組「あなたの知らない世界」を更にヤバくした感じ。 三島由紀夫が製作、監督、原作、脚本、美術、そして主演もつとめているが、その内容と雰囲気たるや、三島由紀夫そのものだ。 “ハラキリ”のシーンが出てくるが、これがまたやたらに気色悪く、三島由紀夫が実際に割腹自殺をはかった事実もあり、背筋がゾクっとした。 [インターネット(字幕)] 4点(2010-03-06 10:00:11) |
230. サウンド・オブ・ミュージック
《ネタバレ》 特権階級の身勝手で都合よすぎる行動に不快感が上昇。 女の方は、修道女でありながら規律を守らず、男に恋をして勝手に飛び出す。 男の方は、軍隊式教育で子供を縛りつけ、若い後妻をもらってご満悦。 子供は合唱に駆り出され合掌。 最後は都合よく小さい子供を連れての山越え。 いかにも戦勝国アメリカが作りそうな、綺麗どこ取り自分だけ幸せ取りな内容で、表面的に歌と踊りで綺麗に着飾っただけの、真実の見えない、まさにおとぎ話。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2010-02-24 23:19:20) |
231. キューポラのある街
日本映画オールタイムベストなどで常連の『キューポラのある街』、やっと観ることができた。 所得倍増計画と叫びながら、日本中がこれから経済を盛り立てようと勢いづいていた時代、東京隣りの川口では、その時代の波に飲み込まれ、鋳物で生計を立てていた川口の人々は、あらゆる面での新陳代謝を余儀なくされていた。 そうした激動の昭和史を語る上で、本作はこれ以上ない作品と言えよう。 当時の、下町に住む市井の人々の暮らしを事細かに描きつつ、そこに生活する人々の希望や悩みを、実に丁寧に描いている。 主演の吉永小百合は、まだ幼さが残り、元気溌剌とした演技で、スクリーンを縦横無尽に駆け巡る。 昔かたぎの職人の失業など、現実的で暗い題材を扱いながらも、こうした吉永小百合の天真爛漫たる明るさが、見事なコントラストでもって浮かび上がっていた。 希望をもたせるラストも見事で、実によくまとまった名作だとは思うが、吉永小百合が個人的に好みではないという部分と、優等生すぎる内容に関しては、やや不満を感じた。 吉永小百合が主演をしている時点で、骨太な内容を求めるのは無理があるかもしれないが、もう少し見応えのある土くさい作品だったら、どうなっただろうか、と無いものねだりな興味がわいた。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-02-19 01:05:49) |
232. ロシュフォールの恋人たち
色の使い方がとっても素敵! 女性たちの衣装、そして部屋の装飾。 それらの色合いを見ているだけでも楽しめてしまう映画。 カラー作品初期に特有の、コントラストのはっきりした色使いに心奪われた。 しかし疑問なのは、ミュージカルという体裁を取り、前半から終盤近くまで踊りと歌で見せていくものの、話の筋が大詰めとなるラスト付近では、それらがすっかりなりを潜め、非ミュージカルな普通の映画になるところだ。 私はミュージカルを苦手としているので、非ミュージカルなラスト付近が一番楽しめたわけだが、この点から考えると、極端なはなし、非ミュージカルで最初から最後まで通してくれた方が、もっと良い作品に仕上がったのではないかということだ。 いずれにしても、幸せになれる、ハッピー心に満ち溢れた作品であることは間違いない。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-02-14 00:45:51) |
233. 人間みな兄弟
1960年当時、全国52箇所に存在した“部落”を取り上げた貴重なドキュメンタリー・フィルム。 太くて舗装された住宅街の路地が終り、そこから先は細くて未舗装な道がある。 つまり、それが被差別部落とそれ以外との境界線である。 何たる露骨な差別だろうか。 江戸時代の「士・農・工・商・えた・ひにん」の差別制度に端を発し、高度成長の始まった昭和の時代においてもなお存在した被差別部落。 彼らの住む場所は、およそ人間が住むには適さない一つ以上の条件を満たした場所であったらしい。 こういったナレーションがとても印象に残っており、白黒ドキュメンタリーを観る興奮を高めてくれた。 現代において、被差別部落の話題は、テレビで真っ向から取り上げられる機会はほとんど無い。 それだけに、こういった上映の機会は、貴重極まりないのではなかろうか。 少なくとも、こういった差別が日本人によって日本人に行われていたという事実は、厳然として認めなければならないだろう。 それにしても、当時、被差別部落の人々が、スト妨害などの反社会的な暴力運動にお金によって駆り出されていたことは、悲しむべき事実である。 お金のためとはいえ、そのような反社会的運動に参加してしまった以上、それ以降は更に社会からの風当たりも厳しく、なお一層厳しい環境に追い込まれたことは想像に難くない。 まさに負の循環であり、そこまで計算して被差別部落の人々を使った権力団体は、断罪に値する。 [映画館(邦画)] 7点(2010-02-08 19:46:46) |
