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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1635
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  叫びとささやき 《ネタバレ》 
憎悪・苦痛・不安・猜疑・嫉妬・疎外感…人間の持ち得る負の感情を様々に描き込んだ重苦しい映画だが、登場人物の背景や具体的な人間関係の説明はごく限られており、だから何故彼女らがそういった感情を抱くに到ったかという「理由」の部分はあまり明確にはなってゆかない。むしろ、敢えてそれを説明しないことで、それらの感情をより純粋なものとして描こうという試みにも思える。ベルイマンの他作品を観てもたびたび思うことだが、ひとつのストーリーと言うよりは絵画的な、それも抽象画的な映画だと感じるのですよね(その意味では終盤、アングネスを抱くアンナの場面の画づくりなんて完全に巨匠の手に成る傑作のレベルでしたよね)。  内容的にもそういった傾向がある様に思われるが、やはりそういった描き方の手法的な一助となっているのが、映像表現のクオリティの高さ。舞台となる屋敷の諸々にせよ、服飾やメイク・髪型にせよ、非常に細部まで拘り抜き、かつ高度な統一感を保つことで、実に見事な抽象的・非実存的映像空間の構築に今作でも成功している。そこに加えて、今作では女優4人の演技がいずれも超ハイレベル。完成度、あるいは芸術性、という意味では、確かにこれも映画史における屈指、という域にある作品であろう。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-12-07 07:15:38)
22.  太陽を盗んだ男 《ネタバレ》 
確かに少し冗長なのは否めませんが、個人的にはそんなに気にならないとゆーか、むしろこのかったるさが本作でもアメリカン・ニューシネマ的と言える様な優れた閉塞感の醸成に一役買っているのは間違いないワケですし(私、こーいう雰囲気大好物なのですよね)。原爆製造という大それたコトを仕出かしておきながら、主人公には動機も目的も何にも無いというのが、どこまでも実に行き詰まっているじゃあないですか。(実際の映画制作場面も含めて)やってはいけないコト&タブーな設定を盛り込みまくった作品ですが、主人公自体は別にそこまで反社会的・反権力的というワケでも無くて、ただ原爆でも造らなければ自分の存在意義すら実感できないという哀れな男なだけに見えます(→だからこそソコに少しだけ共感すらできるのですケドね)。反権力的なのはむしろ池上季実子の方ですよ(まあただバカなだけという風にも見えますが)。極めて荒唐無稽な作品でありながら、描かれる人間の有様は驚くほどに血の通った切実なモノであり、ココに関しては単純にアメリカン・ニューシネマ的とも言い切れない、中々に面白くてかつ独特な質感が醸し出せていると感じます。  一方で、クライム・アクションとしての出来にも随所で非常に優れたモノがあります。デパートに捜査員が殺到する場面や終盤のカーチェイスなど規模の大きい撮影の出来が見事なのと、あとは何と言っても抜群な菅原文太ですね(正に鬼神の如く、というか)。ある種、二度美味しいタイプのお得な映画と言えるのではないでしょーか。今後もますますマニアック扱いになっていく作品だと思いますが、映画好きなら観て損はないかと。
[DVD(邦画)] 8点(2020-12-05 19:44:00)
23.  ディア・ハンター 《ネタバレ》 
特に第一章のパートで、そして全体としてもかなり重いテンポで、所々確かにやや冗長に思える箇所も在るとは言えるだろう。ただシンプルに、この重苦しさをそのまま作品全体の空気感として取り込むための演出方針であるのは明白であり、それ自体は分かり易くシリアスな見応えを形成することにも成功しているし、決して悪くない選択だと思う。中盤から後半にかけては随所に心を穿つ様な威力・迫力のあるシーンも増えてゆき、この(反戦と言う)題材の映画としては間違い無く一級品&ある種の水準を示す傑作と言ってよいと感じる(やや、オーソドックス過ぎる感は無くも無いケド)。  