261. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝/アイアンモンキー
ワンチャイの外伝、と銘打ってて、リー・リンチェイも出演してませんが、要するにウォン・フェイホン先生の少年時代のオハナシ。父親役がドニー・イェンなのでこちらが主人公か、と思いきや、少年時代のフェイホン先生も大活躍してます。このキレのある見事なアクション、演じてるのが実は女の子、というのに驚きつつも、そう言われてみれば確かに、という感じもして、何だかイイ話。 子供の頃からこんなに優秀だったフェイホン先生、してみると『酔拳』に登場したのは、あれはニセモノだったのか、、、 勿論、ドニー・イェンを始め、皆さん、素晴らしいアクションを次々に披露してくれます。おかげで、ストーリーなんて無いに等しいくらいですが、「鉄猿」なる義賊を巡ってひたすら格闘アクションが展開されます。出演者の身体能力に加えて、ワイヤーアクションに早回し(逆にスローモーションも活用)、これらを組み合わせれば、人間に出来ないコトなんて、この世に存在しないんじゃないのかなあ、と。 マキビシみたいなヤツが投げつけられて鎖が切れると火花が飛び散ったりする、芸の細かさ。 ラストの炎の上での死闘まで、目が離せない!! [インターネット(字幕)] 8点(2022-06-25 10:22:52) |
262. ブルーベルベット
コレ、最初に見たのはたしか、木曜洋画劇場。いつもいつも「どマイナー」な映画ばかり放送してる木曜洋画劇場が、満を持して放送したメジャー映画が、よりによってコレ、ですからねー。いや、こんな時間帯にこんなの放送したらアカンでしょ、と。それでも多分、あちこちカットしてたんだとは思うけど、細かい事は覚えてません。すみません。 野原に人間の耳が落ちてて、醜悪な事件が発生して、ラストは花が咲いて鳥が囀る、というオハナシ。と書くと何のこっちゃ、てすが、でもそんなオハナシです。冒頭からそこは、のどかな田舎町であって、ラストもやはりそのまんま。別に何も変わりゃしない。人間の耳に虫がたかり、その虫は綺麗な小鳥に喰われる、という食物連鎖。田舎町の閉塞感って、そんな感じですよね。 そういう閉塞感をそのまんまヤな感じに描いたら、こうなるよ、という映画です。「奇をてらっただけ」と言ってしまうと身も蓋もなくって、そういうあまり人が映画にしなさそうなモノを映画にしてみせる、斬新さ、みたいなものは、ありました。 初めて見た際にやたら印象に残ったのが、「やたら画面を横切る、材木を積んだトレーラー」だったんですけど、改めて見ると、そういうシーン、そんなに多くはなかったんですね。これは意外でした。 あと、カイル・マクラクラン、そこはやはり、トランクスではなく、白いブリーフだろう、と思うのですが、どうでしょうか。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-06-19 21:26:56) |
263. コード211
いやあ、やっぱり、ニコラスケイジ映画にハズレ無し、ですねえ。←最近ではこの格言(?)もアテにならないので(いや、元々アテにならないか)、たまに面白いと、ホッとしちゃいます。この気持ち、一体何なんでしょうか。 とは言え、作品も、最初は何だか映像が軽くて安っぽくって、ダメなんじゃないかなあ、と思ったのですが、これからはこういう映像にも慣れていかないといけないんでしょうなあ。 しかも最初の方は、ニコラス・ケイジはどちらかというと蚊帳の外、まあ、このまま脇役でいてくれたら、映画が穏便に進みそうな気も。 しかし、ついに事件が発生。ここから、前半描かれた様々な事象が物語に絡みつき、スピード感溢れる展開となります。いや、あまり物語において大した役を果たさない設定も、たしかにありましたけれども。 銃撃戦の真っ直中に放り込まれる警官二人と少年。その心細さが、共感を生み、友情を生む。いや、いいと思うなあ。 短い映画とは言え、この緊迫感、スピード感。あっという間にラストへ、という感じで、これはなかなかの作品だったと思います。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-06-19 20:48:19) |