234. 運が良けりゃ
まずまず楽しめた。 欲を言えば、底抜けに明るい時代劇コメディも悪くはないが、『男はつらいよ』シリーズの様な一抹の寂しさがもっと漂っていればなぁ。 [DVD(邦画)] 5点(2010-01-31 18:15:52) |
235. SOS北極.../赤いテント
話としては面白いが、北極探検に参加したからには(時代的背景や諸事情によって参加せざるを得なかったという場合は違うが)、リスクも承知なわけで、遭難事件が発生し、それに伴い悲惨なことが起ったとしても、それは好きでやったんだから仕方ないでしょ的な思いが、どうも頭から離れなかった。 雪山の遭難でもそうだけど、危険を承知でそういった場所に挑んだ人間達が、どんな苦悩に苛まれようと、それは我々の知ったことではない。 [DVD(字幕)] 6点(2010-01-26 01:23:09) |
236. 明治侠客伝 三代目襲名
出演陣も豪華だし、なかなか無難に楽しめた東映ヤクザ映画だった。 ただし、作品に没頭できる程の、何かは感じられず、普通に楽しめた程度だったのが、不満と言えば不満。 [ビデオ(邦画)] 6点(2010-01-18 00:02:30) |
237. 彼女と彼(1963)
団地に住む平凡な夫婦と、そこに起る何気ない日常を、普通に、だが、不気味に綴った作品。 武満徹の音楽がマッチしているかどうかは微妙なところだが、団地の何の変哲もない風景すら不気味に見えてしまうその音楽の影響力は凄いものがある。 左幸子が珍しく魅力的に見えた。 普通の主婦だが、どこかに団地妻的なエロスを感じた。 その夫を演じた岡田英次は、役所勤めというお堅いサラリーマンを見事に演じていた。 平凡でそれなりに幸せだが、どこか充ち足りない。 そんな団地住まいの中産階級な夫婦を、淡々とモノクロ映像に映しただけの作品なのだが、サスペンス的な風味も相まって、最後まで予想以上に楽しめた。 羽仁進はドキュメンタリー出身の監督だと聞くが、その作風には多分にその影響が見て取れる。 団地には数多くの世帯があり、その中の一家族の生活を、覗き見するような感覚にさえなった。 ラストは不思議な余韻が残った。 何を言わんとしているのか、いまいち理解に苦しむが、それがまた不気味で、いい味を出していたように思う。 左幸子の演技の巧さも再確認できる作品である。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2010-01-09 17:55:50) |
238. 人生劇場 飛車角と吉良常
《ネタバレ》 任侠世界の美しさを見事に発揮してみせた本作。 鶴田浩二、高倉健をはじめとした豪華役者陣の競演もまた素晴らしい。 見所はラストで鶴田浩二が単身乗り込むところでモノクロになるシーン。 内田吐夢監督ならではの重厚な演出は見事だった。 それにしても高倉健はかっこいい。 鶴田浩二を相手に一歩もひけをとっていない存在感。 鶴田浩二との墓前でのやりとりはしびれるものがあった。 [ビデオ(邦画)] 6点(2010-01-08 23:47:45) |
239. 拳銃は俺のパスポート
《ネタバレ》 『ある殺し屋』と並ぶ和製ハードボイルドの傑作として挙げられることの多い本作。 まずは、陰鬱なモノクロ映像が雰囲気を盛り立てる。 冒頭の暗殺シーンは、発砲場所の位置取りから始まって、銃を手際よく組み立てるシーン、そして発砲してからの逃亡にいたるまで、まさにプロの仕事と言えるシーンの連続で、息をのむ緊張感に漲っている。 ただ、後半に進むにつれ、この序盤で見せた緊張感はトーンダウンし、やや都合の良い結末へと収縮していってしまうのが残念である。 それにしても、宍戸錠の膨れた頬は、今みても不自然すぎる。 あの人工形成した頬がなくても、十分渋くてかっこいいと思えるのだが・・・ [ビデオ(邦画)] 7点(2010-01-03 18:00:08) |
240. 殺しの烙印
鈴木清順の作品で面白いとか興奮したとか興味をそそられたとかの経験がない。 つまり、つまらないというイメージしかない。 本作でもそれは払拭できなかった。 難しいからつまらないのではなく、魅力を見出せないからつまらないのだ。 独特のモノクロ映像美には酔いしれることはできたし、真理アンヌの美しさにも目を奪われたが、宍戸錠がかっこよく見えなかったのが痛い。 [DVD(邦画)] 2点(2010-01-02 01:15:04) |