21. 夕凪の街 桜の国
地元の市が主催する平和映画会で観ました。原作は未読。先入観なしで観れたのが良かったかも。 衝撃的でした。特に前半部分。台詞のひとつひとつが素晴らしく、キャスティングも演出も見事。このような視点の反戦映画(?)は初めて観た様な気がします。後半との温度差を感じたので少し減点しますが、大抵観て後悔してしまう邦画作品の中では秀逸でした。 [映画館(邦画)] 9点(2008-08-08 00:41:28) |
22. キングダム/見えざる敵
アメリカの正義。それは一体何を意味するのか。決して長尺ではない作品ですが、テーマは深く哀しいものですね。あえてこの手法、表現方法を選んだ製作者に脱帽です。同時に、脚本・演出・カメラワーク、どれをとっても優れたエンターテインメントであることは間違いありません。では、なんで満点じゃない?FBIの戦いっぷりがあまりに非現実的というか、強過ぎだし不死身だし。まぁ、それも象徴的な表現なのかな? [DVD(字幕)] 9点(2008-08-04 01:05:05) |
23. ボーン・アルティメイタム
ストーリーの緻密さ、アクションの豪快さ、映像表現の素晴らしさ、そしてカッコいいBGM。シリーズを次第次第と盛り上げて来た構成力に脱帽です。 ただ、強いて言わせてもらえば、3部作じゃなくて長編の1本にして欲しかったかな?時折現れる劇場映画にして連続モノ。これって好きじゃないです。分割払いみたい。そこんとこが唯一気に入らなくて1点減点です。(DVDで観たクセにね) [DVD(字幕)] 9点(2008-05-25 23:33:28) |
24. ダイ・ハード4.0
帰ってきましたね~。 大作系の続編は、第4弾ともなれば普通にコケちゃうところなのに、これは楽しめた。このシリーズ、同じようで同じでないという感じで毎回テイストを変えてますから、このど派手さ、コレはコレで良しってことでしょうね。なんたってマクレーン刑事は不死身なんですから、何があっても死なないんですよ。見事な水戸黄門ぶり。このシリーズは、それが楽しみなんです。ま、ちょっとばっかしドラマ性は後退してますけどね。 それにしても、派手に街を破壊しましたね~。やっぱ、このくらいやっちゃわないと、今の時代のアクションファンは許してくれないってことかな?シリーズものが長期にわたると、そのあたりが苦しいとこですね。 [DVD(字幕)] 9点(2007-12-23 01:14:39) |
25. Loop ループ
これはなかなかです。B級テイストたっぷりですけれど、繰り返しをモチーフにした他の作品とは一味違います。この展開は読めなかった!新しい! だからネタバレなしです。書きたいな~、ネタ明かし。早く誰かに観て欲しい1本。グロシーンがなければ10点献上したいところです。惜しい! [DVD(字幕)] 9点(2007-10-25 00:00:10) |
26. かもめ食堂
いいですね~。秀逸な作品。多くを語らずとも人生は語れる。余計な説明などなくとも心は癒される。それから、すっと引いて行くエンディングがいいですね~。「この物語はずっと続いていくんだ。」って感じで、「もう終わっちゃうの~!」みたいな気持ちが起きずに済みます。そして、何より素晴らしいのは小林聡美さんの存在感。素晴らしい! [映画館(字幕)] 9点(2006-05-05 23:20:23) |
27. バタフライ・エフェクト/劇場公開版
《ネタバレ》 高得点にしてみました。アイディア的には決して新しくはないし、むしろ類似作は数多いでしょう。ただ、素材は同じでも料理の仕方が上手い。更に、役者陣の熱演がそれを支えています。この手のストーリーには矛盾が付きものですが、比較的破綻せずに纏められていますね。ただ、タイムトラベル的(あるいはパラレルワールド的)とストレートに受け取らず、もしかしたら本当は全てが彼の心の中で起きているだけなのだとも思えませんか?その方が矛盾がないような気がします。いずれにしても、思わず引き込まれてしまった佳作です。ちなみに、キャッチコピーのとおりの悲しいハッピーエンドですけれど、DVDの特典映像みたいにしてしまうと興醒め。監督の選択は正解ですね。 [DVD(字幕)] 9点(2006-01-01 02:51:10) |
28. ダブルタップ
