21. めぐり逢い(1957)
《ネタバレ》 婚約者がいるのに他の女から貰ったタバコ入れを切っ掛けにして第三の女と出会うという、けっこうゲスなところからスタートする物語。けれど、見続けるとこれが嫌みのない、ロマンチックな物語でなかなか良かったです。「禁断の恋」と「いつか終わる航海」の組み合わせはバッチリだし、NYに着いてからはエンパイアステートビルでの約束という新たなサスペンス要素が生まれハラハラします。約束が果たせなかった後の第三幕も、一体どう決着がつくのか見守っていたら、まさかまさかの怒濤の展開。映画全体が1本の線で繋がったような快感がありました。見事なクライマックス。シャレた映画ですねえ。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2013-06-09 23:17:03) |
22. リオ・ブラボー
《ネタバレ》 映画の冒頭、ほとんど説明もなく男たちが睨み合い、殴り合い、撃ち合う展開にビックリ。こりゃ一体何の映画なんだ?と不安になったけれど、次第にキャラクターたちの個性や関係性が分かってきて、そこからはとても楽しめた。主人公よりも脇役たちのほうが個性的なのでは?と思えるほどで、キャラが皆好きになってしまった。個人的に良かったのは、飲んだくれ保安官が辞職を踏みとどまるところ。自分も、自信を失い今の仕事を辞めようか悩んで踏みとどまったことがあったので、その時のことを思い出して熱くなった。ヘッポコな奴らが、「だからなんだってんだバッキャロー」と言わんばかりに活躍することに元気づけられた。主人公も、肝心なところでノびちゃうのがご愛嬌。 [映画館(字幕)] 7点(2013-06-03 04:23:57) |
23. 生きものの記録
黒澤監督の作品は、白黒ハッキリした単純明瞭な作風だと勝手にイメージを持っていたけれど、この作品を観ると決してそうは言えない作家だったんだなあと思う。映画は大きく分けると「オレはこう思う!」ってタイプの作品と、「オマイラどう思う!?」ってタイプの作品に分けられる。この映画はどちらかとういうと後者なんだろうな。現在進行形だった問題を、こうして映画作品として作り上げ、「生きものの記録」と名付けた黒澤監督の思いはどんなものだったろう。 この映画の中の家族は、恐らく世間や世界の縮図として描かれていると思う。だからこそ、「オレはオレの好きなようにやるぞ!」とは決して出来ない。一筋縄ではいかないのがよく分かる。 園子温監督は「希望の国」で放射能の問題を取り上げたけど、あの作品は「生きものの記録」として50年後60年後どうなってるだろう。 そしてそれを観る人々や世界はどうなっているだろう。 「生きものの記録」が作られてから約60年。現在の日本はご覧の通りです。トホホ・・・・・ [DVD(字幕)] 7点(2013-05-21 01:00:10)(良:1票) |
24. 近松物語
初めて観た時は、主人公2人の逃避行ばかりに目が行っていました。久々に観てみると、周りの人たちの人間ドラマにも目が行くようになりましたね。独りよがりで保身ばかりの奴も入れば、「あんたたちの気持ちはよう分かる」と言いつつも密告する奴もいる。自分の都合のいいように事実をねじ曲げ地位を得ようとする奴もいる。茂兵衛と父親とのエピソードは一番好きです。映画の中では登場しない母親は???などと想像もしてしまいます。いろんな登場人物がいるけれど、彼らは彼らで当時の社会の中でなんとか生きていこうとしてたんだろうな。だからこそ2人のラブストーリーが引き立つんでしょうね。下手なラブストーリーだと、主人公2人だけで盛り上がって、脇役は主人公を邪魔するだけ、みたいな作品もあるしね。そんな簡単にも割り切れられない、群像劇としても面白い映画です。 [DVD(邦画)] 7点(2013-02-06 17:35:24) |
25. 生きる
映画に感動して次の日すっかり忘れているあの感覚と似てる(笑)。 会社に入ってまだ新人な私は、なかなか仕事で役に立てずに悩んでいた時期にこれを見ました。主人公と境遇は全く違いますが、なんだか共感できました。余命半年でなかったとしても、誰にでもあてはまる物語だと思う。 [DVD(邦画)] 7点(2008-07-13 05:43:56) |
26. お早よう
子どもだちが「お早よう」と言わなくなった、ということが大事件として扱われる。いくら昔の映画だからってこんなにミニマルな映画があるんでしょうか。あるんですなあ。まるで人が死んだか!というくらい悲壮感溢れる音楽も流れます。「無駄口叩くな!」と大人たちは言うくせに、「けど無駄があるから、潤滑油になって良いじゃないですかね」などと言う。無駄口喋るなと言ったのはそっちじゃないか!と子ども目線でイライラしてしまいました(笑)。けれど、最後は子どもたちが、そんな大人の矛盾や「本音」を汲み取る術を無意識にも理解して、成長する片鱗がほーんの少しだけ見えるのがオツでいいですね。それにしても、「もう口きかない」といってあそこまで粘れるのは関心。私は一晩でギブアップしました! [DVD(邦画)] 7点(2007-08-27 17:37:17) |