264. 狼/男たちの挽歌・最終章
敵多過ぎ、撃ち過ぎ、ヒト死に過ぎ。無限に弾丸が出る銃をチョウ・ユンファが乱射しまくる、バイオレンス巨篇。ってか。 やり過ぎるくらいやってナンボ、とは言え、「やり過ぎ」をやり過ぎるとギャグになってしまう。そこがジョン・ウーらしさ、とも言えるんでしょうけど。 しかしまあ、自分のせいで視力を失ったという「守るべき女性」がいて。 本来なら敵である刑事との間に生まれた友情があって。 あの今ではお馴染みになった白いハトもいて。 必要なものは揃ってるので、いいんじゃないですかねえ。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-06-19 14:10:25) |
265. シューター
安っぽいアクション映画、ではあるのですが、これがなかなかの拾いモノ。こういうのを拾いモノなどと言ってると、「っまた、もう、こんなゴミばかり拾ってきて!」と怒られそう。幼稚園くらいの男の子がよくママに叱られるパターンですね。 主な舞台はチェコのプラハ。きっとロケ費用が安かっただけなんじゃないの、という気もするけど、何とも言えぬ田舎くさい雰囲気があって、作品の特徴になってます。 監督がテッド・コッチェフ、ってのがまず嬉しくなります。いや、何が嬉しいのかと訊かれても答えに窮しますが、「ランボー」「地獄の七人」以外にもちゃんと仕事してるんだなあ、と。しかも今回の主演は人間核弾頭こと、ドルフ・ラングレン。なんと絶妙な組み合わせ。 そのドルフ・ラングレン、アクション映画なので一応はアクションやってますが、とても極真空手の使い手とは思えない、ノッソリとした印象。その巨体に加えて持ち前のイカツイ顔立ち、雰囲気的にはニック・ノルティみたいな、不器用そうな感じ。 そこに少し、ラブ・ロマンスっぽさを絡めてくるのが、不器用さを際立たせて、いいんですねえ。哀愁もあって。 超人的なアクション、という路線ではない代わり、ビルの壁面だとか、屋根の上だとか、高さを利用した活劇を演じているのが、これまた見せ場になってます。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-06-19 13:55:43) |
266. びっくり武士道
コント55号というと、基本的には欽ちゃんが二郎さんを追い詰めて、「ボケに対するツッコミ」というよりも、ツッコミがボケを呼んでまたそれがツッコミを生む、みたいな無限ループのイメージ。 しかしこの作品では二郎さんがコワモテのメチャクチャ強い武芸者、それに対し欽ちゃんはフニャフニャの弱腰のお侍さん。これがまた実に、役柄にピッタリだったりするのです。 二郎さんの異常なまでの強さ、向かい来る相手を空高く投げまくるあたりのアホらしい誇張(これはもはやカンフーハッスルの先駆的作品、と言ってよいのではなかろうか)。こういったあたりはしっかりギャグ映画になってるし、欽ちゃんの怯えた表情も見どころ、ではありますが、基本的にはシリアスなものを含んだオハナシで、ちょっと噛み合わない印象も。 音楽は冨田勲。シンセサイザーらしき音色も聞こえてきます。 [インターネット(邦画)] 6点(2022-06-19 10:30:54) |
267. ラスト・ソルジャー(2010)
