261. ブレス
《ネタバレ》 一言もしゃべらずにあそこまで表現できる美しい瞳のチャン・チェンに危うく惚れそうになるが、全体的に痛い映画だった。笑って良いんだか分からないシーンで、血迷った中年主婦の音痴な振り付きの歌を何度も聞かされるのは正直苦痛だった。ただし、ラスト近くのありえないラブシーンは露出が少ない割に妙にそそられるので、途中で見るのをやめなくて良かったと思った(笑) [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-07-30 22:10:13) |
262. タクシードライバー(1976)
世界は自分を中心に回ってはくれないことを、大人になっても分からない人間がいる。そんなトラヴィスと同様の心理状態のまま突き進んで本当に犯罪者になってしまう人間が珍しくない時代になってしまった今、この主人公の病み具合が恐ろしくリアルに感じられる。今も昔も極端な俺様男には要注意!特にこの映画に心酔しちゃうような若者にはご用心を。 こんな繊細かつ危険な人物の危うさを一挙手一投足で、或いは表情だけでビンビンに表現してみせるデニーロの役者魂にもホレボレ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-07-30 22:01:17)(良:1票) |
263. 亀は意外と速く泳ぐ
三木ワールド全開。私は大好きです。ゆるいんだか豪快なんだか分からない登場人物たちの、ふざけてんだか真剣なんだか分からない謎の行動。このツボにはまれる自分はきっと、かなり幸せなそこそこ人生を歩んでいるんだと思う。人を傷つける様子を字幕まで出して笑うことを強要するテレビのお笑い番組よりよっぽどリラックスして楽しめます。目隠シストさんのレビューを読んで深く共感し、タイトルに込められたメッセージをようやく理解し、この映画がさらに好きになりました。そこそこの人々のそこそこ人生に愛を込めて力一杯のエールを♪ [CS・衛星(邦画)] 9点(2009-07-29 08:20:07)(良:1票) |
264. 恋愛小説家
ここでの評価の高さに期待して見たけれど、最後まで惹きつけられるものがなかった。どちらかと言えば偏屈人間を偏愛する傾向のある私だが、メルヴィンのキャラは全然好きになれない。いい歳して余裕なさすぎ、視野狭すぎ。キャロルもいくら生活に疲れて欲求不満になってるとは言え、とりあえず誰でもいいんか?と突っ込みたくなるようながっついた様子が痛々しくて見ていられない。あと、純粋な恋愛映画の場合、いくらストーリーが良くても肝心の主演二人のルックスが自分自身のストライクゾーンからあまりにもかけ離れていると感情移入がかなり難しいことをしみじみ思い知った夜であった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-07-29 00:59:35)(良:1票) |
265. ピンチクリフ・グランプリ
たかが人形劇と侮るなかれ。日本昔話に出てくるような無茶な形をした山のてっぺんに、人と動物が仲良く素朴な暮らしを営んでいる・・という絵本ぽい設定がもうツボで、自然とニコニコしてしまう。手仕事ならではの味のある映像に和んでいたら、レースシーンでの思いがけないスピード感にさらに嬉しい驚き。序盤のテンポの悪さも味のウチ、という大甘採点で9点献上。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-07-28 16:04:21) |
266. ニコライとアレクサンドラ
ロシア史については世界史教科書程度の知識(それもうろ覚え)しかなかったがそれなりに面白かった。全体の長さに比べて驚くほどあっさりと終わるラストには、肩すかし感というよりむしろ肩の荷が下りるような安堵を感じた。ラスプーチンの人物像がたいへん興味深く印象に残り、後で調べてみようという気になった。ということで、ロシア史に興味のない人間をも振り向かせるという意味では大成功の作品。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-07-28 14:59:20) |
267. 純喫茶磯辺
