Menu
 > レビュワー
 > Yuki2Invy さんの口コミ一覧。13ページ目
Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1645
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 2020年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
21
投稿日付順1234567891011121314151617181920
21
変更日付順1234567891011121314151617181920
21
>> カレンダー表示
>> 通常表示
241.  流浪の月 《ネタバレ》 
結論的には、極めてシンプルな(文字通りの)「純愛もの」なのですよね。もう、メロドラマと言っても好いヤツかと。偶然の邂逅ではあったものの相性とゆーのが何から何までドンピシャで、だからお互い相手が自分の唯一無二だとも、そして(翻って)自分が相手にとっての唯一無二だとゆーのも総て(何となく)悟っては居て、時を経てまたそれが確信に変わってゆく…と。だからコレも結論、どっからどー見ても(理性の箍など弾け飛ばしても)「そーなるしか無い」お話なのであって、ソレがそのままそーなったこの結末自体は(別に)本質的にバッド・エンドというワケでもないのでしょうし、個人的にもある程度腹には落ちたトコロでありますし、また見ように依っては美しい…と言っても好いモノなのかも知れません。加えて、単純に映画としても(好いか悪いかで言ったら)諸々と出来自体は好い方だ、ともまた確実にそー思うのです。  ただね……如何せん、前述どおり理性なんざクソ喰らえ!なお話だとは言え、それにしてもと実に感情的で非・理性的な人物しか出て来ないお話でもあり、だから個人的には中々感情移入の取っ掛かりってのが全般的に見い出せませんでしたです(終始ウンウン唸って観てましたですよ)。中でもとにかく主役の二人は、そもそもじゃあ誰が一番悪かったのか?と言えばンナモン松坂桃李に決まってるだろ!(発端は)とも思うのですし、広瀬すずちゃんだって(中盤~終盤は結構謝り通しに謝りまくってるワリには)自分の感情の在り方なんかには実に確信的で頑なでもありますし…  どだい、このお話は横浜流星があーいう極端なキャラだから多少見え方が変わってる、とも思うのですね。で、彼がもう少し真っ当なキャラだったなら、またきっと全然違うお話に見えていた…とも思うのですよ。ソレこそが、つまりどーいうお話に放り込んでもこーなったであろう…とゆーのがこの二人のある種の「本質」なのであって、だから厳しい言い方をすれば(社会の中で正道を歩んでゆけそーにないという意味では)この二人は一種「社会不適合者」だ、とすら思うのですね(あくまで個人的には)。モチロン、ソコには「理由」とゆーのがチャンと在るんですよ、でもコレも、じゃあ何かしら理由が在るのならソレがそーであっても善いのか、とゆーと、そーじゃないだろ…とゆーのがまた私の結論なのですね(まあ、別に彼らは最後に「幸せ」に為れなかった…というワケでもないのでしょーから、外野の意見なんても~関係の無いコトかも知れませんケドも)。  その意味ではやはり重ねて、個人的にはちょっと本質的な意味で主役二人への感情移入の難しいお話ではありましたし、更にその意味でゆーと(どちらかってーと私は)彼らに巻き込まれて不運な目に会った種々の人々…の方に(少しだけ)同情してしまう…という感じなのですよね。観終わっては正直、ムムム…という感じでしたかね。
[映画館(邦画)] 6点(2022-05-14 02:04:14)(良:1票)
242.  すばらしき世界 《ネタバレ》 
世界は決してただ美しい、素晴らしいモノではないのであって、多くの不条理・不正義・不公平と残酷な運命に満ち満ちている。それは人ひとりの力で何とか出来るものばかりでは全くないのだし、そもそも人智に依っては如何ともし難いことだって今だ数多く存在する。だから残念なことに「努力は人を裏切らない」とか「人生は何度だってやり直せる」だとかいう美辞麗句というのは、言葉の使い方の問題でもあろうが確実にそこに「嘘」を孕んでいる、とも思うのだ。人生とは、この世界とは、元々全く「ままならない」ものなのだろう、と考えている。  でももし、そこにただ純粋に素晴らしいことがひとつだけ在るとしたら、人が自分の人生を少しでも、ほんの少しずつでも「前に」進めようというささやかな意志を持ったのならば、その人生はどんな時でも、ほんの少しだけはより善い・より意義深いものにきっと変わるだろうということなのだ。例え明日死ぬとしても、その明日を今日よりも少しだけ何か意味の在るものにすることはたぶん可能なのだ。それだけが、人に許されている唯一つの絶対なのだ(人生の意味とは、ただひたすらにその積み重ねでしかないのだ)。だから、それでも世界は絶対に素晴らしいのだ、と。
[DVD(邦画)] 9点(2022-05-10 21:27:34)(良:1票)
243.  死刑にいたる病 《ネタバレ》 
原作未読。ある種「二本立て」という感じの構成で、岡田健史自身に関わるお話と、そして阿部サダヲの「九件目の殺人」の真相を追うお話を織り交ぜて進行してゆくのだケド、結論から先にゆーと、映画全体としてはサスペンスとして十二分に面白い作品だとは思いつつ、その二つのお話の真相とゆーのはどちらも衝撃的とまで言える程のモノではなかったかな…とゆーのが正直なトコロなのだすね。特にこの映画では「九件目の殺人」の話はどーいうコトだったのかがやや判然としないまま終わってゆくのだし、示唆される「真相らしきモノ」がもし真実なのだとしたら、更にドコがどーいうコトだったのかを事細かく訊きたいゾ!という意味でも色々と少~しモヤっとしたまま終わってる…とは思うのだよね(原作ではソコもも~チョイ詳細に語られるとゆーコトらしいのですが)。  ある意味、二つの話はそれぞれが単独では映画の題材にはならない程度のレベルかな…という感じなのですね。でも、その二つを巧みに重ね合わせてかつ緻密な展開・人物造形でもって補強するコトで(一つの作品として)完成度を高めて見せている、という感じかと思うのですよ。その意味では、特に登場人物のキャラ設定の部分は諸々と好く出来ていた・各キャラも巧くリンクされていた、と思いました。