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彦馬さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 450
性別 男性
自己紹介 大阪府出身、岡山県在住、阪神・下柳と同年月日生

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21.  Love Letter(1995)
公開時に劇場で見て大いに岩井俊二の世界観に心酔したもんだったな~、と遠い目をしながら十年ぶりに見直しました。「花とアリス」を見た後にも同じ結論になりましたがつくづく私は岩井ワールドがたまらなく好きなんですな~。分かっているんだけど、舞う桜とか、ひぐらしの鳴き声とか、セーラー服のシルエットとか、図書室に射し込む光とか、暖色系の灯りとか・・・そして分かっているんだけどピアノとかギターとかヴァイオリンとかの音楽にやられてしまうんですな~。ガラス工房の豊川と中山のキスとか、自転車のライトに照らされる柏原と酒井の顔とかのあの雰囲気にやられてしまうんです。岩井俊二、この人はう~ん、やっぱり天才ですわ。
[映画館(字幕)] 10点(2005-07-10 21:50:19)
22.  モーガンズ・クリークの奇跡
プレストン・スタージェス、この作品も彼らしい無駄のない一気に畳み込むストーリィとドタバタの演出。顕著なのが長回しの多用で濃密な空間の中、溜めて溜めてド~ンと落とすといった感じです。しかも台詞量が凄まじくNGフィルムが相当にあるはずです、これは。しかし一番の見所はノーヴァル役のエディ・ブラッケン、気弱で人の良さそうな好青年役はまさにうってつけで、その雰囲気にすっかりファンになってしまいました。ラストシーンの彼のリアクションにはとにかく笑います。モーガンズ・クリーク(地名)の奇跡を体感したい方は是非ご覧下さいませ。
[DVD(字幕)] 10点(2005-06-30 23:17:53)
23.  赤い風船
少年と青い風船を持った女の子とのランデブーなんか何度見てもかわいくて好きだな~。風船の赤が鮮やかなカラー画面、雨上がりの石畳をこちらに走ってくる少年のシルエット、狭い路地を走る少年と赤い風船の一体感、逆光に透ける風船に囲まれた少年の表情・・・本当にいいですね~。唯物的であるはずの風船のこれほど豊かな表情は、そのへんの役者の喜怒哀楽に満ちた表情よりどんなにも優しく純粋で心温を感じさせてくれます。「風船のような軽やかな気分に浸ること間違いなし」とアドバルーンをあげておきます。
[ビデオ(字幕)] 10点(2005-06-28 12:59:47)(良:1票)
24.  流れる
オープニングの川の表情からして、曲線的な丸みのある作品であることが了解されますが、名立たる女優が見せるたたずまい、そのすべすべとした潤い・・・。この作品では一つ屋根の下に暮す女たちが、それぞれに芸者屋の行く末に身を任せています。そして「あらどうしたらのかしら」という表情で事の成行きを見つめる女優のショットがテンポよく刻まれ、まさに流れるようです。大人の振る舞いを不思議そうに見つめる女の子、いなくなったり塀の上を歩く猫のポン子ちゃん。子どもはいつしか大人になり、動物はどこまでもマイペースで世は移ろいます。川の流れのようにいくつも時代は過ぎても、そこで人は「あらどうしたのかしら」と振り返り、猫は塀の上を歩いているのでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2005-06-20 13:18:23)(良:1票)
25.  エレニの旅
旧の酒場での1シーン1ショット、演奏が中断と再開を繰り返す音の有無。その中断と再開は、民族紛争、大戦、内戦といった20世紀ギリシャの戦いの中断と再開の連続を縮図としているように聞こえました。音楽を奏でることができる=安寧、演奏できない=戦い、この構造を基本にこの作品では音楽とはまさに音を楽しむことである、と分からせてくれます。アレクシスの旅立ちを祝う白布の丘での演奏が、銃声一発で止まってしまうシーンなど象徴的でした。水を中心に火、木、また汽車や船が語る雄弁な映像美はもちろん、逆難民ギリシャ人としての公と難民内での個という二重構造のスケールの大きさ、ラストシーンに込められたエレニ=ギリシャの哀しみにはため息です。そして、あれだけの河沿いの街をセットとして築き上げ、ダムの水を流し撮影するというアンゲロプロスチームには白旗なのです。
[映画館(字幕)] 10点(2005-06-19 22:40:47)(良:3票)
26.  浮草
