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アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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341.  もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
サラリーマン時代は時々「研修」なるものに駆り出されて「経営」のことを教えられました。まあ、中間管理職を対象にした「経営」の中身って、身近なグループをいかに効率よく動かすかに尽きるのですが、普段やっている営業活動に違った視点を与えられる印象で、正直、新鮮でした。その新鮮さを映画のネタにしたのが本作で、切り口はとても面白かったです。アマチュアスポーツにおいて、重点が置かれるべきは「過程」なのか「結果」なのか? 個人的にはとてもシンプルに「結果」だと思っています。ただし「結果」が出なかった場合、その取り組みが無意味だったかというと、決してそんなことはない。「結果」を出すために創意工夫した「過程」の意義を、本作はしっかり伝えてくれていました。また、映画のレビューになってない(笑)。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-07-14 09:53:39)(良:2票)
342.  ハリー・ポッターと賢者の石
さきほど映画化が完結したこのシリーズ。初作は21世紀と一緒に始まったのね。公開時に劇場で観た際には、原作の記憶とイメージが強すぎて、端折りと駆け足感だけが気になった。なんとも狭量な観方だと反省もする。改めて観ると、原作の記憶が薄れている分だけ、素直に映画のストーリーに入って行けて楽しく観られたことに少し驚きました。古城のような全寮制の学校で魔法を教わる。ホントにそんなものがあるなら、人生やり直して入りたいと思える設定です。「生き残った人」として有名なハリーは優等生ではなく、積極的に規則を破るタイプ。このシリーズ1作目からその傾向が顕著で、枠をはみ出すことが一貫したテーマだったのかとも思います。特筆したいのはJ.ウィリアムズの音楽。魔法が飛び交うファンタジー世界の夢と不思議を、繊細な煌びやかさを纏った旋律で見事に音像化していると思います。巨匠の仕事です。
[映画館(字幕)] 7点(2012-06-16 14:34:36)(良:1票)
343.  モールス 《ネタバレ》 
良く出来たリメイクだと思います。オリジナルの印象が強烈で、二人の関係描写には微妙な違いを感じました。まずはオーウェンの心情表現です。プールでの出来事も、アビーと一生を共にする覚悟の動機としてはちょっと足りない。両親の顔を見せない孤独感の演出などで補完しようとしていますが、オリジナルにはヴァンパイアとの共棲に自分の存在意義を確認するような積極性がありました。なので、本作の電車のシーンは「ちょっとした旅行」くらいに見えました。一方、オリジナルでは不透明だったヴァンパイアの心情ですが、アビーからは不安と他者への依存心が強く感じ取れました。象徴的なシーンが「招かれない家に入る」と何が起こるかを実演するシーン。全身から血を滴らせるヴァンパイアが雨に濡れた捨て猫のようでした。アビーの表情が憐れを誘います。クロエちゃんファンとして、過剰に共感している可能性はありますが…。オリジナルと並べると、厳粛な重々しさが薄れた分だけ取っ付き易くなった印象です。ハリウッドらしいということか。ちなみにオリジナルは9点評価。それにしてもクロエちゃん、血まみれが似合ますわ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-06-13 00:43:47)(良:1票)
344.  奇跡(2011) 《ネタバレ》 
