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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2102
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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21.  マンハッタン物語 《ネタバレ》 
マックイーンとナタリー・ウッド、同時期に若くしてこの世を去った2人のラブコメ。 お話の内容もそうなのですがそういうこともあり、今に見直すと少しほろ苦くも感じるコメディです。 稀代のアクションスター、スティーヴ・マックイーン。僕はこの人のコメディも結構好きだったりします。 「華麗なる週末」など数は少ないですが、コメディで見せる彼の意外と人懐っこい笑顔とぼけた味わいがたまりません。 そしてナタリー・ウッド。冒頭からほとんどずっと機嫌が悪いまま。本作のナタリー、なかなか笑顔を見せてくれません。 だからこそ、ふとしたタイミングに挿入される、本作の彼女の笑顔もまたいいのです。 マックイーンがコメディで見せるとぼけた味わいが出まくりのラストがいい。 「死ぬより結婚の方がマシ」と書かれた看板を背中に差し、バンジョーを奏でている。 それも都会のど真ん中で。なんだこいつは?当然、人だかりができている。 こんなプロポーズがあるのか?でも、マックイーンという人は何をやっても絵になる。 2人の姿が人ごみに紛れてよく見えない。しかし何とも粋なラスト。
[DVD(字幕)] 8点(2018-12-27 13:10:18)
22.  水の中のナイフ
登場人物は3人のみ。1組のセレブ夫妻と、誘われるままに一緒にヨットに乗り込む1人の若い男。 ヨットで港を出て以降はほとんどの時間が狭いヨットの中のみで展開されるサスペンス。 最終盤まではほとんど何も起こらず、身動きするスペースもほとんど無い狭いヨットの3人をとらえ続ける。 妻を前に、男2人の些細な意地の張り合いが延々と展開されるのみですが、 全くだれる時間帯がない。かと言ってそれ程張り詰めた緊張感が漂っている訳でもない。 風と波に揺られて漂うヨットの如く、何とも言えない不安定な空気とそこに流れるジャズがたまらない。 ルイ・マルの代表作「死刑台のエレベーター」を思い起こさせるテイストがあります。 これがポランスキーの長編デビュー作とのことですが、アカデミー外国語映画賞にもノミネートされており、 この新人監督、ただ者ではないぞと思わせる雰囲気をたたえた作品です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-12-03 20:20:24)
23.  おかしなおかしなおかしな世界
1963年作、アメリカン・ドタバタコメディ超大作。結構なバカ映画です。 ある大物犯罪者が35万ドルもの大金を隠した場所を言い残し交通事故死。 その事故現場に居合わせたごくごく普通の連中に、珍道中の最中に出会った、ごくごく普通の一般市民の皆様に、 最後はお偉い警部様までもが、あぶく銭に目がくらんで35万ドル争奪戦を繰り広げる。本当にくだらない作品です。 大御所ミルトン・バールをはじめとするベテランコメディアン達に加え、 名優スペンサー・トレイシーやエセル・マーマンといったスター達の体を張ったバカコントがこれでもかと挿入されます。 監督があのスタンリー・クレイマーというのが一番の驚きですが、 普通の人たちが大金を目の前に豹変していく様にはちょっとだけ皮肉が込められているようにも思えます。 我先にカネの隠し場所にたどり着こうとカーチェイスも頻繁に挿入されますが、演出やスタントにキャリー・ロフティンの名が。 この人、スピルバーグの「激突!」の殺人トレーラーのドライバーの人ですよね。ちょっと納得です。 終盤にはチョイ役でピーター・フォークが登場。 本作の2年後、似たテイストのある公道爆走コメディ大作「グレートレース」ではしっかりいい役を貰っていました。 このようにスターが出世していく一過程が見られるのも映画好きには嬉しいところです。 途中は中だるみもあるし、160分はさすがに長い。今に見ると笑えるような笑えないような微妙なギャグもあり。 しかしこれが60年代前半の作品であることを考えると当時としてはなかなかのコメディ大作ではなかったかと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2018-10-28 20:10:19)(良:1票)
