301. BALLAD 名もなき恋のうた
これはこれで悪くない出来だと思うんだけど、原作にあたる『クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』があまりにも傑作なものだから、いささか分が悪い。どうしても実写で観たいという方には良いが、アニメ版のファンにはつらい内容だ。 [地上波(邦画)] 5点(2011-08-31 08:48:27) |
302. ラスト・ハウス・オン・ザ・レフト 鮮血の美学
ここ数年、名作ホラーのリメイクが流行っているようだが、本作はかなり頑張っている方だろう。もちろんオリジナルほどの傑作は生まれようがないが、最近のホラーでここまで不快指数の高い映画も珍しい。あまり期待していなかったが、作り手の意欲が感じられる出来だった。前半の問答無用の展開(少女二人を拉致しレイプし殺傷)があるからこそ、後半の復讐劇が活きてくる。復讐の内容はオリジナル版と異なるが(流石にアレはやらないよな…)、緊迫感のある展開にハラハラドキドキした。ただし、かなり強烈な内容なので、鑑賞は自己責任で。カップルにはオススメできない。 [DVD(字幕)] 7点(2011-08-31 08:42:27)(良:1票) |
303. 鮮血の美学
《ネタバレ》 80分ちょっとの映画だが、3時間の大作を観た時くらいの虚脱感。別に退屈だったわけではない。全編を通して描かれる不快極まりない描写の数々に、ホラー映画を見慣れた自分でもさすがに気分が悪くなった。脱獄犯たちの凶行を前半たっぷりと時間を割いて描いているため、後半の怒涛の復讐劇が活きてくる。チェーンソーを振り回す父ちゃんも頑張ったが(『悪魔のいけにえ』より先にチェーンソーを殺しの道具にした作品としても知られている)、色仕掛けで犯人を誘いチ〇ポを食いちぎる母ちゃんが凄すぎる! [DVD(字幕)] 7点(2011-08-31 08:41:26) |
304. 全然大丈夫
全然大丈夫じゃない人たちのゆるゆるムービー。『転々』などの三木聡作品が好きな人ならばハマること請け合い。どのギャグもいちいちツボにハマって笑いが絶えなかった。特に木村佳乃がサイコー。ティッシュの箱を開けられない人、初めて見た。チョイ役だが、鳥居みゆきの存在感も抜群。あんまり期待していなかったが、意外な拾い物でした。 [DVD(邦画)] 6点(2011-08-29 06:37:21) |
305. ローズマリー(1981)
《ネタバレ》 80年代に量産されたスラッシャー映画の一本。内容はどうってことないが、トム・サヴィーニの神業的特殊メイクが冴える。脳天に長剣を突き刺され白目になるところなんてサイコー(笑)過去の名作ホラー(『サイコ』『キャリー』『13日の金曜日』等)を満遍なくパクっているところはご愛嬌。この調子で『バーニング』や『血のバレンタイン(完全版)』『デビルスピーク』なんかもDVD化されないかな? [DVD(吹替)] 5点(2011-08-29 06:36:12) |
306. 神様のカルテ
《ネタバレ》 櫻井クンのおばさんパーマが気になって仕方がないという以外にも、展開のメリハリの無さが作品のつまらなさに拍車をかけている。多忙を極める病院勤務と、明治時代から時間が止まったような旅館の人々。その対比は面白いが、あまり効果を上げているとは言い難い。小説で読む分には良いのだろうが、映像にした途端、嘘臭く見えてしまうのだ。宮崎あおいちゃんの出番も思ったより少なかったのが残念。ちなみに、他のお客さんは結構泣いてました(女性客多し)。 [映画館(邦画)] 5点(2011-08-28 10:49:04) |
307. 霊幻道士
《ネタバレ》 自分はテンテン派なので、『霊幻道士』はちょっと…と思い今まで敬遠してきたが、久し振りに観てみたら、これが結構面白い。サモ・ハンが製作しているだけあってアクションは格別だし、ホラーとコメディのバランス感覚に優れている。第一作目ではキョンシーがきちんと「生ける屍」として描かれており、ゾンビ(吸血鬼)を香港映画独自の路線で描こうという気概が感じられる。続編以降はいろいろ欲張ってダメ。 [DVD(字幕)] 7点(2011-08-16 23:11:54) |
308. ばかもの
《ネタバレ》 ヘビーな題材を扱っていながら、グロに走らないところがこの監督の(良い意味での)持ち味だろう。また、それに応える内田&成宮のリアルすぎない演技も拍手もの。実は二人とも凄い役者なのだと思う。無邪気な子供のような前半から、アルコール依存へと陥っていく中盤、そしてどこか憑き物が取れたかのような終盤の成宮クンの表情の変化がイイ。 [DVD(邦画)] 7点(2011-08-16 22:54:34) |
