321. やわらかい手
《ネタバレ》 やわらかい手、って最初は主人公の孫の手のことだと思ってた(笑)。老境に入ってなお、土壇場で自分の奇跡の一芸を見いだせるなんて人生は面白い。こんな「芸は身を助ける」はフィクションでしかありえないからこそ、映画を観る楽しみをしみじみ感じた。やむにやまれず孫の為に自尊心を犠牲にした主人公が、結果的に女の強さと自信を取り戻し、最後には自分の為に生きる道を選ぶのが清々しい。終始重くて暗い画なのに思いがけず後味の良い作品だった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-14 09:46:51) |
322. セックス・アンド・ザ・シティ
ドラマ未見で特に登場人物に思い入れ無く観た者としては、序盤ではあからさまに物欲至上主義で生きる女性達に今ひとつ共感できず、「アメリカ人のイヤなところ満載だ・・」と思いつつ、純粋にキャスト達の着せ替えショーを楽しむつもりで観ていた。が、この短い時間でもだんだんとそんな彼女達の憎めない面に情がわき、引き込まれて最後は泣き笑い。見始めと鑑賞後でこんなに評価が変わる映画も珍しい。これから改めてドラマを見ようかなという気になった。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-14 09:25:41) |
323. 天井桟敷の人々
贅を極めた精緻な作りの年代物ドールハウスじっくりのぞき込むような愉しさ。そのドールハウスに住む、これまた美しく手の込んだ人形達による愛憎劇をうっとりと眺めているうちに、時間が経つのを忘れて夢中になる。バティストのマイムシーンは本当に作り物のような美しさで見飽きない。が、興味のない人にとってはかなり退屈と思われる大人の趣味の世界。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-11 21:29:20) |
324. フォーガットン
景気よく吹っ飛びます。途中まで引き込まれた私の期待感も一緒に・・・。拉致といえば隣国を連想する日本人が多いと思うが、アメリカでは真っ先にこっちを想定する人が多そう。なんだかなー。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2009-05-11 02:07:29) |
325. となり町戦争
コメディなんだかシリアスなんだかどっちつかずで中途半端な印象のまま終わってしまった。まさに平和ボケしてる日本人が無理に作った戦争映画という感じが否めず、やるせない。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2009-05-11 01:54:32) |
326. みんなのいえ
キャストはけっこう豪華。でもうじゃうじゃ出すぎで逆に安くなってるような・・結果的にどこまでもフジテレビドラマな印象。他の方も書いていたが、同じテーマでも伊丹十三監督だったらより深みのある作品に仕上がったのでは。男3人で壊れたビンテージ家具を組み立て直すエピソードは良かった。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2009-05-09 08:51:51) |
327. アイ・アム・レジェンド
《ネタバレ》 冒頭の荒廃したNYでの狩猟シーンはなかなか凝っていて面白かった。でも、ありがちなバイオハザードものだと分かった時点で鑑賞意欲ががた落ちに。ウイルスが感染してゾンビになり生存者と闘うという馬鹿の一つ覚えが絶えず新作として出てくるのはよほど安定した人気があるジャンルなのか?結局信じる者は救われるという安直な宗教観を肯定しているのもつまらなかった。奇跡の血清で蘇った元ゾンビがヒロインとなって活躍するんだったら面白かったかも。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2009-05-08 14:27:46) |
328. ジェシー・ジェームズの暗殺
《ネタバレ》 ワルに憧れた愚かな若者が愚かなまま成長し、卑怯者として世に出て、格好悪いまま惨めに死ぬというやりきれない話。ジェシー・ジェームズという人物について何かしら思い入れがある人が観れば違う評価になるのだろうが、なんら予備知識無く見てしまった自分にはかなり退屈な作品だった。ただ、アンチヒーローの孤独と苦悩を抑えた演技で表現したブラピはさすが。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-05-07 14:02:24) |
329. 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
《ネタバレ》 痛い人間ばっかり出てくるが、登場人物それぞれの痛さが突き抜けているのが妙に爽快な映画。姉が陽の強烈さなら妹は陰を極めていて、より凄惨。肉親のバラバラ死体を見たトラウマをバネにホラー漫画家デビューするだけあって、壊れている姉に翻弄されつつも、冷徹にその姉のキャラとしての価値を見定めているプロ根性がすごい。面白かった。キャスティング大成功のようだが、澄伽が「素?」と思えるほどハマリ役の佐藤江梨子の今後が楽しみ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-05-06 14:35:37) |
330. 閉ざされた森
どんでん返しの末にたどり着く、思いがけない後味の良さ。良い意味で予想を裏切られてかなり面白かった。時に世間で高評価の作品の難解さに辟易し、頭の回転の悪さを自覚している私がこれは初見で大丈夫だったので、その点で評価が低いのが不思議。シンプルなアクション好きには面倒くさい映画なのかも知れません。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-04 20:05:31) |
