21. マジック
アンソニー・ホプキンス主演のサイコスリラー。 飛び上がって驚くような派手なシーンはなかったけど、腹話術の人形を使い、人間の心の奥底に潜む狂気をじわりじわりと描いたシナリオが印象的な作品だった。 見所はやはりホプキンス。神経過敏な主人公役を見事に演じきっており、まさに"役者さん"という言葉がぴったりの演者ぶり。 地味ながらもお薦めの佳作。 [DVD(字幕)] 5点(2013-01-18 09:16:31) |
22. さよならミス・ワイコフ
過激なレイプシーンばかりが注目されてしまった感はあるが、ある保守的な町を舞台に、人種差別、女性差別と、社会派ドラマとしての色合いが濃い作品。 かなり辛辣なストーリー展開ながらも、登場人物が少なく、ヒロインである中年女性の苦悩や葛藤もしっかり表現されているため、感情移入がしやすい。 後半「女の性」という点で、彼女の心情変化の描写が浅薄になってしまったのが惜しまれるけど、ラストシーンで本作のテーマはちゃんと伝わってきます。 とにもかくにも、主演女優アン・ヘイウッドの体当たり演技が光る作品。 [ビデオ(字幕)] 6点(2013-01-13 11:30:34) |
23. 大地の子守歌
逆境にもめげず、逞しく生きる一人の少女の姿を描いた作品。 辛辣なシーンの多い映画だが、タイトルの意味合いも含め、軸がぶれずにお話が進むのでわかりやすいし、とても鑑賞しやすい。 ヒロインのキャラ設定は、原田美枝子のイメージにはぴったり。演技自体はそれほどうまいとは思わないが、体当たりの熱演という印象が強く、ラストもいい。 時代背景が昭和初期ということで、佐藤祐介の長い髪だけはどうしても納得できなかった。 [ビデオ(邦画)] 6点(2012-11-23 04:33:32) |
24. 愛のコリーダ
平たく言えば、芸術ポルノと言っていいのかな? 貞の人間描写はほぼなし、描いたところで、事件が事件なだけに理解はできないと思う。 海外向けに作られたらしく、和の美を前面に押し出し、映像と演出に重きを置いた作り。 色の使い方などは確かに見栄えはあるけど、絡みのシーンが多くてさすがにうんざりした。 藤竜也はいいけど、主演の女優さんは素人演技でかなりひどい。ホントに舞台女優さん? 同じ海外向けに作られた、愛染恭子の「白日夢」より出来がいいということだけはわかった。 [ビデオ(邦画)] 3点(2012-10-10 12:48:33) |
25. 刑事コロンボ/毒のある花<TVM>
今回のエピソードでは女性の突発的な殺人ということで、第二の殺人を含めてかなり粗っぽい展開。 決め手となる証拠も早い段階からわかってしまったので、ドラマとしての面白さはあまり感じず、コロンボのキャラだけを楽しむような内容だった。 あとの見所は、マーティン・シーンがゲスト役で出演しているぐらい。 [DVD(吹替)] 3点(2012-10-10 09:13:46) |
26. 刑事コロンボ/死の方程式<TVM>
今回の犯人は化学エンジニアということで、爆弾を使用しての犯行だが、 私が鑑賞した版では、山田康雄さんが吹き替えをしていて懐かしかった。 コロンボらしいセオリー通りの展開で、本作も彼の仕掛けは絶妙。 ラストの犯人に向けての言葉が印象的だったが、犯人側がちょっと慌てすぎで、 作品自体の妙味はあまり感じなかった。 犯人役のロディ・マクドウォールは、いい味出してるんだけど・・・。 [DVD(吹替)] 5点(2012-09-28 09:05:06) |
27. 夜の訪問者
