21. ダイアリー・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 自分だったら、背後が気になって撮影どころじゃないですね~。そして、前の方も書かれていますが、私もこれを観ながら「秋葉原通り魔事件」でケータイ構えて即席報道カメラマンと化していた連中を思い浮かべました。/『ランド~』では、やや娯楽に走りすぎてしまった感がありましたが、この作品では従来通りゾンビをフィルターにした社会批判が見られます。この監督には根幹となる"思想"がある。"伝いたいこと"がある。ゾンビを使ってそれを伝える。昨今のゾンビブームでゾンビを狩るだけの軽い作品が多い中、中身のあるゾンビ映画、社会派ホラーを作れるのはこの人だけなのだなぁと改めて思いました。/終わり方は『ナイト~』からの引用が強くてややあざとい反面、ゾンビが流す血の涙が印象的。 [DVD(字幕)] 7点(2010-03-17 00:15:13) |
22. デイ・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 これがなぜ私がゾンビ映画の中で最も好きな『デイ・オブ・ザ・デッド』の名を冠しているのだろう?とかなり疑問ですが、それ抜きに観れば、軽快にストーリーが進んでいく「王道B級アクションホラー」としてまとまってて、けっこう面白い。/ただ、それぞれの舞台がだいたい別作品で見た覚えのあるような感じで、前半、病院でゾンビ大発生!は『プラネット・テラーin グラインドハウス』だし、後半は唐突にピッカピカの研究所が出てきて『バイオ・ハザード』だし、ドーン(リメイク版)ぽいところもあるしで、いろんな作品から良さげな部分を拝借してる感は否めません。 [DVD(吹替)] 7点(2009-12-19 00:14:03) |
23. ウォーロード/男たちの誓い
《ネタバレ》 大義、絆、掟、愛、生活のため、明るい未来のためと信じながら、命の取捨選択、苦渋の選択に迫られ、「産みの苦しみだ」「戦争は騙しあいだ」と自分に言い聞かせながら戦争をし、人を殺す。/包囲した城の城主に、「降伏する代わりに城兵を殺さないこと」を約束するツァオ、自軍の兵士に食べさせるためには数少ない食糧を投降兵に分けるわけにはいかないパンは、城門に投降兵達を閉じ込め、上から一斉に射殺してしまう。(命令するチャンも射手も泣きながら矢を放つ、この映画で最高のシーンだ)。/「殺すな」と泣き叫ぶ"情"のツァオと、「殺せ」と命じる"論理"のパン。純粋ゆえに自軍の"規律"と"3人の絆"を守ろうとするチャン。あらゆる場面で葛藤し、選択する。誰もが間違ってはいないが正しくもなく、苦悩ばかりが募り、信念・立場(と女の存在)によって絆は決裂し、不幸への道を辿ってしまう。良い・悪いでは割り切れないやるせなさが残る重厚な作品。/ただ、戦(いくさ)が終わって「そろそろシメに入るか」と時間を見たらやっと半分、「これだけ濃密でまだ半分なの?後半どうなんの?」と思ったが、3人の関係が崩れていく様子をメインに描いているものの、やはり後半部を丸々もたすには長過ぎ、やや無駄な部分、そぎ落とせるシーンがあるように思えた。 [DVD(字幕)] 9点(2009-11-07 00:27:37) |
24. 硫黄島からの手紙
最後にもうちょっと涙腺ぐわーっと来るような仕掛けがあるのかと思ったら、直球な展開に「あぁ・・・」な感じで終わってしまいました。遠くでボーン!ボーン!と鳴ってるだけで、けっこうまったりムードで危機感や焦燥感が薄いのもマイナス。/皮肉の利かせ方も「プライベート・ライアン」ほど印象に残らず。愚劣な精神主義の塊のような獅童の役も結末はイマイチ。ちゃっかり帰国の船に乗ってるとか、他の日本兵捕虜、元部下と同列に扱われ、元部下の白い目・・・とか、そんな描写があればもっと際立ったのでは?/しかしあんな玉砕上等!な精神主義ばかりはびこる軍隊を指揮するマトモな精神を持った上官はさぞ大変だったろうなぁ・・・と思います。 [地上波(邦画)] 6点(2009-08-16 02:10:12) |