中でも阿部サダヲのキャラクター・行動原理にはまま強力な説得力が在りましたね(私はなんとなくジョン・ウェイン・ゲイシーをイメージしつつ観ていましたが、今作の阿部サダヲは部分的には彼よりも更にサイコパスの度合いが深い様にも思われましたケドね)。また、その阿部サダヲの恐ろしさを常に孕む演技も、あとは岡田健史の不安定さを巧みに醸し出す演技も、どちらもまずまず優れたモノだったとは(コレも確実に)そー思うのですし。  ただね~一点だけ、オーラスは……個人的にはコレちょっと余計だった様に思えましたかね。阿部サダヲの「九件目の殺人」について、やや判然としなかった…とは先ほどそー言ったものの、彼が年貢の納め時を悟ったが故にその行動様式に変容が生じたのだろう…とか、収監されても尚心残りの「かつての標的」を害せんが為に「遠隔的に」犯行を企てていたのだろう…とか、そーいった部分は(コレも重ねて)合理的かつ説得力もある展開だったと思うのですよ。んで、確かにあの彼女の岡田健史への近付き方の不自然さ、とかだって伏線としては決しておかしいモノでもないかな…とだって思ったりね。でもやっぱり、彼女はナニがしたくて(=阿部サダヲがナニをさせたくて)あーいうコトになってるのか、という部分はソコまでの話と全く繋がらないとは思いましたし、だからやっぱコレって「意外性重視の思いつき」にしか見えなかったりするのですよね(ココは原作とは異なる展開なのでしょーかね)。コレもある種、結局は二つの話のオチがそこまで「強くない」コトの弊害でもある様に思われます(でもゆーて、個人的には岡田健史がある面で阿部サダヲに「勝った」という話として終わらせる…でナンの問題も無かった様に思われるのですケドね)。  その他、まずメイク技術ないしは修正技術の進歩なのか、阿部サダヲや中山美穂リンは若い頃のシーンもチョコチョコ入るのですケドその部分の若作りに違和感が全く無かったのは好かったなと思いました(イイ時代になりましたね)。また、本作はPG12なのですが、特に序盤にチョコチョコ入ってくる拷問シーンは(普段そーいうのばっか観てる私の感覚でも)フツーにR15+レベルだと思いましたね(苦手な方はご注意ください)。
[映画館(邦画)] 6点(2022-05-07 00:51:25)
244.  ホリック xxxHOLiC 《ネタバレ》 
ううう~~~原作漫画・アニメともに観ても読んでもいねーので(アニメは深夜に一瞬だけチラ見したかも)個人的には前提知識も作品への好悪もこだわりもナニも無いのですが、そーいったモノ全部抜きで唯々今作を単独で観たママの感想を言わせて貰うならば……… (註:映画鑑賞後にある程度、作品の中身はWikiで確認しております)  第一:キャラの性格・特性や世界観の説明はこの上無いホドに簡略で、だから全く初めてこの作品に触れる人には正直のっけからかなり辛い 第二:原作準拠のオムニバス形式ではなく、原作第一部の大筋を2時間弱に再構成して語り切っているという形式…であるが故に、終盤の展開スピードが超速&一足飛び過ぎて(コレもお初な人には)とても付いていけない  なのでまず、原作は読んでから・かアニメを観てから(=少なくとも基本設定&あらすじはナンらか把握してから)観にいった方が好さそーな映画だ…とは言っておきたいのと、あとは基本的な蜷川実花の取説としても「考えるな、(眼から)感じろ」系の映画には(また当然の如くに)なったってるので、原作は把握するその一方で細かいコトも気にしない方がたぶん好いヤツではありますね。でもある種、彼女の映画としてはごく観易い方だったとも思いますケドね。こんなコトを言うと原作ファンには殺され兼ねないのかも知れないですケド、登場人物は総じてファンタジック属性を高度に抱え込んだ「ちょっと人外ぎみ」な方々なので、お話としても高度に「人間」を描いている…というモノでも(実は)ないのかもなぁ、と(⇒だから普通の映画ほどにしっかりみっちりソレが描かれなくても然程気にはならないのかな、と)。重ねて前半は特に(ゆーて中盤・後半も)かなり「テキパキ」としてる感じ⇒トコロに寄っちゃあ場面転換とかが非常に唐突(⇒とゆーかちょっとカット数自体足りてないんじゃね?的)な感じも在る…ので、ソコで置いてかれるコトの無いよーに事前準備はやはり必要かと思いますね。私個人としては逆にひまわりチャンの話が語り始まる辺りからはスッと入り込めた…的なコトではあるのですケド(玉城ティナ大好き)。  他方、ビジュアル面は流石 or 平常通りという蜷川実花一流のクオリティでココは(控えめに言っても)まずまず以上だったかとは思うのですね。今作は特にキャラクターのビジュアル面は相当に綺麗だった&面白かった&ユニークだったと思いましたよ(原作自体のパワーてのも多分に感じられますが)。中でも柴咲コウのハマり様は出色で、正直彼女のお色直し百連発!を眺めているだけでもチケット代(の少なくとも半分)は取り返せるってレベルかとも思います。私はその他の方々も結構好みでした…が、一人だけ、吉岡里帆はちょっと雰囲気違うかな…と思っちゃったのが正直なトコロでして(別に里帆ちゃんが女優さんとしてルックスとか好みじゃない…なんてコトは毛頭ねーのですケド)。個人的に彼女は結構カジュアルで親しみやすい系のカワイイ系かなと(でかつまあまあキレイ系でもありますケドね)思ってて、それで今作みたいなちょっと「常人離れ」した系統のヤツ(役柄も実際に人外ですし)を演らせたったると、ちょっとコスプレっぽくなり過ぎたってる…という気がしてしまいましたかね。
[映画館(邦画)] 4点(2022-05-06 14:20:43)
245.  N号棟 《ネタバレ》 