ベトナム戦争、という大きなひとつのコンセプトに関して言えば、中世以前ならばともかく人道主義が普及した現代に至っては、人は守るべき人々の為にしか本気で戦うことなど出来ないのではないか、ということをひしひしと感じる。それが侵略されたベトナムが勝利した理由であり、既に個人主義化したアメリカが敗北して絶望的な虚無感を抱えた若者が大勢生み出された理由なのではないか、と。その意味では、種々のテロ組織を影で操っているのはCIAだ、なんてのも、あながち単なる陰謀論でもないよーにも思われてくる、というか。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-11-07 01:40:15)
24.  ざくろの色 《ネタバレ》 
確かに、アート系映画というよりは映画系アート、映像である以上に静止画としての美的価値の方をより評価するべき作品にも思われる。要所要所の画を引き延ばしてプリントして、美術館に飾って展覧会を開く(音楽は場面場面でのそれを流しとくとして)方が、更にじっくりと画の美しさに浸れて好いかも知れない。  個人的にはやはり、肌を塗った人物のシーンのあまりの美しさ・非実在感が衝撃的だった。この古びた映像の質感であーまで幻想的にやられると、本当に中世の古い美術品が現代に蘇って動いている様にしか思われないというか。映像で観流してしまうのがあまりにも勿体無いホドにひとつひとつの画の中に盛り込まれる種々の「こだわり」も、しばしば巻き戻して観直してやっと十分満足できるくらいに完成度が高かった。  映画館で一回観て見事に別世界に行けたのだけど、ちょっと消化不良だったのでDVDで再見してようやっと楽しみ切れた、という感じ。トリップしたければ映画館での鑑賞がオススメだが、消化不良になるのが嫌ならDVDで観るしかない(やはり、美術展形式でやって貰って好きな様に観るのが好さそうですね)。
[DVD(字幕)] 8点(2020-11-05 21:39:47)
25.  ミツバチのささやき 《ネタバレ》 
まず、雰囲気が素晴らしいですね。キュートな子役を活かした可愛くて楽し気なものや、古い時代のノスタルジックさ・牧歌的なものを多分に含みながらも、やはり奥底に暗い世相を的確に反映する打ち沈んだ様な重さを湛えた静謐なその空気は、非常に緩慢でありながらも実にエレガントで私にはとても心地良かったです。画的な部分のクオリティも見事でした。例えば、広大な農地にポツンと佇む廃屋に子供2人が向かってゆくシーン、そして、これも子供2人が線路脇に佇み、その傍を巨大な機関車が通り過ぎてゆくシーン。子供の小ささと対象物の大きさの対比というか(それは単純なスケールだけの対比のみに留まるものでもない気がしますが)、優れたコントラストがとてもグッドだと感じました。  話の内容も希薄な様でいて、ちゃんと観てゆけばそこそこ理解も容易で、かつ中々に味わい深いものだと思います。この映画の良さというものは、雰囲気であったり、芸術的・文学的な諸々であったり、その意味では確かに繊細で奥ゆかしいものだと思います。ただ、そういうものをウリにしている系統の映画としては、その各々が各々に一定以上の水準で優れていて、かつ全体としても難解すぎない、という意味で、非常にバランスが良好な作品だと思っています。オシャレな映画を観たい!(と言うかそのものズバリ、アート系を観たい!)と人に言われたら、個人的にはイの一番にオススメしたい作品ですね。
[DVD(字幕)] 8点(2020-08-14 23:42:26)
26.  ポセイドン・アドベンチャー(1972) 《ネタバレ》 
ハックマンに唯々諾々と従うボーグナインなど観たくないし、逆もまた然りである。激しく衝突しながらも生き残るために肝心な部分では見事なチームワークを発揮するご両人は、物語に(見た目的にも)重厚さと、そしてリアリティを吹き込むことに成功している。本作はスペクタクルとしても十二分に優れた作品なのだが、この2人に限らず、随所に描かれる人間の描写にリアリティと重みがあり、それが本作で一番面白い要素だと率直に感じる。  ふだん、牧師が人々に説くのは神の言葉、つまりはそれが正しい保証など無いものだとも言える。船の実際の状態など分かろうはずも無い状況で、強引なまでのリーダーシップを発揮するハックマンが皆の一応の信頼を集められる理由は、彼の言っていることの正確さではなく、彼がただ皆を可能な限り救いたいと強く願う意志の正しさにあると言える。この部分も個人的には中々味の有る設定だな、と思った。