「かわいい子には旅をさせろ」という諺がありますが、あれは子供の成長を促すというより、親に対しての戒めの色合いが強い。「過保護になるな」という意味で。子供たちが自らの意志で積極的に「旅」をしたらどんなことが起こるのだろう。本作はそんな映画だったと思います。九州を縦断する新幹線が初めてすれ違う瞬間を見る。その他愛無い目的も、遠く距離を隔てた場所で起こるので、小学生たちにとってはただ事ではありません。計画から準備、資金繰り、親や周囲の大人たちとの調整など、途上の苦労や工夫は、思い込みが激しい分だけ力強い経験値となって蓄積されます。幼児が「初めてのお遣い」で世界を拡げるように、彼らも「初めての旅」で世界を拡げました。「お遣い」との違いは、自分たちが受けている外界からの恩恵を実感したことではないかと思います。その自覚は彼らの内面をひと回り太くし、大人への第一歩を刻ませました。家族4人が一緒に暮らす「奇跡」をスケープゴートにしながら、自然とその過程がテーマになっている構成がとても良かったです。新幹線がやって来る直前、この「奇跡」を目指したアクションの記憶をフラッシュバックさせる演出に感心しました。複雑な想いや状況をひとつの方向性へと昇華させる刹那の心情を見事に表現していると思います。子供たちの成長のために、本当に大切なことは何なのか。教育機関などにクレームを付けることを生き甲斐にしているモンスターペアレンツさんたちに見て欲しい映画です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-06-08 18:07:10)(良:1票)
345.  男はつらいよ 望郷篇 《ネタバレ》 
監督が山田洋次に戻った本作。シリーズを順番に見ていると違いが分かりました。寅次郎の「純粋」な部分と「バカ」な部分の綱引きを微妙に演出するのが上手いと思います。また、シナリオの部分で、身内の関係の中でも叔父夫婦とさくらの関係に深度差を持たせることで、人情の機微が豊かになった印象です。ストーリーもきれいに1本の線で繋がっています。不吉な夢を見て叔父の身を案じる(純情)→叔父を案じる自分に酔い葬式手配(バカ)→叔父で果たせなかった恩返しを渡世の恩人で果たそうとする(純情)→恩人の息子を強引に連れ戻そうとする(バカ)→恩人の息子の身上に感銘を受ける(純情)・・・という具合。恩人の息子の姿勢とさくらの説教が身に染みて働き始めるが、失恋で失速するのはちょっとイージーで「真面目に働く」域までは辿り着いていない。でも、仕事を投げ出したことを責めず、傷心の兄を慰めるさくらの優しさが際立っていました。寅次郎は基本的には「迷惑な奴」じゃないと物語が成立せず、威勢を張る局面と萎れる局面の2面性の橋渡しがこのシリーズの根幹。そこが曖昧だった前作を原点に戻したような印象を覚えました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-06-08 02:47:06)(良:1票)
346.  最後の忠臣蔵 《ネタバレ》 
外国人が見たら首を傾げるシーンが多い映画でしょう。なぜ、娘の愛情を汲んでやらない。なぜ、嫁がせた後に腹を切る。日本的な武士道精神の美しさだけでなく、表裏を成す厳しい側面を描いた作品だったのだと思います。主君から託された娘を育てる「使命」。それにすべてを懸けて来た男。情が移っても自分の娘ではないし、まして一人の女性として見ることなど許されない相手。この微妙な封建的心理を言葉少なく表現しています。役所広司の抑えた演技が冴える見どころです。そして切腹。自らの人生を大きな流れの中に位置づけ、諦観と共に受け入れる。こんな厳しい生き方、とても真似できません。元々の「忠臣蔵」も仇敵暗殺後の報いを覚悟したお話でした。本作も、良くも悪くも「忠臣蔵」、あるいは尊くも厳しい「忠臣蔵」の世界。この割り切れなさがテーマだと思いました。桜庭ななみの演技が想像していた以上に良かったです。年相応の恋心と自分の立場の相克を、こちらも言葉少なく演じていました。いつも同じようなことを言ってしまいますが、安田成美の床への誘い、なかなか蹴れませんよ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-05-29 22:57:37)(良:1票)
347.  ほしのこえ 《ネタバレ》 
30分にも満たない作品ですが、この短い時間に作者の個性が凝集している印象です。密度、濃いですね。 「恒星間の距離」を題材にした作品は過去に観た記憶がありません。「トップをねらえ!」は距離ではなく、光速で移動することによって起こる時間のパラドックスを題材にしているので、本作とは出発点が違います。かつて「宇宙戦艦ヤマト」がアニメに初めて「光年」という距離感を持ち込みました。その圧倒的で絶望的な距離概念を、本作は設定の中心でテーマに絡ませます。シリウスまで8光年。その言葉が示すものは「距離」ですが、通信に要する「時間」でもあります。私たちはシリウスの8年前の姿しか見聞きすることが出来ない。それは8年の時を遡るタイムマシンでしか行き来出来ないということ。この距離と時間が若い男女の間に横たわる。