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ダイさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 67

評価順1234
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21.  ガタカ
医学の高度な発達とともに遺伝子の優劣により、区別と差別が顕在化するという近未来世界についての警鐘というよりも、むしろ、ラストのお抱え医師の台詞に象徴されるように、そんな世の中でも人間の人生を切り開いていくのは弛まぬ努力と夢を信じ続ける意思であるというポジティブなメッセージの方に強く感動した。映像と音楽も大変美しく、また、出てくる車が電気自動車でありつつエクステリアはシトロエンだったりしてディーテイルにもかなり凝っている。
9点(2001-09-02 00:27:33)(良:1票)
22.  ひまわり(1970)
ヘンリー・マンシー二による印象的な音楽をバックにロシアの青い空の下、見渡す限りのヒマワリ畑が写されるオープニングから圧倒的に美しい。また、本編にしても演出、俳優、演技、音楽から小物の一つ一つに至るまで完璧なまでに調和が取れているなか、ストーリーはいかにもデ・シーカが好みそうな美しく、悲しく、そして残酷なものである。
9点(2001-08-12 23:23:50)
23.  チャイナタウン
飄々としながらもフィリップ・マーロウ並みの行動力と推理力を持つ私立探偵ゲティスのもとに舞い込んできたありがちな夫の浮気の調査を進めるうちに、実はその裏に大掛かりかつ悪意に満ちた事件があったが、1つ謎を解いてもそれ以上の疑問が湧いてくる・・・という話。ロマン・ポランスキー、ジャック・ニコルソン、そしてスコアを担当したジェリー・ゴールドスミス各々にとってもエポックと言える秀作だと思うが、細部まで相当に拘ったでろう画面から醸し出されるある種のハードボイルドな雰囲気が最高で、それこそが本作の白眉。いつまでも陶酔していたくなる。ラストは次に何が起こるか分からないチャイナタウンならではか。
9点(2001-08-03 01:36:10)(良:1票)
24.  M★A★S★H/マッシュ
主人公の医者達のスタンスは「誰がはじめた戦争か分からないが犠牲となるものは敵味方関係なく最前線に立たされる若者であり、自分達は戦争そのものには全く共感しないが運ばれてくる同氏達には最善を尽くすだけ」というものであるからこその戦地でアメフトやったりゴルフやったり徹底して上官を茶化したりしているのだと思う。だから本作は極めてアンチアメリカ的な作品であり、この当時にこのようなスタンスで映画を撮ったロバート・アルトマンはやはりすごい監督だ。
9点(2001-07-27 23:51:35)
25.  運動靴と赤い金魚
すっかり破れた運動靴でも新しいものを買ってもらうのでなく、縫ってでも履きつづけるほど貧しい家族がごく自然に描かれていることや、年端もいかない頃から「お国のために云々」という教育をされていることや、兄と妹では通学の時間帯が異なること等々カルチャーショックを色々受けてまいましたが、そんな中でもやはり(当たり前だが)子供はいつでも可愛いながら、それなりに悩みを持ち、それなりに精一杯生きている、ということに「マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ」以来久々に痛感させられました。後半のマラソンのシーン以降はとくにその辺が良く表現されており、何ともホロ苦い気分になってしまいますが、それゆえにラストの足元にやさしく寄り添う金魚たちの美しさが際立ちます。あと、好きなシーンは妹役の子供が、自分がかつて履いていた靴を同じ学校の生徒が履いているのを発見してしまうシーン。普通だったら「それ、私の靴!」となってしまいそうなところ、その言葉をぐっとこらえて悪気が無いその子とは親しくすらなってしまうところなど本当に上手いな、と思いました。
9点(2001-07-27 23:05:43)(良:1票)
26.  現金に体を張れ
例えば本作が、2001年宇宙の旅以降の諸作品ほど語られないのは、難解で哲学的な部分が少ないからなのだろうが、だからといって無視するにはあまりに惜しいサスペンスの秀作。とにかくオープニングから無駄なシーンなどまったく無く、ちょっとだけ欲深くなってしまった登場人物達の悲喜コモゴモを交えつつ、劇中の山場である第7レースに向かって、微妙に時間軸をずらしつつも完璧なまでに演出する手腕はさすがはキューブリック、と唸りたくなる。ラストのシンメトリーなカットもらしくて良い。
9点(2001-07-23 22:13:57)
27.  セントラル・ステーション