25. ミラクルファイター
所々感じるスケールの小ささは否めませんが、クンフー、法術がポンポン飛び出し、コミカルに小気味よく展開するストーリー。CGなど無かった時代の手作り感、たまに吹き出してしまうような笑いもあり、香港らしいバカバカしさがイイ。 [ビデオ(吹替)] 7点(2009-07-04 16:01:47) |
26. 新ポリス・ストーリー(1984)
当時でもかなりまぎらわしいのに、今となってはさらにまぎらわしいタイトルですが、徹頭徹尾内容の無い(笑)福星シリーズのコメディ部分だけ抜き出したような、輝いていた80年代香港映画が好きなら安心して観られる展開。ベタベタなギャグをアハハと笑って許せる人や、今でもドリフで笑える人向け。 [ビデオ(字幕)] 5点(2009-05-28 02:08:18) |
27. スピード・レーサー
小さい甥が「観たい」と言うもんで借りてきて、エッチなシーンが無いか確認のため先に観ちゃったんですが、様々な人物の回想やら、一旦未来に飛んでからまた過去に戻るとか、作りは子供向けなのに構成がやたら複雑。しかも長い。素直に見せれば分かるような内容を、わざとあっちこっち飛ばしてるから整理するのに疲れます。/レースシーンはなんだか分からないけどスゲ~!ピンボールのように跳ね回る車の群れ。最後のレースはサイケトランスのプロモでも観ているかのよう。ゴールした瞬間のえも言われぬ恍惚感。/最初は吹き替えで観ていたのですが、主人公の声がどうもウソ臭いというかキャラになりきれてねぇなぁ・・・と思い確認してみたら、あぁまたタレントか。「あ、私の好きなタレントが声やってるからこれ観よう!」って人が何人いるというのですか?作品としての完成度を下げてでも見返りのあることなんですか?もういい加減にして、マジで。 [DVD(字幕)] 8点(2009-02-14 01:20:29) |
28. ドラゴン・キングダム
《ネタバレ》 公開前ジャッキーもリーも「あんまり期待しないでね」とネガティブ発言、監督は所詮カンフー映画のことなんか分かってなさそうなアメリカ人だし、トレイラーを観れば「ああ、やっぱりCG多用の駄カンフーアクション映画か・・・」だし、観る前はそりゃもうマイナス要素しか頭に入ってこなかったのですが、予想以上に娯楽大作としてまとまっていました。オープニングの途中から雰囲気が変わり、ブルース・リーやラウ・カーリョン、ショウブラ作品のイラストが出てきただけで、ちょっとしたカンフー好きには「お?」と、つかみはOKってとこでしょう。/ジャッキーvsリーは「もうちょっと共演が早ければ・・・」なんて言わせないほどの出来。夢の対決を十分堪能。特にジャッキーがお得意の酔拳の構えを取った場面にシビレました。悟空リーは、最初のバトルの終わり頃になんとかリーだと気付きましたが、じじいジャッキーは救急車に運び込まれるシーンでやっと気付いた次第(笑)/しかしこれ、ストーリー的に主人公の扱いが難しいですね。最後の最後で現代に戻っての主人公の成長ぶりを見せないといけないので、最も盛り上がる敵ボスとの対決のところで主人公をMAXに持っていけないジレンマがあり、その場面でも主人公はまだなんとなくヘタレのままなのです。ここをもう少しうまく料理できたらよかったかなと思います。/主人公が好意を持っていた娘が現代に出てくるところも、よくある手法ながら"あざとさ"を感じさせず、とても後味の爽やかな作品でした。 [DVD(吹替)] 9点(2009-01-18 20:47:02)(良:2票) |
29. アイランド(2005)
《ネタバレ》 うーん、中盤からラストは雑すぎて都合良すぎて・・・。どこから切っても金太郎飴のようにハリウッド映画です!という感じ。この作品の中で唯一の見せ場であるカーアクションシーンはすごかった。しかしそこを過ぎると急速に見せ場に乏しくなってゆく。ストーリーで新鮮な驚きがあるわけでもなく、ラストバトルもこれまた既視感ありありのボスとの取っ組み合い。この監督はこんな映画を大真面目に作ってるんだろうか。 [地上波(吹替)] 4点(2008-11-14 01:08:39) |