そのとき、彼らはどんな気持ちでお互いを想うのか。 この監督の個性とは、ハードSF的に設定を固めても表現したいのはティーンエイジが抱く感情だけ、というところです。そこに帰結させるために、相当に極端なことをやっています。女子中学生が国連軍のパイロットに選抜される、登場人物は二人だけ、ワープ航法はあっても超光速通信はない、アンカーポイントを使わないとワープ出来ない、8光年の彼方から携帯にメールが届く、等々。デビューしたての漫画家のような人物作画と、こなれたモビルスーツの戦闘描写にも大きなギャップがあります。彼らの気持ちを、あまりに気分的な描写で終わらせることもマイナスポイントです。ほとんどの人には独りよがりの「オタク趣味」と映るのでしょう。 でも、オタク趣味色が強い私にはとてもとても味わい深く、志の高さに感心しました。インサートされる新聞紙面などで丁寧に設定を説明していますが、そんなカットを一時停止させて注目している人は少ないでしょうね。私はその設定自体に空想を遊ばせ楽しませていただきました。立派なSF作品だと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-05-15 21:25:27)(良:2票)
348.  男はつらいよ
作品数においてギネスに登録されているこのシリーズ。何作かは観ているし、レギュラーの配置も理解しているけど、観た作品のサブタイトルは覚えていません。笠智衆の「バター」は記憶にあったので、これは過去に観ていたのでしょう。人情喜劇としてバランス良くまとまっていることは言うまでも無いのですが、やっぱり渥美清という役者の個性と上手さに舌を巻きます。こんなにわかり易いキャラをベタベタに演じていて、ワザとらしくないんですね。それと、兄貴にまったく似ていない倍賞千恵子の健気な可愛さにやられます。この第一作で結婚させなくても良かったと思うのは、結果論の意見ですね。某局で週イチで放送してくれるみたいなので、コンプリートに挑戦です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-04-22 23:56:48)(良:1票)
349.  アーティスト 《ネタバレ》 
モノクロ・サイレント映画と聞いていましたが、劇中に2回、音楽以外の音が聞こえるシーンがあります。それがとても効果的に使われている。つまり本作における「サイレント」は演出のひとつということです。そんな演出込みで「サイレント」を現代に再現する意味は何なのか? 本作のテーマは、まさにそこにあったという感想です。現代のCGや3Dを含めたデジタル映像は、表現できないものは無いと思えるほど進歩しました。でも、本作を観た後に想うのは、その「万能感」に寄りかかり、メディア本来の意義である「伝える」ことを疎かにした映画が増えているのではないかということ。本作は、無声映画で人気を博した一人の俳優の栄華と挫折と再生をラブストーリーの中に織り込みます。社会問題を扱った作品のような複雑さはありませんが、感情の起伏は力強く伝わってきました。伝えたいことを絞り込み、それを最も効果的に表現するために選んだ手段が「モノクロ」&「サイレント」だったと考えると、とても納得できます。本作を観た後だと、ふだん観ている映画には無駄なものがたくさん入っているのではないかと思ったりもします。単に台詞を削るとか、爆発を減らすとか、そんな小手先ではないところで、本作は映画の原点を再確認させてくれました。アカデミー賞を競った『ヒューゴ~』も映画愛を謳った作品と言われていますが、私は「愛」を感じなかったんですね。あれは創成期の映画製作者に対する「敬意」だと思っています。比較の話になりますが、本作からは映画に対する「愛」を感じました。鑑賞後に「この作品が…」と云うよりも「映画ってイイなぁ」と云う感慨が先に来たからです。でも細かい話ですが、ミシェル・アザナヴィシウス監督は映画を「愛している」というより「信頼している」と言った方が近いのかも知れません。
[映画館(字幕)] 7点(2012-04-08 20:25:00)(良:1票)
350.  ファール・プレイ 《ネタバレ》 