渋い、逞しい、頼りになる。ブロンソンのカッコよさを、ひたすら楽しむ映画。 一応アクション映画ということで、カーアクションなどの見所は押さえているが、 ストーリー自体はそれほどの見栄えはない。 主人公の奥さんが終始お話に絡んでくるせいか、動きが鈍いというか、 全体的にどうしてもテンポがややもっさりしているという印象を覚えてしまう。 映像は昔のテレビ映画という感じで、とても観やすかった。 [DVD(字幕)] 4点(2012-09-25 06:17:10) |
28. 刑事コロンボ/もう一つの鍵<TVM>
厳格な兄の殺害を計画実行した妹のエピソード。 犯人役の妹の設定が浅はかなうえに、彼女はお嬢様育ちで世間知らずのところがあり、 計画自体がもう穴だらけ。 本作のキーポイントにもなっている"鍵"も、トリックというほどのこともなかった。 内容的には今ひとつの作品だけど、コロンボのキャラだけは相変わらず面白い。 [DVD(吹替)] 3点(2012-09-24 05:12:57) |
29. 刑事コロンボ/死者の身代金<TVM>
いつも行動範囲の狭いコロンボだが、ヘリに乗って飛び回ったりと、 他のエピソードと違って、割と普通の刑事ドラマに近い展開。 初期の作品なれど、本作ではすでにコロンボのキャラは確立されてます。 犯人はクールな女性弁護士ということで、そのクールな物の考え方が命取りに。 犯罪者の心理を逆手に取る展開は痛快だが、コロンボのラストのセリフもよかった。 もう少し犯人との心理戦が見たかった気もするけど、十分見応えのあるエピソード。 [DVD(吹替)] 5点(2012-09-18 06:43:08) |
30. 刑事コロンボ/ロンドンの傘<TVM>
ロンドン警察の視察旅行という変わった設定のため、本作ではとてもロケが多く、 いかにもテレビ映画といった作り。ストーリーそのものはしっかりしてるんだけど、 ラストの仕掛けがあまりにも強引過ぎて苦笑してしまった。 時間も長くて、ややテンポが悪い。 観光気分の素のコロンボのシーンが面白いので、普通には楽しめる作品だと思うけど・・・。 [DVD(吹替)] 3点(2012-09-12 06:34:56) |
31. 刑事コロンボ/アリバイのダイヤル<TVM>
電話のアリバイを使った完全犯罪にコロンボが挑むも、 犯人の計画には大きな落とし穴が・・・。 今回はコロンボの仕掛けらしい仕掛けはなく、 あくまで犯人側のアリバイ崩しに終始するという展開。 それでも大詰めでの発想の転換は面白かった。 たまにはこういうラストもいいかも。 [DVD(吹替)] 5点(2012-09-11 01:23:38) |
32. 刑事コロンボ/黄金のバックル<TVM>
今回の犯人は美術館の女性館長。男性ばかりの犯人が多い中で女性というのは目立つし、 女には女なりの殺人動機があるので、ドラマとして見ればそれなりに楽しめる。 ただコロンボ・シリーズという観点から見ると、面白味としては今一つの内容。 コロンボの仕掛けらしい仕掛けもなく、普通の刑事ドラマに近い作りのエピソードだった。 [DVD(吹替)] 4点(2012-09-03 02:02:18) |
33. ひまわり(1970)
いわゆるメロドラマ系の作品だが、昼メロのように低俗で軽薄ではなく、 説得力のある状況設定がしっかりと用意されてます。ストーリーはありきたりで単純なれど、 人物のディテールもしっかりと描かれているため、ヒロイン、主人公、サブヒロインに 感情移入がしやすい。ヒロインの義母だけは、存在の意味をなしていないのが惜しいくらい。 反戦のメッセージをさりげなく織り込みつつ、風景描写で映し出される「ひまわり」で、 本作のテーマを表現したセンスのある演出。日本人好みの哀愁感たっぷりな音楽もいい。 総体的に完成度の高い作品だが、シナリオ、演出、音楽が特出している名画。 [DVD(字幕)] 8点(2012-09-02 13:58:35) |
