21. スペースキャンプ
子供が主役ということで、今イチ緊張感には欠けるも、起承転結のシナリオがしっかりしていてなかなか面白い。 宇宙を舞台にしているので映像もきれいだし、お子さんはもちろん、大人の鑑賞にも堪え得る範囲内ではないかと。 主役の男の子がダサい以外は、登場人物たちのキャラ分けもしっかりできていたと思う。 内容は友情、努力、団結と、こちらもオーソドックスだが、ファミリーで鑑賞するにはお薦めの一本。 [ビデオ(字幕)] 7点(2013-01-03 11:10:35) |
22. 遊星からの物体X
原作を忠実に再現しつつも、登場キャラの設定を映画用に変更。人数を減らしたことが功を奏し、見応えのある内容のSFホラーに仕上がっている。 どうしても宇宙生物のSFX部分にばかり目がいってしまうが、閉塞的な場所での隊員たちの描写が凄まじい緊張感とスリルを与え、クリーチャーのシーンなどなくても、心理サスペンスとして十分に完成されていた。意味深なラストもいい。 ラス前の子供が喜びそうなシーンは余計ながらも、シナリオと演出が秀逸と思わせてくれる作品。 [ビデオ(字幕)] 9点(2013-01-02 11:09:17) |
23. さよなら子供たち
いい映画だなぁ。 夢と冒険、ファンタジー溢れたドラマチックなベタ映画もいいけど、胸をチクリと刺すようなセンスのあるドラマにはなかなかお目にかかれない。 二人の主役のうち、いつも寂しそうな顔をしているユダヤ系の少年が印象的だったが、本作は彼らの交流を淡々と描きながらも、さりげない反戦のメッセージとともに静かな感動と余韻を残してくれる。 いっさいのセリフを排したラストの絵は、彼らの小さな世界で、彼らなりに人生経験を積んでいるんだな、という思いがひしひしと伝わってきた。 言葉など必要ない。映像だけでも、十分心情を表現できる。 久しぶりに映画らしい映画を観たな、という満足感を与えてくれた作品だった。 [DVD(字幕)] 8点(2012-12-24 20:50:30) |
24. さびしんぼう
シナリオ、映像、配役と、バランスの取れた率直にいい映画。 忘れかけていた十代の思い出が甦ってくるようで、郷愁を誘う尾道の映像がストーリーとマッチしてます。 笑いもふんだんに織り込まれているので、途中で飽きるということもなかった。 富田靖子は一人三役でがんばっているけど、ちゃんと別の役者さんを使ったほうがいい。 監督さんのメッセージはこちらのほうがより明確に伝わるし、ヒロインに似ている人を捜すのも大変だとは思うけど、映画だとどうしても安っぽく感じてしまって……。 名作であることに異論はないです。 [ビデオ(邦画)] 8点(2012-12-22 17:16:41) |
25. ギニー・ピッグ 悪魔の実験
ただひたすら残虐なシーンを延々と垂れ流しているだけで、ストーリーはいっさいなし。 最初からやらせに特殊メイクだとわかっているから、笑って観ていられるけど、ほとんどの人が不愉快になることは間違いないかと。 若い頃はこういう残酷な作品を好んで鑑賞していたが、やっぱりちょっとおかしくなってたんじゃないかと思う。 0.1もつけられない、掛け値なしの0点作品。映画じゃないです。 [ビデオ(邦画)] 0点(2012-12-11 07:58:55) |
26. 愛は静けさの中に
昔ながらのよくある正統派のラブストーリーだが、聾学校という舞台背景が設定の妙味に。 ヒロインもろうあ者だということで、彼女ありきで作られた脚本かと思ったら、もともとが原作のある舞台劇だと知ってちょっとびっくりした。 映像演出音楽等はいかにも80年代。ヒロインのセリフがひと言もないので、さすがに後半からは重苦しさを感じてしまったけど、プールのシーンは印象に残っている。 [ビデオ(字幕)] 4点(2012-11-28 01:35:41) |
27. デストラップ/死の罠