銃器の扱い、心が壊れていく様、レスリー・チャンの演技が素晴らしい。ストーリー的に少し説明不足であることが否めないものの、彼の存在感が全てを支えている。スピーディな展開と、リアルな銃撃戦は一見して娯楽アクション作品とも思えてしまうが、実は非常に深く重いテーマ。アクション映画では主人公が銃を乱射し、悪者たちをバッタバッタと薙ぎ倒すが、現実の世界に置き換えれば(おそらくは)ここで描かれている心の闇を避けて通ることは出来ないに違いない。リックとミウ、彼らの違いはまさに紙一重。 [DVD(字幕)] 9点(2005-09-28 08:28:39)(良:1票) |
29. ネバーランド
全編にわたる美しい映像。ジョニーの輝くほどに眩しい表情。素晴らしいです。この短い上映時間の中にぎっしりと詰め込まれたメッセージの数々。シンプルかつストレート。子供の心とは、大人になっても忘れないことが大切なのではなくて、常に持ち続けることこそが大切。そして、ネバーランドは、きっと誰の心にもあるものなんですよね? [DVD(字幕)] 9点(2005-09-16 02:14:04) |
30. スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする
出演者たちが素晴らしい。静かながらも迫真の演技が光ります。 迫り来る妄念。押し潰されそうになるほどの不安の塊。病んだ男の心の内面が、はっきりと、ゆっくりと、描き出されていきます。 見事に惹きつけられました。 [DVD(字幕)] 9点(2005-09-01 23:01:07)(良:1票) |
31. 21グラム
重い重い作品。ただ、「命の重さ、大切さを描いた作品」とも言い難いのではないでしょうか?DVDの特典映像で監督自身が語っているとおり、テーマはあくまでも「希望」。この救いようのないドラマの中にも、必ず一筋の希望の光が差し込んで来る。三者三様の在り方で、明日への何かを掴もうとしてもがいている姿。この素晴らしい3人の出演者たちは、そのあたりの心の葛藤を見事に演じていると思います。また、すさまじく揺れ動く心のうちを表現するには、この時間軸を歪ませた演出が不可欠だったのだと思います。ラストシーン… 決して、救いようのないものとは言えない気がします。失ったものは余りに大き過ぎるけれど。 追伸:唯一不満なのは、ショーンとナオミのシーン。そこまでしないで欲しかった… 9点(2005-03-21 16:09:26) |
32. カレンダー・ガールズ
良作ですね~、悪意のかけらも感じさせられない作品です。ハリウッドに行った辺りは、多少なりともマイナスイメージとなってしまいましたが、実話じゃ仕方ないです。いや、実話だからこそ許されるエピソードかな?予定調和というかお約束というか、思ったとおりに進んでいく物語。これが実話?人間の行動や思考って、えてして必要以上にドラマチックにはならないというのが現実なんですね。美しい田園風景、美しい表情に彩られたヌード写真。視覚的な美しさに1点オマケの9点献上です。 9点(2005-03-17 23:43:42) |
33. ショーン・オブ・ザ・デッド
これは良作。レンタル店でたまたま見かけた作品だったのに、蓋を開ければ何と傑作!いかにもイギリス映画らしい、お洒落でウィットに富んでて丁寧な作りが素晴らしい。ただのおバカ映画と思ったら大間違いですね。きちんとホラーしてるし、きちんとヒューマンドラマにもなってる。でも、最後の最後にはコメディであることを忘れていない。とにかく必見の一本です。8点のつもりだったけど、意表を突かれて9点献上っ! 9点(2005-02-18 00:20:17)(良:1票) |
34. スクール・オブ・ロック
もう何も言えない。ここまでお約束の展開をしてくれれば十分!コノ手のストーリーの作品って、いったい今までにどれだけ作られて来たことでしょう?(主にスポーツものが多いですけれど。)それなのにラストにはキッチリ感動させてくれる、そんなジャック・ブラックのロック魂に脱帽です。とにかく感動、とにかく楽しい!え?何で9点?ちょっと上手く行き過ぎ。ピンチになるシーンがもう少し欲しかったから。ん~、それとも、最後には「主役はお前らだ!お前らのバンドだ!」といって引いて欲しかったからかも。(贅沢?) 9点(2005-01-25 06:36:03) |
35. マッハ!!!!!!!!