34. 狼たちの午後
実話をベースにしたドラマということで、強盗犯と人質になった行員との間で、 人間ドラマ的な要素が展開されるのかと思ったら、やはりパチーノの役者として魅力を前面に 押し出した作りの作品だった。決して凶悪ではない彼の人間臭いキャラを通し、当時の社会情勢や "アメリカ"がよく伝わってきます。実際の犯人はただのイカれた奴だったんだろうけど、 ここが本作の一番の妙味でもあるかと。映像はあまりよくない。 [DVD(字幕)] 6点(2012-09-01 03:02:49) |
35. コーマ
病院を舞台にしたサスペンス映画。よくよく考えたら、とても無茶な題材(事件)で、 ラストまでハッとするようなシーンやお話の展開もないけど、テレビ映画のような作りなので、 とても鑑賞しやすい。シナリオも配役もスリル感も手堅いというか、A級とまではいかないが、 悪い印象も受けない。あくまでB級サスペンスとしてみれば、そこそこ楽しめる作品かと。 [DVD(字幕)] 4点(2012-08-30 02:52:25) |
36. マンディンゴ
奴隷制度を題材にした作品。設定に妙味があり、奥の深い人間ドラマを期待させるも、 ドラマチックな展開はいっさいなく、かなり現実的でショッキングな内容の映画だった。 奴隷側の主人である貴族側視点ということで、とにかく辛辣でリアルな描写がひたすら続く。 人種差別というテーマを、押しつけがましくなく描いているという点では評価したいのだが・・・。 基本的に鑑賞者に問題提起を促すような作品なのかも。 [DVD(字幕)] 5点(2012-08-28 03:33:58)(良:1票) |
37. 刑事コロンボ/二枚のドガの絵<TVM>
シリーズの中でも屈指の出来映え、かつ一番好きな作品。 コロンボのとぼけっぷりとしつこさは、キャラの魅力を大いに感じさせてくれるし、 犯人側のイライラ感もよく伝わってくる。殺人計画は少し無茶というか、犯人がやや動きすぎ という感もなきにしもあらずだが、それが結果的にコロンボの告発をより際立たせてます。 まさに意表をつくラストで、よく出来た面白いエピソードだった。 [DVD(吹替)] 7点(2012-08-27 05:25:49) |
38. 刑事コロンボ/秒読みの殺人<TVM>
今回の犯人は女性、愛情のもつれから激情のうえに殺人と、とても怖い展開です。 アリバイ作りはちょっと苦しいけど、計画的に殺人を遂行するしたたかな一面もあり。 でもコロンボは相手が女性だろうと、捜査の手は決して緩めず、ちょっと意地の悪い、 小業の仕掛けがあったりと、こちらも安定感のある内容に仕上がってます。 [DVD(吹替)] 5点(2012-08-20 05:59:35) |
39. 刑事コロンボ/闘牛士の栄光<TVM>
闘牛士としての誇りをテーマにした今回のエピソード。 一番重要な殺人の動機がセリフだけの説明なので、ラストの仕掛けが今ひとつピンとこない。 理屈ではわかっても、「え? これで逮捕できちゃうの?」と首を捻ることに。 コロンボは相変わらず面白いけど、ちょっと消化不良ぎみの感は否めなかった。 [DVD(吹替)] 3点(2012-08-16 01:50:21) |
40. 刑事コロンボ/野望の果て<TVM>
シリーズの中でも、わりとオーソドックスな作りの部類に入るエピソードかと。 アリバイ工作は決して目を惹くものではないが、入門編としてなら悪くもない。 コロンボのキャラと、しつこいシーンは相変わらず笑えた。ラストは今一つだったけど、 これもコロンボに追いつめられた犯人側の心理を思えば、それなりに楽しめるかな。 [DVD(吹替)] 5点(2012-08-10 11:34:08) |