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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1615
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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21.  マルメロの陽光 《ネタバレ》 
実在のスペインの画家アントニオ・ロペス・ガルシアは、毎年秋になると庭に手ずから植えたマルメロの木を=その実った果実に降り注ぐ陽光をキャンバスに写し取るべく再び製作を始める。しかし、誂え向きに日々好天が続くとも限らず、また枝も葉も実も留め様も無く刻一刻と姿を変えてゆく中で、いずれ実は地面に落ちて腐り、そして作品はまた未完となるのだ。その、ある年の製作過程をそのままフィルムに収めたという、まずは何よりコレ多分ドキュメンタリのジャンルに入るべき映画っすね(まあ、つくり自体=撮り方やシーンの構成なんかは全然劇映画っぽいですし、当年のカンヌでもコンペティション部門の出品作となって審査員賞も獲ってたりするのですケド)。かつ、主に9月末~12月中旬の二か月半の出来事を追っている、とは言え、殆どストーリー展開の無い映像が140分も続いてゆくのですから、エリセ監督の前二作に比べても遥かに「普通の映画っぽくない」作品だとも思います。その辺の事情は、ある程度頭に入れてから観た方が好いってレベルの作品…かも知れません。  しかし、そのスペインはマドリッド・リアリズムの正真正銘の巨匠…というロペス氏の、丹念に語られる製作過程そのものに関しては、よく観ると(とゆーのもナンですが)かなり面白みが在るとゆーか、最初は木のトコロに縦横に糸を張って(⇒ああコレが垂直線・水平線なんだな、と)んで更に地面になんか釘を打ってんなと思ったらコレは所謂「バミリ」なんですよね(⇒自分の爪先が常にその釘のトコロに来るように、と)。かつ、前述どおり何週間も描いてゆく中でチョコチョコ実や葉に絵の具で印を付けてんなと思ったらコレは今度は「時間経過による変化を測るもの」だとかって、最後は結局実も葉も殆ど全部印だらけになってたり(⇒んな面倒なコトすんならさっさと描き上げろよ!と少しダケ思ったりも)。  ソコは率直に、やっぱリアリズムの画家なんだよな~とか思ってたんですケドも、中盤に同業者?から色々と質問を受けてる場面が在って、ソコで「なら普通は最初に写真撮ったりしない?」とか言われると、いやそうじゃない⇒木の側に私が立って時間を共有するコトが重要なのだ云々…みたいなコトを言い出したりもして、ソコは再びちょっと意外だったりもしたのですよね。聞けば、この人もまた非常に「寡作」な芸術家だとのコトで(⇒このマルメロの画だって毎年未完で何十年も描いてる、とかで)想像ですケド今作、ソコにエリセ監督が大いにシンパシーを覚えた…とかってヤツなのかな~と思ったりもするのですよね。確かに、一般的な映画として楽しめるって作品ではないかとは思いましたが、私自身も(まあソレでも私は雰囲気映画的な楽しみ方って観点ではフツーに十分楽しかったとも思う…その上で)教養とゆーか少なからず何か学び取れたモノは在ったかと思いますし、ソレこそアーティスト=表現者の方々にとっては、更に大いに参考になる様な部分も在るのではないかと思うのですね(⇒特にズバリ画家の方々なんか、より絶対面白く観れると思うのですよね)。個人的にはある種の「芸道」映画に見えたってコトで、こんな評価としてます。
[レーザーディスク(字幕)] 7点(2024-03-17 15:32:10)
22.  コットンテール 《ネタバレ》 
近しい家族の一員を喪って、でもその悲しみを残された家族全員で共有することで家族の絆を再認識する、というのは、実にありふれたことだとも思いますが同時に、実に普遍的で誰しもが共感可能な経験だとも当然に思うのです。私も本当につい最近、実際にそういった経験をした・している最中でもあって、その意味では今作にはごくパーソナルに大いに共感できる部分がありました。これもよく言われることだと思いますが、人を動かす動機になるものって、どちらかと言うとポジティブなそれよりはネガティブな方の感情であることが多い、ともやはり思っています。人生においてだって、他に例え様が無い位に悲しくて辛いことが起こった時というのは、同時にその「転機」ともなるべき最も大きな変化のチャンスである、というのも、これこそが本当に私自身がつい最近に実感し、そして実行・実現し続けていることである、と思うのですよね。  ただ、今作は構造的には上記の通りの作品ではあるのですが、特にその作中現在の時間軸においてフォーカスが当たるのは圧倒的に主役のリリー・フランキーさんなのであって、私は率直に、家族の物語というよりはリリーさんの話(=リリーさんの人間としての有様⇒それを表現する演技を眺めてゆくべき映画)だと思えていました。そして、このリリーさんの役柄というのが、作中の木村多江さんの言葉も借りるなら「ずっと自分の世界に居る人」という、また率直にやや感情移入のし難い役だったとも思うのですし、基本その彼が作品の冒頭からそれこそ自暴自棄に近いってレベルで唯々悲嘆に暮れまくっている、というのも、あくまで私の中のリリーさんのイメージからはどちらかと言うと遠い方だったかな、と思ったりはするのですよね(何か、例えそんな時でも自分も他人も、ニカッと笑う・笑える様な状況をつくってくれる、という様なイメージをこちとらが勝手に持っちゃってた…てな感じですかね)。
