281. 猟奇島
《ネタバレ》 「狩る者」が「狩られる者」へと変わる恐怖…、とかそんな大袈裟なものでもないです。フルメタのハートマン軍曹風に言えば、プレデターのハントの方がまだ気合が入っているという感じ。はっきり言って一番迫力があったのは冒頭の船が吹っ飛ぶシーン、ジョーズも出てきたしあそこはさすが『キング・コング』の監督さんだなぁと思いました。私的にはあそこまで引っ張ったんだからもうちょっとじっくり展示室の中身を見せて欲しかったのですが…。上映時間も中途半端に短いし、これじゃあレンタル料金に見合わないかな?なんて思ったり(半額だったケド)。発想は良いのでリメイク希望です。 6点(2005-03-13 10:37:40) |
282. ゲームの達人<TVM>
原作も長いけどこっちも長い、とは言え面白かった。元のドロドロした部分が幾分か排除されていたので、その分観易かったです。中でも突出しているのがやはりジェミー・マクレガーの冒険の第一部。第二部でちょっとペースダウンして、何とか第三部で盛り返したという感じ。気の強そうなおばあさんのケイト(ダイアン・キャノン)はハマり役です。 7点(2005-03-13 10:22:33) |
283. 赤い風車
《ネタバレ》 トゥールーズ・ロートレック、哀愁の男。2001年の「ムーラン・ルージュ」で華やかなムーラン・ルージュの豪華絢爛さを売りにしていたのとは違い、こちらはパリの影の部分、暗黒と退廃の面を描いていますね。それでもダイナミックなカンカンの舞踏、目まぐるしく展開される色彩表現には圧倒されます。はっきり言って何故ロートレックが一番目の女にあそこまで拘ったのかはよく分からないけど、文字通り人生の階段を転げ落ちた彼の姿には悲哀の念を感じます。ラストの幻想シーンはフェリーニをも思わせる美しさでした。 8点(2005-03-13 10:14:34) |
284. ブラウン・バニー
暇を潰すどころか逆に暇を持て余してしまう映画。しかし失意の状態で、もしくは真夜中に電気を消して一人で観たら案外劇中のギャロの心情にシンクロしてグッと来るかもしれない。それにしてもこの年のカンヌはこれや「ドッグヴィル」と言い、問題児が多かったのね。タイトルセンスの良さにオマケ一点。 7点(2005-03-13 10:07:55) |
285. 片腕カンフー対空とぶギロチン(93分版)
とりあえず人間技ではない、と。効果音が大袈裟すぎるとか、オープニングタイトルが血迷っているとか、いちいち死に方が残酷すぎるとか、ヘルメット付けりゃ良いじゃんとか、原版の状態が悪すぎるとか。でもまぁ、とにかく面白ければそれで良いじゃんということで8点献上。ちなみに個人的お気に入りは「地堂服の男」、地味すぎて誰も覚えていないか…。 8点(2005-03-10 14:00:59) |
286. 砂と霧の家
見る物全てが灰色に曇ってしまうような、そんなあまりにも悲しすぎる映画でした。個人的には「ミスティック・リバー」よりもこちらを推します。まるで善良な映画ファンとDVDの転売コレクターとの泥沼の戦いを見ているようでちょっと身につまされる…、というか痛ましい光景が続きます。全てを覆い隠してしまう霧、出てくる俳優が皆上手いというところも心憎い。ここまで完璧なのに何故アカデミー賞ではたった三部門にしかノミネートされなかったのかは解せないけど、美しくも苦い味が残る大傑作だと思いました。 9点(2005-03-08 14:06:11) |
287. 宇宙戦争(1953)
《ネタバレ》 特撮に関してはお世辞にも凄いとは言えないけど、なかなか良く出来ていて面白かったです。しかし『宇宙戦争』という題名の割には思っていたよりスケールが小さかったのと、火星人の兵器とやらがただの掃除機か何かにしか見えなかったのが残念。何せ前半のあの山小屋での密室戦はなぁ…、序盤でいきなり男三人を熱光線で焼き殺してしまうところは迫力バッチリで良かったんですけど。自分は先にオチを知っていましたが、確かに何も知らない状態で観たら最後は思わず「何じゃそりゃ!」と突っ込みを入れたくなるかもしれません。本作から50年以上が経った今、映像技術が進化した中でスピルバーグがこの題材をどう料理するのかが楽しみです。 6点(2005-03-07 14:54:13) |
288. テキサス
《ネタバレ》 えらく気の抜けた西部劇ですな、一時間半が凄く長く感じられた。随所が同じことの繰り返しで(何故か同じカットが二回ある)メリハリが効いていなく、最後も決闘の方法についてウダウダと言い合っているところではいい加減呆れ返ってしまいました。そもそも主役のアラン・ドロン自体がミスキャストに思えてならない。しかしもし自分がアラン・ドロンならやはり最後はロネッタの方を選ぶでしょうね。 5点(2005-03-07 14:46:52) |
289. そして船は行く
ストーリーは平坦だけど物語の中のシーンが時には愉快で、また時には情熱的で、そして時には荘厳でとても印象に残ります。厨房での食器を使った演奏会、機関室の中の大合唱、月夜のダンス。映画はやっぱり脚本ではなく演出こその力なのかなぁと思いました、ラストはやはりフェリーニでしたが…。今でも思い出すとまざまざと光景が浮かんでくる、言わば絵画的な美しさを思わせる作品でした。 8点(2005-03-05 09:41:22) |