子供と大人が織り成すロードムービー。善と無垢の象徴である子供との旅を通じて、荒みきった大人の心を徐々に癒した結果、かつては誰もが子供だったように、心の奥底に埋もれていた純真さを取り戻してゆく・・・という話の筋をかいつまんで書くと何ともベタな内容ではあるが、役者の上手さと演出の巧みさで大変に感動した。例えば舞台であるブラジルは一見平穏そうではあるが、ちょっとした窃盗行為でも警官が躊躇なく犯人を射殺したり、文盲の人があまりに多いのでドーラのような代筆業が成り立っている、といったブラジルの厳しい現実を盛り込むことにより色々と考えさせられるし、それとこの代筆業というのがポイントで、それゆえに最後ドーラが心を込めて手紙を書くシーンに感動してしまうんだよね。あと映像的にもすごく美しくて、ブラジルの田舎の風景や、まったく同じ形の家々を俯瞰したショットなど本当に素晴らしかった。
9点(2001-07-19 02:09:58)(良:1票)
28.  ベルリン・天使の詩
ニック・ケイブが見たいがために本作を見たときはまだ高校生だったんだけど、前半のモノローグの意味が良く分からなかったり、不必要なシーンがあまりにも多かったような印象くらいしか持てなかった。しかし、それから数年経って改めて見てみると、最初から最後まで各々のシーンの必然が理解でき、その映像の美しさに大層感動した覚えがある。やはりブルーノ・ガンツとピータ・フォークの表情がたまらなく温かいんだよね。かなり重厚な映画なので万人にはお薦めできないが、人間不信に陥っているような人には是非とも見て欲しいし、自分も死ぬまでに必ずもう一度みておきたい作品。
9点(2001-07-15 01:59:01)
29.  センチメンタル・アドベンチャー
イーストウッドがハリウッドを代表する素晴らしい監督であることに初めて気づいた作品。ロートル歌手の悲劇的なロードムービーなんだけど、その演出は当時からシンプルで美しい。そして本作ではイーストウッドの決して上手いとは言えない歌声が器用に生きることなどできない主人公とオーバーラップし、何より胸に染みる。
9点(2001-07-08 02:32:18)
30.  トゥルー・クライム(1999)
眠いどころか最後までスリリングでまったく目を離せなかった。死刑目前の犯人の無実を晴らそうと新聞記者が孤軍奮闘するなどというあまりにベタな話を今時映画にしようとすることだけで感動してしまうが、演出面でもイーストウッドらしく端正かつツボが抑えられており相変わらず冴えまくっている。そして、何より清濁あわせて年取ったイーストウッドの演技(特にラストの表情)の素晴らしさときたら!映画に単なるストーリー以上のものを求める大人向きの映画。
9点(2001-07-03 00:50:08)
31.  スモーク(1995)
一つ一つの話はそんな大したことないんだけど、見終わるころには何とも暖かいものに体中が包み込まれるような感じがした。全編に通底するテーマは家族と嘘であり、マイク・リー監督の「秘密と嘘」というタイトルは本作にこそふさわしいかも、と思った。ハーベイ・カイテルもいい味出してます。ただ、続編のブルー・イン・ザ・フェイスは全然面白くなかったけど。
9点(2001-05-27 01:33:29)
32.  狼たちの午後
息苦しくなるほどのテンション。アル・パチーノは銀行強盗でありながら実に人間くさいという難しい役どころを畢生ともいえる名演でこなしている。ラストシーンも閉塞感が漂い始め出したこの時代のアメリカ映画らしいか。
9点(2001-05-27 01:11:11)
33.  華麗なるヒコーキ野郎
ジョージ・ロイ・ヒルって大好きだな。例の飛行機のシーンも特撮なんて使ってなく、本物のスタントだそうだし、それゆえにたまらないスリルを提供している。まさに映画的面白さが凝縮された傑作。
9点(2001-05-27 00:50:09)
34.  グロリア(1980)
カサベテス監督作品はイマイチ苦手なんだけど、これは文句なしにかっこよい。子役は小生意気ながら結構可愛くなってくるし、ジーナ・ローランズは圧倒的に迫力あります。
9点(2001-05-27 00:41:54)
35.  天国の日々
誰も投稿して無いようだけど、これは米映画史上に残る傑作。ストーリとしては極めてシンプルながらここで展開する映像の圧倒的な美しさ!テレンス・マリックは本作及びバッドランズの2本で伝説となってしまったが、それも大いに肯ける。若かりしころのR・ギアも男前です。
9点(2001-05-26 00:57:04)
36.  レクイエム・フォー・ドリーム