[DVD(字幕)] 8点(2020-06-21 00:10:22)(良:2票)
27.  ルトガー・ハウアー/危険な愛 《ネタバレ》 
非常に汚らしいシーンや、必要以上に扇情的で直接的な(これはもはや率直に「猥褻」だと言える様な)性的描写のオンパレードには、監督2作目にしてヴァーホーヴェンの独特な個性が全開であり、この「下品さ」が彼のアイデンティティなのだということが否応なく理解できる。しかし、描かれる物語は「普遍的な」という意味で一種ありふれた愛の物語であり、それ自体は意外にも詩情的、かつどこか確実に美しさを纏っている。「下品さ」はヴァーホーヴェンの存在証明であると同時に、やはり一つの「手段」に過ぎないのだ。それが狙うところの「効果」というものを、本作では大いに体感できるだろう。この内容でアカデミー外国語映画賞ノミネートは、やはり伊達ではない。
[DVD(字幕)] 8点(2020-05-03 20:34:00)
28.  恐怖の報酬【オリジナル完全版】 《ネタバレ》 
やや長めの前段部分が少々分かりにくいのが玉に瑕(カットされたのも分かる気がする)。だが(人物の背景描写としての)試み自体は良いと思う。これも含め主筋以外の部分の作り込みが中々優れてるのも(割とどうでもいい部分のアクションとかも)個人的には好印象。  で、メイン部分は元ネタを踏襲してる箇所も多いが、部分的には間違い無く進歩させていると言ってよい出来。特に素晴らしいと思うのが「(全てを飲み込み腐らせるかの様な)ジャングルの絶望感」と、具体的には豪雨・吊り橋のシーンである。ラストも個人的には結構好き(元ネタより良いとは言わない)。リメイクとしては十分に合格点だと思うし(これを凡庸な二番煎じと見るのか、リスペクトと見るのかは難しい問題だろう)、単純に、確実に楽しめる傑作スリラーかと思う。フリードキンの代表作なのは言うまでも無い。
[映画館(字幕)] 8点(2020-04-29 03:29:12)
29.  ワイルド・アパッチ 《ネタバレ》 
『ロンゲスト・ヤード』や『カリフォルニア・ドールズ』は熱闘とはいっても命の遣り取りではないし、『何がジェーンに起ったか』は女の映画だ。アルドリッチなら、やっぱ主役は漢だろ!とくれば(前時代的でスイマセン)、『北国の帝王』『特攻大作戦』『合衆国最後の日』とかよりは、私は本作の方が好きなのですよね(か、異色だが『飛べ!フェニックス』もかなり好き)。  アパッチVS騎兵隊という構図自体は非常に一般的な西部劇であるとも言えるが、展開は極めてリアルで深刻・シリアス全開で少し疲れる程の見応えが有る。ウルザナとマッキントッシュはいずれも、感情を表情に出さない。殺し合わざるを得ない互いの運命と、それがもたらす悲惨な現実の全てを「達観」し、目的に向かって淡々と仕事をこなしてゆく様は正に正真正銘の熟達したプロフェッショナルであり、両人とも実に格好好い。代わって怒りを前面に出してゆく若い指揮官が視聴者の感情を代弁する構図も、ありがちだが感情移入を容易にする優れたつくりだと感じる。西部劇としては文句無しに傑作の域。
[DVD(字幕)] 8点(2020-04-07 23:10:33)
30.  ブリキの太鼓 《ネタバレ》 
極めて特異で奇怪な主人公が設定されているが、彼が紡ぐ物語はこれまた外形的にも内面的にもこの上なくグロテスクで、ハッキリ言って本作はグロ映画の類だと言って過言ではない。主人公本人からして極めて不愉快なサイコパスで、目なんて(子役の癖に)半ばイっちゃってるし、あくまで日常風景をベースにしていながらも、とにかく映像がグロテスクで中々観るに堪えない。個人的に特にキツかったのはウナギ(シュヴァンクマイエルとかでも思うことだが、マズそうな食物ほど意外と心を「エグる」ものは他に無いようにも思う)。また、性的にも中々インモラルで、これほど濡れ場が全然嬉しくない作品もある意味珍しい。  ただ、この奇妙な設定と醜悪な演出によって本作が描き出そうとするものは、この時代のドイツ(取り分けて大きな社会的矛盾を孕んだダンツィヒ)の病的で狂った「時代の空気」なのだということはより良く理解できるように思う。その意味では、これだけ荒唐無稽な話でありながら、その伝えんとする雰囲気が寧ろより直感的で鮮烈に伝わって来るのは確かであり、映画としてテーマ面の表現が優れていることは間違い無いと言える。文芸映画としては屈指の傑作。