[映画館(邦画)] 6点(2024-03-16 22:04:37)
23.  DUNE デューン/砂の惑星 PART2 《ネタバレ》 
この2作目も、全体的なクオリティは完全に前作同等の高水準を維持していますね。どころか、映像のクオリティ(⇒特にその「スペクタクル性」)については今作後半は特に大幅に向上していったとも思いますし、ドラマとしても、そもそもが長大・深遠な物語+この映画化では1作目から作品のテンポ自体はごくゆったり進行してきたコト、も踏まえて、いよいよお待ち兼ねの今作後半でそれが佳境に入ってより断然面白くなる+そーすると尚更にこの超・豪華キャスト個々の役へのドハマり様(=その面での完成度の高さ+手抜きの無さ)も実に素晴らしく感じ取れる+何よりお話に一旦の決着が着くコトで間違い無く前作より娯楽性の面も向上している、というコトで、コレは1作目がイマイチだった人にも是非、出来るだけデッカいスクリーンで観てほしいってヤツでありますね。私は池袋のIMAXレーザーGTテクノロジーで観ましたケド、意外にも今作、1.43:1の全画面サイズになるシーンが(特に人の顔のクローズアップ場面では)結構多くって、ソコにも何だかお得感すらありましたよね。重ね重ね是非々々。  正直、今作って諸々と(個人的には)『アラビアのロレンス』みたいなモンだとも思えて居て、ほぼほぼ最高評価にするしかないレベルの歴史的な作品だとは確信しているのですケド、多少、その評価に迷うトコロが在るとしたら、そのテーマ性の部分=徹頭徹尾極めて「古風な」価値観に支配されているコト、位かとは思いますね。それ自体は当然、原作に忠実に準拠しているというポリシー故なのだとは思うのですが、それでも、他にその面に現代性を取り込んだ作品が数多く在る中で、正に今を生きる現代人が今作に共感できるのか、という観点からは、当然に個人差となってくるハズのモノだ(⇒ソコに差が在るコト自体はごく妥当だ)とも思われるのです。あくまで私個人としては、ソコは全く気にならなかった(=ある点で「史劇系映画」だと看做すならば全然フツーにそれらにも共感できた)というコトで、本来の点数と思われるこの評価としておきます。
[映画館(字幕)] 9点(2024-03-16 11:50:30)(良:1票)
24.  離愁(1973) 《ネタバレ》 
ロミー・シュナイダーって、実はシモーヌ・シニョレにソックリなんですね。華やかなイメージとゆーか、勝手に明るい髪型の印象を持っちゃってたので気付きませんでした。しかし、やっぱ色気も昼より夜とゆーか、今作ではひっつめた髪型に黒い服で、かつ終始静かな表情…だからこそ、ココぞの場面のソレと来たら、最近結構エロティック系の映画を観まくってる私でも「おおお…」と思わず呻いてしまうかの様な鮮烈な匂立つ様な妖艶な、と言いましょーか。中盤、夜も走り続ける汽車の中で、音も無く抱き合って、また一つの言葉も漏らさずに幾度か唯々仰け反るシーン、なんて、私も流石にアレはもう堪らなかったですよね。  映画全体のつくりとしたって、諸々と「今後はもうこんなん無理だな…」とゆーか、最近の戦争映画じゃあ既に許されないだろ!みたいな勢いで、シリアス最高潮な状況で(それそっちのけで)全力全開で恋愛(不倫)映画やってくれてるのですよね。でも、だからこそソレこそが人間の性であって、なので(ある意味)より一層真実に近いソレだとも思うのですし、それ故にそのオーラスだって、逆にコレはもうそーいう次元を疾うに越えてしまったソレなんだ…と心底から納得できたのですよね。映画を沢山観ていると偶に、逆にこーいうのを現代の価値観・倫理観(主に製作者としての)でどーやって越えてゆくんだ…みたいな感覚に陥るコトがあるのですが、今作は正にそーいう作品だったのですし、だからこそまた紛うコト無き傑作だ、と思うのですね。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-03-13 12:51:23)
25.  友だちのうちはどこ? 《ネタバレ》 
全然、何の捻りも無い子供映画ですが、正直言い方は悪いですがコレで全然(映画として)メチャクチャ面白いですからね。特にプロの俳優も使ってないのだそーで、やっぱこーいうのを観ると「映画って何なのか?」と少しまた考え込んでしまいますね(好い意味で)。モチロン、私の様な外国人の眼から見れば、当時のイランの社会の様子だとか、或いはその中で端的にごく抑圧的な大人たちの振舞いとかをより好奇の眼差しで見つめるコトも出来るのでしょーし、また或いは物理的な情景そのものを余計に面白く観れる…というコトも確かにあるのでしょう。ただ重ねて、そーいうコトじゃない…というコトにも思われるのですよね。恰好を付けて分った様な口を利いてしまうのなら、コレはもっともっと映画製作者としての根源の部分に在るモノの問題だ、と思ったり思わなかったりもしたりして…と。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-03-12 21:18:25)
26.  ザ・ホエール 《ネタバレ》 