24.  泥棒貴族 《ネタバレ》 
騙し騙され騙したつもりが・・・。二転三転するするストーリー。 シャーリー・マクレーンとマイケル・ケインという名優のW主演、 そして監督に脚本、撮影などにもビッグネームが揃いながら、何でだろう?知名度が低い作品です。 冒頭から30分程度か。あれよあれよという間に完全犯罪が成功! え?もう終わり?と思いきや、「・・・・・という計画だ。」 まずは計画と、計画通りことが進んだ完璧なケースを先に見せるというのが面白いし、これが最後の最後まで効いています。 当然計画通りにいかない。悪戦苦闘もしますが、そんな理想と現実のギャップも可笑しく、 シャーリー演じる女の予想と全く違うキャラも面白い。意外に大胆でふてぶてしさと可愛らしさを見事に両立させてみせる。 予想に反してなかなかガードが固い大富豪を演じるハーバート・ロムの存在がまたいい。 そして冒頭の計画映像通りいけば成功だと見る者を思いこませておいて実は!というオチも素晴らしい、 なかなか小粋な犯罪サスペンスコメディ。そしてロマンス。
[DVD(字幕)] 8点(2018-09-15 12:06:54)(良:2票)
25.  ふたりの女
イタリアの巨匠デ・シーカ。「自転車泥棒」に代表されるネオリアリズモや、 マストロヤンニ、ソフィア・ローレンの名コンビを起用した艶笑喜劇、 そして「ひまわり」や本作のような、戦争と女を描いた反戦映画もまた印象的です。 多くのデ・シーカ監督作に出演したローレンですが、喜劇にしても戦争の時代のドラマにしても、 やはりこの人には逆境にも強く逞しく生きる姿がよく似合います。 1960年製作の本作、ローレンはまだ20代半ばですが、中学生の娘がいるシングルマザーという設定。 実年齢を考えると無理がある設定ですが、デ・シーカにとって主演はローレン以外には考えられなかったのでしょう。 実際、違和感を感じさせません。女として、母として。女優ソフィア・ローレンの素晴らしさを見ることができる作品です。 中盤までは母娘が疎開先の地方で出会う人々の交流がイタリア的陽気さをもって描かれる時間帯もありますが、 だからこそ市民生活の中に土足で踏み込んでくる、市井の中の戦争が描かれる終盤が辛い。 ローレンが圧倒的な存在感を示す作品ですが、娘を演じた女優さんの透明感のある存在もまた印象的でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-05-28 21:53:02)
26.  暴力脱獄
1967年。ベトナム戦争が泥沼化していくアメリカ。自由で、世界をけん引してきたはずのアメリカは一体どうしてしまったのか。 一気にアメリカに内在していた負の部分が噴出し始めるこの頃に映画の世界ではニューシネマが台頭してきます。 誰からも愛される完全無欠のヒーローはそこにはなく、多くの反体制的なアンチヒーロー像が出現しました。 本作でポール・ニューマンが演じるルークもまさにそれに当てはまります。軍隊では軍曹にまで昇進したのに、二等兵で除隊。 恐らくは上官に逆らってばかりいる、軍隊では歓迎されない人間だったのだろう。 作業中にわざとらしく登場し、作業中の囚人たちの前で洗車する挑発的な女に囚人たちが興奮する様や、 ゆで卵50個一気食いイベントなど、母の死までは刑務所ものにしてはコミカルな空気も漂う。 それだけに囚人たちのヒーローになっていくルークが脱獄を繰り返し、痛めつけられ一旦は弱さをさらけ出す終盤の姿は痛々しくもある。 作品の舞台は刑務所ではありますが権力に屈せず、今自分がいる場所に自由が無ければ自らの力で道を切り開こうと更にもがき続ける。 だからこそ、そんなルークの姿は人々の心を強く掴んだのでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-12-10 20:35:25)