ムムム…質感はB級以上A級未満、といった感じでそこそこ予算が取れてそーな感じなのですが、脚本のレベルの方はハッキリ言って激・稚拙なのですよね(=粗が凄く目立つ)。でも「心霊現象をダシにしてカルト宗教を組織する+その舞台がボロい団地」というコンセプト自体は、シンプルにワリとありそうでもあるしホラーとしても結構怖く出来そうだし(=イヤ~な描写を色々思いつきそう)そしてどっちにしろ和ホラーならでは…という質感のモノにも為りそうだし、で確かに相当な良アイデアにも思えるのです。加えて、萩原みのりちゃんは絶賛売出中、筒井真理子さんもゆーてホラー・スリラーと親和性ごく高そうだし、で実は結構期待してたのです…ケドも……  結論、結局はナニに一番不満が在るかとゆーと、敵ってよりはむしろ味方、つまり主人公パーティの行動のチグハグさなのですよね。卒業制作の取材とゆーて別に半分遊びに近いよーなコトだってのに、明らかに状況が不穏→不審→不可解・危険と急激に悪化してゆくにも関わらず基本的には団地から逃げようともせずにノンビリ留まっては謎解きの真似事したり(乳繰り合ったり)仲間割れオッ始めてみたり、他方で団地の見るからに怪しい連中に対する態度もまるで一貫しなかったり…てな具合の支離滅裂さでありまして、ですね(終いにゃ友達2人はいつの間にやら洗脳されちゃってるし)。巷では日本版『ミッドサマー』とも言われてるよーですが、確かに(悪い意味で)終始緊迫感が無い→どーにもホラーになり切れていない、というコトではあるかと思いますね(加えて、そーなってる状況・理由のつくり込みも『ミッドサマー』よりは大いに雑で)。  また、この不自然さはある種「意図的」なモノかとも(ふと)疑ったのですが、私の見たトコロ残念ながらコレはおそらく監督(兼脚本)の力量がポンコツなダケですね。何故なら例えば、みのりちゃんは事あるごとにしきりに「カメラ回して!」と(高圧的に)叫んでくるのですが、だから多分POVのホラー描写をどっかで入れてくるんだろうな…と思って観てたのですケド結局そんなシーン一個も無くって、要はつまり、コレに関してカメラ回す意味(=必然性)なんて殆どドコにもナニも見当たらないのですよね。こんな感じで総じてどのシーンにも確固たる理由・意図とゆーのがあまり見受けられなくって、つまりは全体的に細部までの方針検討・取捨選択までは出来てない…というコトだと思われるのです。コレ、ワリと初歩的なハナシだと思いますね。  もう一個だけ、ホラーにおいては不可解さ・不自然さとゆーのが時としてスパイスとして効果し得る…とは(常々)思ってます、が、基本的にはソレは敵の行動原理や敵の能力の発揮度合(・効果範囲・発動条件)等のカテゴリー内にごく限られるモンだとも思います。殊に、味方の行動が支離滅裂とゆーのは(ソッチはソッチで)基本的には許されないし、許されるとしたらその部分には何らか合理的な理由・説明がチャンと在る…というコトでないとダメかな、と(単にバカだから、とかは論外で)。そーでないと結局は、主人公がどーなろーが(そのうち)どーでも好くなってしまう…と思いますよ。主人公がどーなろーがどーでも好い、はもうホラーとは言えないですよね。
[映画館(邦画)] 4点(2022-05-06 02:44:17)
246.  ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス 《ネタバレ》 
アベンジャーズの中でもドクター・ストレンジは能力の「質」的な部分でいくぶん次元が違うので、コレと対等に喧嘩できそーなのを既存キャラからお手軽に(説得力込みで)引っ張って来るとなると確かにワンダくらいしか居ない…とゆーのにはまぁ納得もできるのですよね。しかし、ドラマの方でなんかどーかしちゃったらしく(ソッチは未見)今作のワンダは幾らナンでも強すぎるとゆーか、ちょっと桁違いにはなってもーてますのよね。片やのストレンジはコッチはちょっと弱すぎるとゆーか、今作では(ド初っ端含め)かなり苦戦に苦戦を重ねているコト自体は少なからずご都合主義にも思えますし、やはりそもそも今作のワンダはまた最初から最後までほぼ徹底して悪役の敵役で、かつラストもごく救いも無く終わってゆく、そのコト自体にもまま疑念の方をより強く抱くという人が決して少なくないとも思うのですね(私自身、可愛いし一途だしで結構好きなキャラだったので今作の顛末は確かに残念⇒それ以上に「可哀そう」だと思ったのが正直なトコロで)。  しかし、ソコも含めて全体の雰囲気はシリアスでキレ好く、かつ哀しみややるせなさといった(マーベルでは少し珍しい方の)質感も含ませて上手に纏め上げられており、中々「いつもの感じ」と違うヒーローものとしての新鮮味に近いモノも在ったと思いますし、また単純に筋も面白かったと思います(テンポその他もごく良好で)。そしてそれ以上に、監督に(ナンと)ライミを起用した最大の効果と言いますか、どれもごくホラー風に仕上がった個々の描写にもまたキレが在ってこちらもユニークさも感じながら非常に楽しんで観てゆけたのですね。結論、内容にせよ空気感にせよ多少好みは分かれる系統かとは思いますが、私自身はどちらもドンピシャに好みだったコトを加味して(少し甘めに)高めの評点としておきます。  ライミ御大、偶に仕事してると思ったらこのクオリティて、ファン泣かせも好いトコロですぜ旦那!大人しく次回作も監督して下さいね(別に他のホラーでもナンでもイイからも~なる早でお願いしやす)。
[映画館(字幕)] 8点(2022-05-05 15:51:35)
247.  KKKをぶっ飛ばせ! 《ネタバレ》 
『ぶっ飛ばせ!』たァ、率直にだいぶ日和ってるな…とゆーか(コンプラ上等)どー考えても適正なのは『ぶっ殺せ!』ですケドね(双方、ハナから皆殺しにするコトしか考えてねーです)。あと実際の事件を再現した…てのも、ま~嘘八百ですね(そーいうマジメな映画では毛頭ありません)。要は、輸入品の劇場公開作としては今どき珍しいまでのコテコテのB級(未満)!てヤツですわねコレ(否、意図するトコロなのかはイザ知らず、結果的にこのレベルの質感に為り果ててる映画自体は最近でも結構見かけますケドも)。お話の内容の無さといい、演技・演出諸々の安っぽさといい、コレも今どき全くCGを使わないという漢気、あとは肝心のショック描写だって総じてどれも今まで観たことが無いとゆーコトもない根本的な二番煎じ感といい、この手のとしては意外と上映規模も大きいんだケドもアレレのレ?という「驚き」の方がまずは胸に去来した…て感じすね。  監督はイギリスの制作会社「ダーク・テンプル・モーションピクチャーズ」を自ら率いてる御仁とのコトで、かつこの会社設立もごく最近(2015)であったりと此奴めは多分けっこう若手だと思うのですね。でも、意外なまでに本作て(+この会社の他作品含めても)質感はメッチャコテコテ!とゆーか、もう30年以上前からのB級ホラー(特に80年代中盤~90年代、00年代前半までくらいのゴア作品あたり)を愛して育った世代だな…という気が大いにするのですわ(=もはや一種のシンパシー)。重ねて、本作がアメリカでは大々的に上映中止の憂き目を見た…てのは(そもそもホントのコト?=ただの宣伝文句の作り話じゃね?