[DVD(字幕)] 8点(2020-01-16 22:24:54)
31.  愛のコリーダ 《ネタバレ》 
ロマンポルノも真っ青な、ほぼ全編濡れ場というトンデモ映画(しかもハードコア)。だが、ただエロいだけではなく、狂おしくも美しい究極の愛と頽廃美を描いたアート系としても、また表面的には悲劇的に終わりつつもその中にあるひとつの境地に辿り着いた二人の愛の到達感を見事に描き出したドラマとしても、両面で十二分に成立しており非常に面白く観れる。  8割がたを占める濡れ場の連続も一見は淡々と続いている様に見えて、緻密なシナリオに沿って静かに、かつ着実にレベルアップ・過激化していく展開はこれも飽きさせない。松田暎子はやや田舎ぽくて美人過ぎることもないが(本作の主人公としては、その雰囲気が生み出す「生々しさ」が非常に重要)、不思議と色気も大いに有って雰囲気自体はかなり良いと思う。ただ演技は表情のつくり方や仕草はともかく、とにかく台詞読みが妙に稚拙で、その点は作品の雰囲気自体にも大きく影響していると言わざるを得ないが、あまりに特徴的過ぎてもはやこれが本作にとって良いのか悪いのかは判別し難い。その一方で、藤竜也のさり気ない演技の出来は出色と言える(男ながら惚れ惚れとしてしまうモテ男ぶり)。やはりこの素晴らしい雰囲気の映画で邪魔なボカシが入るのは極めて残念かつ致命的で、極度に興醒めなので結局海外版ブルーレイを購入してしまった。
[ブルーレイ(邦画)] 8点(2019-11-29 00:12:58)
32.  ダーティハリー 《ネタバレ》 
イーストウッドはシブいイケメンだし、ハリーのキャラも悪くないのだが、この映画に引き込まれる要因の主要な部分は、とにかく犯人の「許せない度」が非常に高いことのように感じる(それによって終始持続する緊迫感と、ラストの特大のカタルシスが生まれている)。その意味では、ある面でハリーは「喰われて」いるとも言える。もう一点、各登場人物に関する人物の背景描写はやや軽めで、少し物足りなくもある。とは言え、刑事物としては最高レベルに良く出来ており、アクションも中々。重ねて、イーストウッド自体の出来も相当良い。
[DVD(字幕)] 8点(2019-11-19 20:36:57)(良:1票)
33.  ドランク・モンキー/酔拳 《ネタバレ》 
コッチは再見ですが、色々と観比べるとやはり、今作こそが最も有名になるダケの(根本的なる)ハイ・クオリティを擁していた…とゆーのは大いに理解できるトコロですかね。コメディ・シリアス・カンフーの割合的なトコロとしても+カンフー自体の内容の上でも、全体的に非常にバランスが好くて(且つ)流れもスムーズで無理や弛みが無い、という印象でした。特に、個人的に気に入ったのは(お決まりの)修行のシーンがコミカル+ジャッキーの頑張りが凄い+(何となく)後のシーンでその修行の「成果」が垣間見れる、という意味で好く出来ていたと感じたコトです。酔拳てヤツ自体も、蛇拳やらナンやらよりは(コレも何となく)一種の「説得力」がある様な気がしなくもない…とも思います(⇒まあ、今作自体が突き抜けて有名であるが故の「刷り込み」なのかも知れませんが)。  とは言え少し、尺自体は長めかな…というトコロと、その理由の一つとしてもオーラスは(ラスボスと)10分以上闘ってますがココはやや冗長で「武術と言うよりは踊り」みたいな感覚も少しあったコトも踏まえて、80年代のより筋肉質なカンフーと比べたらここまでの評価かな…という感じですかね。重ね重ね、全体的なバランスも上々な作品だとは思うので(今なお)楽しめるとは思うのですケドね。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-05-23 21:15:45)
34.  ラビッド・ドッグズ 《ネタバレ》 
