21. おくりびと
おもしろかったのですが、いろいろ詰め込みすぎたなあというのが大きな印象です。この映画は納棺師という職業ゆえに主人公が周囲から軽蔑され、そしてまた信頼を取り戻してゆくという話が主軸で、それに沿って様々なドラマが展開されます。しかし後半は主人公の身近な人が立て続けに死に、たいへん強引な形でその名誉回復は行われます。本筋は心得ているので、なるほどそうきたかうむうむという感じで一応楽しめるのですが、物語の展開の不自然さや都合のよさを観客に感じさせてる点で脚本に大きな問題があると思います。事務係の女性のとってつけたようなエピソードもかえって邪魔にしか思えません。ところでこの映画、私には納棺師という仕事の実情を描くというよりも、大切な人と別れる際の日本人の精神文化を納棺師を介して表現しているのだと思えます。何より火葬場のおっちゃんの言葉がそれを集約していると言えるでしょう。もちろん美化や理想化も含まれていることもふまえて見なければなりませんが、根底に通じる部分があるのでしょう。だからこそアカデミー賞外国語部門で評価されたのだろうし、くどい演出やくどい音楽おかしな台詞回しの中にも心にグッとくるものを感じたのだろうと思います。 [DVD(邦画)] 7点(2010-03-27 00:30:03) |
22. レッドクリフ Part I
見せ方が悪いというか、戦闘シーンがあまりにも多すぎてかえって退屈だった。事実2時間あるわりに話はそれほど進展していないし、かといってこれといった大きな見せ場もない。戦闘シーンは続編にいっぱい盛り込めるはずだし、せっかくおもしろい題材を使っているのだから、登場人物の内面や人間関係にもっと焦点をあてて欲しかった。ただ迫力ある映像は見ごたえがあり、それぞれの将軍に活躍の場が与えられるゲームのようなサービスも良かったと思う。 [地上波(吹替)] 5点(2010-03-06 21:53:49)(良:1票) |
23. 戦場のピアニスト
《ネタバレ》 この映画は、シュピルマンが一度はナチスドイツによって奪われたピアニストというアイデンティティを取り戻す物語であると思う。終盤にシュピルマンがドイツ人将校の前でピアノを演奏するシーンでは、まるで魂が吹き返したように激しく動く彼の手に涙が止まらなかった。映画の中とはいえ、これほど心に訴える演奏はかつて聴いたことがなかった。劇中ではあまり多くを語らないシュピルマンだったが、最期のコンサートホールでのピアノの演奏は、鑑賞者を納得させてしまうような力強さと悲しさを感じさせた。 [DVD(字幕)] 10点(2009-10-24 18:05:13) |
24. 崖の上のポニョ
《ネタバレ》 ポニョがかわいい!それはそれとして、これまでになかったようなほのぼのとしたタッチですが、海の動き、魚の動き、そして海辺にはしっかりフナムシを登場させるなど(まるで王蟲だ!)自然に対する観察眼や好奇心といった宮崎駿の初期作品からのテイストは全く失われていることはなく、単なる子供向け映画で終わらせていないところがあります。彼の映画の根本にはこういった視点が保たれ続けているからこそ、何かしら僕ら鑑賞者の心をつかみ、また次の作品も観たい気持ちにさせるのではないかと思います。 [映画館(邦画)] 6点(2009-08-26 18:58:58) |
25. ユナイテッド93
《ネタバレ》 リアルな描写や緊迫感のある演出に圧倒されつつも、ドキュメンタリーとはいえやはり推測の域を出てはいないのだろうとどこか醒めた気持ちで見ていました。しかし、乗客が勇敢にもコックピットの入り口まで迫り操縦席を奪回しようとしていた様子が録音記録に残っていると知ったのは、その後でした。あと数分でも時間があれば彼らは助かっていたのかもしれないと思うと、無念としか言いようがありません。このテロ事件の際には1機目2機目とよく耳にしましたが、テロリストも含め一人一人に命があったことを忘れてはならないと思います。 [DVD(字幕)] 9点(2009-08-26 17:59:43) |
26. ファイナル・デスティネーション
《ネタバレ》 主人公たちが運命を変えようと必死に頑張っているところに2作目よりも好感がもてた。しかし、水が有り得ないように勝手に動いたのは良くなかった。あくまでこのシリーズの醍醐味は超常現象などではなく日常的な自然現象の繋がりの裏に潜んでいるのである。この決定的かつ根本的な制作側の認識の違いが2との評価に差をつけてしまっているようにも思える。 [ビデオ(吹替)] 7点(2009-04-26 19:50:55) |
27. ボーン・アルティメイタム
最初から最後までマット・デイモン演じるボーンの頭脳プレイと体を張ったアクションを堪能できる。カーチェイスも迫力満点であり、アクション映画としては申し分ない出来である。シリーズ最終作でここまでやってくれれば文句なしといったところだ。 [映画館(字幕)] 8点(2009-04-26 19:49:48) |
28. ドーン・オブ・ザ・デッド
ゾンビは走ってはいけない、というのは全くもってただの既成概念であって、ゾンビに新たな可能性をもたらしてくれたこの映画の功績は大きい。いわばゾンビ映画ファンにとっての踏み絵ともいうべきものになるだろう。走るゾンビの恐怖というのは、ただ視覚的なものにあるのではない。生きるか死ぬかという瀬戸際において、ゆっくりと迫りくる敵よりも、ものすごいスピードで追いかけてくる敵の方が脅威的であるのは明らかである。つまり走るゾンビというのは生物の本能的な恐怖をよりかきたてる存在であり、その恐怖を否定することは誰もできない。だからこの映画はおもしろいのである。 [ビデオ(字幕)] 9点(2009-04-26 19:46:00) |
29. シッコ
アメリカの医療制度の欠陥を切に訴える、大胆かつ愛情こもったムーアの映画である。日本人にも是非一度見て欲しい。 [DVD(吹替)] 8点(2009-04-26 17:19:44) |
30. プラダを着た悪魔
主人公がかわいくてスタイルも良いので、ファッションを知らない人でも着飾られた衣装を見て、まるで自分がオシャレになったかのように楽しめる。 [DVD(字幕)] 7点(2009-04-26 16:31:59) |
31. ハウルの動く城
音楽はもちろん映像やキャラクターの描き方なども良いのに対して、映画全体として何が言いたいのかがよくわからなかった。あの白髪のおっちゃんはどうしてか、前作では懐古的な雰囲気の映画をつくりだして子供のみならず大人の層からも絶大な支持を得たかと思いきや、今度はハウルとかいう超イケメン美青年を登場させ女性の心を一気に鷲掴みにしてしまったのだ。という流れは僕が勝手につくったものだが、とにかく原作という存在もあったせいなのか、いまいち彼らしさが影を潜めていたような気がした。 [映画館(邦画)] 6点(2009-04-26 16:25:54) |
32. マッハ!!!!!!!!
!!!!!!!! [地上波(字幕)] 8点(2008-04-19 17:44:44)(笑:2票) (良:2票) |