とも思いますが)ソレって内容が過激だからとかではなくって、単純に質感が古臭すぎて相手にされなかった…てなコトだとはコレもひしひしと感じ取れるのですよね(まあ、アメリカには今でもKKKってのが現存してるのでして、その方面のリスクも無くはなかった…てなコトなのかも知れませんケドも)。  しかし、私はこの映画を大いに存分に評価して、そしてこう言わせて欲しいのです「コレこそが、我が青春のゴアである」と。チープな質感の気楽さもそーですケド、やっぱね~CGなんかクソ喰らえっすよね~私が死ぬまでに何度だって観たいのは何処までも、吹き出る血潮(=血糊)とナンだか分からない(=ナニで出来てるのか判然としない)肉塊らしきモノが弾け飛ぶというリアル!でしかねーのですわ。前述どおりゴア描写も総じて在り来りではありましたが、クオリティ自体は(B級としては)まま頑張ってる方でしたし、何より今作は(この手のでは「違い」を生み出すのにワリと結構肝心な)カメラワークについても思った以上に達者にも見えましたよ(構図も色々とまあまあセンス有ったし、特にアクションシーンはカット割りもまずまず手が込んでいて)。あと、無駄・無用なモノも潔く削ぎ落せていてテンポも終始相当に良好・尺もごくコンパクト(加えてOPとEDの曲がノリノリ)なので、気楽に観る分には思いの外リズミカルにスピーディに楽しめる…てな気もしました(勿論、この安い質感+そこそこ高度なグロ、をおおらかに許容できるという映画的素養は必要になると思いますケド)。結論、こんな映画を映画館で観ちゃった…という物珍しさで多分に補正が掛かっている気も(少なからず)するっちゃするのですケドも、私としては是非に!とオススメしておきたい作品ですね(1点プラスしておきます)。
[映画館(字幕)] 6点(2022-05-05 01:17:35)
248.  タミー・フェイの瞳 《ネタバレ》 
キリスト教のテレビ伝道師(の夫婦)という、日本には存在しない謎の職業の方々のお話なので(確かにまあ)根本的には共感も納得も出来ないかな…と言った方が本音には近いのです。で、大バズりして巨万の富を得るも(そもそも宗教+カネ儲けってなった時点で私の中では99.9%クロですケド)ナンだカンだ2人ともに(自分の器の)限界を迎えて間違いを犯し、そしてドン底にまで転落してゆく…という超・典型的なお話でもあるのですよね。まあ率直に、映画としては(その部分に関して)スゴく面白かったとか感動したとかってコトでもなかった、と言ってしまって(コレも)好いかとは思います。  ※まあでも、こーいう自分の力以外のモノ(今回であれば社会的な信仰心、ほかの例で言えばソレこそ運とか、運に近いかも知れませんがいわゆる「一発屋」的なネタとか)を利用して成り上がった人って、殆どほぼ全員結局は身を持ち崩しますよね。「積み上げる」というコトが如何に大切か(結局の結局はソッチの方が「近道」だ)とも思いますし、ある意味そのシンプル極まる「人間の有様」にはソレこそ逆に共感も出来るのです。今作の二人については、その信仰心や活動の(当初の)動機は真なるモノだったよーに見えますし、コレも根本的にはソコまで酷い悪人には決して見えない(=この映画についてはそーいう様に見せようとはしていない)てのもまァそーだとは思いますし。  ただし一点、今作におけるジェシカ・チャステインの出来については、コレはかなり凄かったと言って(間違い無く)好いと思います。だいぶ昔に『ヘルプ』で世に出てきた時は(見た目のワリには)ファニーな役をやってんな…とも思いましたが、最近は(全部追っかけてる訳でもねーですケド)かなり知的でカッコ好い役が多いんだよな…と思っていたら、今作ではまた実にユニークで変わった・変テコな役柄をモノの見事にこなしていて少々ビックリしましたです。20代~50代までを(40過ぎて)自然に演じ抜いちゃうのもスゴいですが、何より「歌」がまたスゴいのですよね。元々高度な音楽教育を受けていた人だとも(今回)知ったのですケド、にしてもアレだけ地声と異なるコテコテにつくり込んだ声であーまで見事に歌い切るってのは、やっぱ並大抵ではねーですよ。彼女が居なかったら(=彼女がやる気にならなかったら)まるで成立しなかった映画なのは確実ですかね。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-05-03 22:46:25)
249.  魔女がいっぱい 《ネタバレ》 
率直にラストは確実に議論の在るトコだと思う。で個人的にはコレはナシ(それでイイの?と訊かれたら、イイ訳ねーじゃん…としか言い様が無い)。そのうえに、ややダーク寄りではあるケドも子供向けファンタジー・アドベンチャーとしてはごく手堅い展開運びでありながら、どーも盛り上がりを欠くとゆーか要するに展開上に登場するミッションをなんつーかどれも容易く乗り越えて行ってしまう…ので結果ハラハラ感というのが不足しているのですよね。そーすると尚更、ある意味意表を突くラストでごく気が抜けてしまう感も強まる、と言いますかね。  大人が鑑賞するに当たってはそーゆうお話の方はさて置いて、キッズ向けを装いつつも相当ダークで正直グロめな魔女絡みの演出・演技を楽しむ…という観点からなら(ポイントを絞っての)鑑賞価値とゆーのは十二分以上に見出せる、と言えるかも知れない。アン・ハサウェイ自体はかなり好かったと思いますよ(目が大き「過ぎる」という点でかなり個性的な顔なので、特殊効果も普通以上にモ~予想外に映えるなあ…と思いました)。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2022-05-01 09:37:13)(良:1票)
250.  窮鼠はチーズの夢を見る 《ネタバレ》 