非常に観応えの有るドラマだったとは思うのですが、かつ表現の面でも何故主人公があーいう人物として作中に据えられて居るのかとかには(最後まで観ると)ごく納得がいったのですが、それでも何とゆーか、やはり根本的に主人公の人間性自体には納得がいかない部分がかなり有って、結果「うーん…」みたいな観終り方になってしまったという感覚が強いです。描かれない時間の中においても、どー考えても極めて「自分本位」な人物だったのだろうとは思えていて、だから娘のエリーの(字ヅラは)ごく過激な発言の方が、私にとっては100倍説得力が在った様に(また)思えてもいまして、どーにもなんだか入り込めなかったな…(醒めた眼で観てしまってたな…)という感じなのですよね。  ただ、重ねてそれこそが、今作の表現の結実する最たるモノ=自分の中の自分が暴走して肥大化した成れの果て、というコトだとも思うのですよ。また、それダケを殊更に見せ付けてやって満足する…という作品ではなかった=チャンと他のモノ・それダケではない別の結末も提示してくれては居たとは(確実に)思えるのですよね。いったん、そのうちもう一度観ようと思うのを予感したうえで、この位の評価にしておきます。
[DVD(字幕)] 6点(2024-03-12 10:25:07)
27.  ナーズの復讐III ナーズ軍団、最終決戦!<TVM> 《ネタバレ》 
1作目からは8年後の続編なので、この手の学園ものによくある「同窓会的」なつくりになっていて、学生ナードとして登場するのは次世代ってコトになってます。1作目で可愛かったベティが再登場してる(+また美貌も健在)なのは好いとしても、結構肝心なギルバートは別の役者に替わってる…てのはなんか非常に残念すね⇒ただ、他の役者は続投で、かつ終盤の肝心なルイスのピンチに揃って駆けつける感じはやっぱ好かったと思いますケドね。あのアルファ・ベータのリーダー、スタンに係る結末部分も含めて、大団円としては(ほぼほぼこーなるしかないとは言え)やっぱこーなって好かったと・悪くはなかったかなとも思います。学園ものは、売れるとこーいう「ボーナスステージ」的なのが数年後に自動的につくれる(⇒我々はそれをまた観れる)からなんかお得ですよね。  しかし、前述の「次世代」の連中に関しては(途中からまた完全にルイスの話になってっちゃうので)非常に中途半端な描き方になってしまっててそこは多少残念だったかな…と思いましたし、何よりまた展開運びがテキトー全開なのですよね⇒特に、ジョックスがナードを陥れてゆく仕掛けの部分が非常に雑=こんなん到底社会的に許されないだろ!みたいな卑怯で非合法でバレバレな手段を使いまくるってゆうリアリティの無さ、なのです。この感覚は多分、今観ると尚更に倍増されている=当時はもっと本当にナードの扱いが酷かったからまだ成立しなくもなかった…みたいなコトにも思えて居て、それは多分作品としての「陳腐化」という解釈をするしかない部分なのかとも思いますかね。再度、同窓会部分はまだしも、コメディとしてはやはり一流とは言えないかな…と思いました。
[ビデオ(字幕)] 5点(2024-03-10 17:38:18)
28.  ナーズの復讐II ナーズ・イン・パラダイス 《ネタバレ》 
1が面白かったなと思って2・3を観たのですが、その続編2作品って基本「同じコト」をやってるダケなのですよね。で、重ねて1はドラマ的・ヒューマンなテーマ的なトコロがチャンと描かれていたので(個人的にかなり)面白く観れたのですが、2・3は別にそーいう感じでもない(単なる)おバカコメディなのですわ。だから、どーしたってそんなに面白くは観れなかった…としか言い様が無いのですよね(少なくとも最低限、暇潰し以上には為り様が無い…てな感覚でして)。  取分けこの2作目は、その「同じコトやってる」のレベルもまたひとしお…とゆーか、学内のアルファ・ベータをブッ倒したのが前作だとすると、今後はその全国版が相手だ!みたいなコトでしかねーのですし、別に相手のレベルがどこかしらアップしてる…なんてコトもねーので(また少なくとも)続けて観るのは配給側で禁止してくれてないと困る!としか言い様がねーのですね。多少、おバカコメディ的にハッチャケる・やりすぎる部分で派手さが向上してる箇所も無くはなかった気もしますが、それダケっすね。先に、3は(それでも)多少その他に言及するべき点もあったかとは思ったのですが、今作は正直観るのを飛ばしてしまっても好いかも…とすら思います。
[ビデオ(字幕)] 4点(2024-03-10 17:26:27)
29.  DOGMAN ドッグマン(2023) 《ネタバレ》 