27.  泥棒野郎
ウディ・アレンの初監督作とされている作品です。 (実はその前に"What's Up, Tiger Lily?"という極めて微妙な作品がありますが・・・) 多くの作品で取り入れ、彼が好むパターンの1つであるナレーションに物語を進行させる手法に、 代表作「カメレオンマン」でお馴染み、古ぼけた昔の写真や映像の挿入と もっともらしい証言者を用意してのドキュメンタリータッチのホラ話に、 自身の出自や劣等感をギャグにしてしまうセンスに、撮り方にはまだ粗削りな部分は感じますが、 もうすでに典型的アレン映画となっていることに驚きます。 ジョーク作家、スタンダップコメディアン時代に書き溜めたのであろう小噺のようなギャグが全編に散りばめられています。 アレンにしては体を張ったベタなギャグもあり、「笑える」という点においては彼の数多い監督作の中でもかなり上位にくる作品です。 アレン好きの方で、まだ未見の方には是非ともおススメしたい初期の代表作と言ってもいい作品です。
[DVD(字幕)] 8点(2017-11-22 20:17:32)
28.  拝啓天皇陛下様
これまでに寅さんを何回見たか分からない僕にとっては、渥美清=寅さんのイメージがあまりにも強すぎるのです。 しかし本作の見ている間はずっと、不思議と寅さんを思い出すことはありませんでした。 本作の中ではすっかり渥美清=ヤマショーになってしまっていました。渥美清の凄さを改めて思い知らされます。 渥美清が笑わせ泣かせてくれます。生涯の友に振り回されながらも受け止める懐の深さを感じさせる長門裕之のムネさんも実にいい。 冒頭で語られるヤマショーの生い立ちに、当時の農村の窮状を思わせる手紙。当時の若者が避けては通れない軍隊生活と戦争。 そして戦後の混乱期。ヤマショーが徴発と言いながら鶏を農家から盗んでくる。 昭和22年ごろと言えば、まだまだ遅れて復員してくる人もいたであろう貧しく苦しい時代。 戦中と戦後の境界線が曖昧になってこんな騒ぎが起こることもあったのかもしれません。 ヤマショーも少しずつ終戦後の暮らしに順応し始めたかに見えましたが、しかし・・・。 戦中から終戦直後にかけて、男と女も、誰もが戦争に人生を翻弄された時代。 ヤマショーとムネさんの出会いと別れと再会の中に、そんな時代の世相と時の流れをとても巧く重ね合わせていく。 ヤマショーのキャラクターもあり、ブラックユーモアも含みつつあっけらかんとした作品の空気の中に、 戦中から終戦直後を生きた庶民の苦しかった日常を描き出す。いい泣き笑いのある人情喜劇でした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2016-10-16 18:16:29)(良:1票)
29.  愛すれど心さびしく 《ネタバレ》 
聾唖者で自分の思いを言葉にすることができない、若かりし頃のアラン・アーキンが演じるシンガー。 アラン・アーキンは「リトル・ミス・サンシャイン」の偏屈じいさん役でで念願のオスカー初受賞となりましたが、 何故「リトル・ミス・サンシャイン」が初受賞だったのだろう?と思わざるを得ない素晴らしい演技でした。 彼と同じ障害を抱えるギリシャ系の親友。バーで出会った、仕事もせず酒を飲んでは客に絡む事しか出来なかった男。 彼が下宿していた家の娘。南部の地で白人を恨み続けて生きてきた黒人の医師。 事情は様々ですが、みんなシンガーによって心が救われてきた人たちです。 シンガーは彼らの話に親身になって耳を傾ける。そのアラン・アーキンの表情が見る者の胸を打ちます。 しかし1人また1人、彼の元を去っていく・・・。そんな彼の孤独は親友の死でピークに達してしまう。 