なんつーか、最近とみに思うのが、ゲイの恋愛映画って「妙に」面白いな…と。こないだ観た『ブロークバック・マウンテン』なんて、あまりに面白すぎて「面白かった」以外の感想が出て来なかった故に、も~レビューが書けなかった…という次第で。?ナンでですかね、思うにどーも、感情移入の取っ掛かり…とかってのが少し異なってくるとでも言いましょーか。所謂「ノンケ」の男女の恋愛事象においてはコレもノンケな私だと、どーしたってその「男」の側からしか恋愛のアレコレを見ない・考えない(=ハナから他方の「女性」の側の恋愛的思考を「理解できる」と思って見ようとしない)というコトかな…なんて。そしてソレが「男同士(に見える二人)」になった瞬間、ソレだけでより多面的な感情移入(=全方位への共感)が出来る…ので、結果妙に面白かったり(部分的に)メチャ新鮮だったり…てなコトかな、とも思われたり。  結局、ごく実直にニュートラルな視点を保とうと意識してさえ、如何に私が視覚情報由来の「先入観」に支配され尽くしているか、というコトの証左でしか無いよーな気もします、が、ソレ(だけ)で映画が更に面白く観れるのなら個人的にはシンプルにただ万々歳!ではありますし、またごく大袈裟なハナシをするならコレだって映画文化の発展してゆく一つの大いなる「道」だとすらも思われますですよ。今作とて確かに、登場人物の性別(・性自認・性的指向)という部分をいったん総て白紙化して本質的な恋愛要素の性質だけを評価するなら、実に古典的でむしろ古典的すぎてもはや滑稽、という様な恋愛沙汰の様にも思われるのです(とは言えそりゃ、部分的にはこの種の作品に固有・特有の要素も含まれますケド、私はソレはあくまで「枝葉のコト」かと思っていてですね)。がしかし、中でココには確実に素晴らしく本質的な「ユニークさ・ハイクオリティ」が在った…と思われるのが、端的な成田凌のキャラ創造・或いはその(やや狂おしいホドの)実際の演技ですね。今作を踏まえて今後本邦では、女優だろうが男優だろうがこの手の(病んでて重くて面倒臭い)恋愛主体を演じるのであればこの成田凌を意識・或いは現実に「勝負」(少なくとも理解+解釈)しつつ演っていかなくてはならない…筈であって、ソコに生じる従来よりも更に多面的な(=それこそ「性別」を超越するかの様な)種々のタスクとゆーのこそが、このジャンルの映画を一つ先の深み・高みまで導いてゆくというモノに感じられる…てコトが言いたかったのです。  重ねて、成田凌はやっぱ凄いですね。コレはも~男性的とか女性的とかってそーいうコトでもねーのかも知れませんケド、今作の彼にはやはり多分に共感、そして部分的には(私ですら)真実に「愛おしさ」を感じた…と言ってしまって好いかと思います(そんな「リスク」如きは屁でもねーですわ)。そして勿論、相手方の大倉忠義だって(ハマってるか否かで言えば)も~ドハマりしてたと(コレも)言って好いでしょう。まあジャニーズだと、こーいう「手合い」のイケメンてのは結局オートマチックにしっくり来ますよね…とゆーか(コレだってある種の「先入観」でしかない気もしてますケド)。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-04-30 12:15:39)
251.  シャドウ・イン・クラウド 《ネタバレ》 
いや、全然悪くなかったすね(スルーし掛けたのですが危ないトコでした)。ジャンルとしては性質的にはアクション・ホラー(前半はややサスペンス気味)と言うのが適切かと思いますが、(短尺なコトもあって)まずホラー要素は思ったより遥かに僅かな分量に留まっており、忖度無しに言ってアクション・ホラー・サスペンスの三つ巴、くらいな感じかと。しかしその一方で、総合的な商業的娯楽映画とゆーよりは一種のアイデア作品とゆーか(たぶん)あまり予算が掛けられない中でやりたいコトをやり抜くコトだけに集中しよう!てな映画にも見えますかね(前半の展開運びなんかが特にそう)。  そしてその意味では、そんな中で今作にクロエを起用できたとゆーのは大正解(とゆーか必要不可欠)だった様にも思えます。アクションも含めて諸々とメチャ頑張ってましたし、相変わらずメチャ可愛かったですし、もう一つ、やっぱクロエちゃんクラスが出てるとこーいう映画でも一段よりチャンとした映画に見えてきますよね(ココに知らない女優を充ててたらソレこそフツーにB級扱いでDVDスルーになるヤツですよコレ)。  ただし一点、前述どおり全体的にもごくリーズナブルな質感である中でシナリオもやっぱりそーいう感じとゆーか、結果的には随分と突っ込みドコロが多い(=荒唐無稽な)映画でもあるのですよね。カバンの中身が判明して以降は特にそんな感じでしたし、そもそもこのコトの真相ってヤツには個人的にはあまり共感が出来ませんです(やっぱ少し無謀すぎると思いますし、巻き込まれる方としたって堪ったモンじゃねーよ…とゆーか)。それらの部分はやや「笑って許して!(テヘペロ)」というコトが可能な範疇は超えてしまっているレベルかとも思われますし、ソコに引っ掛かると当然評価も高くならない…という作品なのも間違いないかと思います。  私自身も(つまらなくはなかったとは言え)結構評価は迷ったのですが、ラストの爽快感とクロエちゃんの母親姿まで観れたコトにお得感もあったので(授乳シーンはボディダブルでしょーケド)評点は高めに寄せておきます。興味の在る方とクロエちゃんファンは、是非映画館で。
[映画館(字幕)] 6点(2022-04-24 22:46:27)
252.  カモン カモン 《ネタバレ》 
多少は空気の張りつめるシーンも全く無くはないものの、全体としては実にまろやかに詩情的でモ~夢見心地…てな感じの映画すね。モノクロ画面も相まって、落ち着いた映像・静かで哲学的な台詞(会話)・そしてハイソな音楽に終始カラダごと融け込んでゆく…ダケ…てな感じの心地好さでした(=少しだけ眠い、否、ダウナー系の効果が有る、つーか)。その分、テーマ性・物語性はコレも結構朧げ・曖昧・かつ奥行きも在って、だからまま雰囲気映画的…と言っても好いかも知れませんですね。とは言え監督の前作に引き続いて、ある部分のテーマとしてはソレこそ「親・大人と子供(とその関係性)」或いは特に「子供から見る親・大人」てなトコロかな…とも(個人的には)感じましたケドも。  このごく面白い空気感の醸成に(実は)効果的だった…と思うのは、チョコチョコと挿入されるインタビューシーン(音源)ですね。コレはホントにフツーのインタビューで、だから喋り方も高度に口語的、とゆーか作為的(台詞的)でなくて、結果映画を観てるとゆーよりは只の会話の中に只居る…という感じが醸されているとも思われました。主演2人の演技自体も同様にごく自然さの方(=ホントにフツーの大人と子供、的な)を終始保ってゆく様に意図されてるとも感じられ、その意味でも「つくりもの」感が薄い→ごく非常にリラックスして観てゆける作品に為っていた…という気がしてますです。
[映画館(字幕)] 6点(2022-04-24 22:19:29)