ジャッキー・チェンらしい体を使ったアクションもある程度は取り入れられてるし、そこにはコミカルな工夫もこらされてるけれど、この作品におけるジャッキー・チェンはあくまで名もなき一兵士、という位置づけなので、そういう「らしい」アクションは抑え気味。 という、ちょっと新境地を目指したようなところがあって、それはそれで結構なのですが、まずそれ以前に、ただ機械的にカットを細切れにしました、といった感じの演出が、気分を削いでしまします。最近よく聞く言葉で言うなら、「ハリウッドの劣化版コピー」というヤツでしょうか。似せても同じモノにはならないので、劣るしかない。 あと、どの国でもこの形で公開されてるのかは知らないけれど、こういう物語の映画でも最後にNG集をつける神経は、正直、ワカリマセン。 [インターネット(字幕)] 4点(2022-06-19 10:08:59) |
268. 大いなる陰謀
この「大いなる陰謀」という邦題はどう考えたらいいんですかねー。まさか、「民主党支持者のレッドフォードが、トム・クルーズ演じる共和党上院議員に一見もっともらしい事を喋らせて、必ずしも共和党ばかりが悪い訳じゃないんだよ、という体裁を取りつつ、最終的には痛烈な批判に結びつける。これこそまさに、レッドフォードの大いなる陰謀だ」ってコトなんですかね。いや、まさか。 しかしいずれにせよ、政府を茶化しさえすれば自分の役割を果たしている、と言わんばかりの言論にはもう飽き飽きしている昨今、この映画の真摯なアプローチは新鮮でもあり、訴えかけてくるものも大きいです。 この映画では、密接に関わりつつも直接には交わらない3つのオハナシ、というか「場面」が、並行して描かれます。共和党上院議員とリベラル派の記者との対話。作戦中にヘリから転落し、雪山で敵に囲まれた2人の兵士。そして2人をかつて受け持った教授と、キレ者のエリートだけどいささか斜に構えたところのある学生との対話。 いくらお題目を並べてみたところで、表向き見えないところでは、貧しき者が兵士となって戦場で命の危機にさらされている、という現実がある。その批判に対して、「じゃあ私の成績優秀さが罪なのか」という、上院議員と学生とのセリフがシンクロして。 アメリカって国は、日本よりはるかに、エリートが引っ張る国、になってます。だからこそ、エリートが現実に対し目を向けないといけない。現実を直視した上で、エリートが声を上げ、行動しなくちゃいけない、ということなんでしょう。 という訳でこの作品、社会批判ばかりではなく、そういう自己への戒めまでもが含まれているようにも感じられます。だからこそ、3つのオハナシを対立するように配置させ、トム・クルーズ上院議員の勝ち誇ったような表情と、やつれて何だか頼りないレッドフォードの表情とを、戦場の兵士の絶望感の中に容赦なく放り込んでくる構成、これが大きな効果を上げているように感じられます。 もっとも、この映画でもって、世の中が簡単に変わるものではないのですが・・・。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-06-19 09:54:50) |
269. 噂の二人
《ネタバレ》 クソガキのばら撒いた噂話によって、二人の女性教師が同性愛者というレッテルを貼られ、社会生活をブチ壊される。 ということで、子供のウソに大人が振り回されて人生を狂わされてしまうオハナシ。ではあるのですが、それがウソかどうかよりも、同性愛者という理由で差別される社会こそ問題ではないか、というテーマも、見えてきます。すなわち「不寛容」のオハナシ。 さらには、人を信じること、疑うこと、のオハナシでもあります。子供を疑うのか。フィアンセを信じられるのか。自分を疑った人間を、はたして信じることができるのか。 そういったことも全て、クソガキの素晴らしいクソガキ演技があってこその演出で、アカデミークソガキ賞ってのがあったら是非差し上げたい。激戦になりそうだけど。 二人の女性教師を演じる、オードリー・ヘップバーンとシャーリー・マクレーン、髪の色に合わせるかのように、何となくオードリーの方が濃い色の服を着てて、対照的な雰囲気を出しつつも、どこか二人は双子のようにシンクロしてるようなところもあって。 ラスト間際に発生する異変、その緊迫感。我々は何が起こったのかをすでに察しつつ、オードリーの表情を正面から突きつけられることになります。くずおれた彼女の手前には、倒れた椅子と、ベッドのシーツに映る、揺れる足の影。衝撃的です。 [インターネット(字幕)] 8点(2022-06-18 10:33:42) |