30. ポセイドン(2006)
この作品を見ると、「タワーリング・インフェルノ」だけはリメイクなんてことになってほしくないと切に思う。 [地上波(吹替)] 4点(2008-10-07 15:27:14) |
31. 狼の墓場
《ネタバレ》 家族にも職業を秘密にして潜入捜査に協力する刑事が、そのうち便利屋になって最後に上司に消される――というストーリー。どうしても笑いが欲しい香港映画らしく一貫した雰囲気作りがヘタで、冒頭はジョン・シャムによるコメディちっくな逮捕劇から始まるが、この作品全体から考えるとはっきりいって不要。つーか、ジョン・シャム=出オチみたいな風貌により、シリアス劇になりきれないことが運命付けられてるようなもんで、日本でいえばアホの坂田を共演者にシリアス刑事モノを撮ってるようなもん――と言ったら言い過ぎでしょうか。/俳優がメインのフォン・ハックオンが今作では監督をしてますが、こういう監督にありがちなショボさや破綻は無く、(冒頭を除き)手堅くきちんと観られるレベルにはまとまっています。悪くはないが良くもない刑事モノの小品。 [ビデオ(字幕)] 5点(2008-08-20 16:30:02) |
32. プラネット・テラー in グラインドハウス
《ネタバレ》 前情報も無しに「ゾンビ映画」だということで借りましたが、なんでいきなりちょっと昔のテレ東でやってたような映画のCMが始まるのか、なんで画面中ノイズが走りまくってんのか、なんで色調が不安定なのか、まったく分かりません。観てるうちに薄々は意図が分かってきますが、観終わってここのレビュー読んで初めてコレがどういう意図で作られた作品かが分かった――という次第。グラインドハウス映画なんて知らねー。/どんな偶然か、『28週後』で見たヘリのプロペラでゾンビ一掃するシーンが、この作品にもあった。 [DVD(字幕)] 5点(2008-08-06 11:01:49) |
33. 富貴兵團
収容所ものの冒険活劇。支配者側が日本軍、被支配者側が中国人ですが、日本を極度に悪く描くようなこともほとんど無く、まぁ普通に楽しめた。/あの『上海エクスプレス』の続編的作品だと思うのですが、話は繋がっておらず、出演者も無駄なところまで豪華だった前作に比べると、“必要なところだけ豪華”になっております。/日本軍役も全員香港の俳優使ってるので、戦闘シーンでは容赦なくクンフーを使ってきます。見てるうちに慣れますが、クンフー使う日本兵との戦闘シーンが冒頭でいきなりあるので面食らいます。/アクション、コメディも良い意味でそこそこで、この辺の香港映画が好きなら納得の出来か。 [DVD(字幕)] 6点(2008-08-06 10:30:55) |
34. ウルトラヴァイオレット(2006)
『リベリオン』が小ヒットしてお金が入り、『リベリオン』でできなかったことをやろうとしたけど、『リベリオン』を超えることはできなかった──という感じ。見せ方に凝りすぎて、アクションとしての爽快感も無ければ面白みもありません。それとこの監督、悪役選ぶのがヘタなんかなぁ。今作もなんだかラスボスが貫禄のない顔してんですよねぇ。 [DVD(吹替)] 5点(2008-07-10 23:28:03) |
35. 修羅雪姫(2001)
個人的にB級戦争アクションでのマッチョなアメリカ野郎同士の殴り合いの次に興奮度の低いソードアクション。ドニーが演出ということで借りてみましたが、やっぱりダメだぁ、このテのソードアクションは・・・。個人的好みは除いても、そんなにすごいとも思えないアクションでしたし、中盤も眠くなりそうな長さ。伊藤の演技のヘタさと久作の声の聞きづらさが苦痛。 [DVD(邦画)] 4点(2008-07-09 23:34:09) |
36. 28週後...