253.  ハッチング―孵化― 《ネタバレ》 
鑑賞後に少しだけ調べたのだケド、思春期と反抗期とゆーのは第二次性徴の(ある種の)精神的両輪でありながら、時期的には普通どちらかが先、というモノではない様である。少女を主人公にその「成長」を比喩的にホラー要素を用いて描く…という作品としては、コレ自体は暫く前からのトレンドとゆーか『RAW』『テルマ』『ブルー・マインド』てな具合に近年は結構枚挙に暇が無かったりする(加えて『テルマ』はズバリ北欧ものだし)。しかし、これら先行作品がどちらかとゆーと主人公の「性的な」目覚めを描いていた様に見えるのに比して、本作はかなり「反抗期」の方の描き出しに寄っている様に見えるとゆーか、つまり主人公ティンヤが内に秘めきれなくなった(周囲の人間に対する)嫌悪・憎悪、妬み嫉み…といった負の感情こそが、アッリという異形なカタチで具現化した「彼女」自身(=もう一人の自分)なのだと言って好いだろう。その意味では(重ねて多分に比喩的とは言えど)先行作よりは率直に分かり易い・直接的な作品だとは思えるし、主人公も同様にとゆーかやや若い(=設定上は12歳)のであって、だから誤解を恐れずに言えば「取っ付き易さ」という点においては先行作より今作の方がだいぶ上回る…と言って過言でないのではなかろーか、と(ゆーて今作もそこそこグロくも在りますケド)。  ただし、結論をズバリ言ってしまうなら、こーいうごく分かり易いハナシだからこそやはり「終わり方が肝心」なのであって、今作は「何故+どのように」終わってゆくのか(=主人公が自身に生じたその「負の精神性」を手懐けるコトが出来るのか否か)を観客は特段に注視せざるを得ない作品だとも思うのだね(=誤魔化して終わられるとちょっと困っちゃう)。がしかし、結果からゆーと今作はごくバッド・エンドの方、であるにも関わらず、何故ソレがそーなってしまったのかはあまり明確には描かれないのですよ。特に、どー考えても一番のポイント(=諸悪の根源)であるハズの母親と主人公の関係性といった側面についても結局何らのアンサーも見出せない…つーのは、残念ながら少し手落ちが甚だしいとも(個人的には)思うのですね。前述どおり、テーマ的には(もはや)ごくオーソドックス、かつシンプルな展開運びではありつつも運び方自体は決して悪くなかったので、ラストにもう一つアイデアが在ったらば…てな感じでやや残念ぎみな方かと思われます。北欧ならではと言った感じのエレガントな画づくりや、それでいてショック描写にもまずまずの迫力を備える点も含めて、ホラーとして(コレも)決して出来は悪くはないとは思うのだケド…
[映画館(字幕)] 5点(2022-04-24 22:17:08)
254.  余命10年 《ネタバレ》 
非常に典型的な病気もの映画なのは確かにそうで、中でも系統としては高度に『ある愛の詩』的なヤツ…と言いますか。今作における人間性の描き出しとゆーのは、男性には成長、女性にはそれを包み込む母性的なモノを求めてゆく…という作品である様に(私には)見えましたです。ただ、今作の小松菜奈は冒頭から自分の運命をある程度受け容れた状態にあって、その意味では(設定年齢以上に)より大人であるとゆーか、そういった母性的な愛情を命ある限り周囲の人々に振りまいてゆこうという崇高な人にも見えたのですね。そしてそれは恋人となる坂口健太郎との関係性においても尚更にその様に見えるとゆーか、彼が(正直思いがけないホドに)人として未成熟なコトも相まって、コレはもうこのジャンルの映画としては少し風変わりな質感だな、とすら感じられたのですね。ズバリ、コレって「恋愛」なのかな?(少なくとも「恋」ではないのではないのかな?)とすら感じた…とでも言いましょーか。  ただ、そーいった「人の出来た」小松菜奈が時折溢してゆく悲しみや悔しさといったモノは、それこそ(我々男性にとっては特に)愛おしい「泣きドコロ」だったと思いますし、全体としても菜奈さんは物凄く気合・魂の入った演技をされてた様に思います。また、前述どおりやや情けない健太郎くんの成長ぶりも、コレも(特に女性にとっては)堪らない見ドコロにはなるべくモノだろうと思いました。もう一つ、織り込まれる四季の映像とゆーのが、どれも実に凝っていて非常に美しかったですね。結論、やはりシンプルでオーソドックスな作品ではありますが、完成度とゆーのは決して低くないと思いました。興味のある方は是非。
[映画館(邦画)] 7点(2022-04-23 09:32:26)
255.  砕け散るところを見せてあげる 《ネタバレ》 
いや~中々に風変わりとゆーか、諸々と一見は個々の要素の取り合わせが整合性を欠きまくっている…とでも言いますでしょーか。お話の方も(オープニングから本編開始!辺りからしてそーですが)言うなればかなり「分かり難い」とゆーか非常に唐突にも思える展開が最後まで続いてゆきますし、とりあえず(そーは言っても)お話的にはごく極めてシリアスなヤツ…ぽい一方で、登場人物のキャラや言動・言葉遣いには多分に滑稽さや可笑しみ(=やや「厨二」的な質感)が感じられたり、それに主役2人は年頃の男のコ女のコで如何にも青春!て感じに(最初から)見えてはいるのですケド、彼らの互いに対する感情の正体だってコレも最終盤までまるでハッキリしない儘進んでゆくのですし…私自身も、そーいった諸々がようやく(自分の中で)繋がり始めたのは相当に後半深くになってからでしたし、率直なトコロ、コレが繋がらないまま終わってしまった…てな人も少なからず居るだろう、と思うのですね。  ただ、先ほど少し「厨二」な…と書きましたが、確かに格好好いモノを格好好く・あるいは美しい愛を美しく「分かり易く」描くという映画ではないにしろ、描きたいソレ自体は実はごく非常に恰好の好い・美しい・そしてオーソドックスで共感の容易なモノである…とは確実にそー思われたのですよ。ソレを非常に独特でやや「破天荒」とも言える手法で描こうとした、というチャレンジングな作品にも見えましたし、個人的には前述どおりソコら辺とて(最後まで観れば)十分に腹落ちはしたのですよね。ユニークさも含めて、私は非常に好きな映画です。とは言え、序盤~中盤の居心地の悪さと、その後終盤までのワケの分からなさは、重ねて「人を選ぶ」だろう作品だ、とも思われますが。   ※ちょっと原作を読んでからレビュー書いた方が好いヤツだな…とも思ったのですが、それだといつになるか分からないのでとりあえず書きました。そのうち、書き直すことになると思います。
