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パセリセージさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 519
性別 男性
自己紹介 60代のおっさん

好きな言葉

期待はあらゆる苦悩のもと(シェークスピア)

人間には不幸か、貧乏か、病気が必要だ。でないと人間はすぐに思いあがる(ツルゲーネフ)

座右の銘にするのはどっちだ

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21.  最強のふたり 《ネタバレ》 
テレビで放送される身障者を扱った番組で時々感じるのは、製作者側である健常者の視点からの遠慮や気遣いだ。弱者への思いやりと言えるのかも知れないが、本音を押さえた上辺だけの偽善の行為とも感じられる。義務感だけで、あるいは善人としての満足感を得るためにやっている、と見えてしまう。そんな私からすると、映画ではあるものの、しかもコメディーではあるが、この主人公の言動は衝撃的だった。身障者への気遣いがない。相手のハンデをそのまま露骨に言葉にする。自分が良いと思ったことはそのまま相手に勧める。例えて言うなら、そう、自分と身障者の違いを、あたかも、年齢や性別や人種の違いと同列に扱っているのだ。「お前は若いからそう思うのも仕方が無い」というような感じで「お前は全身麻痺だからそう思うのも仕方が無い」とあっさり言うような感覚。相手の状況はそのまま受け入れるが、言うべきことは遠慮なく言う。良かれと思うことはとことん勧める。おそらく、本来、人が対等に付き合うとはこうあるべきなのだろう。何よりすごいのはこれが実話ということだ。それゆえ、感動が半端ではない。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2015-11-15 21:56:02)(良:1票)
22.  居酒屋兆治 《ネタバレ》 
あの小さな居酒屋に出入りしている人たちにも、それぞれ色々な人生があることが描かれている。決して皆望んでそうなった訳ではないが、その立場を受け入れている。私だったら、やはり、大滝秀治演じる校長先生のような生き方をしてみたい、と思った。いや、まあ映画の話である。映画、といえば、この映画の役を演じるのであれば、勿論、平田満がやった役を演じたい。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-11-02 23:15:11)
23.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 
まず、宇宙空間にいるという前提にこだわっているのが良い。ここは、無重力なのだ、という映像を追求している、という気概が伝わってくる。体が重力を感じていないように、更に、周りの小物やその他付属物が無重力で浮いていることを自然そうに見せている。涙の水滴や傷からでる血が浮いている映像は感心した。こうした中で閉塞感と絶望感を追求して、少しずつ希望を持たせて、最後の開放感に持っていく手法は、やはりハリウッドの熟練した技を感じた。主人公のセクシーさをさりげなく描いているのも、個人的にははまった。最後、実際は、無重力状態に長い間いては、あんなに簡単に立ち上がれないようだが、そこはそこで映画ですから。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-28 22:21:26)
24.  GODZILLA ゴジラ(2014) 《ネタバレ》 
クモンガが良かった。蜘蛛に見えないところもあったが、間違ってもギャオスには見えない。羽?そうか、飛んでいたから、ギャオスにも見えるか。でも、二匹のうち、羽が無いのはクモンガにしか見えない。クモンガがムトーと言われると、世間の武藤さんは混乱するだろうな。何の落ち度もない武藤さんなんか怒るぞ。そんでもって、主役のゴジラがなかなか出てこない、のが良い。のかどうか。もっと見たい気もする。エメリッヒ版も良かったが、これは別の意味で良い。第一作の放射能の化身となった恐怖の怪獣であり、二作目以降の正義の味方であり、憎っくき人類の敵を倒すヒーローであるゴジラを全て見せている。口から火炎放射で武藤さんをやっつけるところなんか涙ものだ。正体が不明で不気味な雰囲気が、どっちつかず、つまり悪役なのかヒーローなのかいまいちわからず、良い。良いというのか、それによって次作への期待と本作の余韻が高まっている。とにかくゴジラ復活がうれしい。
