21. 恐るべき子供たち
《ネタバレ》 我々の世代でいくとこの作品というより某ヘビが主人公の潜入ゲームの方で名前のみ有名になってしまっていますが、原作・ナレーションにジャン・コクトー、彩るスコアなども相まって非常に文芸的な作品。 観る前の印象は、低年齢の子が知らず知らずのうちにする行為の恐ろしさ、「禁じられた遊び」のような作品をイメージしていたので結構当てが外れたのですが、後半から、弟を溺愛するが故に、誰にも渡さないがために策を弄して友人たちを騙し、挙句弟を死に追いやっても尚自分の非を認めない狂気じみた行為は「恐るべき子供」の表現もぴったりだと思いました。 [DVD(字幕)] 7点(2021-07-10 20:21:03) |
22. 姿三四郎(1943)
《ネタバレ》 ♪姿~三四郎~ 姿~三四郎~ セ~ガサタ~ン しろ~(違)と、これで掴みはオッケーっと(爆)いきなり古いネタかましましたが、これが黒澤監督のデビュー作品な訳ですね。今でいうところのスポ根ですが、それをこの時代から既に完成させていたってのはやっぱりすごいですよ。特に、後半の村井師範との対決での、投げられながらも必死で立ち上がろうとする村井師範の姿には、不屈の精神を感じましたし、試合が終わってもお互いが敵同士でなく、互いを認め合った好敵手(ライバル)として「お大事に」といった三四郎には何か大きなものを感じさせられました。ただ残念な事にフィルムが完全ではなく短縮版なため、これのみではイマイチ評価に困るという点です。ということで今回は、本来8点のところを短縮版であるため1点を引いての総合7点を献上したいと思います。 7点(2004-09-20 18:09:53) |
23. 誰が為に鐘は鳴る
文豪アーネスト・ヘミングウェイの同盟小説の映画化なんですが、小説の方は読んでないのでなんともいえません。まあ、元々映画と小説を比較してどうのこうのとは毛頭思ってもいないのでいいのですが、やはり有名な作品なのでいずれは読んでみようと思います。さて、肝心の映画の方ですが、結構良かったと思います。個人的には、戦争を恋愛を混同して描くのはあまり好きではないのですが、この作品は近年の戦争恋愛もののように戦争だか恋愛だかのどちらともなくあやふやに描いてるのではなく、激しい愛情を描きながら戦争のもつ不条理さもバランスよく描けていると思います。 7点(2003-12-27 14:10:31) |
24. 市民ケーン
時間軸を打ち崩してストーリーを語るという手法はここから始まったんだと思う。今でこそ様々な作品で流用されていて新鮮さには欠けているが、これをたった25歳でなし得たウェルズはやはり凄い。問題となっている“バラのつぼみ”という言葉の意外な正体がなんともいえない。 7点(2003-11-26 01:37:13) |
25. 黄色いリボン
《ネタバレ》 出てくるのが保安官や無法者ではなく騎兵隊と先住民なので、ガンファイト、などを期待していると展開は非常にゆったりしていて、大体が三角関係やらなにやらに時間を割かれているのであまり店舗はよろしくないですが、荒野を馬で駆ける疾走感や、誰でも一度は聞いたことがある「黄色いリボン」のメロディだけでも観て良かったかな、と思いました。 そのまま退役するのかと思いきやまさかの中佐に昇進してしまうのはビックリでしたが(笑) [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-08-19 14:32:44) |
26. 死体を売る男
《ネタバレ》 ↓で鱗歌さんがほとんどのことをおっしゃってるので付け加えることもないとは思うのですが、あえて。 カーロフの墓掘り人だったり、「バーク」するシーンなどは時代的なものがあれどなかなか凝った根出、かと思えばラストはホラーの展開で、ある部分だけ見るといいな、と思うのですが、本当にストーリーが捻りがないので、そういう意味ではちょっと面白くないかなーと思ってしまいました。 [DVD(字幕)] 6点(2022-04-04 23:55:24) |
27. 肉体の悪魔(1947)