バーヴァ御大作のクライム・アクション・ロードムービー…みたいな異色作なのですが、製作当時にプロデューサーが破産して⇒権利関係がややこしくなって20年以上お蔵入りしてたって代物らしーのですね。また後に各国でビデオとして発売されたらしーのですが、本邦に入って来たのはつい最近…らしく、でも観てビックリ!スゴく好く出来てるんですよね~~~まるで御大の作品じゃねーみたいに!更に後にはどっかでリメイクもされてるみたいですし、某・他所のレビューサイトで調べても寧ろ御大の作品中で最高評価!になってたりもして(⇒まァ、流石に『モデル連続殺人!』とか『血ぬられた墓標』よりも多少上…て位ですケドね)。ぶっちゃけ、何かの拍子に劇場公開しても(宣伝次第では)ワリと話題になったんじゃねーか?てな気ィすらしてますですよ。今なら各所でロハで観れるので、お暇なら是非。  大枠としては比較的シンプルなクライム・ロードムービー(⇒人質を連れて犯人が逃げる逃げる!)ではあるのですが、その同乗者の人選+人数設定とかはまた好く出来てる・絶妙だったと思うのですよね。全員揃ってキャラも段々と見えてゆきますし(⇒だから行動に説得力・納得感も出て来る)結構続けザマにハプニングが起こり捲るのですケド、その部分にもヴァリエーション・彩りまでがチャンと在る様に思われたのですね。犯人連中は(3人揃って)極悪・下劣極まりなくて、だから凄惨なシーンが(また其処彼処に)在るのも+そいつ等にキレ味がしっかり在るのも、コレは御大らしくて再び好かったと思います。オチも最高ですね。サクッと観れて十二分に楽しめると思いますので、重ね重ね是非々々。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-02-07 00:57:23)
35.  ワーテルロー 《ネタバレ》 
ラウレンティスが当時のソ連(モスフィルム)を口車に乗せて製作したトンデモ物量映画!とのコトで、だからでしょーケド片や、ウェリントン公爵が(ちょいイケメン過ぎるホドに)眉目秀麗な全盛期のクリストファー・プラマー…なのにも関わらず、片やのナポレオンのルックスのドイヒーなコト!(チビデブハゲの三重苦)まあ、イタリアはともかくソ連=ロシアがナポレオンをカッコ好く描くコトなど在り得ないだろう…とは言うモノの、案の定イギリスではヒットしたケド他では当たらず(当然)製作費も回収できなかった…とのコトです。まあソレも、共産主義国家の数少ない実際上の利点のひとつ…かとは思いますケドね⇒一たびやろうと決めたなら、経済的な妥当性を度外視してもやってのけるコトが可能という…芸術分野においては時として実に頼りになると言わざるを得ない(+原理主義的には芸術ってそう在るべきですよね、とも)。  しかし、私自身は正直、この様な映画が世に産み落とされ・そして今今に鑑賞可能であるコト自体には、唯々深く深く感謝するしかないのでありますね。予想はしてましたがやっぱ、シンプルにトンデモない!ですよね~万余のエキストラ(しかもプロの軍人)&数千頭の馬!っすか。確かに、全編通してもドラマにはなってなくて、前置き⇒そして「その日」一日の戦闘描写の通し、という構成だとしか言えませんケドも、だから前半が退屈…とは言え、「本編」に当たる後半と前半がピッタリ同じ尺なんだからギリセーフ…かとも思いますし、戦闘描写もごく史実に忠実で何処で何がポイントだったのかもチャンと分かりますし+その辺も含めて全部がリアルですし、でしかもラスト、一夜の(悪)夢が去った後…かの様にごく悲壮に終わってくのがまた素晴らしいじゃねーですか。”Next to a battle lost, the saddest thing is a battle won”(負け戦の次に悲惨なのは、勝ち戦である)実際のウェリントン公の言葉だそーですね。至言だと思います。  結論、そんなトコロも含めて、何故かバカっぽく終わっていった今般の『ナポレオン』よりは、終わり方の正しさも含めて(確かに)ちょっと上かな…と思うのですよね。そもそも、技術的な進歩を鑑みれば(実は比較するのがバカらしい位に)土台から「格」が違う映画だったかな…とすら思ったりもします。機会が在れば是非々々。
[DVD(字幕)] 7点(2023-12-13 00:43:47)
36.  博奕打ち外伝 《ネタバレ》 