[映画館(字幕)] 10点(2014-08-24 22:41:59)
25.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 
退屈で感情の欠片もない画が延々と続く。台詞は棒読みの見本のように右から左へと流れる。結核を患っているとは到底思えぬ、明るく健康的なヒロインが唐突に登場する。平成生まれの現代っ子よりもモダンだ。美しい飛行機とは程遠いカプロー二の飛行機がこれでもかと飛んでくる。そして、主人公たちにより、サバの骨にヒントを得たぼってりした爆撃機が作られていく。せめて鳥の骨じゃないのか?飛ぶんだから。だめだこりゃ。しかし、もうすぐ終わりだと誰もが諦めの境地になった途端、最後に、奇跡のような画面が登場する。何と、あのゼロが編隊で飛んでくるのだ。とにかく美しい。贅肉を一切取り払い、無駄を全て削った、当時世界最高の完璧な戦闘機が我々の目の前を通り過ぎる。そうか、監督はこの最後の一場面のために、延々と醜い画面をつなげたのか。ブ○○クな女達を何十人、何百人と見続けたあとに、最後に、最高の美女を見たような気分だ。感動は何倍にも膨れ上がるよ。シンプルだが最高の演出だ。
[映画館(邦画)] 10点(2013-10-08 22:44:12)
26.  The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛 《ネタバレ》 
アウンサンスーチー女史と軍事独裁政権との壮絶な戦いと、それを支えた家族の物語である。話がそれるが、2011年のノーベル平和賞は中国の人権活動家劉暁波である。中国政府の露骨な妨害と脅しに屈しなかったノルウェー政府とノーベル賞委員会の勇気に比べ、日頃人権を叫ぶ欧米諸国の対応が何と頼りなかったことか。世界の文化人、特に映画人は何をしているのかと思っていた。そして、この作品である。ミシェル・ヨーが映画化を計画したのが2007年、当然ミャンマーでの撮影は不可能で、タイでの撮影となったらしい。最後のクレジットで身の危険を顧みず多くのミャンマーの人々が協力してくれたことがわかる。特にリュック・ベッソンよ、見直した。最初は制作を依頼されたが、自ら監督を希望したとか。先輩チャップリンも拍手しているよ。「ガンジー」に匹敵する感動と、「独裁者」に迫る感銘を受ける。少し、ほめすぎかな。
[映画館(字幕)] 10点(2012-07-23 22:01:29)
27.  奇跡(2011) 《ネタバレ》 
JRからの持込企画、鉄道もの、家族が新幹線の始発と終点の鹿児島と福岡に分かれて住んでいるなど、製作者側の不純な動機と強引さが強く漂う。ところが、観始めると、子供達の純粋さと自然な演技が、こうしたマイナス要素を忘れさせてくれる。もっともらしい話でもないのに奇跡が起こると単純に信じ込む子供達。しかも、奇跡として考えていることは、家族が一緒に住むこと、死んだペットが生き返ること、芸能人になることなど。まさに、小学生の考えることだ。妥協や挫折の人生を重ねてきた大人たちの感覚とは、まるで違っている。だが、彼らの置かれた立場を考え、彼らの会話を聞くにつけ、笑うどころか、思わず、そうか、頑張れと応援したくなるのだ。子供達の世界観で、真剣に考えて、一所懸命に行動している姿はいじらしい。彼らは6年生か。やがて、中学生になれば、大人の世界に一歩近づく。このような経験は、ほろ苦い思い出となるに違いない。
[DVD(邦画)] 7点(2012-05-30 22:26:36)
28.  幸せの教室 《ネタバレ》 
おそらく、トム・ハンクスは、ジュリア・ロバーツのファンだ。なぜなら、自分が主役で監督なら、キスをしたり、バイクの後ろに乗せる女優は、自分の好みにするはずだ。意識しなくても、そうなる。背景は、リストラや離婚だが、描いているのは、新たな出会いや明日への希望だ。コミュニケーションの大切さも伝わってくる。物語は町のなかだけで完結して、こじんまりとしているが、その分、ほのぼのとしていて、特別な悲劇や事件もない。幸せは、日常の生活にある。それは、誰にでも手に入れることのできるもの。ちょっと努力をし、少し生活を変えて、新たな一歩を踏み出せば、昨日までと違った明日が、必ず待っているのだ。どちらかと言えばコンプレックスになっていた今までの人生も、誇りを持って他人に語れるし、何故か輝きを増すことにもなる。映画は、そう語っている。それから、もう一つ。おそらく、トム・ハンクスは、「ローマの休日」のファンだ。