309. 片腕ドラゴン
《ネタバレ》 ここでの高評価につられて観てしまいましたが…友達に「こんなヘンな映画観たよ!」と自慢するためのネタ映画としては面白いが、それ以上のものではない。タランティーノが好きだと言うのはよく分かる。全編闘ってばかりだから、途中で飽きて眠くなったんだけど、目が覚めたらまだ闘っていた。効果音だけは迫力があるが、技がいちいち頓珍漢なんだよね。インドの武術家なんて、顔を黒く塗っただけ(笑) [DVD(字幕)] 6点(2011-08-11 22:45:17) |
310. 十三人の刺客(2010)
《ネタバレ》 極悪非道の暴君を討ち斃す為に立ち上がった13人の刺客たち。この単純明快な勧善懲悪ストーリーが良い。とにかく吾郎ちゃん扮するバカ殿の狂いっぷりが凄まじく、そのあまりに常軌を逸した行動は、「暗殺」という非情な手段を用いる主人公たちに共感させるに充分。クライマックス、50分にも及ぶ血まみれの決戦は壮絶の一言(CG演出が雑だったのが残念)。斬ったら血が出る、という当たり前のことをきちんと描いており、最近の時代劇ではかなり頑張っていると言えよう。役所さんをはじめ俳優たちは皆素晴らしいが、コメディリリーフの伊勢谷友介だけは疑問。でもこれ、三池監督の趣味なんだろうな。 [映画館(邦画)] 8点(2011-08-03 23:17:55)(良:1票) |
311. 狼の死刑宣告
《ネタバレ》 殺られたら殺り返す、という考えは映画的には実に正しく、誠実でさえある。現実にそんなことをすれば街は無法地帯と化してしまうため、ほとんどの犯罪被害者は泣き寝入りするしかないのだ。映画の中くらい、弱者が牙を剥いて野獣退治をしたっていいじゃないか。このようなヴィジランテ(自警)映画は昔からあるが、本作はその決定版とも言える『狼よさらば』のブライアン・ガーフィールドが原作を書いている。後半、リミッター解除したケビン・ベーコンの剃髪姿には感動すら覚える。彼の鬼気迫る演技がこの作品の全て。着弾効果のエフェクトは、手足がド派手に吹き飛ぶスプラッター指数の高い仕上がり。このざらつき感は『タクシードライバー』をも思わせ、ワン監督の70年代リスペクトをひしひしと感じる。今どきこんな映画を作っちゃう製作陣の姿勢がイイ。 [DVD(吹替)] 8点(2011-08-02 07:33:48)(良:1票) |
312. ウォール・ストリート
《ネタバレ》 オリバー・ストーン監督は80~90年代にかけて、ギラギラした挑発的な作品を発表してきたが、今世紀に入ってからは人間が丸くなったような気がする。それと共に、本作の実質的な主人公であるゴードン・ゲッコーも、前作に比べ随分と老け込んだようだ。娘を裏切り大金を騙し取るところは痛快そのものだが、その後、孫のエコー写真をちらつかされてあっさり改心するとは、全くゴードンらしくないではないか!その代わりと言っては何だが、ジョシュ・ブローリンが存在感のある悪役を好演している。「復讐」が事の始まりのはずだが、途中からテーマがぼやけてきた感がある。若き証券マンのシャイア・ラブーフがウォール街の魔物に呑み込まれるという展開を期待していたが、結局は家族愛と言う名のハッピーエンドで都合良く締め括られてしまった。前作のヒリヒリした空気感を再現してほしかったものだ。 [DVD(吹替)] 6点(2011-07-30 16:01:44) |
313. 幸せの始まりは
《ネタバレ》 ヒロインのリース・ウィザースプーンが全く魅力的に見えないため(容姿も性格も)、どうして二人の男が彼女を取り合っているのかがよく分からない。肉食系(オーウェン・ウィルソン)と草食系(ポール・ラッド)の対比は面白いが、2時間もダラダラと彼らの三角関係を見せられるのはたまったものではない。ジェームズ・L・ブルックスは好きな監督だったが(『恋愛小説家』は10回くらい観た)、今の時代にはちょっと合わないような気がする。ジャック・ニコルソンは相変わらず巧い。 [DVD(吹替)] 4点(2011-07-27 13:33:09) |
314. ザ・タウン
《ネタバレ》 何かと『ヒート』と比べられる本作だが、あの名作に比べたら小粒感は否めない。しかし、ベン・アフレックの監督としての力量は、前作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』で既に証明済み。今回も安定した演出力を見せてくれる。俳優としてのアフレックはいまいち知的には見えないため(顎が突き出ていていつも口が半開き)、もう少し繊細な演技ができる役者を配すれば良かったのに…。一方、兄弟分役のジェレミー・レナーが抜群の存在感で光っていた。ところで、最後のオチだが、強盗で得たお金をホッケー場建設に充てるって、あのヒロインは一体どういう神経をしているのだろうか? [DVD(吹替)] 7点(2011-07-26 18:47:50) |