270. 女吸血鬼
吸血鬼のくせに、満月についつい反応してしまうという狼男モドキ。吸血鬼のくせに、鏡に映らないどころか「鏡に映りまくってます」とやたら強調する演出。日光だって(ある程度は?)平気らしい。 では吸血鬼らしくないのかというと、これがとんでもない、バッチリ、これぞ吸血鬼という雰囲気出しまくり。というか、ハマー・プロっぽい雰囲気、とでも言えばいいですかね。まだ50年代で、洋画にも引けを取らない怪奇映画らしさを出してるのは、オドロキです。 西洋館には西洋館らしく、西洋の甲冑が飾ってあり、謎の西洋画が神秘性をもたらす。終盤の吸血鬼の巣窟みたいなところも、底なし沼だか底なし温泉だかがあって何だかミョーではあるものの、怪しい雰囲気はバッチシ。 満月に苦しみつつ変身する天知茂の、その怪しさに至っては、クリストファー・リーなんかにゃ絶対負けてないと思うのですが、どうでしょうか。 彼が運転するクルマのトランクから、わざとらしく(?)衣装がはみ出てる。と思ったらトランクが透けて、中に閉じ込められた女性の姿が。これってまさに、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』じゃないですか。 時代を超越しちゃってますね。さすが。 [インターネット(邦画)] 7点(2022-06-16 22:24:04) |
271. 不良少女 魔子
《ネタバレ》 小野寺昭が若いですねー。でもあまり変わりませんねー。特にあの独特の、張りのない声が。 さて本作、暴力・犯罪に明け暮れる破滅的で無軌道な若者たちの群像劇、といいたいところですが、もう一つ、不良指数が上がらない。まあ、結構ワルい事はしてて、お陰で敵対組織とのイザコサに発展するにはするのですが、結局のところ、主人公たる不良少女・魔子、ってのが、意外に古風な女性なんですね。だから、どちらかというと、湿っぽい方向に物語は進んでいきます。誰のせいかって? それはもちろん、小野寺昭。 魔子が兄の藤竜也を刺してしまうまでの一連のやりとりを描く場面は、なかなかでした。他はイマイチ。 [インターネット(邦画)] 5点(2022-06-14 22:26:44) |
272. 網走番外地 荒野の対決
《ネタバレ》 刑務所内のシーンで映画は幕を開けますが、刑務所から外に出て射撃大会の場面になると、背景にやたら雄大な山々が見渡されて、露骨に西部劇チック。 その後の展開も、西部劇を意識してるんでしょうけど、どういうわけだか、これが不思議なくらい、西部劇っぽくないんだなあ。 これはやっぱり、北海道。そしてやっぱり、網走番外地。素晴らしきはムショ仲間たち。 悪徳牧場の様々なイヤガラセが、これでも繰り返された挙げ句、最後は殴り込み、などという展開、西部劇どころか完全に任侠映画。 と思ったら、意外な復讐譚に結びつく、というのが、意表をついた展開。意外に現代的なオハナシだったのでした。いや、意外。 大原麗子の熱演が、見どころ。 [インターネット(邦画)] 7点(2022-06-13 22:19:46) |
273. 新ポリス・ストーリー(1993)
最後まで見ると、コレが実際の事件をベースにした映画らしいことがわかるのですが、それもあって、シリアスな内容。これがどうも、ジャッキー・チェンという人に、イマイチ合わない。 いや、シリアスな中でも、アクションにいくつか変わったシチュエーションを持ち込んで、工夫を凝らした場面が取り入れられてるのはわかるんですけど、もともとオーバーなアクションに持ち味があるジャッキー・チェンには、いささか窮屈な作品となっている印象。爆破シーンなどでブッ飛んだ演出もなされてたりはするんですけどね。でも全体を通じて見ると、もう一つノリがよろしくないかなあ、と。 単に、メチャクチャ強い敵とタイマン対決して欲しかった、というだけのことかも知れないけれど。 [インターネット(字幕)] 5点(2022-06-12 22:52:21) |