これは「うちわ」の映画。京マチ子が、若尾文子が、杉村春子が、中村鴈治郎が、道行く浴衣姿の娘が、うちわを扇ぎます。緩やかに扇いだり、裏と表をゆっくり回したり、扇ぐしぐさに感情が滲みます。カラー作品は、風呂上りの京マチ子、川口浩を誘い込む若尾文子の艶やかな“色気”を画面にのせながら、芝居小屋の楽屋裏の雑然とした臭気、蚊取り線香やラムネやアイスクリームなどの夏の芳香を、小津安二郎はうちわで扇ぐようにフィルムの向こう側に届けるのです。若尾文子を小津作品で見ることができるだけで私には幸せなフィルムですが、挿し込まれるラムネのショット(ルビッチの「結婚哲学」のコーヒーとゆで卵を思い出した)に象徴されるように、じりじりとした夏を舞台にしながらも清涼な作品なのです。
[映画館(字幕)] 10点(2005-05-29 20:11:13)(良:1票)
27.  アルジェの戦い
2時間のフィルムの凄絶な迫真性は一瞬たりとも気を緩めることを許しません。何万人もの現地人がエキストラ参加したアルジェ対仏戦線のリアルな映像は、モノクロが大成功しています。爆発シーンに巻き上がる白い煙は、カラーだとその白さが浮いてしまい煙の白さだけが一人歩きしてしまったのではないでしょうか。爆発の煙の生々しさも映画の一部に過ぎない、独立運動の一部に過ぎないと感じられます。打楽器が奏でるテロリズムのリズムが鑑賞後も余韻を残し、傑作と呼ぶ自分に「あなたはこの映画を評価できるような生き方をしていますか」と鋭利なナイフを突きつけてくるような傑作であります。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2005-05-16 00:29:43)(良:1票)
28.  冬の日
日本独自の文化である「連句」を一句一句、内外の名だたるアニメーション作家に解釈、イマジネーションしてもらいアニメーション作品とする着想が素晴らしいです。そして30数名ものアニメーション作家の作品を、流れるように鑑賞できる贅沢には幸せを感じます。池辺さんの音楽もそれぞれの作品に合っていい感じですね~。私はけっしてアニメに造詣が深いわけではありませんが、一つ一つの作品の個性から、その作家の他作品を見てみたいという鑑賞欲が湧き上がってきます・・・特にはロシアのアレクサンドル・ペトロフさんのガラス画の繊細なタッチに強くひかれました。それにしてもアニメーションとはまさにアニマ=魂が宿ったものであることを再認識させられた次第であり、先日放送されていたドキュメント番組で見た川本喜八郎さんの人形アニメに対する情熱には敬意を表さずにはおれないのであります。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2005-05-14 23:42:14)
29.  キートンのマイホーム(文化生活一週間)
13日の金曜日、と言えばこの作品!? 染之助染太郎の「いつもよりよけいに回っております!」ばりのマイホームの回転には唖然とするしかなく、家の中であっちこっち振り回される人間には笑うしかなく、線路のギャグは一旦安心させておいてからというタイミングのセンスに感心するほかなく、入浴シーンでにゅ~っとカメラを遮る手のひらは遊び心いっぱいで、とにもかくにもキートンが一杯詰まった1週間をテュラテュラテュララ~♪とお楽しみください。
[DVD(字幕)] 10点(2005-05-13 17:16:39)(笑:1票)
30.  素晴らしき放浪者
1932年製作というのは本当か~!製作年詐称疑惑を訴えたい。そう思えるほど川沿いの道や公園に息づくパリの姿がエロスたっぷり、鮮度豊かにフィルムに刻まれています。望遠鏡で道行く女性を覗き見していた親父が、ブーデュに一目惚れするシーンに私は一目惚れです。放浪者に恋するブルジョワ、恋に理屈はないのだとばかりに一目散に駆け出す親父・・・ドラマチックラブストーリーです。その後のブーデュの放蕩三昧にはその恋の盲目性が見えて痛く可笑しい。妻や女中との真っ当な恋愛ではなく、これぞ恋愛だというような恋愛。「美しき青きドナウ」の演奏シーンからゆらゆら川をすべるカメラの雰囲気もどこか肌をなめるようにエロチックで、キャッチアンドリリースされる魚のごとく水へと帰っていく放浪者がまたのびのびと泳ぎ出す姿に、恋に奔放な一人の人間を見ました。素晴らしき放浪者による素晴らしき映画です。
[DVD(字幕)] 10点(2005-05-12 13:29:17)(良:1票)
31.  おかあさん(1952)