リュック・ベッソン監督作ですし、冒頭の主人公の「見た感じ」なんかからも、観始めた時点では引き続き流行のヴィジランテものと、先般の『ジョーカー』のミックスアイデア的なヤツかな~と思ったのですよね。ただ、その主人公がいったん捕まる冒頭から精神科医との対話という形式で始まる彼の「自分語り」の内容としては、そこまでアクションに振れ切っているワケでもないドラマ要素強めの時間が結構続いてゆくコトもあって、観終わってみると、私がさっき言った様なカテゴライズし易い単なるジャンル映画ってワケではなくって、もうちょっとつくり込まれた作品かな…という感覚には、私の認識もチャンと変わって居たかとは思いますね。  ポイントはまず、その自分語りの中で語られるエピソードがごく奇抜かつ意外とヴァリエーションに富んでいるコト、加えて何より「犬たち」の存在のユニークさ、ではありましょーかね(⇒後者は、より物理的描写の面におけるユニークさとして作中に結実しているとも思われますが)。なので、まず特にその奇抜さの存在ゆえに、全編ごく物珍しさを持ち続けて全く退屈なぞせずに観てゆけた…という気はしておりまして、娯楽作としてはフツーにワリと満足感は高かったと思うのです。難点があるとしたら、その登場する「奇抜な要素」の幾つかは、ドラマ・キャラクター上の必然性よりは要素そのものの奇抜さを作中に持ち込むコトを重視している…的な感じではありまして、だからやや「流れに沿ってない」と言うか作品が総体として統合されているか、という点については少しダケ違和感には成っているかな…とも思いましたかね(⇒特に要は、主人公は「犬使い」としての異能を既に備えている一方で、ピアフやディートリッヒを生き写しに出来るなんて類稀なドラァグクイーンでもある、そのコト自体は流石に「ご都合主義だ」とも思えるってコトですよね)。  ただその上に、前述の作品としての「統合」という意味では、上で書いたコトよりも更に重要なのは正にキャラそのもの=演者の演技のクオリティ(説得力)にあるとも思うのですね。そしてその面では、今作の主演のケイレブ・ランドリー・ジョーンズのその面の仕事とゆーのは、率直にコレは実に申し分ないモノだったと(また)思うのです⇒個人的には別に、あの『ジョーカー』のホアキン・フェニックスのソレにだってそこまで全然引けを取る様なモノではない…と。なので、心置きなく一点加点した上で、更にプラス、監督のファンで彼のアクションが好きって方には全力でオススメしておきたいと思います(正直、少なくとも『レオン』後の彼の作品の中でだったら、個人的には現時点で圧倒的に一押しでありますね)。
[映画館(字幕)] 7点(2024-03-10 09:05:39)
30.  銀河鉄道の父 《ネタバレ》 
この映画でも、クライマックスでは引用されていますが、宮沢賢治の『雨ニモマケズ』って何度読んでも本当に善いコト言ってるよな…と思うのですよね。だから、根本的には彼の伝記映画である今作も、そのテーマの部分については誰しもが絶対、全く興味が無いなんて在り得ない、とも言って好い様な普遍的で手堅い題材だ…とまずは思います。加えて、今作はそれを明示的に彼の家族の「複数視点」から語る…というコトで、2時間の映画のドラマとしてもまた確実に手堅く仕上がっているとも思いますし、タイトルにある通り彼の父親=役所広司さんに対しては特に、感情移入も非常に容易で、だから全体としてもより観易い…とも言えるかと思うのですね(⇒たぶん、宮沢賢治本人というのは、こういう場合に必ずしも感情移入し易くて+2時間を眺めてゆき易い、という人物でもないのかな~とは思ってますよね)。  再度、観易く分り易く共感し易い宮沢賢治の伝記映画…という時点でその価値は十二分だと思ってはいるのです。ただ、観易い一方で(逆に必然)賢治本人に対する掘り下げや解釈は浅くなっている様に思えたのも確かで、此処は完全にトレードオフとして致し方無い部分かも知れませんかね。全体としては演者のクオリティもごく行き届いていたコトも踏まえて(⇒役所広司さんはやっぱ凄いな~とまた思いましたが、菅田将暉さんの安定ぶりも負けず劣らず、プラス森七菜ちゃんもアクセントと言うか要所で立派に美味しく目立っててこのコもやっぱ凄いな~とは思わされてしまいました)いったんこの評価とさせて頂きます。また、宮沢賢治作品を色々読みたくなってしまいましたよね。
[DVD(邦画)] 6点(2024-03-09 16:22:01)
31.  ナーズの復讐 集結!恐怖のオチコボレ軍団 《ネタバレ》 
正直、例のフラタニティ・ソロリティとかって要素についての理解が全く無かったので、その辺のワケの分からなさがある種のコメディ風=ボケっぽく見えていたコト(⇒「全ギリシャ会議」とかってヤツに関しては最初ホントにボケかと思った)を差っ引くと、観終わると更に「単なるコメディじゃない」って感覚にもなるとゆーか、本質的には相当にマジメな方の=ごく真剣でシリアスな何らかの「叫び」がその根幹に存在している…て作品だと思うのですね。モチロン、また相当に極端なカリカチュアの集合(によるコメディ)だとは思うのですし、だから見た目ダケ・彼らの振舞いの上っ面ダケを観ていても全然クスクス出来てゆく様なコトではあるのですが、何つーか他のこーいう系(⇒例えば同時代の『ポーキーズ』とか)に比べても、ネガティブな方の言い方をするなら諸々と実に「ジメっとしてる…」みたいな感じなのですよね。  ただ、重ねてそこそこコメディとしても楽しく観れたのではありますが、だからこそ+今ならば尚更、その「叫び」に対する共感とゆーのは当時より遥かに容易に為っている…という感覚もまた非常に強力なのです。それこそ、私なんか絶対にこんな価値観の蔓延ってた時代のアメリカに生まれなくて好かったな…とつくづくホッとしたとゆーか、こんなんだから当時のアメリカはダメダメだったんだよ!とマデ思えたと言いますかね(⇒まあ別に日本含む他の国がより好かったってコトでもねーとは思います)。また何となく正直、コレこそ今にこそ観直すべき青春コメディなのではねーかと思った…てのが、今作を観ての結論的な感想なのでありまして、個人的には意外なホドにスゴく観て好かったって感覚ですら居ますよね。  