《ネタバレ》 美の貴公子、ジェラール・フィリップが残念ながら高校生には見えないのと、彼らの心が変わった心理描写がいまいち描写されていない点やストーリー自体がよくよく考えればドロドロのメロドラマなので正直、あまり乗れませんでした。 ただ、冒頭の、鏡を見つめながら回想に入っていくシーンや、2人が一夜を共にする一連のシーンや生命を表した暖炉の火、妊娠を直接言うのではなくあくまで含みを持たせて「まだ重くない」と表現するなど、演出面ではなかなか凝っていた場面が多くあり、そう言う意味では観ていて面白かったです。 [DVD(字幕)] 6点(2021-12-17 03:24:48) |
28. 赤い手のグッピー
《ネタバレ》 あらすじを読んだ時点ではなんのことはない?とか思ってしまいましたが実際に本編を見るとなかなか一筋縄では行かない作品でした。 冒頭からグッピー家の面々の描写が延々と続き、どこにいくの?と思っていたら殺人や窃盗、とどんどん展開していき「結局どうなるの?」という感じでした。 結構なスロースターターな作品、しかもそれなりに事柄が複雑に絡み合うのでなかなかとっつきにくい感じを受けましたが、後半、というか終盤の推理もの(犯人というか事件の詳細がこちらはわかっているにもかかわらず描かれる)になる展開からの、上へ上へと目指す様、そして、なkだかなで丸く収まる最後などはなかなか余韻もあり面白かったです。 [DVD(字幕)] 6点(2021-10-27 00:10:19) |
29. ブローニュの森の貴婦人たち
《ネタバレ》 現代で言うところのメンヘラ女の復讐劇ですが、現代のような直接的なものではなく非常にまどろっこしい方法。 ですが途中からほぼ、復讐相手の男と新たな女の恋の行方、女の過去との葛藤などが主軸んきなっていく感じで、最後ようやく「あ、そう言うことになるのね」といった感じ。 ブレッソンの作品としてはあまり洗練されてるとは思えませんでしたが、なんというか、自分の目的のために男は愚か友人の母子までも巻き込む女お恐ろしさが大きかったです。 [DVD(字幕)] 6点(2021-07-18 15:16:15) |
30. 硫黄島の砂
さすがに大戦後すぐに制作された作品だけあって戦闘シーン等々他の戦争映画よりもリアリティがあります。最初のテロップはアメリカの強さを誇示しようという意図なのかも知れませんが今となってはそんな事どーでもいい話。日本軍がとりわけワルに描かれすぎているというわけでもないので気にならないし、ジョン・ウェイン扮するストライカー軍曹も、志とは違えどそれしか自己を表現できなかった不器用な男という内面の方にも目を配ってる作品だと思います。 6点(2004-01-18 23:53:04) |
31. カサブランカ
「君の瞳に乾杯」はここから始まったんですね。テーマソングの【AS TIME GOES BY】や、男女間の恋愛模様、ラストで霧の中に消える2人の男など、後世に語られる映画として充分にいい映画。 6点(2003-11-23 03:27:38) |
32. 呪いの家
《ネタバレ》 恐怖の対象として初めて幽霊をスクリーンに登場させた映画として有名らしい本作。そのエポックメイキングの価値は亜r地ますが、残念ながら今観るとシナリオ面で弱いのは仕方のないこと。しかも件の幽霊にしてもほんの少しなので、そういうのを期待すると結構肩透かし、という感じです。 ただ、枯れる花、風に揺れる蝋燭、捲れるページ、2階に上がることを拒む動物たち、充満するミモザの匂いなどで幽霊を演出する手法は昔ながらとは言えどことなく拡張高さを感じさせ、場面によっては結構ゾッとするのでそれはよかったです。 この時代のホラー映画にありがち(というか映画全般ですが)なラブストーリーの方が主軸という感じなので、純粋に恐怖だけを追い求めるのは酷ですが、真実を解明するくだりなどのサスペンス要素もありそれなりに楽しめました。 余談で、某有名監督が最も怖かったホラー映画11選に挙げてるようで箔がついてそうすが、その監督ちゃっかり「エンティティー/霊体」をぶっ込んでたりするので、結構当てにならないと思います(笑) [DVD(字幕)] 5点(2022-01-01 19:08:30) |