ギリシャ系の親友とのやり取りなど、彼の手話に一切字幕をつけない。 途中は2人の表情や手話のやり取りから何となく読み取れているような気もしていましたが 2人はどんな話をしていたのだろう・・・?彼はどんな思いで人々の言葉に耳を傾けていたのだろう・・・? 鑑賞後は様々な思いが胸の中を交錯します。手話に字幕をつけないことで見る者に何かを問いかけ訴えかけているようです。 「愛すれど心さびしく」。シンガーの胸の内を見事なまでに表した素晴らしい邦題です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-06-05 12:36:07)
30.  みじかくも美しく燃え 《ネタバレ》 
妻子あるスウェーデン軍の将校とサーカスの綱渡り芸人の女性の悲しき恋の逃避行のドラマ。 冒頭の字幕で本作のストーリーは1889年に実際に起こった実話であることと、バッドエンドを宣言する。 森や小川を照らすやわらかな陽光と、その中にいる2人の姿。その全てが美しくも儚げに見える。 本作にとって冒頭のこの字幕の持つ意味は大きく、これが無ければ2人の姿は全く違って見えていたでしょう。 やがて2人の逃避行は最後の時を迎える。美しくも儚げ、静かにして強烈な余韻を残すラスト。 美しいクラシック音楽の使い方もまた素晴らしい作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-04-29 20:22:07)
31.  リオの男
フィリップ・ド・ブロカとベルモンドのコンビのアクション・コメディはどれも面白いですね。 本作はこのコンビの後の作品である「カトマンズの男」などと比べると 笑わせる部分と共にサスペンスの要素もしっかりと挿入されています。 「ルパン三世」や「レイダース」の元ネタになっているとも言われている通り、 ベルモンドのキャラクターの楽しさやアクション・アドベンチャーとしても見どころ十分です。 そう言えば、ルパンの声優といえば山田康雄さん。多くの映画でベルモンドの吹替も山田さんがつとめられました。 本作を吹替で見るのも面白いかもしれません。 そして若くしてこの世を去ったフランソワーズ・ドルレアックの美しくもキュートな魅力も全開。 彼女の代表作といえば、妹との共演作「ロシュフォールの恋人たち」になると思いますが、 本作は彼女のコメディエンヌぶりを存分に堪能できるという意味でも貴重な作品です。
[DVD(字幕)] 8点(2016-02-13 15:16:56)
32.  カトマンズの男
「リオの男」の続編のような映画ですが、これも面白い。ベルモンドが笑わせてくれます!殺し屋からの逃避行で幾度となく生命の危機にさらされる。なのにこの緊張感の無さ!これがサスペンスなら×ですが、お気楽ドタバタコメディに徹しているので◎です!  まずは冒頭、自殺願望のある大富豪の男(ベルモンド)がクルマごと崖からダイブする。なのに無傷のベルモンド。そうか、こういう映画なんだ。あとは気楽に笑っていればいいだけです。  殺し屋から逃げるために海に飛び込む→漁船の網に引っかかる→今度は船のクレーンに吊り上げられる→そのまま町まで放り投げられる。でもまたまた無傷のベルモンド。これはもうマンガのような可笑しさ。  以降も色々と、本当に色々とあるのですが、どこまでもお気楽な空気の中、ベタベタのギャグも満載で息つく間も与えないほどのコントみたいなシーンの連続が楽しい。空気はユルユルですが作品のテンポはキビキビと小気味いいドタバタ冒険活劇です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-11-23 21:12:05)(良:1票)
33.  史上最大の作戦