27. 隠し砦の三悪人
SWのR2D2とC3POってホントこの映画のマンマなんですねぇ。笑っちゃいましたよ。あと、クレヨンしんちゃんの「裏切り御免!」もここからなんですね(笑)。へぇ~。私としちゃ、用心棒や椿三十郎のほうが好きなんですが、それでも面白いことに変わりはないです。太平と又七も、あの後絶対ケンカしてそうだな~~と想像すると楽しいです(^^) 7点(2004-02-22 11:10:16) |
28. 波止場(1954)
《ネタバレ》 主人公の追い込まれ具合がなかなかのもので、そういう所は手に汗握ってみれました。一緒にハトを世話していた少年との関係させ変わってしまうシーンは悲しかったなあ。ただ、イーディと神父からの「正義からの追い込み」がだんだん脅迫じみてきて、悪よりもそっちのほうが怖くなるくらいでした。(逆に言えば、悪が「こっちのほうが楽チンですぜ」と手招きしているということでもありますが)正義は大変だ・・・。映画と違って、現実は「正義」と「悪」にキッパリ分けられないし。それにしても、エリアカザンの密告があった上で、こう言う映画を作るってのは良くも悪くも攻めてますね。当時の世評はどうだったんでしょうか。 [DVD(字幕)] 6点(2014-06-19 09:50:16) |
29. ゴジラの逆襲
1作目のシリアス感などは失われてしまったけど、見所もある映画でした。特撮は1作目以上によく出来てると思います。特に都市破壊シーンや港の炎上など、迫力がありました。地下鉄に土砂や水が流れ込むシーンはどうやって撮ったんでしょう。街が破壊されても、そう簡単にはへこたれない人々のバイタリティーも描けていたと思います。あまり変化のないカットの連続が続いて、テンポが鈍臭いところが多かったのが、少し残念でした。 <追記>アンギラスって初登場時から、陰が薄い脇役だったんですね・・・。書くの忘れてました。 [DVD(邦画)] 6点(2013-08-02 11:11:10) |
30. 情婦
正直なところ、釈然とするような釈然としないような映画でした。オレがアガサ・クリスティ合わないだけかな。「オリエント急行殺人事件」もそうだったしなあ。けど登場人物たちがみんな魅力的で良かったなあ。マレーネ・ディートリッヒも良かった。酒場のシーンはちょっと「イングロリアス・バスターズ」思い出しました。 [DVD(字幕)] 6点(2012-05-19 16:21:09) |
31. カルメン故郷に帰る
日本初のカラー作品ということで、映画史的に見ておこうという軽いノリで鑑賞。正直最初は、とりあえず見ておくかくらいの態度だったんだけど、後半にいくにつれエモーショナル(?)な展開になっていき、普通に楽しんで観ることができました。途中までは感情移入できなかったカルメンですが、最後までアッケラカンとした彼女を見てると、なんだか天使のようだな、と思っちゃった。間違いなく買いかぶりだろうけれど(笑)。 [DVD(字幕)] 6点(2012-05-14 02:26:38) |
32. 逆襲獄門砦
(ネタバレ?)クライマックスの大乱闘はスッキリ爽快。不謹慎かもしれないけど、大人数で少数を袋叩きにするのは快感ですな。海に逃げ出す悪代官も笑える。刀で船漕いでるよ(笑)。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2006-07-16 15:30:12) |
33. 勝手にしやがれ
カッコよけりゃいいじゃんって感じの映画なのかな。男と女の乳繰り合いがこんなオシャレな映画になるのね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2006-04-17 16:35:32) |
34. チャップリンのニューヨークの王様
「王様より先に座ってはいけない」場面で不覚にも笑ってしまいました。あまりにも予定調和でベタなシーンなのに(^^;。演説する子供は良くも悪くもチャップリンの姿そのものです。 [ビデオ(字幕)] 6点(2005-08-31 16:40:58) |
35. 山の音
正直なところ、「原節子ってそんなに綺麗かなぁ?」と思ってたんですが(失礼)、この映画ではじめて「あ、綺麗」と思いました。いや「綺麗」って書くより「きれい」と書いたほうがいいか。 [映画館(字幕)] 6点(2005-08-22 09:26:37) |
36. 浮雲(1955)
名作と言われるのはわかるけど・・・自分はあんまり好きじゃないです。これ見せてオレにどうしろというんじゃ!(^^; [映画館(字幕)] 6点(2005-08-22 08:58:23) |
37. 刑事(1959)
個人的には、キャラクターがヤな奴ばっかりで感情移入できず・・・(特に前半)。けどピエトロ・ジェルミが階段を降りながら、振り向きもせず手を振るシーンなんかは粋でいいですね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-08-15 17:09:36) |