274. ウィッカーマン(1973)
《ネタバレ》 行方不明の少女を捜すお巡りさんが足を踏み入れた島は、エロ教団に支配されてましたとさ。と言う訳で、ややオカルトじみたサスペンス、というかエロ映画。というか、なぜかこれ、ミュージカル仕立てなんですねえ。一体、何なんでしょうか。 エロと言っても、かなり投げやりなハダカですが。 という、何だか煮え切らない映画、そうはいいつつも何となく迷宮感みたいなものが徐々に出て来た挙げ句、終盤は妙にテンション上がって盛り上がる、というのがますます訳が判らない。うん、ホント、妙に盛り上がるんです。たぶん、投げやりだからでしょう。 炎に包まれた巨大な人形が崩れた向こうに、海に沈みゆく夕日をカメラが捉えるラストシーンなどは、こんなヘンタイ映画にもったいないくらいに素晴らしくもカッコいいではないですか。ちょっと、ヤラレたな、と。 [インターネット(字幕)] 6点(2022-06-12 22:35:34) |
275. ストリートファイター(1975)
ウォルター・ヒルって、80年代に入ると、サム・ペキンパー亡き後のバイオレンス映画の巨匠、みたいに祭り上げられかけてたように思うのですが、本当の持ち味はやはりこういう、こぢんまりしてるけど一本筋が通ってるような、要するに「ダサい」作品、なんでしょうねえ。 ジェームズ・コバーンを始めとする登場人物のオッサンたちはだいたい、いかにもギャングです、といった感じの、ツバのついた帽子を被ってて、一方のブロンソンはというと、いかにもチンピラです、といった感じのハンチングみたいなヤツを被ってる。安っぽくも逞しいアウトロー、といった面々。 そのブロンソンが、賭けで殴り合いの勝負をする。今だったら、総合格闘技なんてのも結構お馴染みになってきてるので、こんなアメプロ風の殴り合いはそれなりにウソ臭く見えてしまう部分もあるのですが、これもまあいわば、「殴ってます!」というのをストレートに伝える、殴り合いですね。不器用さ、武骨さ、ゴツゴツ感。 こんな映画、そのうち誰も見なくなるんじゃないか。だったら今、見るべきです。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-06-12 16:36:52) |
276. 東京喰種 トーキョーグール
異様に室内シーンが多くないですか? 屋外のシーンであっても大半は屋内シーンと大差ないような場面ばかりで。ある場面からある場面にかけては、当然、登場人物は何らかの移動手段でもって移動してるんだろうから、そういうシーンをもう少し積極的に取り込むだけでも、映画に動きが出るんじゃないのかなあ。 あまりに見映えがしない場面ばかり続くもんで少々イライラしてきたら、申し訳程度に夜の都会の空撮が挿入されて、ああ一応はそういう事もやるのね、と、ちょっと笑ってしまいました。 クライマックスも、街の片隅のどこだかでひっそりとバトルが繰り広げられるだけ。ここは無人の街なのか? まさか。 ホントにこんなスケール感の無い作りで、良かったんでしょうか。 [インターネット(邦画)] 4点(2022-06-12 16:00:00) |
277. 日本侠客伝 斬り込み