これは高校生になった頃に名画座で観ました。「スティング」と2本立てだったことを覚えています。作品総体の見応えは別にして、劇場内の笑い声に関していうと「スティング」を圧倒していました。周りの笑いに釣られてか、自分も大笑いしていたのを思い出します。30年ぶりの鑑賞でしたが、なかなか酷い脚本だと思いましたよ。辻褄が合わない行動がたくさんあるし、事件の発端となったフィルムの中味なんて最後は忘れ去られてます。それでも充分に楽しめる破壊力が本作にはあったんだと思います。ゴールディ・ホーンが、自分の状況を刑事たちに話すシーンがありますが、その説明の下手糞さが秀逸です。彼女じゃなかったら蹴っ飛ばします。バカっぽいけど一生懸命。それがキュートに映るのが、天性のコメディエンヌの証明であると改めて感心しました。ダドリー・ムーアがストーリーに全く関係の無いところで大活躍。シンフォニーの指揮者というオチも含めて劇場ではいちばん笑いを取っていましたね。その次が日本人老夫婦の「コジャック!」だったかな。サスペンスで始まってコメディで大団円という変な作品ですが、役者のキャラの立ち具合、ネジの弛んだ脚本、シーンごと変わるトーンなど、現代では出会えない珍品だと思います。
[映画館(字幕)] 7点(2012-03-22 22:14:57)(良:1票)
351.  アンダーワールド 覚醒
普通にレビューするなら突っ込みどころも少なくない映画なのでしょうが、全くそんな気が起こらないのはファンだから。ケイト・ベッキンセールの。痩身にボンテージ。綺麗でカッコいい。最高です。さほど長くもない尺の作品だけど、彼女が出ているシーンが多くて満足です。観たかったものは観させてもらいました。内容を語る気にならないのは、たぶんアイドルの追っかけをやっているファン心理と同じなのでしょう。
[映画館(字幕)] 7点(2012-02-28 10:54:29)
352.  ゾンビ/ディレクターズカット完全版 《ネタバレ》 
ゾンビ映画の源流である本作を初めて鑑賞。ちょっと意外でした。ゾンビの群れとそこから逃げる人というシンプルな構成かと思っていたら、登場人物たちの内面の描写に重点が置かれているから。最初はゾンビの頭を撃ち抜くことに涙していた者も、やがて躊躇が無くなり、逆にハンティングを楽しむような風情になって行く。人間でさえ、自分たちに危害を加える者は撃ち殺す。ショッピングセンターへ暴徒が侵入した段では、ゾンビの存在は背景でしか無くなっていました。本作のゾンビはスローな動きや虚ろな眼つきが特徴的で、凶悪と言うよりは哀れな存在です。車両で蹴散らされ、のろのろと人に縋ってくるだけ。顎の力には目を瞠るものがありますが、用心して行動すれば取り付かれることはことは滅多に無い。だから尚更、ゾンビに対応する人間側の姿勢が浮き彫りになる。つまり、ゾンビをリトマス紙にした人間性の問いかけです。人を描こうとした映画だったのだと思います。また同時に、その後のゾンビ映画の可能性を示している作品でもあります。登場人物の性格や性別や職業のバリエーションをゾンビ群に放り込むだけでいくらでも物語を作ることが出来る。ゾンビの動きや能力も変更可能なので、それこそ順列組合せの理屈でゾンビワールドが拡がります。後出しジャンケンみたいな言い方ですが、本作後のゾンビ映画の拡がりはまさにその通りだったと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-02-14 01:33:59)(良:1票)
353.  ボウリング・フォー・コロンバイン 《ネタバレ》 
銃を所持していることがあの国の社会を歪めている原因ではなく、銃が必要という意識を煽るマスコミや政府の扇動が問題であると説く。日本と違って現在進行形で戦争や紛争に関わる国では民意の統合はとても重要な政策で、銃社会はその副産物という理屈。マイケル・ムーアなりの演出があったとしても、体制側の扇動への警告としては、申し分の無いメッセージでした。カナダの人が家に鍵を掛けない習慣を持っていることは驚きでした。日本は平和な国だと思っていましたが鍵はかける。(もしかして、私が住んでいる都市部だけ?) カナダは日本より、さらに精神的に無防備でも許される空気なんですかね。最近は個人情報への過剰な警報や、習い事をさせると必ず送迎する親が目に付きますが、この警戒心の強まりも、何か大きな方向へ国民を扇動する一環なのかもしれない、なんてことが思い浮かびました。 9/11で亡くなった方の数と、過去にあの国が関わった戦争や紛争で亡くなった相手国側の一般市民の数の対比は驚く資料でした。でも、Kマートに被害者を連れて行くやり方は反則ですね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-01-19 23:20:49)
354.  ディア・ドクター 《ネタバレ》 