なんと爽やかに泣ける映画なんでしょう。長女を演じる香川京子が障子の影に隠れてニコッと顔を出す・・・これなんです。戦後のクリーニング屋一家を舞台に、家族が一人また一人と消えていき、その時はみんな障子の影に隠れたように伏せるのですが、次にはニコッと顔を出し未来を覗かせるのです。おかあさんの奮闘ぶりも仰々しくなく、戦後に生きる庶民の生活=働く・着る・食べる・寝るを淡々とユーモラスに、そして愛情豊かに綴られるショットのリズムの心地よさ。“ママの思い出”のように語られる香川京子の独白は、思い出どころではなく、ここからしっかりと生きていくという母への誓願のように聞こえました。涙でしわくちゃになった顔にはどうぞアイロンでもあてて下さい。傑作です。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2005-05-09 22:05:53)(良:3票)
32.  ハリーの災難
鮮やかな緑、黄、紅・・・。ヴィスタ画面ではハリーの全体を横長に据えるのではなく、足の裏のアップなど縦に捉える構図のユニークぶりが楽しい~。オープニングクレジットで横に転がっているハリーのイラストがお気に入り~。オトボケ調のハーマンの音楽もお気に入り~。銀幕デビューのキュートなマクレーンはもっとお気に入り~。ハリーの見え隠れとともに、取り巻く連中も自らの思惑や打算や思い込みが見え隠れし、妙な連帯感が生まれているところへ、スケッチされたハリーまでもが目を見開くユーモア性にヒッチを見ました。しかしホンマの災難は、職務に忠実であるだけで、観客から敵視される保安官代理のカルビンですな。
[DVD(字幕)] 10点(2005-05-07 17:13:18)(良:3票)
33.  かっぱ六銃士
成瀬巳喜男のみならず、本年は斎藤寅次郎の生誕百年でもあります。評価の高いサイレント時代のフィルム散逸は、あな哀し・・・ですが、喜劇一直線の精神性は日本映画界の大いなる遺産であると思う私は、この節年に一本でも多く斎藤フィルムに戯れたいな~と願うわけです。さてこの映画、かっぱと人間のナンセンスコメディですが、花菱アチャコ、伴淳三郎、堺駿二、益田喜頓などの喜劇人がかっぱに扮したり人間に扮したり、座布団の枚数を競うかのような笑点的競演はほんま楽しいです。その中で私が座布団をあげたいのが堺駿二で、歌い踊りまくるインチキ宗教の神様は、マイツボにハマッてしまいました。うら若き八千草薫がかっぱに扮しラストでレビューを見せてくれるのもさすが宝塚映画ですな。寅さん映画といえば斎藤寅次郎・・・今年はそれでいきましょう!
[CS・衛星(字幕)] 10点(2005-04-02 11:56:19)(良:1票)
34.  しとやかな獣
このタイトルいいですね~。ある団地の一家で繰り広げられる舞台劇のような空間を会話とカメラが所狭しと行き交い交錯し、ただでさえ熱気の充満する冷房装置のない夏時間を、登場人物のギラギラした生きる欲求がムンムンと湿度を上げているにもかかわらず不快指数は高くない。出てくる人間を傍から見れば、なんちゅう連中なんや~、と顔をしかめてしまうような無味無臭の良識をあざ笑うかのように、あっけらかんと悪意なき彼ら彼女らの言動は涼しげに。高級洋酒、キャビアに託される<生きていることそれだけで素晴らしい>といった虚妄の突貫は軽やかに。踊り狂う姉弟から聞こえてくる肉体の声の生々しさは高らかに。乱れぬ足並で行進する彼ら彼女らが奏でるマーチが痛烈痛快な映画であります。ラストシーンに合掌。
10点(2005-03-25 13:01:02)(良:1票)
35.  怪談(1964)
とにかくため息の連続・・・、なんだこの美術セットは、なんだこの色彩美は!!幻想の小舟に揺られるように3時間うっとりと画面を眺めていました。「黒髪」の黒は「雪女」の白に反転し、白に混じる赤は「耳無芳一の話」の平家の情念燃ゆる赤に引き継がれ、「茶碗の中」の無色が全てを鎮めるように見る者を手招きする。必要最小限にして最大効果なる音響が夢幻なる画を作り上げる。は~、とにかくため息です。
10点(2005-03-10 22:55:49)(良:1票)
36.  スイート・チャリティ
ボブ・フォッシーの監督デビュー作であります。ストーリィはシャーリー・マクレーン演じる男運のないチャリティがただ男とくっついたり離れたりするだけなのですが、そこに彩られる数々のナンバーは、150分ほどの長さをも忘却させるドリーミィな舞台。静止画や逆回転、一気のズーミングアップによるシーン転換など映像も飽きず、歌い踊るマクレーンが表現する身体的言語は、喜びや楽しさや嬉しさといった和音を奏で見る者の身体奥深くへも届いていくかのようです。サミー・デイヴィス・Jrが登場する新興宗教のダンスシーンは既存のミュージカルとは明らかに異質でそこに未知のものに対する昂揚感が生まれ、マクレーンがニューヨークの街中を行く躍動感と相成り、すっかりハイと化した身体はクールダウンを要求してくるのですが、その期待に沿うかのように切ない幕切れへと向かいます。しかしまた歩き出すチャリティに希みを感じ身体は再び静かに燃え上がるのです。チャリティの本名は「チャリティ・ホープ・バレンタイン」。素敵なバレンタインデーをお過ごしください。