惜しむらくは、チープな青春コメディとしての建付けもあってか、そのカリカチュアの一部には少しやり過ぎ=今般では最早許されないレベルの、諸々の「差別とも捉えられ兼ねない描写」も含まれていて、それがちょっと頭の痛いトコロではあります(この日本でソコまで普及していないのもズバリ、登場するナード日本人のそーいう描写の所為だとは思えますし)。それでもあくまで個人的には、もう少しダケは普及しても・アクセスが容易になっても好いであろう作品には思えるのですケドね。    ※余談:要は今作って、今となっては大流行中の「多様性がテーマ」って作品だと思うのでして、そして作中にもかなり雑多なソレが出てくる中でも、少なくとも他のソレを否定する・傷つける様な在り方をしないのであればダレがドレのどーであっても別にイイじゃない!というメッセージ自体は、ジェネラルにしっかりと伝わって来る…てのが(作品としての)いちばんイイ所だとも思うのですね。がしかし、更に思考を一歩前に進めて(とゆーか自分自身の大学時代を振り返って)その多様性を受容するという大前提に立った上でも、それでも他方で非常にプリミティブな次元において何らか「共通言語」を持っておくとゆーのもまた大事なのではねーかな…とは思ったのですね⇒また要は、今作はナードの勝利を描いてはいるケドも、それは唯々「オタク」に為ってゆけば・凝り固まってゆけば好い…なんてコトではねーのだ、と。その「共通言語」って、例えば作中では「音楽」とか「恋愛」とか、或いは「酒」とかだった様には思えてるのですが、最近だとこれらって、ソコまで共通言語として機能するかな?みたいな感覚もワリと強烈に在ったりもして(⇒仕事で所謂「Z世代」と絡むとホントにそう思わされる)、まずはやはりジェネレーションギャップを感じると同時に、そもそも今ってそーいうのってあるのかな?(⇒それが無いとしたら実はそれこそが…)みたいに思えたりもしましたよね。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-03-09 12:05:28)
32.  マッチング 《ネタバレ》 
内田英治監督としては、ちょっとチャレンジングなジャンル…なのかとも思えますが、ホラーと言うよりはサイコ・スリラー or サイコ・サスペンスと言うべき作品ではあって、要は謎解き要素が結構モロにメイン…みたいな感じではありますかね。ただ、それで居てホラー的にビビらせようって部分もかなり手堅く仕上がってたかな…とは思えてまして、その面の見応えも決して悪くはなかったと(まずは)思います。加えて前述どおり、より肝心なサスペンス部分についても、その「片側」の方はモ~これ見よがしに終盤手前で見当が付いてしまう…のですケド、そっから先に実は更にトリックが2つも3つも在る…てトコロに関しては意外性も高くってまま好く出来てる方だ…と完全に思えましたですよね。先に結論、再び少し迷ったりしたトコロでもありますが、先年の『キャラクター』より評点を下げるのはややフェアじゃない…的な感覚が強く在ったコトからも、一旦この点数としておきます。フツーに面白く観終われたな~と全然思える感じなのですよね⇒お暇なら是非。    ただし一応、ホラーマニアの眼からすると重ねて、それでもワリとホラー(のレベル)に見えなくない箇所も在ったってコトで、逆にその面からはイチャモンをつけたくなる部分も在る…みたいな感じなのですよね(⇒再度、謎解きが主眼の映画だとは思うので、コレは完全にイチャモンでしかねーのでありますね)。その一つは、シンプルに全体的にかなりテンポがマロいコトで、コレは所謂「ヒトコワ」系であれば(ホラーとしても)まま採り得る選択肢であるとは思うのですが、それでも一旦のクライマックスを越えた後の例の20分位については、流石にちょっと「勿体ぶり過ぎ」かな…と思ってしまったのが正直なトコロですかね⇒ホラーだったらもっとテキパキしてる方が妥当かな…的な感覚ってコトですね。  もう一つ、私が単純に(意外と)土屋太鳳ちゃん大好きだから…てコトなダケって気もしますケド、今作はこの終わり方だと流石にちょっと太鳳ちゃんを「イジメ過ぎ」みたいな感覚も在りますかね。特に、ホントにホントのオーラスを迎えても尚、彼女の恐怖=恐怖すべき状況自体がほぼ解決されて居ないっちゅーのは(少なくともホラーとしては)またちょっと頂けない…と思ってしまいます。あと重ね重ね、そもそも何よりそのラスト20分位って、佐久間大介くんの方に主役自体が移っちゃってない?て気もしちゃったのですよね。再度、もし根本的にホラーであったなら、この「途中で主人公が変わっちゃう」てのはやっぱまた非常に頂けないと個人的には考えてるトコロがありまして(⇒ダレがナニに恐怖してるのか?という一番根本的な捉えるべき「感情の流れ」が絶対的に途切れてしまうから)その意味からも流石にちょっと、オーラスのあのアップのカットだけは少し「やり過ぎ」だったのでは…て気がしてしまってますかね。太鳳ちゃん自身の演技の面でも、少~しキャラ自体においても「軸がブレてる」みたいな感じもあった様に思えて、その意味でも(特に終盤は)演技自体も多少ボヤけちゃってたかな…という気もしたりしてます。その辺りは、やや心残りになってしまってる感じではありますかね。
[映画館(邦画)] 7点(2024-03-08 16:42:33)
33.  黒いジャガー 《ネタバレ》 