劇中のシーンがほとんど家の中という、舞台劇を観ているようなミステリーサスペンス。 ストーリーは練られていて中々面白い。特に中盤過ぎの展開は、思わず「あっ!」と唸ってしまった。 ただし後半からは流れが妙に落ち着いちゃって、徐々にパワーダウン。ラストのオチも、ちょっと無茶っぽいです。ここで「やられたぁ」という強烈なインパクトがあれば、名作になったんだろうけど・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2012-11-21 02:11:26) |
28. ファンダンゴ
ロードムービー形式の青春映画。 卒業→若者たちの旅立ちと、オーソドックスな題材でドタバタシーンも多いが、ベトナム戦争という時代背景が作品自体に厚みをもたらしている。 青春映画につきものの音楽はそれなりに。全体を通してグッとくるような場面はないけど、さりげなく描かれている仲間たちの友情シーンには好感が持てた。 [DVD(字幕)] 5点(2012-11-12 02:47:21) |
29. 霧の中の風景
子供(姉と弟)に対して、とても冷たいロードムービー。 映像演出が凝っていてとても面白いのだが、後半はお話のポイントがどんどんずれていって、弟の出番が減ってしまったのは残念。 本筋に戻ったラストは、タイトルとお話の流れから早いうちに予想はできるかと。 鑑賞時にはあまりいい印象は受けなかったが、なぜか今でもはっきりと記憶に残っている不思議な映画。 [ビデオ(字幕)] 5点(2012-11-03 01:15:05) |
30. アラビアのロレンス 完全版
4時間近い大作ということもあり、スケールの大きさもさることながら、演出映像などは今観ても古さを感じさせず、音楽も素晴らしい。 映画を観たという満足感は十分与えてくれるものの、主人公の人間像がよくわからなかった。 どうやら実際のロレンスも謎の多い人物らしく、感情移入しづらい要素があるという点では不満といえば不満。 あくまで戦争ドラマとして鑑賞するのがベストかと。 [DVD(字幕)] 7点(2012-10-27 12:59:29) |
31. 君がいた夏
青春回想もの、ノスタルジー、初恋の人、BGMのオールディーズと、設定や演出に目新しさは感じないが、それだけ安定感があり、切なさやほろ苦さという印象は与えてくれる作品。 主人公の憧れの存在だった、ジョディ・フォスターの役柄だけは、ちょっと変わっていてよかった。 それほどドラマチックな展開はないし、心をグッと鷲掴みにされるシーンがあるわけでもないけど、心の片隅にいつまでも残っているような映画ではある。 [DVD(字幕)] 5点(2012-10-23 11:22:10) |
32. 冬の嵐
巻き込まれ型のサスペンス映画になるのかな? タイトルどおり、冬の情景が緊迫感を煽ってくれ、じわじわじっくりとは見せてくれます。 ただし、じっくりしすぎて説明不足もチラホラ。 ラストへの期待感や、ハラハラドキドキという心境までには至らなかった。 ヒロインの一人三役はがんばってると思うけど、根本的にお話に無理があるのでつらい。 [DVD(字幕)] 4点(2012-10-22 12:56:14) |
33. 死霊のはらわた(1981)
スプラッター映画の走りともなったような作品で、怖いと言うよりは面白い。 血がドバドバ、首が飛んだりと、残酷描写のオンパレードということで、悪霊に取り憑かれたメークも凄まじいのだが、彼らの動きがとても愉快だった。 少人数の若者たちという設定も取っつきやすいけど、ストーリーはもうひと捻り欲しかったかな。 [ビデオ(字幕)] 5点(2012-10-05 09:54:11) |
34. 男はつらいよ 寅次郎真実一路
今回はマドンナが人妻ということでやや抑え気味だが、 相変わらず、寅さんの行動やセリフがハチャメチャで面白い。 マドンナの夫役、米倉の哀愁感たっぷりのキャラが対照的で印象深かった。 何も考えずに楽しめる国民的映画。 [地上波(邦画)] 4点(2012-10-01 08:38:56) |
35. グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版