10点(2005-02-14 12:13:07)
37.  弥次喜多道中記(1938)
遠山の金さんと鼠小僧次郎吉がひょんなことから弥次さんと喜多さんになり東海道を旅するはめになる、という筋立てからして<面白そう>なこの映画は、静寂たる日本橋を鼠小僧次郎吉と追手が喧騒に包むオープニングをもって、きっと<面白い>に予感は変わるのです。ホンモノの弥次さん喜多さんを歌手の楠木繁夫とディック・ミネが演じ、そののどを存分に生かしたオペレッタでエンタティナーぶりを発揮し、ニセモノの弥次さん喜多さんを演じる片岡知恵蔵と杉狂児が旅の一座に出会ってからは、恋あり友情あり笑いありお涙ありの活劇へと突入しもはや<面白すぎる>状態に陥るのです。雄大な富士山のバックをはじめとするロケーションにセットを絡めたマキノさんの演出リズムと小国さんの発想豊かな脚本がオペレッタと揺るぎなく融合し、これこそが「エンタの神様」であると、泣き笑いで顔をクシャクシャにさせた私は、ただ呆然とそうつぶやくのみでありました。これにてレビューは一件落着~~。
10点(2005-01-20 17:23:46)(良:3票)
38.  カルメン(1918)
英語版VHSにて鑑賞。ルビッチのドイツ時代の作品を初めてみることができた ・・・すっかり遠い目であります。昨秋「なみおか映画祭」でルビッチの「花嫁人形」と「田舎ロメオとジュリエット」が上映されることを発見した時には、思わず青森までどうやっていくのがいいか真剣に調べたものです。結局日程的に断念したものの自らへの後悔の念と見た人への羨望の眼差しが交錯したままに、この「カルメン」を見る機会に恵まれただけに、見る前から♪ジャジャッジャッジャ!というあのカルメンのリズムが体内でブラウン運動を始めるほどでありました。さて作品は、いわゆるルビッチタッチといわれるようなセンスは感じませんでしたが、時々アップになるポーラ・ネグリの表情が妖しく艶っぽく迫り来て・・・見る者は吸い込まれそうになるのでありました。ルビッチのドイツ時の作品を見ることができた幸せとフィルムが残存している喜びに♪ジャジャッジャッジャ!と10点献上~!
10点(2005-01-19 18:50:49)(良:1票)
39.  群衆(1928)
アメリカ映画、サイレント期の傑作と称される今作は、日常誰もに起こり得る人生の禍福をスターではない二人を起用することにより、より無色へと近づけることを狙いとした映画です。見ている観客のすぐ隣りの人かも知れない手の届きそうなドラマを切り取っていくという手法を映画に取り入れたキング・ヴィダーとゴーサインを出したタルバーグにはやはり感嘆符をつけずにはおれませんね~。ビルの外観から窓へと流れ、フロアへと吸い込まれていくカメラは、多数の机が整然と並べられたオフィスを捉え、主人公が群衆のワンオブゼムに過ぎないことを印象づけます。それは赤ちゃんが生まれた時の多数のベッドを捉えたショットに受け継がれ、累々とした歴史が刻まれていることを語ります。2階建バスの2階からサンドイッチマンを見下ろしあざ笑うシーンを伏線とした浮き沈みを際やかに描きあげるセンス、ナイアガラの滝でロケーションされたラブシーンも楽しく、ラストの劇場で主人公のアップからカットが割られるごとに大勢の観客へと引いていくカメラは、彼らがたんなる群衆であると同時に、かけがえのない人生を生きる個人の集合体が群衆であることを語っているようで、それぞれに生きる意味と希望を高らかに謳いあげた本作はやはり傑作なのであります。
10点(2005-01-16 08:58:06)(良:1票)
40.  キートンの大列車追跡
キートンの映画を見る楽しみの一つは、こりゃ~どうやって撮っているのだ、という<HOW?>に満ち溢れているところにあります。鉄橋が崩れ機関車もろとも川へ落ちていくシーンは、河童に尻子玉でも抜かれたような、放心へと誘います。前半追うキートン、後半逃げるキートン・・・通信線を切断したり、線路にモノを放置したり、ポイントを切りかえたりといった鮮やかな反復のリズム、走る機関車を横から捉えたスピード感覚、縦から捉えたディープ感覚、機関車を線路をあっちへこっちへのアクション、ユニフォーム一つで笑いと感動を呼ぶセンス、そしてラストのラブシーンをお得意の大群ネタで締めます。なにくわぬストーンフェイスで尻子玉を抜いていくキートンは、サイレントコメディの流れの中を自在に泳ぐ河童だったのであります。
10点(2005-01-15 23:11:16)(良:3票)
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