《ネタバレ》 ハッとするような生活感のない街並みのカットは前作から継承しつつ、少なくとも前作よりは格段に"映画らしく"なっている。/密室に押し込められたところに感染者が乱入して大パニック、そこから雪崩となって繰り広げられていく地獄絵図への持って行き方がうまかった。ヘリのプロペラって、あんな使い方があったのか~(笑) 真っ暗闇の中を暗視スコープから見た映像で進んでいくシーンもドキドキもんでした。/しかし相変わらず感染者が出てくるたびに、バカみたいにカメラをグラグラさせる。コレだけは本当に嫌だ。その上、軍施設でパパが感染した場面での蛍光灯の点滅。部屋の電気を消して観賞していたのでぶっ倒れるかと思った。この作品観て、グロとは別に気分が悪くなった人がきっといる。 [DVD(吹替)] 6点(2008-07-05 12:52:32)(良:1票) |
37. ローグ アサシン
《ネタバレ》 あのどんでん返しありきだったのでしょうか。せっかくの2大アクションスターの対決があの程度とは・・・。なるほど、CMでリーとステイサムの対決シーンが流れないわけだ。ステイサムの「俺も奴とは手を切ろうと思ってたんだよぉぉ」という言い訳も女々しい。/最近のアクション映画に目立つ激しいカット割でスピード感を出す手法も個人的には大嫌い。画面がとっちらかって状況が分かりづらく、それが格闘シーンともなると爽快感半減です。/日本料亭での乱闘中に背後に映る「下手の横好き」とか「掃き溜めに・・・」と書かれた掛け軸がおもろかった。 [DVD(吹替)] 4点(2008-06-12 23:05:06) |
38. 大日本人
松っちゃんのコントのテンポは分かってるんで、インタビュー部分でイライラするようなこともなく、まぁ普通に楽しめた。板尾との掛け合いのところで「こういう掛け合い好きねぇ」と思いつつ、一番笑えた。/ラストは現在のアメリカと日本の関係を皮肉ってるようだけど、「え?そんな展開…?」と少々おいてけぼりを食ってしまいますかね。自分はここでちょっとトーンダウンしてしまった。/まぁ肩肘張らずに観たらいいんじゃない? [DVD(邦画)] 6点(2008-06-10 12:00:11) |
39. アサルト13 要塞警察
敵をワナにかけて「してやったり」があるわけでもなく、敵の侵入や内部崩壊で主人公が署内を駆けずり回るというわけでもなく、リアルに徹するならもうちょい敵の強さにも説得力が必要だろうし、ほんとにどうということのない撃ち合いだけで、いまさらリメイクするほど優れたストーリーでもないような・・・。 [地上波(吹替)] 4点(2008-06-02 00:34:55) |
40. ロケットマン!
《ネタバレ》 ロケット花火とムエタイを駆使して、殺された両親の敵討ち。『七人のマッハ』の主人公ダン・チューポンなのでアクション面で期待してましたが、ロケットが一斉に発射されるシーンが派手なだけで、生身アクションは意外と地味な出来。/冒頭の格闘シーンなんか、膝蹴り、膝蹴り、ひたすら膝蹴り!…で、それが爽快感に繋がってない。『マッハ』『七人のマッハ』で見せたありえない回転蹴りとか、敵がやられ際にいかにぶっ飛んだスタントかましてくれるか――を期待していたのですが、そのどれもがスケールダウンしている。/ヘンなリーゼントのウェン閣下がどうも憎めないキャラだったので「巨悪に利用されてた」という展開でも良かったかな。最後に爆死はかわいそうでした。 [DVD(吹替)] 4点(2008-05-19 15:38:20) |