331. 4ヶ月、3週と2日
共産主義社会ではかように力なき者同士は助け合うようになるのだろうか?何故バスのチケットが無い人間に当然のように自分の切符を分け与えるのか、何故たかがルームメイトの窮地に犯罪に荷担してまで尽くすのか・・・そこに違和感を感じる自分が、個人の失敗は基本的に全て自己責任として扱われ、他人の不幸は自分とは無関係と考える、この素晴らしき自由な個人主義社会で何かを失っていることに気がつかされた。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-04 16:40:22)(良:2票) |
332. マッドマックス サンダードーム
ティナ・ターナーにおいしいところ持っていかれすぎ。作り込んだ世界観はけっこう楽しい。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2009-05-04 16:20:08) |
333. NEXT-ネクスト-
けっこう面白くて上映時間の経過に気づかずに見ていたので、オチでこけた。もう一段あると思ってた階段を踏み外したような・・・ま、ケガしなかったからいいか、と無理矢理納得。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-05-04 16:17:25)(良:1票) |
334. 魔法にかけられて
ミュージカルシーンはディズニーの王道を行く感じで素晴らしかった。全体的に夢と魔法の王国テイスト100%で、アホになって楽しむが良いという映画。追っかけてきた悪い女王の小林幸子な登場の仕方に大爆笑。ラストの安直なカップリング交換もお子様映画だから大目に見ましょう。ただ、王子様もお姫様も日本人の目から見ると若干老け気味に見えて残念。TDRのパレードで、憧れのキャストを間近で見たらシワシワでがっかり、の気分です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-04 13:38:33) |
335. ジキル&ハイド
全編暗くて地味だけど退屈はしませんでした。ジュリアロバーツのように着飾らないと女にならない女優よりも、隠しても隠し通せぬ色気があるタイプの女優を主演にしたほうが良かったのでは。ジキルの時でも既にかなりヤバイ人だとバレバレなのはマルコヴィッチならでは。面白いです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-05-04 13:22:20) |
336. 鬼龍院花子の生涯
《ネタバレ》 壮絶な愛を体現する男と女が描かれた映画。愛しの娘に拒絶されて(当たり前じゃ)激昂の後に悄然とする不器用すぎる男、愛する人の潔白を証明する為に指を差し出す男、死に際に愛する男を思い姿見にとりすがって化粧をする女。愛する男の遺灰を手に入れるため、単身で敵陣に乗り込んで啖呵を切る女。ごくせんの元ネタがこれだと思うと、仲間由紀恵にはもうちょっと頑張って欲しい。「鬼龍院松恵の生涯」にしなかったのはそれなりの理由があるのだろうが、それにしても花子は松恵に比べて華がなさすぎ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-05-04 13:08:51) |
337. 地下鉄のザジ
こういうのをフレンチ・コメディと言うんですか?素面で見るにはきついです。ガブリエル伯父さんがイケメン扱いなのはギャグなんでしょうか。最後まで笑いのツボがつかめずに疲れる映画でした。高所恐怖症の人には結構なスリラー映画なのでご注意。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-05-04 12:40:10) |
338. 映画 クロサギ
激しくつまらない。主人公がホストにしか見えず、詐欺師としてのプロらしさも緊張感も皆無。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2009-05-04 12:25:27) |
339. シッコ
アメリカかぶれのティーンエイジャーに見せたい映画。 政府の方向性では間違いなくアメリカを追随していると思われる日本にあって、ここで描かれている悲惨な医療問題は決して他人事ではないと思う。ただ、日本にはアメリカ社会の根底にある狂信的なまでの社会主義アレルギーがなく、むしろそういったイデオロギーを何ら持たずに生活する人が大半であるから、船頭次第でどっちに転ぶか分からない。例えばこの映画で描かれているような他国の現状に関心を持ち、さらに自国の現状を顧みる人が増えれば、同じ轍を踏まない道を選べるはずだと思いたい。 それにしてもアメリカ人の肥満率はひどいものだ。一目瞭然の自分たちの無秩序な生活習慣を棚に上げ、平然と体制を糾弾する身勝手さもまた、この国らしい。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-04 12:11:32) |
340. ひまわり(1970)
《ネタバレ》 戦場で死んだと思った愛する人が、生きていた。しかもそれなりに幸せにやっていると分かった。そこに喜びはないのだろうか。相手の生存よりも心変わりを嘆くヒロインの激情っぷりに、もはや感情移入できない自分が意外だった。そもそも出会いからわずか数日で「もう私たちは離れられない!」と性急に盛り上がったと思えばあっという間に別れた二人。そこには心の絆よりも若さ故の愛欲しかなかったように思えた。さらに戦争という悲劇を経てもなお、ひたすら自分本位の愛情を求めていただけのヒロインの成長のなさに、反戦への思いも吹き飛んでしまいそうだった。そんなわけでエンディングでは涙よりも納得感が勝った。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-05-01 23:01:29) |