[インターネット(邦画)] 8点(2022-04-23 01:39:37)
256.  Ribbon 《ネタバレ》 
予告編の感じは結構重そう?な映画だったし、ド初っ端もワリかしシリアスな雰囲気…なのですケド、そこから1時間弱はコロナの自粛で暇してる美大生のんちゃんのぐーたら日常コメディが続いてゆく、そのコト自体にはやや意表を突かれたと言っても好いかなあ、と。あと、このコメディ時間帯ってのはコメディの中でもちょっと相当におバカ系寄りとゆーか、特に主人公とその家族(とりわけ父・母)はかなりエキセントリックなキャラ揃いで、結論的には後半がやっぱしかなりシリアスでマジメな展開になってゆく作品としては少しだけ雰囲気はアンマッチかも…とも思いましたかね。もう一つ、コレも少しだけですが脚本が稚拙な部分も在るっちゃあ在る…とゆーか、例えば特に母親の振舞い(いくらナンでもあーゆーのを捨てねーだろ)とか、中盤の内定取消しの唐突な電話(コレもあんなのはもう流石に非常識だろ)とか、率直にチョイ不自然かな…と思う箇所も無くはなかったのですよね。  でも、個人的には今作、正直メチャクチャ気に入りました。やはり描きたいモノがしっかり在るって映画はイイですね!(だから前述のとおりに垣間見える若さ・拙さとかだってむしろ逆に好い様に作用してる…とすら思えましたよ)コロナ禍で人々が受けた傷と、そこからの再生…確かに、それは誰しもに(基本的には)平等に訪れたモノかとも思いますが、そこにも多少の濃淡とゆーか、やはり年齢で言えば若い学生のかた・職業で言えばアートやエンターテインメント業界のかたの方がより困難に直面されたものかとも思います。ある種、誰しもが感情移入できるだろうテーマなのも確かでしょうし、中でその主人公に仮託された思いとゆーのはソレこそ「皆辛いんだ…と思うが故に言えなかった叫び」なのだとゆーのもまた痛いホドに理解できるのですよね。中盤以降はとても共感度の高い映画だったと思いましたし、それをごく明るく爽やか・かつアートでオシャレなラストで締めくくったのも(それこそまだまだ"ままならない"状況が続く中では)ごく適切で嬉しい終い方だったと思います。初監督で主演・脚本も務め上げ、こんな素晴らしい作品を完成させたのんちゃん(+スタッフの方々)には最大の賛辞を!(→1点プラスしておきます)   ※追記:本作は「初・劇場長編作品」で、初監督は『おちをつけなんせ(2019)』なのですね(配信もの)。勘違いしました→そのうち観ます。
[映画館(邦画)] 8点(2022-04-19 22:16:38)
257.  女子高生に殺されたい 《ネタバレ》 
能動的な「殺したい」はまだともかく、やはり受動的に「殺されたい」てのは多分おそらく「愛されたい」すらより極めて高度に困難ですよね(その行為がまるで「一般的」なモノでない以上は)。しかも、今作の「オートアサシノフィリア」とかゆう御仁てのは、それこそ「誰」に殺されたいだとか殺す「方法」だとかにも選り好みがあって、かつその殺人行為自体も「完全犯罪」でなければならんのじゃ!てな具合に注文がエラく多いので、尚更こりゃ~無理っぽいな…とも(最初は)思ってたのですよ。ところが、多少は無茶や無理筋(+ファンタジックや偶然の要素)も含まれるものの、こーいうごく突拍子も無いエキセントリックな企てとしては思いのほか「筋道」はチャンとしてるのでして、結果まずまず上手くいきそうな感じに(かつ実際にもごく着実に)下拵えを済ませてゆくのですよね。一見はふざけたタイトルからシュールコメディかなんかだと思って観に行ったのですが、中々どーして精密に組み立てられたまま上質なサスペンスでした。映画としての展開運びも、前半がその「標的が誰なのか」と「どうやって殺させるのか」というトリック部分のタネ明かし、そして後半が本番当日の顛末、とゆーことでどちらもかなり面白くワクワクと観てゆくコトが出来ました。率直に、意外なホドに面白かったです(+大衆的でありながら実に奇抜なアイデアの有る非常にユニークな作品だ、ともやはり思いますし)。   ※以下、シンプルに思いっ切りネタバレしてますのでご注意ください。   なので映画全体としては全然フツーに楽しかったよ…というコトなのですが、一点だけ、コレだけ綿密に事を運んでいながら、肝心なメインのミッションはまたエラ~くアッサリと失敗したな…とゆーのが正直なトコロでもあるのですよね。クライマックスの展開自体は特に河合優実ちゃんの頑張りが素晴らしくて(てか優実ちゃんはルックス・演技もろもろ今作では非常に好かったと思いますね)そこからの全体的な締め方を含めても決して嫌いな方ではないのですが、重ねて肝心の部分がちょっと呆気無い…という感じでもあって。  とは言え、観終わっての感じも前述どおり確実に好かった方の作品だったとは思ってます。実はコレ、映画版の方が原作よりも少しボリューミーでキャラも追加されてるらしいのですが、それら追加キャラの効果もキチっと出せてるし無駄やダブつきも無かったですし、そして個々の演技も総じてどれも悪くなかったと思いますし(お蔭でカワイイ女の子が沢山出て来るのでその意味でも楽しいですし、言うまでも無く主演・田中圭の「密やかな変態性」という部分のクオリティもそこそこ悪くなかったと思いますし)。たぶん、原作も読むと思います(実は、既に買っちゃいました)。
[映画館(邦画)] 7点(2022-04-19 22:12:16)(良:1票)
258.  明け方の若者たち 《ネタバレ》 