医者という職業は人の命を預かるのだから、他の仕事より時間をかけて仕込まれる。学費も高い。それを考えると資格を持たない者が医療に携わるなんてありえない。万一のことが起こったときには「殺人罪」だろう。でも、本作のロケーションが必要としている医者の資質って、ブラック・ジャックじゃ無いことも確かだ。資格のある者が彼のようにできれば一番良いのだが、本作は行政に直訴しているのではなく、あの偽医者をあなたはどう思うか、という映画なんだよね。彼は正直だった。瑛太に言った台詞に嘘は無いと思う。実弾が飛んで来て打ち返している間にそうなってしまった。だから、彼には医師としての強い使命感があった訳ではない。気胸の空気を抜く為に胸に針を刺したときなどは、怖くて逃げようとしていたものね。でも、そこでは逃げずに母娘の最後の時間を作るために逃げた。とてもヒューマンなトンズラでした。違法行為だと否定するのは簡単だけど、一概に否定しにくい。ということで、この作品に対する姿勢はとても難しい。確実に言えるのは、自分が世話になっている医者が偽者だと分かったら私はたぶん怒るけど、偽者と知らずに処方された薬で病気を治していたら感謝しているってこと。これはそういう映画だ。すでにご指摘の方もいらっしゃいますが、「ブラック・ジャック」にソックリな話があります。そちらは年配の偽医者が正規の医者になるために医学部に入学するシーンで終わっていました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-01-14 00:33:07)(良:1票)
355.  次郎長三国志 第四部 勢揃い清水港 《ネタバレ》 
一家が旅から清水港に帰ってきて、個性豊かな面々がやっと一堂に会する第四部。旅立ったときには3人だった子分も客分を入れると10人近くまで増えていて、こういうシチュエーションには無性にワクワクする。本作の物語を転がすのは三五郎・石松コンビ。計算高い奴とまったく計算できない純情バカの二人は、お互いの欠点を補うように機能する。そんな野郎同士の関係がこのシリーズの醍醐味だろうか。三五郎・石松の不始末を引き受ける次郎長さん。その姿勢に一家全員が結束を固めたように見えたところに大政さんの決め台詞。「生まれた時は別々でも、死ぬときゃあ一緒と、誓おうじゃあーねえか」。・・・ジーン。あぁ単純だ、俺。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-01-13 00:25:07)
356.  フルメタル・ジャケット 《ネタバレ》 
横道から入りますが、米国兵士が戦場で敵兵と鉢合わせした際に銃の引き金を引く割合を語っている小説がありました。二次大戦では20%(低い!)。たとえ戦場でも、目の前の人を殺せる者は少ないってことです。それがベトナム戦争では95%に跳ね上がる。二次大戦の引き金率の低さを問題視した軍部が、改善(?)策を施したからです。前々から、ベトナム戦の兵士のPTSDを扱った映画はたくさんあるが、二次大戦には無いことが不思議でした。二次大戦の兵士がPTSDに罹らなかったと云うより、ベトナム戦の兵士に特筆されるほど多かったからでしょうが、本作の前半の描写がその疑問への回答です。戦闘マシ―ンの養成パート。内実は人格を奪うことです。出兵する前に、すでに心的外傷の因子を充分に植え付けられている。後半はその戦闘マシーンが実戦に配備されると何が起こるかの証明パート。引き金率の高さは勿論ですが、それ以外にも色々な異常が見られます。まず、言ってることがみんな変。前線にまともな会話はありません。ヘリから無差別にベトナム市民を銃撃する兵士を誰も咎めない。そして、あの少女狙撃兵ひとりを殺す為に何発の銃弾を使ったのだろう。1000発? 1万発? 散った命を含めて戦闘が極めて非効率です。戦果を実感できない戦闘に戦争の大義が失われて行く。キューブリックなりに演出されたドライな映像が、概念的な意味性を排除して愚かしいことをそのまま愚かしく見せる。心を蝕まれた兵士の後日談ではなく、「完全徹甲弾」になった兵士たちの戦場での「不経済」が描かれる。面白いかどうかは別にして、ベトナム戦を扱った映画の中では最も実像に迫っているのではないだろうか。
[映画館(字幕)] 7点(2012-01-07 05:37:13)(良:2票)
357.  聯合艦隊司令長官 山本五十六―太平洋戦争70年目の真実― 《ネタバレ》 