何とな~く、当時ヒットしたのはまァ分かるな~てな感じの悪くない出来にも思えるのです、が今今に観直すとちょっとあまり盛り上がらないかもな…みたいな感覚もありますかね。今作もブラック・ムービーの嚆矢の一つってコトではあるよーで、登場人物(勢力)は総じて黒人の方々が主体って感じではあります、がまずソコに無暗に人種的対立を捻じ込んでいる訳でもない様にも見えていて(=メインのバトルは黒人勢力の三つ巴!みたいな感じだし)その意味でもより娯楽的にシンプルに観てゆける作品だって気もしてますかね。肝心の主役、黒人私立探偵シャフトの(キャラやルックス含めての)総合的な魅力も、個人的にはまずまずではなかったか…と感じます。ただ、お話の内容&描写のレベルはごくクラシックなクライム系のソレ…とゆーか、重ねて現代ではクライム「アクション」とまで言っちゃうのは厳しいかも…みたいな感じでもありますかね。再び、クラシックなソレとしてノンビリ暇な時に観るなら、決して悪くはねーかも…とは思えました。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-03-08 15:11:16)
34.  スウィート・スウィートバック 《ネタバレ》 
70年代前半からのブラックスプロイテーション(ブラック・ムービー)流行の嚆矢となった作品…とのコトなのですが、正直言って「は?」とゆーか、その手のヤツとは全く完全に方向性の違う、エンタメでもナンでもない(⇒B級ではある…のかも知れませんが)完膚なきまでのアート系!みたいな作品なのですよね⇒余りにも、余りにも全てが「異質」すぎるのです。お話の内容自体は、クライム系(逃避行系)…なのかも知れませんし、んで描写の所ドコロは(確かに)ポルノだったりバイオレンスだったり…とマデは言えるかとも思うのです。が表現自体としては、諸々の演技の感じも・雑な録音の質感も・画面のつくり方&音楽の流し方とかだって(その終始一本調子でかき鳴らされ続けるやや暢気なBGMは、あのアース・ウィンド・アンド・ファイアーが演奏してるらしーのですが)フツーの映画だったら全部「在り得ない」ってレベルの逸脱だと思われるのです。再度、到底、エクスプロイテーションってレベルの(娯楽的に使用できる)作品ではないと確信しますし、芸術系だとしてもそのエキセントリックさはモ~最高レベルに近い方かとも思います。そして、それでもその一方で、作品の背景に明らかにメッチャクチャ明確に、監督の「言いたいコト=叫び」が完全に貫かれて存在している…が故に、映画としてはともかく表現物としては何一つ「成立してない」なんて感覚が皆無…でもあるのですよね。。確かに、凄い作品かな…とは思ってしまいますかね。。
[DVD(字幕)] 6点(2024-03-07 22:19:05)
35.  マダム・ウェブ 《ネタバレ》 
ちょうど、ダコタ・ジョンソンがかなり思い切ったコトを言ってるインタビュー記事が出てきてしまったタイミングでの鑑賞になりましたが、私も正直「うーん……」とか「ムムム……」とか、結果的にはちょっと頭を抱えてしまう様な感覚の中で観終わったのは否めませんのですよね。まず、マダム・ウェブなんてキャラについては(元々)知ってるハズなぞ無いのですケド、鑑賞後に英語版Wikiを読む限りではそもそもも大体こーいう感じのキャラってコトで好いよーです。「未来予知」てのは一見は確かに、ヒーローの能力としては地味ではあるかとも思うのですが、ゆーてそれでもオーソドックスっちゃあオーソドックスって言って好いモノだとも思いますし、逆にそーでないとも思ったりもします。それは端的に、もし完全にコレがコントロール出来ちゃったら最早ちょっと「強すぎる」とゆーか、最低限確実に「飛び道具」と言うべき大いにクセの有る能力ではある、と思うのですよね(根本的に)。  こーいうキャラがサポート役に回る…つーのは今まででも幾らでも観てきたとも思うのですケド、今作では彼女=マダム・ウェブが完全に主役なのですし、他に味方に肉弾戦用のキャラも居ないという中々にストロングスタイルな状況なのです。コレはやっぱある種、何年も前から言われてきた「いつまでヒーロー映画ばっかつくってんだ!」状態の打破…とゆーか、シンプルに「一味違った」ヒーロー映画をつくろうとして⇒結果的にヒーロー映画だか何なんだか好く分からないケドも(それでも)ヒーロー映画としか言い様が無いという珍妙なモノが出来上がった…としか(また)言い様が無い様な感じなのですね。特に、マーベル初の本格ミステリー…な~んて宣伝文句は完全に嘘っぱちでしかない!としか(またまた)言い様が無い有様で、私自身も実際に鑑賞してこの支離滅裂さを思い切り体感してしまうってーと、正にダコタが言ってたのはこのコトか…としか思えないという状況ですよね(企画当初はだから、チャンともっと全然ヒーローものっぽくない映画だったんじゃねーかな…と)。  重ね重ね、支離滅裂とゆーか・完成度がどーにも低いとゆーか、特に展開運びが随所で異常に「強引」に思えるコトとか、何処にも彼処にも何とゆーか不要な=必然ではない捻れや葛藤・鬩ぎ合いが芋洗い状態だ!みたいな感覚も在ります。加えてあと、かなり個人的なコトなのですケド、私はどーにもあの手の「実は幻でした=現実じゃあありませんでした」系の描写がとにかく苦手で、それが連発される中盤のシーンはまたどーにも居心地・気持ちが悪くてそれも好みではなかったりもしましたね。