《ネタバレ》 一介のしがないやくざ者が、テキ屋を束ねて一家を構えるまで、みたいなオハナシなので、なかなか壮大と言えば壮大ですが、概ねいつも通り、でしょうかね。 ただ、健さんが子連れの男やもめ、ってのが、ちょっとした意外性。で、持ち前の生一本な性分から、最初は結構、無茶ばかり言ってるところがあるのですが、会うヒトにも恵まれて、運命の歯車が回り出す。 金子信雄までがイイ人だなんで、ちょっとショック(笑)で、これで渡辺文雄までイイ人だったらどうしよう、というところですが、一応ワルい人だったので安心しました。 長門裕之は、なんとも「らしい」役どころ、関西出身ということもあって、関西弁のセリフ回しも完璧ですが、早口なのでちょっと聴き取りづらいかも。 「斬り込み」というサブタイトル。冒頭にも殴り込みシーンがあるけれど、もちろんクライマックスにも。 とは言え、この映画の主題は、家族愛。ファミリー映画ですねー。 [インターネット(邦画)] 7点(2022-06-11 10:26:37) |
278. 追撃者(2000)
本来なら、ラジー賞なんていうメジャータイトルからお声がかかることなんて無いであろう、小品の部類に入りそうな作品なんですが、そこはそれ、やはりスタローンが主演となると、周りが黙ってない。有難いことです。 正直、ストーリーを追い掛けてると、殆ど要領を得ないオハナシと言っちゃっていいと思うのですが、いやでもこれ、なかなかシャレてて、イイと思うんですけどねー。 ド田舎なり森林なりで機関銃を乱射してるイメージの強いスタローンにしては珍しい(?)、都会の雰囲気。 雨の中、階段に座って会話を交わすシーンで、スタローンの姿はカメラに入ってないけれど、タバコの煙が彼の存在を表してる。 壁ドンの後に向き合って会話するシーンで、そばの鏡が彼の表情を捉えていたり。 ラストの墓地のシーンにおいて聞こえてくる、鳥の囀りなども、いいじゃないですか。 [インターネット(字幕)] 7点(2022-06-11 09:56:24) |
279. トゥ・ヘル
《ネタバレ》 ニコラスケイジ映画にハズレ無し。と弁護するのも、そろそろツラくなってきました・・・。 もはや、面白いくらいに、ちっともオモシロくない(笑)。でも、そんな映画を救えるのは、彼を置いて他にいない!のです。さて、無事、救えたかどうか? 「私はスターではありません」オーラ出しまくりの小汚いニコラス・ケイジが、暴漢(?)に襲われてるらしきオバチャンを助けるも、なぜかオバチャンに恨まれ、もっとよく分からないのが、なぜかそのオバチャンと意気投合してしまう。割れ鍋に綴じ蓋、と言えばそうなんですが、というかそれしか言いようがないんですが、とにかく彼は、オバチャンと娘のところに転がり込んでしまう。 オバチャンの身の上には、超常現象チックな設定がなされているのですが、映画に本当の異変が起こるのは後半。ちょっと、遅い。 要するに、社会の底辺で因縁がぐるぐる廻ってるようなオハナシで、今さら「トゥ・ヘル」も無いだろう、という救いの無さ、なんですが、映画自体にも、工夫も救いも無く、ちょっとダレちゃいます。 ニコラス・ケイジは、こう見えても粗大ゴミではなく、「燃えるゴミ」だった、というオチ。 [インターネット(字幕)] 4点(2022-06-11 09:32:55) |
280. 紅顔の若武者 織田信長
織田信長の若き日を、若き日の中村錦之助が演じて、ただでもトーン高めの声が、若さが重なって殆どキンキン声。 大ウツケと言われた頃の信長役だけあって、どぎついメイクの不良顔。モノクロだからハッキリとは判らんけれど、髪の毛の色はもしかして茶髪、いやそれこそ金髪なんじゃなかろうかと。 というくらいの、なかなかのヤンチャっぽさ。ただしやってることは不良というよりは、田舎の子供、といった感じですが。 ただこの作品、どうしようも無い暴れん坊の信長が、斎藤道三に会いにいく際に突然、正気に戻ってそこで終わっちゃう。え、せめて桶狭間は?と、さすがに物足りない。いろいろキッカケはあったとは言え、唐突に真人間になった、という印象。 ところどころのシーンで、照明の当て方がイマイチなのか、背景に登場人物の影が妙な具合に映ってしまい、気になり出すとどうにも気になって仕方なくなっちゃう。もう少し巧く撮れなかったもんかなあ、と。 [インターネット(邦画)] 5点(2022-06-08 22:34:58) |