太平洋戦争を扱った映画を観るたびに、常に不満がありました。「戦争責任の総括」と言ったら大袈裟ですが、なぜ戦局の末期に「特攻」や「玉砕」という大日本帝国軍だけに固有のアクションが存在したのか。それを、兵士の哀しさとして扱った映画はあっても、根本に戻って描いている映画は実は無い。本作には「特攻」や「玉砕」の描写はありませんが、間接的にはその問いに回答していると思いました。軍隊の意思決定機関と前線の感覚が乖離しているのはよく聞く話ですが、本作は軍の中枢にいる連合艦隊司令長官が戦争反対派だったという内容。大本営の思惑と山本五十六の感覚は正反対に違っていました。彼が開戦すべきではないと唱えたのは勝てると思えないから。彼にとっての真珠湾攻撃は戦争に勝つためでは無く、早期講和に持ち込むための作戦でした。戦闘の最前線にいる指揮官が「勝利」を目指していないという態度が奇異にも映ります。それは明治維新以降、外国との戦争を無敗で歩んでいた日本の風潮やマスコミの論調にも逆らう姿勢でした。しかし、精神論に依らず国力と戦局をプレーンに見据えることは、最も指揮官に求められる資質だったはずです。「講和」を目指す山本五十六の精神に「特攻」「玉砕」「本土決戦」という言葉はありません。良くない例えかも知れないが、山本五十六は良識を持ったギャンブラーで、大本営は勝つまで博打を止めない質の悪いギャンブラーだった。負債を回収する為に釣り上げたレートが「特攻」や「玉砕」です。かなり話が横道に逸れましたが、本作は戦時にあるべき資質を山本五十六の良識と人柄で婉曲した作品です。ただし、少数の良識と人柄だけでは戦争は止められないし、戦闘は良識と人柄でやるものでもありません。この過去の現実が様々な悔しさを覚えさせてくれます。山本五十六が若手新聞記者に「目と耳と、心で物事を見ろ」と言ったことは映画なりの脚色だと思いますが、良い言葉でした。300万人に及んだ戦没者の9割が山本五十六の死後の戦死であることをナレーションが告げます。果たして、彼が存命だったならその数を減らすことはできたのだろうか? 最初の不満に話に戻りますが、私は大本営の「質の悪いギャンブラーぶり」を徹底的に描いた映画が観たいです。
[映画館(邦画)] 7点(2011-12-31 18:21:47)(良:3票)
358.  トイ・ストーリー
自分にも覚えがあるけど、おもちゃで遊ぶ子供たちは、おもちゃに人格を持たせて心の中で喋らせています。怒らせたり、笑わせたり。その精神世界をそのまま映画にしたような作品。良質ですね。これを観た子供たちの「おもちゃの世界」はグッと拡がるんじゃないかと思います。そういう温かい視線と同レベルで、お隣のシドくんのように酷い奴を「悪者」ということでは無く平坦な視線で描いていることにも感心します。「おもちゃの世界」と「世の中」の両方を子供たちに見せる映画です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-12-17 15:15:18)(良:1票)
359.  ラスト サムライ
不思議な映画でしたね。ニッポン人としてはところどころに「違うだろ!」って描写があるんだけど、作品全体を覆う精神性がそれを緩和してくれる。この映画のモデルは西郷隆盛と西南戦争なのでしょう。日本の近代化を進める中央政府の改革を武士道精神の衰退にアレンジし、不平士族の反乱は列強と結託する私欲財閥への戒めにアレンジしている。これを観た外国人が日本の近代史を誤認した可能性はとても高いのだけど、そんな危惧よりも先述の精神性の描写の方がニッポン人として嬉しく思ってしまった。同時に、今の日本人に武士道を体現している人がいるのかと外国人から聞かれたら、とても困るのだけど。厳しい表情をしながら眼だけに優しい涙を湛える渡辺謙の演技は、ハリウッド映画の中では独自の存在感を示したと思います。彼の侍演技の多くはNHK大河「独眼竜正宗」でブレイクした頃と大きく変わっていないと思ったんだけど、逆に当時からかなりのポテンシャルを持っていたことが改めて証明された気分でした。
[映画館(字幕)] 7点(2011-12-17 14:50:30)
360.  リアル・スティール 《ネタバレ》 
ダメ男の再生と親子の絆がシンクロして進むお話。そこにスポーツの動感と達成感がミックスされ、上手く盛り上げてくれます。ホロッとさせてもらいました。21世紀の「ロッキー」って感じです。CG技術を駆使しながらもそこで終わらず、人の内面に還って行く作品は感動的です。
[試写会(字幕)] 7点(2011-12-14 17:22:51)
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