「麻薬は一つの生き方である」とはウイリアム・バロウズが自らのドラッグ体験を基に執筆した小説「ジャンキー」からの有名な一節であるが、つまりジャンキーがドラッグをやるということは趣味や興味本位、或いは快楽のためですらなく、それが生きる上で何より必要とされるものであり、それ以外のものはすべてが従たるものと化してしまう・・・ということだそうで。ジャンキーの生態をありのままに提示したという点において、本作を見た際にまず思い出したのはそのバロウズだったわけだが、それ以外でもアロノフスキー監督自身、ドラッグというテーマよりも寧ろ興味と執着心を持っていたであろうその映像表現についてもバロウズが発明したと言われる、所謂「カットアップ」の手法をやはり髣髴せずにはおれない(確かにそのループする感覚はヒップホップ的ではあるんだけどね)。4人のエピソードではやはりサラのものが出色。他の3人のように軽い気持ちからドラッグにハマリ込んでいくのでなく、その弱さと孤独感ゆえに何かに依存せずにはおれず、その対象が当初の甘いモノ、テレビ、テレビ出演に向けたダイエット、日焼けの特等席等から徐々にドラッグに侵食され狂っていく様はE・バーステインの怪演のおかげもあって本当に恐ろしい。また、終盤の各登場人物が幾重にも折り重なるようにして綴られたうえで映画のタイトルと重なるかのようなラストの衝撃は、例えばドラッグストア・カウボーイやトレスポ等のようにサイケデリックな文化に憧憬を抱いた世代によるサブカルチャー嗜好表明的映画(嫌いじゃないんですよ、別に)を遥かに凌駕し、やたらと反復される例の音楽とともに暫くは脳裏に焼き付いて離れなかった。
8点(2002-05-13 03:28:27)
37.  アザーズ
多分にヒッチコックを意識したであろう演出方法は例えばデ・パルマのような余剰感は無いぶん上品かつオーソドックスであるが、恐怖の基本である暗所と閉所に登場人物を限定させる状況設定の上手さや、静寂とノイズが交互に織り成すことにより生じる緊張感等でラストまで退屈することは無い。話題のオチについてだけど、ご多分に漏れず語りたいが、語ってしまえばいかにも無粋ということは分かってんだけど・・・少しだけネタバレあるけど勘弁してね。主人公が例の状態となってるせいで某ヒット作と比較されがち、というかどうしたって思い出してしまうのはしょうがないんだけど、厳格なカソリック教徒であるがゆえに確信を持っていた世界観及び実存が根底から覆るというダイナミックさはそのまま冒頭で語られる例の神が7日間で世界を創造したという「創世記」に直結し、ラスト5分で創造されてしまった異世界(アザーズ?)を突きつけられる観客の「ヤラレタ感」は他に類はない、と言って良いと思うし、某監督は本作を見て先駆者の余裕を浮かべるどころか、大いに嫉妬するに違いない。N・キッドマンも素晴らしい。
8点(2002-05-07 20:53:44)(良:1票)
38.  オーロラの彼方へ
2時間という限られた上映時間の中で可能な限りのプロットが詰まっているので、退屈することはないけど、古き良きアメリカの雰囲気に惹かれるのって、無論ノスタルジアなどではなく、そこではとりあえず希望とか夢とか家族愛とか、閉塞感ばかりが漂う時と場所で青春時代を過ごした者にとって何より憧憬してしまうものが当たり前のように存在し、それらの象徴ともいうべきベースボールやロックンロール、アメ車なんかもイチイチ格好良く見えるんだよなー、などど考えてしまいました。自分の都合だけで歴史を変えていく独善性など突っ込みたくなる気持ちもあるけど、良く練りこまれた上質のエンターテイメント作品でしょう、これは。
8点(2002-02-14 17:51:50)
39.  リトル・ヴォイス
色んな意味でセンスの良い映画だと思うが、特にキャストが良いね。LV役のジェイン・ホロックスはハマリ役で、引きこもり~一世一代の舞台上での晴れやかな表情まで見事に演じてるし、そのペッタンコの胸も含め実に可愛らしい。LVの母親役のブレンダ・ブレッシンは主役を食うほどのインパクト。「秘密と嘘」におけるあの女々しいオバちゃんとは対照的に、その体つきも含め実に醜い役だが、至るところで笑かしてもらいました。そしてレイ役のマイケル・ケインは正に怪演。特に終盤の涙ながらに絶唱するシーンは爆笑の必見モノ。ラストもハリウッド的にLVが歌手として大成してハッピーエンド、とならないところに不満を覚える向きもあろうが、個人的にはそのささやかな幸福さが却って良かったと思う。ところでLVって単に歌やモノマネが上手いというのではなく、ジュディ・ガーランドやモンローとかが憑依するイタコのような体質を持つゆえ、亡き父の霊が見えてたんだと解釈してます。
8点(2002-02-14 17:50:18)(良:1票)
40.  反撥
まず、カトリーヌ・ドヌーブの目のドアップにクレジットが重なるオープニングが、滅茶苦茶格好良い。本編も雰囲気重視のポランスキーらしく、ストーリーはあって無いようなものだが、毎シーンは不条理ながらも美しく、真綿で首を締め付けられるかのような緊迫感とともに進行して行く。才能さえあれば腐敗したものですら芸術に昇華されるという好例であり、コーエン兄弟ならずとも憧憬せずにはおれないだろう。
8点(2002-01-27 22:47:13)
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