主演二人の友情がメイン・テーマで、ロマンス色も含まれているが、 タイトルどおりに透明感溢れる映像演出で、ベタや暑苦しさは感じさせない作り。 エンゾ役のジャン・レノは存在感抜群も、あまりにもインパクトがありすぎたせいか、 もう一人の友人役とその恋人役の俳優さんは印象が薄かった。 ストーリーのほうは今ひとつ、かなりの長尺と、欠点もそれなりにはあるけど、 この作りなら総体的にバランスは取れているのではないかと。 とにかく演出と映像が特出している作品だった。 [DVD(字幕)] 7点(2012-09-23 15:04:29) |
36. 少林寺
本当の本物! 確かそんなようなキャッチフレーズだったと思う。 実際の少林寺の僧が出演しているという触れ込みで、映画は大ヒットしたが、 彼らが繰り出す技の切れと動きは、確かに半端じゃなく凄かった。 お話自体はあまり面白くないのだが、主演のリー・リンチェイを始め、 他の出演者たちの魅力あるキャラがストーリーをカバーしている。 少林寺拳法ばかりでなく、本作では様々な流派の拳法が出てくるので、 アクションシーンだけでも見応えは十分あると思う。 季節の移り変わりを表現した映像も中々きれいだった。 [映画館(字幕)] 5点(2012-09-09 07:18:29) |
37. セント・エルモス・ファイアー
仲良しグループの、それぞれの人生の苦悩と葛藤を描いた青春群像劇。 まだまだ若くて未熟だという点も、作品のメッセージも伝わってくるんだけど、 内容にはどうしても違和感が。108分という短い時間に詰め込んでいるせいなのか、 これがホントの友情なの?と、首を捻るシーンやベタベタシーンが多々出てくる。 狭い世界観でしか生きられない、あの輪の中にいたら、間違いなく疲れちゃいそう。 ビッグスターになった若い頃の俳優さんたちがたくさん出てくるのが、唯一の見所か。 登場人物が多いので、人間関係を把握するにはちょっと時間がかかるかも。 [DVD(字幕)] 3点(2012-08-31 05:33:12) |
38. タンポポ
伊丹作品の中では一番好きな作品。ラーメン屋が舞台、マカロニウエスタン風の展開と、 判りやすいオーソドックスなストーリーに、本筋とはまったく関係のない、 食に関する様々なエピソードを劇中に織り込んだ、何ともヘンテコな作りの映画。 にもかかわらず、これが最後までまったく飽きさせず、してやられたという印象を覚えてしまう。 キャスティングに関しては何も問題なく、いかにも役者という人ばかりが出演しているので、 安心して観ていられる。徹底的な「食」に対するこだわりが興味深く、大変面白く鑑賞できた。 [ビデオ(邦画)] 7点(2012-08-19 03:58:35) |
39. 鬼龍院花子の生涯
仲代達也の独壇場ともいうべき映画。任侠の世界を舞台にしているとはいえ、 女たちの生き様を描いた内容だと思うのだが、仲代さん最初から最後まで出ずっぱり。 アクの強いキャラを、こめかみの血管が今にもぶち切れそうな演技で見せてくれます。 夏目雅子もその迫力に引っ張られたのか、役になりきってがんばっているんだけど、 全体的に女優陣の影は薄いかな。仲代の演技を見ているだけで、息吐く暇もない作品だった。 [DVD(邦画)] 6点(2012-08-17 06:29:47) |
40. ニュー・シネマ・パラダイス
シナリオ、配役、映像、演出、音楽と、それぞれが高レベルの至高の逸品。 ただノスタルジーを満足させるばかりではなく、現在と過去が一つの流れになっていて、 物語としても、また"映画"そのものを小道具にした設定ともにシナリオの完成度が高い。 中盤過ぎにちょっとバタつく展開があったのは残念だが、終盤からラストにかけての演出は、 制作者側の抜群のセンスの良さに脱帽。ちなみに完全オリジナル版のほうで、 首を捻った終盤の展開があったのだが、2時間版ではバッサリとカットされていた。 こちらのほうが自然な流れでいい。音楽は文句なく最高。名作でもあり、秀作でもある作品。 [ビデオ(字幕)] 10点(2012-08-12 04:35:57) |