ダッサダサのインテリア&セクハラ誘因そのものみたいな制服を店員に着せておいて純喫茶と気取って悦に入る親父の馬鹿さ加減がもう、自分の父親を見ているようで情けなくて涙が出たww 人間って本当にどうしようもなく馬鹿で愛おしい。それが他人だったら笑って見ていられるけど、肉親だと心底うんざり、まして年頃の女子にはキツイ。そういう男親に限って娘の気持ちにやたら鈍感。悪気はなくても破壊力ばっちりな鈍感さ。でも、そういう父親を見て育つと自然と娘にだめんず免疫ができるので、長い目で見ると教育的には◎だったりする(笑) [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-07-28 14:40:29)(笑:1票) |
268. フィフス・エレメント
《ネタバレ》 この作品に10点いれるのは勇気がいるが・・好きなモンは仕方ない。お金めいっぱいかけて悪趣味スレスレなB級SFを作っちゃう心意気が好き。まさに大きいコドモの道楽映画。なんかもう、みんな楽しそうに演ってんなー!って感じ。ミラも可愛いし、オペラシーンにもウットリ。個人的には、ゲイリー・オールドマンの「また空っぽ…」のリアクションだけでご飯3杯いける。スターウォーズもブレードランナーも好きだけど、どうせだったらこれぐらい豪快な馬鹿が元気に生きてる未来の方が楽しそうで憧れる。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2009-07-27 01:22:28)(良:4票) |
269. インベージョン
《ネタバレ》 エイリアン的な冷たい美貌のニコール・キッドマンがヒロインだと、無表情を装うのは朝飯前という気がしてあんまりハラハラしないのだった。敵の感染拡大の方法が下品すぎてオエー!!生理的不快感をかき立てるシーンが多いので食事の前後の鑑賞は避けるべし。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-07-26 00:08:55) |
270. フィクサー(2007)
後半物語が加速的に動き出してからは面白かったが、そこに行き着くまでが冗長に感じてちと疲れた。渋い題材を上手にまとめた佳作という印象だが、裏社会に生きる男の悲哀を演じるには、クルーニーはやっぱり善人面すぎるような。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-07-26 00:01:40) |
271. NANA
あれだけ対照的な二人が仲良しってのがそもそもファンタジーなので良くも悪くも少女漫画的に成功している。本人達は真剣でも大人から見ると青臭くて見てられないってカップルばっか出てくるので、自分がいかにこの映画のターゲットから外れているのかがよく分かる。ハチのキャラはかなりウザイけど、宮崎あおいの可愛いさでギリギリ許せる。ナナのキャラはかなり怖いけど、中島美嘉の持ち味で納得感出まくり。ストーリーに深みはないが、キャスティングによるキャラ立ちが秀逸で面白かった。しかし一緒に風呂入っていちゃついてても全く血の気の感じられない男女ってのもすごいな。爬虫類か? [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-07-25 23:54:10) |
272. 家族(1970)
高度成長期の陰で必死に生きていたであろう人々の生活感が赤裸々に現れていて、何だか自分が生まれた頃の親の苦労を追想するようで切なかった。そりゃ悲惨すぎてありえないだろう、と思うようなことが実際に起こりえた時代だったのだろう。全編を通じてひたすら地味で暗くて心休まらないエピソードばかりで、だんだん見ている方も辛くなってくるのだが、こういう時代に必死に生きた世代のおかげで今の豊かな日本があるのだろうとか、彼らの憧れた豊かな生活を当然のように享受して漫然と生きている私たちは豊かさと引き替えに失った物もあるのではないかとか、色々と考えさせられた。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-07-24 23:32:13) |
273. ツォツィ
題材は悪くないのに、展開が乱暴すぎて気持ちの持って行き場が無い。不良少年の改心を描くのかと思ったが単なる行き当たりばったりの行動という気もするし、その幼さを許すには既に犯した罪が重すぎるし。豊かな国では性善説がもはや成り立たず、生活苦とは無関係に我が子を殺す母親もいるわけだが、貧しい国だからこそ心の品性は失わずにいようというメッセージなのか。セリフ無しで感情の変化を表現できる主演の若者の演技力はなかなかすごいと思った。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2009-07-23 14:26:55) |
274. 天使のくれた時間
《ネタバレ》 途中テンポが悪くてちょっとダレるけど、悪人が出てこない(強いて言えばあの天使こそが性悪者?)ので心やすく鑑賞できる可愛いファンタジー。エンディングへの持って行き方もあたたかみを感じる遠景が中心で、天使がほくそ笑んでいる気分を味わえる。ティア・レオーニがとてもキュートで魅力的。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-07-23 12:10:12) |
275. THE 有頂天ホテル
芝居だったら無茶な展開もそれなりに楽しめたのかも知れないけど…映画で観るには無理のありすぎるストーリーだった。フジテレビ臭がプンプンしてますが、豪華ゲスト目白押しのバラエティ番組だと思えばいいのか。人気役者を集めて端から宴会芸を披露させているような下らなさ。興ざめでした。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2009-07-23 11:53:43) |
276. クリムト
クリムトの作品とマルコヴィッチが好きなので観てみたが、芸術家の妄想を陳腐に見せずに映像化するのは厳しいなーと思わざるを得なかった。ただ、エゴン・シーレを演じていた役者があまりにもシーレのイメージにぴったりだったので誰かと思ったらクラウス・キンスキーの息子というのに驚いた。キャスティングは◎だったのに、惜しい。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-07-23 11:38:59) |
277. オーシャンズ11
《ネタバレ》 豪華キャストなのに中味うっすー!おまけに泥棒映画なのに緊張感ゼロ。あえて良い点を探すなら、軽くてお洒落っぽいのでヴァニティ・フェア誌を眺める気分でやたらリラックスして観られるし、世間話の種にもなる。つまり美容院で流すが吉。あと、他にも指摘している人がいますが、ジュリア・ロバーツの立ち居振る舞いがどうにも品がないのが気になりました。こんな女のためにそこまでするの?と思わせてしまってはお話にならないでしょーが。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-07-23 11:29:23) |
278. クレイマー、クレイマー
自分自身、母親としてはかなり好き勝手にやってる方だと思うが、あんな可愛い盛りの(しかもあんなに聞き分けの良い)子供を置いて出て行くのはやっぱり考えられなくて、かなり一方的に男目線の脚本だなぁと思ってしまう。しかも家庭を顧みない仕事人間のハズがいきなり模範的なパパになるかと思えば、母親にはわざわざ裁判の場で恋人がいるとか言わせるし。そもそも子供が朝起きたら知らない女の人が全裸で家の中にいるってのはアリなの?これが男女逆なら非難囂々じゃなかろーか?なんかいちいちフェアじゃないなーと感じる映画です。出演者それぞれの演技は良かったし、エンディングでちょっと溜飲が下がったかな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-07-23 11:12:41) |
279. レナードの朝
二人の名優の神演技を堪能できます。激しく痙攣しながら鬼気迫る形相で「学べ!学べ!」と叫ぶパーキンソン病患者。R.デニーロにしかできません。とことん不器用でシャイな医師が、嬉しいときにちっちゃな目をキラキラさせてはにかむ様子。R.ウィリアムスにしかできません。展開に無理のない抑えたエンディングも良かった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-07-22 14:18:57) |
280. ダーウィン・アワード
馬鹿な人間を笑うというより、主人公を含め、人間のどうしようもない愚かさを笑って許そうという趣旨の映画だと思う。一人で大恥をかいた時、周りの人間に見なかったふりをされるよりいっそ爆笑してもらった方が救われることもある。不幸にも愚かな死に様でこの世を去った人々の存在意義を証明するダーウィン賞の発想は、実は人間愛に満ちているのでは(笑)。「実際のところ、勇気と愚かさはほぼ同義」ってシーンについ爆笑したが、話が進むにつれて、過剰な警戒心も愚かさとほぼ同義ということが分かる仕組み。すごく面白かった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-07-22 13:48:21) |