315. 男たちの挽歌II
《ネタバレ》 『挽歌』シリーズではいちばん好き。何と言ってもクライマックス、キットの死から敵陣への殴り込みまでの一連の流れが素晴らしい。音楽が最高潮に盛り上がり、香港映画史上最高の大銃撃戦へと雪崩れ込む。ロングコートを翻し、サングラスをかけたチョウ・ユンファが二丁拳銃で撃ちまくる!そして、一匹狼の殺し屋との決闘の凄まじさ。真正面から撃ち合い、何発もの銃弾を浴びながらも倒れない。熱い!熱すぎるよ!!ハリウッドに渡り骨抜きになったジョン・ウー先生の最高傑作。 [ブルーレイ(字幕)] 10点(2011-07-26 10:27:42) |
316. マンハッタン殺人ミステリー
2時間ドラマ並みの内容ながら、そこはアレン&キートンのゴールデンコンビ。二人の掛け合いが最高に面白い。BGMもお洒落で、アレンのNY愛が感じられる一本。ウディ・アレンの映画は難解とは言わずとも癖のある作品も多いので、本作はアレン初心者にもオススメ。気軽に観れるサスペンス・コメディの佳作。 [DVD(字幕)] 7点(2011-07-21 21:12:09) |
317. イップ・マン 序章
《ネタバレ》 近所の映画館では『葉問』しか上映されていなかったので、DVD化を待ってからの鑑賞。アクションのクオリティは『葉問』の方が上だと思うが、内容的にはこちらの方が面白かった。戦時下という極限状況でのイップ・マンの行動には心打たれるものがある。特に、仲間を殺されたイップ・マンが、10人の空手家を相手に殺る気満々で戦いに挑むシーンが凄い!それまで道場破りなどと対戦しても、相手を怪我させない程度に戦っていた彼が、腕や脚の骨をバキバキ折るほどの本気モードで敵を薙ぎ倒す。池内君も頑張っていたが、ラストバトルはちょっと呆気なかったかな。「反日映画」というほど日本人(だけ)を酷く描いているわけではないし、日中戦争で日本人がやったことを思えば文句を言える立場ではないだろう。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2011-07-21 21:00:23)(良:1票) |
318. 誰かがあなたを愛してる
等身大のキャラクターを演じるチョウ・ユンファが良い。大人の御伽噺。邦題よりも、原題の「秋天的童話」の方が内容に合っていてしっくりくる。90年代の『ラブソング』と並ぶラブストーリーの傑作。 [DVD(字幕)] 8点(2011-07-21 20:18:53)(良:2票) |
319. 狼/男たちの挽歌・最終章
《ネタバレ》 香港ノワールの到達点。ジョン・ウーはもうこれ以上の作品を撮れないのだろうか?とにかく華麗すぎるチョウ・ユンファの銃さばき。殺し屋と刑事の友情。男泣き必至の大傑作だ。ところで、ポニーキャニオンから出ていた旧版DVDと最近のリマスター版では字幕が違う(役名まで変わってる)。個人的には旧版の方が作風に合っていて好き。ラストシーンは「やったぞ…」の方が断然良い!(ちなみに、この度ブルーレイで観直したのだが、何とダニー・リーの顎からちぢれ毛が一本ビヨ~ンと伸びているではないか!DVDでは気付かなかった発見だが、ラストの感動するところで笑っちゃったよ) [ブルーレイ(字幕)] 9点(2011-07-21 19:43:08) |
320. 男たちの挽歌
《ネタバレ》 『挽歌』シリーズは、『Ⅱ』>『狼』>『Ⅰ』>『ハードボイルド』>『アゲイン』の順で好き。さて、「香港ノワール」というジャンルを確立した本作だが、今観たら結構粗が目立つ。と言うか、チョウ・ユンファ、主役じゃなかったんだ…。彼がいちばん格好良いのは、序盤の二丁拳銃で殴り込みをかけるところ。それ以降は鼻血ブーだし文句ばかり言ってるし、あまり良いところがない(最後に殺されちゃうし)。また、やはり問題なのはレスリー・チャン。演技がクサすぎる。ユンファやティ・ロンもクサいのはクサいのだが、彼らにはまだ演技力がある。しかし、レスリーは観ているこっちが恥ずかしくなるくらいヘタ。冒頭の純粋無垢な感じから、中盤以降の大袈裟過ぎる豹変振り、喋るたびに口から涎垂れてます(ブルーレイでくっきり見える)。「刑事さん…」のところはティ・ロンさんの名演で泣けるシーンだが、レスリーの顔を見るたびに思わず吹き出してしまう。そんな『Ⅰ』ですが、やっぱり燃えるので、8点はカタイ。 [ブルーレイ(字幕)] 8点(2011-07-21 18:27:37) |