ただ、そんな中で一つダケ、そーいった(若干ホラー的な)居心地の悪さも含めて、唯一今作においては「今までのヒーロー映画になかった」質感、とゆーのダケは、こーいった変化球的なヒーロー映画の数々の中でもトップクラスに高度に感じ取れた…とも思うのです。中でも特に、腕力ゼロだケド⇒予知能力と知恵を駆使してピンボールみたいな闘いを繰り広げる…なんて、それこそ「ジョジョ」だよなコレ…と思ってしまったのも事実なのでして、だからジョジョ好きな私としてはその「トリッキーな戦闘」に特化してフツーに分り易いヒーロー映画としてやってくれたら、絶対にもう少しダケはマシな出来には成ったのではねーか(+更にその部分に斬新なアイデアとかが積めていれば、良作にだって成り得たのではねーか)とちょっと思ってしまったりもするのですね。個人的には、かなり「惜しまれる」作品…と言って好い様な感覚もあります(⇒どこかで何らか再利用されれば…とは思ってしまいますかね)。
[映画館(字幕)] 5点(2024-03-07 00:42:02)(良:1票)
36.  吸血鬼ブラキュラ 《ネタバレ》 
ブラックスプロイテーションというジャンルが在るのだそーで、コレはズバリ黒人観客に観てもらう為に黒人のキャスト(+スタッフ諸々)を起用したった…という意味でのエクスプロイテーション(⇒B級映画)の一種だってコトらしいのですね。ただ、だとするとソレを「~プロイテーション」と言ってしまうのは(少なくとも)「余計なお世話」にも思えるとゆーか、ソレはナンなら全部そージャン!という気がしてしまうのも確かですね。なので、最近はこーいうのは「ブラック・ムービー」って言っちゃった方がより適切なのかも知れません(⇒ジャンルの用語としてはやや範囲が広がって+曖昧になってはしまうのですケド)。  今作は、その70年代初頭の「ブラック・ムービー」の中でも比較的有名、かつつくりがしっかりしてる方…とのコトで、観ると確かに当時(とゆーかちょっと前)のハマー・フィルムの怪奇映画…位の質感は間違い無く有していると(私も)思いました。とは言え、筋書き自体は結構ムチャクチャではありまして、何故かルーマニアのドラキュラ伯爵の城に奴隷貿易を止めさせに来た部族の長が、逆にドラキュラの呪いを受け棺に封じられ⇒そして現代のロサンゼルスに復活する…みたいな(ワリとトンデモな)ヤツですね。多少面白いのは、流石にロサンゼルスはトランシルバニアの山奥ではねーのでブラキュラがちょっと血を吸うと⇒結果的に吸血鬼がドンドン増えていく…みたいなゾンビ的要素のある種の先取りがされているコトと、そして何よりクライマックスで思ったより潔く死んでゆくブラキュラのキャラクターそのものですね。そーなのです、ブラック・ムービーだからって主役のドラキュラをブラキュラにしちゃってるってのは、よく考えるとナンか変じゃね?(逆じゃね?)みたいな気がワタシ最初っからしてたのですケドも、ソコはフツーにチャンとしてました…てコトかと思います。結論、隅々まで中々に物珍しくて面白かったので(+終盤は結構派手に盛り上がってフツーに面白く観れて居たので)ココは一点プラスしておこうかと思います。お暇ならそのうちどーぞ。
[DVD(字幕)] 5点(2024-03-05 21:34:16)
37.  HUNGER/ハンガー(2008) 《ネタバレ》 
思ったより、中々に難しい映画でしたね……よくある「正義vs正義」の戦いと言うよりは、コレはもう「非正義vs非正義」のソレだと言うか、感情移入・共感とかが容易には出来ない or 意図的に出来ない様なつくりにしてある、と言いますか。個人的には、作中のこの時代の真っ只中ならともかく、現代では尚更に「目的の為なら手段を選ばない」なんてのは全く通用しない状況になりつつある…とも(当然の様に)思ってますしね。寧ろ「正しい手順・プロセスでソレを追求できるコト」の方が、そういう「目的」を掲げる為の第一条件だ…とすら⇒その部分に正しさを持たない集団に掲げられたのならば、寧ろその目的の「正しさ」の方がすら不当に失われ得る、とさえ。  難しいというのは取り分け、実に淡々と冷徹に事象を(比較的ニュートラルに)描写してゆくに留まる、という点で、今作からはほぼほぼ如何なる「意見」をも汲み取れない…と思ったってコトなのですね。おそらく、主人公の(実在人物である)ボビー・サンズに対するシンパシーというモノは感じ取っても(+ソコに共感しても)作品の流れとしては許されるかな、とは思えるのですが、私としてはソレ以上のモノは無い、と言うしかない様に思われたのです。個人的なポリシーとして、コレはドキュメンタリであればごく「適切な」コトだとも思えるのですケド、そうではないこの作品に関して言えばコレもまた「難しい」というコトになるかも知れません。ごくシンプルに、この歴史的・政治的事件の映像的なアーカイブとしては、十分に価値の有る映画だとは思いますが。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2024-03-02 21:43:08)
38.  ARGYLLE/アーガイル 《ネタバレ》 