[映画館(字幕)] 7点(2012-05-27 22:39:21)(笑:2票)
29.  SUPER8/スーパーエイト(2011) 《ネタバレ》 
映画好きな少年達にとって、8ミリなどのホームビデオは夢に近づけてくれる魔法の道具だ。大好きな監督や俳優の真似をして、感動した作品を模倣している時間こそが、夢中になれる何にも変えがたい時間だ。どんな辛いことも悲しいことも忘れさせてくれるものだ。また、そのときの友人はかけがえのないものになる。軍の秘密や宇宙人が絡んでくれば、益々特別な体験になる。一方、このような少年時代の体験を題材にした作品を観た大人たちは、過去に観た自分達の感傷に浸れる作品のイメージと比べてしまいがちだ。宇宙人は人間を襲ってはいけないとか、たいした冒険をしていないなどと、つい、思ってしまう。しかし、そんな先入観のない少年達にとっては、まさにこの作品こそが、後に、自分達の少年時代と重ね合わせることができる、思い入れの一本になるはずだ。仲間と夢中になったこと、淡い恋、家族の絆、誰にでもかけがえの無い思い出はある。
[DVD(字幕)] 9点(2012-05-22 22:56:09)(良:1票)
30.  宮廷画家ゴヤは見た 《ネタバレ》 
フォアマン監督は、米国への亡命前、祖国チェコの共産党政権時の体験とスペイン異端審問が重なり、映画化を決意したと語っている。映画化の50年前の話である。15世紀頃から始まった異端諮問は、18世紀には減少していたが、教会の権威維持のためロレンソ神父の提案で強化されることになる。もっともらしい理屈で罪も無い人々が投獄される。20世紀に入り、ソ連などの共産党政権が行った反対する勢力への徹底した迫害も、基本的には同じと監督は感じていたのだろう。権力者は、体制の維持のため、ありもしない罪を作り上げていくのだと。しかも、異端諮問の責任者である神父自身は、自分が拷問にあえば簡単に言うことを変え、更に、国家の体制が変われば考え方をもかえてしまうのだ。開放の名の下に進行してきた、希望のナポレオン軍も、結局は同じ圧制を強いる独裁者の軍隊だった。共産党政権の祖国と同じではないか。200年の時を刻んで、何を人類は学んだのかという監督の静かな怒りが聞こえてくる。
[DVD(字幕)] 9点(2012-05-18 23:39:24)(良:1票)
31.  ヒア アフター 《ネタバレ》 
人は、誰かとパートナーとなったり親友となるためには、相手の性格、考え方、年齢、容姿、人種、宗教などを基準に判断する。一緒に仕事をするにしても、付合うにしてもそうだ。だから、時として、大多数と違う人がいれば、理解しようとしない。少数派の考え、人種、宗教などが仲間はずれにされるのはこのためだ。大多数から理解されない疎外感、孤立感は相当なものだろう。色々な意味で死に取り付かれてしまった3人の孤独な戦いは、マイノリティーの孤立そのものだ。過去の人類の誰もが経験し、現在生きている全ての人が行き着く先である死。しかし、誰も理解してくれない。金儲けの手段としてなら興味を持ってもらえるのが現実なのだ。だから、紆余曲折の末に3人が出会ったとき、一気に光が見えてくる。初めて自分を理解してくれる人とめぐり合えた感動である。まるで、いじめにあって否定されていた自分の性格や容姿を、受け入れてくれるひとが突然現れたように。そして、最後に監督はすばらしい人生賛歌を用意する。どんな運命が待っていようと、何よりも、生きることが大事なのだ。いつかは誰でも死ぬ。だからこそ、今を精いっぱい生きるべきなのだと。
[DVD(字幕)] 9点(2012-05-16 22:38:31)(良:1票)
32.  ゲーム(1997) 《ネタバレ》 
どなたかのレビューで、この監督の本領は「セブン」や「ゲーム」で発揮されているとされていたので、早速、鑑賞することに。冒頭の家族を撮影したフィルムの不気味さでその後の展開が暗示される。セブンにも劣らない壮絶な話が予想される。弟の勧めでゲームに引きずり込まれる主人公。案の定、なぞのゲームで生命の危機が続くことになる。一難さってまた一難。さすが、フィンチャー、芸が細かい。だが、私は途中から不思議な感覚を体験をする。たぶん、ここであの男が出てくるとか、こいつはゲームの仕掛け人かも、といった予感が的中してしまうのだ。まるでデジャブのようだ。物語が終盤に近づくにつれ、その予感は益々当たっていく。どうしたんだろう?ついに、屋上に上り、最大のクライマックスの時に、謎が解けた。あれー、これ観たことある。気づくの遅せーよ、自分。