第2次世界大戦における最大規模の作戦を、その決行前夜からの各国の動きをドキュメンタリータッチで再現した作品。ビッグネームがズラリと顔を揃えたオールスターキャストで上映時間は3時間に迫る長尺。しかし意外なほど派手さは無い。  声高に反戦を訴える訳でもないし、派手な、あるいは感傷的な音楽や演出もありません。アメリカを中心にした連合国の作戦であり、アメリカ映画なので当然アメリカ軍の動きをとらえる時間が長くなっていますが、連合国側、独軍、フランスの市民(戦時中にフランスがその誇りを示した「天井桟敷の人々」の主要キャストが名前を連ねているのが感慨深い)の視点を交えながら、上陸作戦が時系列に沿って局面ごとに淡々と描かれていきます。  本作には特定の主人公や英雄は存在せず、主人公は時に皮肉やユーモアのある言動を交え描かれる人間臭さにあふれた全ての兵士たち。作品の大きなウェイトを占める戦闘シーンの中で、そんな一人一人が愛すべき人間である彼らの命が一発の砲弾や銃撃で次々と失われていく。人々の営みがあった街が破壊されていく。そこからは嫌になるほど戦争の悲惨さが伝わってきます。
[DVD(字幕)] 8点(2013-06-02 00:27:50)
34.  黄金の七人 《ネタバレ》 
これ、昔はよくテレビでやってましたよね。細部はすっかり忘れていましたが子どもの頃見た記憶がありますよ。まあ、くだらない映画なんですが、こういうノリ大好きです。  前半は適度にアクシデントを挿入しながらの強奪モノ、後半は金塊はいずこへ?最後に笑うのは誰だ?という構成も作品のテンポもいいし、結局誰も笑えなかったというオチも楽しかった。  そんな作品の雰囲気を演出するイタリア映画音楽の巨匠トロヴァヨーリの軽快で洒落ていて楽しい音楽がまた素晴らしい。ハイテク機器?の数々も今に見るとかなりショボいのですが、それもまたいい味。  主な登場人物は主犯の教授(一体何の教授なんでしょ?)に、美女が一人。そして実行部隊の6人。実行部隊の6人のキャラが全く立っておらず名前の区別もつきませんが、本作は教授・美女・思いは1つの6人衆と、思惑の数を絞り話を単純にしたことで、あれやこれやと考える必要無く楽しめる作品になっているのだと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-01-10 20:50:20)
35.  イージー・ライダー
60年代末から70年代が幕を開ける頃のアメリカ。ベトナム戦争の泥沼に陥ってた頃。 アメリカン・ロードムービーの定番、夜のたき火を囲んでの語らい。その中のジャック・ニコルソン演じる一風変わった弁護士の台詞。「アメリカは自由を証明するためなら殺人だって平気だ」が強烈。この頃のアメリカと、今のアメリカ。何が変わったのか?  見る前は“born to be wild”が鳴り響く中、バイク野郎どもが中西部を行く豪快なロードムービーというイメージがあった本作ですが、公開当時のアメリカでは物議を醸した作品だったのではないでしょうか。デニス・ホッパーの本当の自由とは何か?そしてアメリカを憂う彼の思いが吐き出されているような作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-11-11 00:15:33)
36.  ウエスト・サイド物語(1961)
ロバート・ワイズ監督はかなり色んな映画を撮っている人ですが「サウンド・オブ・ミュージック」「ウエストサイド物語」と映画史に残る素晴らしいミュージカルを撮っているだけあって僕の中ではミュージカルのイメージが強い監督です。  心温まる物語と歌の素晴らしさで魅せる「サウンド~」と歌の素晴らしさプラス、キレのある素晴らしいダンスで魅せる本作。どちらも元の話があるものをスケールの大きいミュージカルに仕立て上げた演出が見事。本作の場合は共同で監督した振付師ジェローム・ロビンスの功績も大きいですね。  ミュージカルとして話の展開は好みではないですが、キレがありカッコよくて、特に前半のユーモアにあふれたミュージカルシーン、それを支える歌、音楽、ダンスのどれもが本当に素晴らしく見応えがある作品です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-01-23 21:12:43)
37.  ぐうたらバンザイ!