《ネタバレ》 このアクション!素晴らしいのひとことですね。ストーリーはこれ以上ひねるべきではないでしょう。格闘シーンには若き日のジャッキー・チェンを思い出させられ、街中疾走シーンでは「ヤマカシ」を髣髴させられる。おまけにトゥクトゥク使ってのカーチェイスまであるし、ほんの一瞬お色気シーン(タイ映画でそれってありだっけか?)までありという盛り沢山の大サービス。とにかく痛そうで痛そうで、出演者全員の努力と忍耐に9点献上! 9点(2005-01-10 00:34:12) |
36. ドッグヴィル
《ネタバレ》 奇抜な演出だけの作品かと思っていました。とんでもなかった… とてつもなく重い。 作り手は、ドッグヴィルの住人の、つまりは人間の傲慢さ、残酷さ、醜さを描きたかったのでしょうか。いや、当然町の人々だけではなく、グレースや彼女の父親も含む全ての登場人物について同じ視点で描きたかったのでしょう。そうに違いありません。 ただ、私には、そのことを作品の内部でのみ表現しているのではなく、観ている私達観客の心の中にまで拡大して表現しているように思えます。何故なら、このラストシーン、支持しますか?スッキリしましたか?もしかしたら、「早く殺せっ!こんなヤツラは殺してしまえっ!」なんて思いませんでしたか?ラストで彼女が町に残るか、はたまた町を消すか。これだけの長編なのに、僅か数分のラストで作品全体の方向性さえ変わりかねません。 最後の選択を支持するのも傲慢、支持しないのも傲慢。結局人間とは、まだまだその程度の心しか持ち合わせていないのだ、そんなメッセージを観客の心の中に直接生じさせているのだと受け止めました。そして、一匹の犬だけが、全てを客観的を見ていた証人だったのでしょう。全てが消え去り、観察者は姿を現しました。 ちなみに、殺風景なスタジオなのに、途中から(実際には目の前にない)風景が脳裏に浮かび始めました。優れた表現力を持って書き上げられた、そんな小説を読んでいるかのような錯覚におちいったのは、私だけでしょうか? 9点(2004-10-10 00:42:32)(良:2票) |
37. “アイデンティティー”
《ネタバレ》 精神世界を描いた作品として画期的だと思います。多重人格やその治療法について少しだけ予備知識があると(例えばダニエル・キースを読んだことがあるとか)、素晴らしく新鮮味を感じることが出来る作品ではないでしょうか。「そぉかぁ~、映像化するとこうなるのかぁ~っ!」みたいな。人格の統合を殺人に見立てる… ん~、やるなぁ~って感じですね。キーパーソンを一番の「弱者」に設定したのも良かったです。 ただ、このジャンルでは「マルホ」こそが私にとってのベストなので、満点は付けられませんでした。 9点(2004-08-17 00:26:57) |
38. 猟奇的な彼女
韓国映画はどっちかって言うと苦手なんですが、「MUSA」をキッカケに考えを改め、この作品に至って中国映画同様大好きになりました。ラブコメ系、弱いんですよ~。ついつい感情移入してしまっての高得点です。運命についての台詞も良いですけれど、「勝つまで負け続ける。」なんてのも良いですね。最後の方で、ちょっと引っ張りすぎかな?って感じもしましたけど、もっと長い時間あの2人を見ていたかったのでOK! 偶然に次ぐ偶然って展開も、努力した2人が引き寄せた必然ってことでOK! 9点(2004-06-20 01:57:40) |
39. スーパーヒーロームービー!! 最'笑'超人列伝
《ネタバレ》 ホントっにくだらない!コッテコテに下品!道徳観も倫理観もあったもんじゃない!なのに最高に面白い!ひさびさにこの手のアメリカンコメディを鑑賞しました。 パロディとしてもかなりのハイレベルだと思います。勿論下品にハイレベルですが。でも、これ自体面白いのに元ネタを思い浮かべると重ねて面白いという二重の楽しさ。 そして御大レスリー・ニールセン様の存在感。本作出演の2年ほど後に他界されてしまいましたが、まだまだ楽しませていただきたかったという思いが10年以上を経た今でも湧いて来ます。この人が出て来るだけで、下品でも不道徳でも何だか許せてしまったりもします。 人の命を軽く扱い過ぎることとか、実在の有名人物を揶揄したり死なせたりとか、諸手を挙げて称賛は出来かねますし、アメリカはこれって許されるの?訴訟社会じゃないの?とか心配になったり恐くなったりもしますが、何せこの手の下ネタ&ブラックユーモアが大好物なので思い切って8点献上です。あぁ面白かった。 [インターネット(字幕)] 8点(2024-04-09 22:30:22) |
40. オテサーネク 妄想の子供
《ネタバレ》 この監督の作品は初見でした。顔や顔の一部のクローズアップを多用したり、食べ物をことごとくマズそうに映し出したりと、始めのうちはその独特な映像表現・世界に馴染めませんでしたが、ストップモーションアニメによる食人木が登場したあたりからすっかり馴染んで来て、物語の展開がどうなっていくのか夢中になって鑑賞することが出来ました。 元々はチェコの民話がベースとのことですが、主人公夫妻が不妊に悩む姿は極めて現代的にアレンジされていて、何かと子育て支援の充実が叫ばれる昨今の我が国的には、製作から20年以上を経た今は将にタイムリー。ホラーク夫人の子どもが出来ないことへの苦しさや罪悪感、人形に対して母親として半ば狂ったかのように愛情を注ぐ姿は、ホラー作品に位置付けられている本作ながら悲哀に胸を打たれるものがありました。 細かな表現の一つひとつが不気味で不快と感じる方も多いかも知れませんが、様々な要素を詰め込みながらも決して破綻することなく丁寧に仕上げられた佳作に8点献上します。 [インターネット(字幕)] 8点(2023-04-26 23:16:50) |