[DVD(字幕)] 7点(2012-05-10 22:14:19)
33.  英国王のスピーチ 《ネタバレ》 
国王としての地位が、一種の職業と考えれば、望んで就いたか否かは別にして、その職におけるプロとしての自覚があったかが評価の分かれ目となる。戦争に臨んで、国民の気持ちを一つにすることがリーダーの勤めの一つであり、国民に直接語りかける演説はその重要な手段である。演説と言えば、ニュースフィルムで流れるヒトラーの演説を観て、娘達でさえ上手いと評価している。方やジョージは残念ながら見劣りしてしまう。今の我々が見ても、確かに生まれ持っての才能の差はいかんともし難いと思うほどだ。しかし、この作品は、表面だけで物事を判断してはいけないと語る。国王としての自覚を持ち、ハンディを克服する努力をし、準備を怠らなかった彼こそが、真のプロフェッショナルなのであって、だからこそ、国民はその演説に感動したのだと。誠実さ、謙虚さ、ひたむきさこそが大事であり、自らの立場に真摯に向き合う姿勢こそが人々を感動させるのだ。
[DVD(字幕)] 8点(2012-05-09 22:30:45)(良:2票)
34.  猿の惑星:創世記(ジェネシス) 《ネタバレ》 
猿の惑星シリーズがヒットした要因は、奇抜な発想やストーリーの良さなどが挙げられるが、何といっても人間社会への警告的なメッセージが観る者に響いたことによると思われる。人間の傲慢さ、利己主義、闘争的本能などを皮肉を込めて批判している点が、娯楽的な面と相まって、ヒットした大きな要因である。その点、この作品には、その良き伝統が引き継がれていない。と言うか、弱い。猿の知能が人間並みになった謎解きと、後半の派手なアクションに終始しているので、観終わって感じるのは、シリーズの示唆に富んだ深い余韻ではなく、なーるほどという納得感になっている点が痛い。とは言え、評価すべき点がない訳ではない。それは、こうしたシリーズ物の新しい方向性を示した点である。アイデア次第では、完結しているようなシリーズでも、続編を作ることができる事を証明した点は、賞賛に値する。単なるリメイクではなく、こうした別の形のリスペクトは、シリーズのファンとしても嬉しいものだ。
[DVD(字幕)] 7点(2012-04-25 22:14:05)(良:2票)
35.  ジャイアンツ
かなり不確かな情報で、今さら確認できないが、当初は、自動車産業の都市の話やベースボールの試合に勝って川に飛び込む熱狂的連中、それに、五人組の歌手グループなどの話が入っていたらしい。しかし、影のスポンサーの某新聞王から横やりが入り、それらのエピソードがボツになって、予定されてた題名も変えられてしまったとの事。当初の題名は何かって?「タイガース」
[DVD(字幕)] 8点(2012-04-24 21:36:28)
36.  地獄の黙示録 特別完全版 《ネタバレ》 
原作というよりベースにしたと言うほうがいい「闇の奥」では、アフリカにおける帝国主義という西欧文明の欺瞞と廃退ぶりが描かれているが、映画では、半世紀以上後のアジアにおいて大国アメリカが正義の名の下に行った戦争の欺瞞と兵士の常軌を逸した精神を描いている。為政者が、自由を守る民主主義を守るといって、正義や大義を叫んでも、軍隊にとっては破壊と殺戮の手段でしかない。殺さなければ殺されるだけである。前半は戦争の狂気が圧倒的な迫力で描かれる。村を破壊しジャングルを焼き尽くす。遠くから見る者には美しく感じるほどの描き方だ。そして後半は人間の心の奥にある闇を浮き彫りにする。アメリカ兵の人間性の崩壊、フランス人入植者の屈折した言動、そして極めつけは、カーツ大佐が築いた驚愕の王国での蛮行だ。それらは、西欧的文明の常識では到底受け入れられない行為であり、観る者は、狂気の沙汰だと眉をひそめてしまうだろう。だが、反面、心のどこかで納得している自分もいることにふと気づくのだ。
[DVD(字幕)] 10点(2012-04-23 22:19:15)
37.  ザ・ローリング・ストーンズ/シャイン・ア・ライト 《ネタバレ》 
あ、それからもうひとつだけ。どんな傑作でも、完璧という作品はそうあるものではないので、気になる点は必ずある。この映画でも二つほど気になる事があった。まず、キースのお腹。やはり出ている。もう歳だから仕方がない。でも、出ている。気になってずっとお腹ばかり見ていた。映画を観る前に、ある人の批評で指摘されていたことではあったが、現実を目の当たりにすると、やはり気になる。自分も出ているので、キースを批判する訳にもいかないのが、複雑な心境だ。そして、もうひとつがミックの顔のしわだ。アップで口を大きく開けると、ものすごい数のしわが画面にはっきりと映る。ティラノサウルスが口をあけたような感じだ。これも、もう歳だから仕方がないが、やはり気になる。それなら、目をつむって、音楽だけ聴いていればいいのではないか、と言う人がいるかもしれない。たしかにそのとおりだ。それなら、気にならない。しかし、想像してみたまえ。わざわざ映画館に出かけて、席に座り、目をつむっている間抜けな自分の姿を。
[映画館(字幕)] 10点(2012-04-22 22:53:45)
38.  ゴーストライター 《ネタバレ》 
この作品で描かれ、また、批判の対象となるのは国家的な陰謀である。陰謀というと聞こえが悪いが、要するに国家の利益を守るための活動である。成功する必要があり、反対するものにはそれなりの対応が必要になる。そこに、正義とか法令遵守などの甘い感情の入る余地はない。巨匠ポランスキーにとって、自身がこれまで、国家的な迫害や危険にさらされてきているだけに、こういう描写は、真に迫るものがある。夜や雨の場面がほとんどであり、ダークな雰囲気をかもし出している。ストーリーやしかけは単純であるが、見せ方がすばらしい。最初は乗り気でない主人公が、徐々にのめり込み、気がつけば、危険を顧みず深入りしている。最後には、真相を解明したかに思われるが、こうした組織が、簡単に見逃してくれるはずはない。監督自身が、体験上身にしみているという事を暗に示している、衝撃の結末となっている。
[DVD(字幕)] 9点(2012-04-21 00:59:35)(良:1票)
39.  菊次郎の夏 《ネタバレ》 
確かに「バカヤロー」がやたら多い。口癖でもあり、照れ隠し的に使われるので、まねしたくなる衝動を抑えられなくなるじゃないか、バカヤロー。すみません、ついつられて。たけし監督の映画は、日本映画にありがちなしっとり感が無く、外国映画の乾いた感覚がする。外国で好評なのは、日本的なところが評価されているからなのではなく、彼らの感覚に近いからなのかもしれない。この作品でも正男役の少年は演技らしい演技をしないように見える。が、そこが監督の演出のねらいであるふしを感じる。日本的な親子関係の絆や感情の表現を避け、軍団のバカなギャグまで使い、淡々とした雰囲気の中に誰もが目にしている日常の風景のロードムービーにしてしまっている。だからこそ、最後の菊次郎と正男の心のふれあいには、無理の無い満たされた暖かさを感じてしまう。いかん、思い出したら、つい涙が出てきたじゃないか、バカヤロー。
[DVD(邦画)] 8点(2012-04-17 22:05:12)(良:2票)
40.  マーガレット・サッチャー/鉄の女の涙 《ネタバレ》 
物真似と演技は違うので、似ているというだけでは演技が上手いとは言えない。サッチャー首相は多くの映像が残っており、知っている人が多い分、こういう役は難しい。その点メリルの演技は見事である。しぐさやしゃべり方が似ているだけでなく、首相としての威厳や老後の孤独感までしっかり伝わってきた。役作りとは、プロフェッショナルとはこうするものだ、という鉄の女のような意気込みには素直に感動した。円熟の境地に入っているのかもしれない。トップに上り詰めても、老後が必ずしも幸福とは限らないし、ましてや、ミルクを買う認知症の老女を元首相とは誰も気づかない描写が、何とも哀れである。しかし、絶頂期が輝いていればこそ、老後の寂しさがより増すのであり、彼女に率いられた英国は幸福であったのではないだろうか。今の日本の政治家を見るにつけ一層そう感じた。彼女はぶれずに、決断し、実行した。そして、その地位の重さに比例する責任を全うしたと言える。
[映画館(字幕)] 8点(2012-04-16 21:06:09)(良:3票)
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