二人とも大学(大学院)卒業してスグに就職したばっかですし、生活も健康的、かつ結構「意識高い」系な感じでもあるのですよね(でも意識「だけ」高い…て風に見えなくもない)。ただ、例えばソコでの二人での遊び方なんかはエラく無邪気であどけないとゆーか、諸々含めてもとにかくなんか「若いな~」つーか、もはや私も多少のジェネレーションギャップとゆーか(少なくとも恋愛映画としては)もう同じ目線では観れないかな…というごく残念なナニモノか、もワリと結構最初からしっかり感じ取れてはいたのですね(てか結局、単に私が老いたダケ)。  ところが本作、その上に実は軽い「叙述トリック」の類でして、この部分は率直に嫌いな人は嫌い~大嫌い(とゆーか「許せない」)というヤツだと思いますので、結論、率直に評価はバラつく方の作品だ、とは思われます。あとは諸々の要素(役者への好悪、音楽性、少しずつでも若者が成長してゆく…という物語性、他)の好み次第…てな感じとしか言えねーですかね。あくまで個人的には、やや好みからは外れたヤツでしたが。  ※とは言ったものの、ね~~~「少しは、好きで居てくれた?」「ごめんね」「本当に、ちゃんと好きだったよ」…て、そーいうコト訊いてんじゃねーよ!つーかさ。正直なハナシ、ワリと結構とんでもねータマだったな…とは思わざるを得なかった、てな感じすね。。。 ※あと、若者の恋愛映画だからソレ自体は別に全然悪くないのですケド、全体のごくライトな感じに比しても性描写が意外なまでにワリと結構しっかり在る…とゆーか、特に中盤の旅行夜のシーンとかはそのカメラ構図とかもなんか相当に生々しいモノだったりして、ソコら辺(個人的には)全体の雰囲気とはやや不整合かとも思いましたね(殊に主演の二人の元来の雰囲気とも合ってなかったかなぁ、と)。 ※もう一つ、コレも北村くんはそーいうお芝居が本領だとは思うのですケド、やっぱワリと結構「ドライ」ぽくも見えるとゆーか、だから終盤でふと打ち明けるホドに実は彼女に入れ込んでいた…とゆーのが序盤・中盤の様子からはあまり伝わって来なかったのですね。ソコはもう少し分かり易くして欲しかったかな…てのも思ってしまうトコロではあります。  ひとつ、随所で挿入されるポップ音楽の感じは確かに好かったと思います。キリンジの『エイリアンズ』は実は初めて聴きましたが素直に好い曲だと思いましたし、その場面にも(その時点の見かけとしても、そして歌詞を深く読み解くと最終的には更に)好く合っていたと思いますね。結局、世界と二人との間に在るのと同じ様に、二人の間にも「越えられぬ壁」が在った…という孤独さを描いたお話かと思いますので。
[インターネット(邦画)] 5点(2022-04-19 02:11:36)
259.  英雄の証明(2021) 《ネタバレ》 
監督作は『別離』と『誰もがそれを知っている』の二作しか観ていないと思いますが、ごくごく陰鬱でシリアスなお話をカタルシスも無いまま最後まで運び切る…という従前からの作風として今作もまたその通りだと言えますし、それがまた中東社会の中に描かれるという一種のエキゾチックさ(+でありながらのお話としての普遍性)といったトコロもまた仍て件の如し、という感じでもあります。この監督大好きなのよ!という人ならば、も~必見だよ!という感じでもありますかね。  やはり、特に宣伝文句にもある様に今般のSNS化社会の在り方を問う…といった部分が(全世界普遍的な社会的テーマなコトもあって)かなり面白く観れましたですね。メディアやSNSで「バズった」結果、チヤホヤと持て囃されたり小金稼ぎになったり…とゆーのは昨今、テクノロジー or プラットフォームのお蔭もあって本当にごく簡単なコトになった…てのはソラそーだ!と思うのですが、誤解を恐れずに敢えて言えば、多くのソレは只の「人間性の切り売り」になってもーてねーか?と思うコトがあるのですよ。言い換えると、ソレってスキル・芸や実績・経験値といった確たる裏付けの無いナニかを商品化しているという意味ではある種の「虚業」だとすら思いますし、特に表現者と言われる範疇の方々にとってはソレは非常に「危うい」コトだ、とも思うのですね。そして、どちらかとゆーと私にとっては、それこそSNS化でそーいう「商品化」の方が容易にもなった一方で、その商品が「偽物か否かの判別」とゆーのもある種、我々一般市民にとっては容易になったのではないか…とも思われるのです。なので、それこそ私自身は今作においても決して主人公側に強く感情移入して観ていたワケでもなくて(そもそも、彼が踏み倒してた1.5億トマンてイラン界隈では相当な大金だとも思いますし)ワリと結構冷めた眼で観ていた…と言っても好いのですよね(結論的には、私には今のSNS社会はその悪しき面と同じくらいに、良き面の方だって当然にまた見えている…様な気もしている、と)。  重ねての個人的結論、もし人間性を売って食ってきたいなら、とりあえずまずは「ホンモノ」を売りなさいね、というコトですかね。今どき、ソコの誤魔化しはも~ほぼ効かないぜ…というコトかな、と。
[映画館(字幕)] 7点(2022-04-19 01:34:40)
260.  世の中にたえて桜のなかりせば 《ネタバレ》 
確かに、桜を眺めると年月の移り変わりを実感するとゆーか、人生における時の流れを再認識しますよね。それはソレが、春という「はじまり」の訪れを告げるモノであるが故か、或いはその儚さ故か、いずれにせよコレも確かに、来年もまた変わらずにこの桜を見れるだろうか…と自らの人生を振り返るきっかけになる、とゆーのはまま有るコトか、とも。  テーマは「終活」。とゆーか今作は、必ずしも人生の晩期に差し掛かった人のみならず、人がふとその人生の「振り返り」をしてみる、という幾つかのエピソードで構成された作品であります。映画自体やシナリオの質感・或いはそのコンパクトさも含めて、どちらかとゆーと(映画より)TVドラマに近い様なごく親しみ易い・分かり易いという作品だったかとも思いますが、それはおそらく本作がメインターゲットとするだろうかなり熟年の視聴者を意識するのならばまま適切なコトだとも思えるし、一方でシンプルな内容・演出はそーではない比較的若い視聴者にとっても、きっと物事の本質的な部分のクオリティとして伝わるだろうモノであったかとも思うのですね。率直に、真摯でとても好い・善い映画だと感じました。  主演の岩本蓮加ちゃんは非常に整ったルックスの美人さんですし、演技自体は発展途上という感じでしたがとても堂々としていて今後が大いに期待されます(ただ、同じ乃木坂の白石麻衣さんに結構瓜二つレベルでソックリだとも思いましたケド)。宝田明さんは、もはや「素」といった感じでこの映画に自分の思いを込められていた…かの様に私には見えました。でも今作でも背筋もシャン!とされていて全くご壮健に見えていたので、重ね重ね残念です。映画を追っかけていると色々と人の噂も耳に入るものですが、どこに行っても好い評判しか聞かない人でした(正に紳士だと)。そう考えると、この映画は宝田氏の人生や人間性のひとつの結実だったのではないか、とは確実に思われるトコロであるのですね。
[映画館(邦画)] 7点(2022-04-16 23:02:14)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS