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2801.  ハロルドとモード 少年は虹を渡る 《ネタバレ》 
少年の自殺妄想描写(?)があまりにも唐突で浮いていて、中身に入り込めませんでした。霊柩車を乗り回すという使い方も、演出としてかなり乱暴なのでは・・・。ロマンスが開始する過程も、必然性があまり感じられません。
[映画館(字幕)] 5点(2010-11-04 00:21:33)
2802.  樺太1945年夏 氷雪の門 《ネタバレ》 
第二次大戦中に、ソ連が条約を無視して一方的に侵攻してきたこと、日本の降伏後もさらに武力行使を続けたこと、そしてそれらの責任は現在までどこでも問われていないことという、日本の歴史上の重要事項を現在にまで伝える貴重な作品。しかも、あくまでも主人公たちの日常生活に立脚した上で、生々しさと現実性をもってその理不尽さを描写しきっているところに意味がある。とりわけ、二木てるみと藤田弓子の存在感は、作品に大きな説得力を与えている。まるで本当に郵便局内で事態の推移を見ているような迫力があるし、それによって、結末が単に衝撃的であるというにとどまらず、今日に生きる我々にも数多くの示唆と教訓を示している。
[映画館(邦画)] 8点(2010-11-04 00:17:04)
2803.  インサイド・マン 《ネタバレ》 
デコレーションの部分でいろいろ頑張ろうとはしているのだが、肝心の骨のところに特筆すべき点がないので、拍子抜け感だけが残ってしまう。豪華キャストが目眩ましに見えてしまいます。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-11-01 01:39:01)
2804.  變臉~この櫂に手をそえて~
ことさらに突飛な展開をしない地道な描写の積み重ねに好感が持てる。主人公の爺さんも絡み役の少女も、最初の方は素人級の芝居ではないかと思っていたが、物語が進むにつれてとてもいい顔をするようになっている。歌劇役者の彼が裏の功績者ですね。
[映画館(字幕)] 6点(2010-10-31 22:00:57)
2805.  薔薇の名前
謎の展開も解き明かし方も単調で面白みがない。雰囲気で押し切っている感じだと思う。
[DVD(字幕)] 4点(2010-10-31 01:28:53)
2806.  最後の誘惑
当時はかなりの問題作として騒がれていたような気がするが、それよりも観念的・抽象的描写の方が勝っており、そんなにどぎつい作品ではない。ウィレム・デフォーが一般的な意味で顔が整ってて爽やかすぎて、この役にはあまり合っていないのが気になった。
[DVD(字幕)] 6点(2010-10-31 01:15:02)
2807.  幸福(1981)
ホームドラマ的演出、説明台詞・直接台詞の連発、視点のブレといった根本的な問題が、作品素材の良さを大きく殺している。これにはがっかりした。これだけいいキャストを使っておいて何でこんなことに・・・という感じ。
[DVD(邦画)] 3点(2010-09-27 02:05:18)
2808.  瞳の奥の秘密
サスペンスの部分とロマンスの部分が高濃度でブレンドされて相互に上手く作用し合っている、なかなか稀有な作品。南米版「刑事ジョン・ブック」と言ったら褒めすぎか。内容を的確に象徴した原題および邦題も優れていると思う。
[映画館(字幕)] 7点(2010-09-26 22:15:19)
2809.  パニック・フライト 《ネタバレ》 
前半にしても後半にしても、割とチマチマした空間で攻防が展開されるのであるが、手を拡げすぎず、単純なやりとりに徹しているのに好感を持った。心理戦の要素をもう少し入れてくれれば、まだ良くなったとは思うが・・・。レイチェル・マクアダムスは、久々に、「怯え顔が上手い女優」だと思う。
[DVD(字幕)] 5点(2010-09-25 03:07:47)
2810.  アメリカの影
即興性を売りにしていながらその即興性自体も中途半端であるため、全体が不完全燃焼に終わっている。手法が自己目的化してしまったら、そりゃ良くなることはないでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2010-09-22 02:56:20)
2811.  家族ゲーム 《ネタバレ》 
これは残念ながら、テレビ連ドラ版の圧勝。松田優作ではもともと何か有能に見えてしまい、長渕剛が発散していた「三流大学落ちこぼれ三留生がやりたい放題やっていたらなぜかそれが劣等生を改善してしまう」という設定の面白味が出せない。伊丹十三も妙に上品で、伊東四朗ならではの、何も考えてないガンコ親父の風情がない。由紀さおりには、白川由美が的確に表現していたうわべだけの上品さが醸出できていない。兄貴役の彼も、もともと優秀なお坊ちゃんに見えないので、後で立場が逆転したときの虚無感や切なさや逆の解放感が出てこない。テレビ版は直接的で単純で世俗的な描写ではあったが、それだけに、作品に原始的でストレートなパワーがあった。ここでは、演出がテクニックに走ってしまっているので、その分、家族間の生々しいドラマの部分を削いでしまっている。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-09-21 19:33:31)
2812.  ボーン・スプレマシー
ジョアン・アレンが出てしまうとですね、すべての作品中のポイントが彼女に行ってしまうのです。どんなカーチェイスよりも銃撃戦よりも、彼女1人の存在感の方が上です。
[DVD(字幕)] 5点(2010-09-19 23:50:14)
2813.  バンテージ・ポイント 《ネタバレ》 
多角視点モノは好きなので、点数は甘め。全体としては、視点の違いが視点の違いにしかなっておらず、心理的な裏返しの部分にまでは至っていないのだが、それでも90分をノンストップで見せ切る突進力はなかなかのもの。締めの強引さとか、場所的なつじつまの合わなさもご愛敬ですね。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-09-13 01:43:44)
2814.  荷車の歌 《ネタバレ》 
地道で淡々とした描写で進むかと思いきや、実は今日の感覚で見ると、ホームドラマの常套手段をいろんな場面で外しているのである。意地悪姑と何となく和解したりとか、女工勤めに行って何か不幸が起こりそうな長女と次女も健康に戻って来るとか、盛大に出征した次男があっさり戻ってきたりとか、妾が出てきて騒動発生かと思いきやそのまんま同居とか。それだけにかえって作品の底に生々しいリアリティを感じてしまう。俳優陣では、ほかの作品では特に何とも感じなかった左幸子の華のある存在感が印象に残りました。あと、当時36歳であそこまでの老け役を成し遂げた三國連太郎も凄い。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-09-12 03:36:21)
2815.  砂漠の流れ者
ウエスタンの皮を被ったコメディですね。神父の言動がいちいちアホすぎて笑えます。ヒロインも含めて、みんなの行動が脱力系でいい加減なのが面白い。人生の哀愁をそこはかとなく感じさせます。
[DVD(字幕)] 7点(2010-09-11 23:44:48)
2816.  ラースと、その彼女 《ネタバレ》 
主人公と人形との恋愛沙汰という表層的な部分にとどまらずに、その背景の部分から必然性をもって物語を組み立てているところに好感が持てる。一見して突飛に見える主人公の行動の数々についても、答えそのものは出さずに、しかしヒントや手がかりはきちんと埋め込んでいる脚本の精緻性と真摯性が素晴らしい。そして、役者陣では、キー・ポイントとなる3人の女優の、立ち位置を踏まえた堅実な演技の貢献が大きい。
[DVD(字幕)] 8点(2010-09-11 23:37:08)(良:1票)
2817.  カンフー少女
内容的には破綻しまくっていて映画の体をなしていないのだが、セシリア・チャンの最近の状態が見られたのでとりあえず満足。と言いたいが、見た目はともかく、酒焼けしてるかのような声の荒れが気になる。
[DVD(字幕)] 2点(2010-09-09 03:12:13)
2818.  フォエバー・フレンズ 《ネタバレ》 
"Under The Boardwalk"のフルコーラスから一気に回想になだれ込むオープニングはなかなか強力で期待させたのですが、話が進めば進むほど、ありがちなエピソードの割に当事者は変に盛り上がったり盛り下がったりしているので、尻すぼみな印象になってしまいました。一番びっくりしたのは、少女時代のCCが、子役なのにベット・ミドラーの雰囲気満載であったこと。細かいこだわりを感じました。
[DVD(字幕)] 6点(2010-09-08 02:41:39)(良:1票)
2819.  理想の女
もっとどろどろしまくりの内容を期待していたのに、大半のシーンが半説明的な会話が繰り広げられるにとどまっており、心理の動きが観念的にしか描かれていない。スカーレット・ヨハンソンも、あまり表情が生きていないような・・・。
[DVD(字幕)] 4点(2010-09-04 23:50:37)
2820.  ゆりかごを揺らす手 《ネタバレ》 
デモーネイが超人的な行動をするのではなくて、「自分で母乳を与えて乳児を自分のものにする」とか、「サプライズパーティを利用して混乱させる」とか、身近な範囲内でじわじわ攻めてくるのが、現実味があって良い。また、登場人物が怖がったり脅したりするだけではなくて、1つ1つのシーンできちんと心理表現の演技がついているのが、作品の質を高めています(赤ちゃんにすら表情が表れている!)。ただし、出発点がどっちが善とも悪ともつかない心理の綾が設定として優れているのに、最後はやっぱり単純肉弾戦になってしまったのは、ちょっと残念。
[DVD(字幕)] 7点(2010-09-02 00:18:09)
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