何なんだ?この映画は!?一番レビューの方から6年の時を経て偶然にも僕もお盆休みに本作を見てしまいました。  怠け者の農夫アレクサンドルを演じるフィリップ・ノワレが実に味のあるとぼけた怪演を見せる。前半はちょっと目を離せば仕事を怠けようとするアレクサンドルvs何とか働かせようとする奥さんの心理戦が可笑しく、後半はアレクサンドルが飲んで食って寝て、釣りしたり水浴びしたり遊んでいる様子とそれが村にもたらす騒動がのんびりと描かれる。大したストーリーもありません。なのにこの可笑しさ。音楽の素晴らしさも見逃せません。ジャック・タチの「ぼくの伯父さん」を思い出す雰囲気を持つ実に愛すべきフレンチ・コメディの快作(いや、怪作か?)です。  みんな間が抜けてるけど可愛げがある農村の人間模様、名前さえ付けてもらえない”ワン公”の姿に心も和む超ゆる~~~~い人生賛歌。「ぐうたらバンザイ!」という邦題も見事です。確かにお盆休み後半にもう1回見たら休み明けの社会復帰に苦労しそうな困った映画です(笑)
[DVD(字幕)] 8点(2011-08-12 17:27:30)
38.  卒業(1967) 《ネタバレ》 
まだ初々しいダスティン・ホフマンとキャサリン・ロスの魅力にS&Gの曲が見事にはまった作品。ヘンな言い方ですがアン・バンクロフトの醸し出す微妙な雰囲気もいい。  最初、ベンの役はレッドフォードに持ちかけられたそうですが、レッドフォードが蹴ったそうな。よくぞダスティンにこの役が回ってきたことと思います。  話自体は魅力を感じる作品ではないですが、二十歳そこそこで自分の人生の進むべき方向性なんてなかなか決められないと思うし、親に決められた通りの人生を歩んでいく事に迷ったり、誘惑に道を外れそうになる事もある。そんな若さゆえの迷いや葛藤が伝わってくる作品です。  有名なラストはやはり素晴らしいと思います。教会を飛び出してバスに乗り込んだ直後の満面の笑みは長くは続かず、不安げな表情でエンディングとなりますが、その表情が2人の未来を暗示する。ニューシネマのはしりの作品だと思いますが、挿入されるユーモアや音楽の使い方のセンスは、結構色んな映画を撮っていますが後に都会派とも称されるマイク・ニコルズのセンスの良さを確かに感じる作品です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-07-19 21:55:20)(良:1票)
39.  サボテンの花
ウォルター・マッソーが主演で脚本がI.A.L、確かにビリー・ワイルダー・タッチの非常に良くできたコメディでした。さて、ジャック・レモンはどのタイミングで登場するんだ?という感じでした。  1つの小さな嘘がとんでもない方向に展開し、色々な人物が出入りしますが相関図がとても単純で分かりやすい。特に2度挿入されるバーでの複雑な事情が絡み合った人間関係の見せ方なんて凄く面白いですよ。最後はやはりあの2人がああなり、その2人がそうなりましたか、という分かりやすい結末ですが、何とも素敵なハッピーエンドでした。  見る前はミスキャストなんじゃないか?と思えたイングリッド・バーグマン。しかし彼女の演じたちょっとお堅く生真面目な女性像が作品にいい面白さと人間関係に程よい緊張感をもたらせていたし、もう一人の女性、何一つ悪気は無いんだけど、真面目に話を複雑にしていくゴールディ・ホーンの存在もまたどんどん話を面白い方向に発展させていく。ゴールディに関して言うと、色々と彼女の映画を見た後に本作を見ると別人のようですね。僕にとってはもう少し後になってからのゴールディの方が可愛らしく見えるんですよね。
[DVD(字幕)] 8点(2011-05-04 20:59:18)(良:3票)
40.  チップス先生さようなら(1969)
原作未読、オリジナル未見です。 2時間半超えの長編で決してテンポがいい作品とは言えない部分もあります。また、キャサリンとの出会いからの物語が軸となっており、もう少し学校での子ども達との触れあいの時間が欲しかったとも感じましたが、それでも素晴らしい映画を見たというのが感想です。  名優ピーター・オトゥールの演技は言うまでもなく、その妻となるキャサリンを演じたペトゥラ・クラークも素晴らしかったです。最初彼女がチップス先生の前に現われた時はミスキャストなんじゃないか?と感じましたが、そんな彼女がその後チップス先生の妻としても、パブリックスクールの子ども達にとっても良き存在となっていく。人間の成長というものを感じさせてくれる素晴らしい演技でした。  ミュージカルの部分は控え目ですが、作中の音楽をキャスト自らが歌い、作中の音楽の一部のように巧く機能していたと思うし、その歌詞もキャストそれぞれのその時の心の内を表しているようでとても良かったと思います。  退職後も生涯を捧げてきた学校の傍に住み、子ども達の登校の様子を静かに見守る。地味ですが人の一生を一日に例えた最後の歌と共に、誠実に教師として生き生涯を全うしようとしているラストのチップス先生の姿にも感動しました。
[DVD(字幕)] 8点(2011-02-15 17:37:13)(良:1票)
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