公式サイトとかの作品紹介にもある通り、主人公の小説家が書いたスパイ小説が作中現実世界の陰謀に(何故か)ソックリで…というお話なのだったら、そりャまァコメディにしか為らないだろ…とは思われるのです。が、今作はソコにチャンと「仕掛け」が在った…とゆーか、観てると更にその仕掛けってのがドンデンドンデンと最後まで二転三転してゆく…みたいな、より仕掛け=ストーリー重視って方のスパイ・アクションだったと思われるのですよね。なので同時に、アクション自体はソコまでド派手!てワケでもないよーなワリとアナログ・レトロ・肉弾戦主体、みたいなヤツだったとも思うのですが、それでもまたソコにも監督一流の端的なクオリティに加えて意外性も再び多分に含まれていて、一押しな場面でかき鳴らされる(また)レトロなディスコサウンドのノリの好さも相まって、意外にかなり楽しく長尺を観切るコトが出来て個人的には満足度高かったですね(全然ソコまでコメディに振れてるってワケでもねーのに妙に楽しかった)。例の如くの下品さ・グロさ+(無駄な)エロ、とかがごく控えめだったのも好印象です。様々な層の方々に概ねオススメできるって感じかと思いますね(キャストも地味に超・豪華ですし)。  多少、指摘とゆーか難癖とゆーか論っておくなら、まずその「仕掛け」の最も肝心な部分が、こないだ観た『ドミノ』のヤツにナンかちょっと似てる…とゆーのは言わずには居られないトコロではあります(⇒まァ『ドミノ』を観てない・観る気が無い…てなら全く気にする必要が無いコトでもあります)。もう一点、私が『ジュラシック・ワールド』を観てないのがいけないのかも知れませんが、ブライス・ダラス・ハワードって何時からこんなに顔まん丸なんでしたっけ?実にふくよかちゅーか太ましいっちゅーか、そんなんで終盤はも~プリンプリン!を通り越してブリンブリン!て感じに暴れ回ってくれるので、私もこの年になって見てると「膝に悪そう…」な~んて余計なコトを考えちゃったりもしまして、ですね。。
[映画館(字幕)] 7点(2024-03-02 00:06:16)
39.  地獄の血みどろマッスルビルダー<OV> 《ネタバレ》 
自主製作で15年掛けて2009年に完成…とゆーコトで、それでも俳優を使った主要部分の撮影は90年代中盤~2000年代初頭までで終わった⇒そこから延々編集等してた…て事情のよーです。画質が超・荒いコトを脇に置けば、確かに登場人物の感じ(ファッションとか)的にも90年代っぽい質感ではありますし、ホラー的にもそれこそ、まず全体として『死霊のはらわた』に非常に似通ってて、後は『死霊のしたたり』『ブレインデッド』とかこの頃のドイツの(キ○ガイ)連中、とかの質感にもかなり近いモノ・描写の似ているトコロを感じ取れますかね。加えて自主製作ってコトで、個人的には『鉄男』みたいな味わいもまま高度に感じられたかと思います。  重ねて、ホラーとしては90年代スプラッタのごくコッテコテなヤツ…を志向してる作品だと思うのですが、まず最初にあくまでB級としては、全く全然好く出来ている・完成度の高いジャンルホラーだと思いましたよね。モチロン「B級として」ってコトで画質をはじめそこら中の「安っぽさ」には目を瞑るとしても、構成や全体のテンポ・スプラッタの分量+過激さ・(コミカルに振った)オチの付け方、なんかからは、先に述べた完成度や纏まりに加えて監督の「信念・美学」といったモノまでごくしっかりと感じ取れたと言いますかね。やはり何より「こう撮りたくて=こーいうのが好きだから」こう撮っている、とゆーのが実にヴィヴィッドに伝わって来る、そのコト自体が大きくまず一つ、そしてそれに(個人的に結構に)共感できてしまう…とゆーのが二つ目として、それ自体はある意味「(B級)映画鑑賞」とかって次元に無い別の行為の齎す快感ではなかったか、と思ってしまいました。最近だとそれこそ『JUNK HEAD』を観た時に得た感動にも非常に近いな…と。  再度、ホラー好きにならば全力でオススメ出来る作品だと思いますので、お暇なら是非。プラス、私の観た完全版(2012年に監督が微修正を施したバージョン)のレンタルDVDだとオマケで監督のインタビューが収録されてるのですが、この短い10分強の内容がま~た非常に面白かったのですよね。こちらも是非、併せてご覧いただければと思います(正直、ココで1点アップしてます)。
[DVD(邦画)] 7点(2024-03-01 14:27:51)
40.  女相続人 《ネタバレ》 
中盤までの感じは正直、時代的にも超・コテコテなメロドラマ…みたいに見えてたのですが、そーするとそこでハヴィランド自身は(そりゃ実年齢30過ぎなのですから)再び素晴らしく美人ではあるモノの⇒世間知らずの箱入り娘=個人的にはどう見繕ってもハタチ前後のキャラ、には流石にちょっと見えないかも…みたいな感覚もありましてですね。しかし、その序盤のパッとしない感じが逆に、中盤で恋を得てドンドン活き活きと輝き出すサマを描いてゆく上では非常に効果的だったかも……な~んて思ってたトコロからのこの「ドンデン返し」にはまたもや、私も流石にちょっと「震えて」しまいましたよね。正に名優と称するに相応しい超演技で、オスカーも納得だとしか言い様がありません(⇒てか、こと現代に至っては、最早この彼女の演技のみを観る為の映画だ…とすら言えると思いますよね)。重ねて極めてシンプルなクラシックだと思いますが、確実に傑作だと思いますね。
[インターネット(字幕)] 8点(2024-02-27 23:29:08)
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