290. ポーリーヌ
《ネタバレ》 ワンシーン・ワンショットが実に穏やかで心地良いです。映像は質素でありながらも優雅で美しい。徐々に交流を深めていくのではなく、最後に失ってからようやくその大切さに気付くというところでこの監督さんは上手いなぁと思いました。出てくる役者さんたちも知らない人ばかりだけど皆ベテランの気質があった。スローペースですがしみじみと良さが伝わってくる素晴らしい作品です。 7点(2005-03-05 09:35:58) |
291. 歌え!ロレッタ 愛のために
《ネタバレ》 自分もカントリーには全く興味がありませんが、ロレッタ・リンという一人の女性の半生には強く惹き込まれました。この映画を観た限りではロレッタ自身はそれほど強い人間だとは思いませんでした。夫であるドゥーの支えがあってこそ彼女のその真価が発揮され、親友であったパッツィが死んだからこそ余計に仕事も頑張れたのでしょう。14歳(には見えないけど)の少女時代から、やがてはカントリーの女王として伸し上がるまでを見事に演じ切ったシシー・スペイセクは流石。アカデミー賞主演女優賞受賞という帰結も当然と言えるでしょう。 7点(2005-03-05 09:28:31) |
292. ゲッタウェイ(1972)
まず冒頭のけたたましい機械音から激しい緊張感が漲っています。砕け散る木片、飛び散る紙片、あまりにも美しすぎる銃撃戦。ゴミの山に埋もれるところは「ギャグか?」とも思ったけれど、後々考えると「上手いなぁ」と唸らされました。さすがペキンパー、凄いぞ! 8点(2005-03-04 18:14:00) |
293. 乱れる
《ネタバレ》 ちょっと近親相姦っぽい要素があるので生理的に受け付けない方もいるでしょうが、個人的には家庭の心を描いた良い映画だと思いました(少なくとも最初の内は…)。かくいう僕もスーパーマーケットでアルバイトしているので、主人公たちの嘆きが身に沁みます。しかし気になる点がただ一つ、普通これから自殺しようとしている人間がその前夜に仲間たちと楽しく麻雀なんかやったりするものなのでしょうかね?例えそれが突発的なものだったとしても。刑事コロンボなら真っ先に疑いそうなところです。最後の唐突な終り方もまるでフランス映画のようでした、「FIN」ってな感じに。 8点(2005-03-04 18:08:29) |
294. 第七天国(1927)
決して華やかだから天国なのではない、心が豊かだからこそ天国なのだ。 7点(2005-03-04 17:53:37)(良:1票) |
295. CURE キュア
《ネタバレ》 これってどうなんでしょう?正統派サスペンスを期待して観ると明らかに肩透かし、というかそれ以上のものまで食らうし。しかし一方では、そもそも序盤から犯人が分かっているのでこれ以上分かり易い話もないと思いますが。萩原聖人がいちいち「誰」「何が?」とかすっ呆けるのにはちょっと笑った。最初から最後まで掴み所のない、まるで煙のような映画でした。個人的に苦手だけど嫌いではないので7点で採点(何じゃそりゃ、と)。 7点(2005-03-01 13:35:18) |
296. ニノチカ
ルビッチ版「イースト/ウエスト」。機械人間ガルボが徐々に人間性を取り戻していく様は必見!ソ連の社会主義体制をコケにしているとかそんなことはどうでも良く、自分もまだ見ぬパリに恋焦がれるだけです。 8点(2005-02-27 10:07:03) |
297. 悪魔のようなあなた
《ネタバレ》 どこかからスピーカーでも繋がっているんじゃないの?と思っていたら、全くその通りだったので笑った。少なくともこれはサスペンスではないでしょう。差し詰めアラン・ドロンの優雅な生活が見られるプラベートフィルムといったところ。疾走感あふれるオープニングには引き込まれます。 6点(2005-02-27 10:01:09) |
298. ハムスター
はっきり言って一目見ただけでは何の動物か分からないけど、自分の耳で汗を拭くウサギや警告音を発するカエルなどの姿はとてもユーモラス。ただハムスター好きの人は観ない方が良いしょう、確実にイメージが壊れますから(汗)。このまるで「アリとキリギリス」のような教訓的(風刺?)なお話は当時のお国柄が反映されてのものでしょうか?何にせよカレル・ゼマンの作品は長編ならずとも短編でも高いクオリティを誇っています。 7点(2005-02-25 17:00:54) |
299. 幸運の蹄鉄
《ネタバレ》 プロコウク氏が主人公の映画はいくつかカレル・ゼマンが作っていてシリーズにもなっていますが、実際に観たのはこれが初めてです。幸運の蹄鉄どころを不幸を招く蹄鉄に振り回されるプロコウク氏、「さぁ~て、いよいよこれから面白くなってくるのかな?」と思いきや、そこでいきなり終わってしまいかなり呆気に取られてしまいました。これじゃリサイクル促進のPVと変わらないじゃん!と思いましたが、もともとそういう形式の映画だったのかもしれませんね。6点献上。 6点(2005-02-25 16:54:05) |
300. ドリームキャッチャー
「ブリキの太鼓」以上にうなぎが食べられなくなってしまった…。まぁ、"飽き"はしなかったので5点。 5点(2005-02-25 00:58:52)(笑:1票) |