ちょっと調べると、1972年てのは『緋牡丹博徒』の最終第8作が1月⇒藤純子の引退作『関東緋桜一家』が3月⇒んでこの『博奕打ち』シリーズ最終作が7月公開だった様でして、んで翌1973年1月にはあの『仁義なき戦い』が公開されてるのですから、確かにココが任侠映画⇒実録ヤクザ映画への正に転換期だったと言えるのでしょーね。内容的には本シリーズ中屈指の傑作『総長賭博』のリメイク or 調整版という様にも(また確かに)見えておりまして、『総長賭博』でも大いに感じられた任侠の心意気を描くという(一種の)芸術的側面はある程度引継いで・ただし若干は通常の任侠ものに則した分り易さを調合して…といった仕上りにも思われますね。そのうち、前者を描いたモノとしては(鶴田浩二はじめ主要登場人物はモチロンのコト)特に松方弘樹の在り方には個人的にはかなり感じ入るコトのできる部分がありましたし(『総長賭博』での音吉の役割をより任侠的に表現したものかと)、後者としてはまず根本的に筋が分かり易いのが好かったし+ラストの鶴田浩二&若山富三郎の(本当に本当の)一騎打ち!も十二分に見応え在ったと思いました。シリーズの締め括り(+任侠映画の締め括りのとある一つ)として、完全に上々なる出来だったのではないかと思いますね。  ただ、コレも少しダケ、やはり時代の波とゆーか60年代の典型的任侠映画に比べるとやや雰囲気が違ったな…(違ってしまって居たな…)という、ちょっと寂しい様な感覚も確かにあったのですよね。なんとゆーか、テンポとゆーか「間合い」からして少~し違ってなかったか?て気がしたり、あとはとにかく(『総長賭博』よりも更に、松方弘樹をその様に見做さないならば)全然悪役が出て来ない…という異色作にも見えるのですし(⇒天津敏も名和宏も出てないし、遠藤辰雄と金子信雄はナンと真っ当な方のチョイ役で出て来るし)。尺が少しダケ長めなのもその感覚には繋がってますかね⇒だとしたら、もう少しダケ尺を延ばして、でいつもの様にシンプルに終わるのではなくてオーラスに鶴田浩二さんにドコかでナニか一言付け加えて貰ったら尚好かったかもな…なんて思ったりも。
[インターネット(邦画)] 7点(2023-11-02 13:18:50)
37.  0課の女 赤い手錠 《ネタバレ》 
こちらも多分に東映ポルノ(その他)の流れを受け継いだエロティック・アクション作品と言えますかね。ただ、エロ方面はやや控えめ…とゆーか、基本レイプシーンオンリーなので(少なくとも)万人向けという感じではありません。とゆーか、アクションの方とて単なるクライム系と言うよりは確実にスプラッタ系の方になっちゃってまして、時代を考えてもコッチのレベルの方がごく高度だったかも…と思います。更にそもそも、アメリカン・ニューシネマだのマカロニ・ウエスタンだの…てこの頃の諸作品と比べても、お話+キャラの中身自体がシンプルに相当にドギツい…という作品でもありましたかね⇒マジでド腐れ外道しか(ほぼ)出て来ない…  まァでも、時代的にも役者さん達が本質的にそーいうメンタリティを(実際に多少なり)持ち合わせてるんだろーな…とゆーか、見るからにヤバそうな雰囲気が立派に醸し出されててまずソコは大成功してたな~とは思いますよね(杉本美樹さんをはじめ郷鍈治・遠藤征慈、あと室田日出男と丹波哲郎も含めて)。中盤ややダルめなコト+コレも中盤は主役の杉本さんがイマイチ存在感が無い…辺りは多少減点要素になるとも思うのですが、丹波哲郎が吹っ切れた後からの破滅的な大騒ぎ⇒悪党が全員滅んで終わるラスト…まではかなりテンポ好く・面白く・カタルシスまで感じつつ観終われましたので、コレも高めに寄せてこの評価と致します。重ねて、ちょっとエグい作品ではありますが、今なお暇潰しには持って来いかと。
[インターネット(邦画)] 7点(2023-08-14 12:02:27)
38.  不良姐御伝 猪の鹿お蝶 《ネタバレ》 
このちょっと以前からの東映任侠ものの系譜を継ぐ作品…なのは間違いないのですが、主演・池玲子さんというコトもあって、もう一つこの頃の「東映ポルノ(その他)」の要素をも高度に孕むエロティック・アクション(任侠もの)といった感じですかね。その意味では、最大の見どころは完全に冒頭のアクション=玲子さんが風呂場で襲われるシーンに尽きますね。腰巻きくらいは付けてくるのかと思ったら、マジで全裸で猿の如くに暴れ回りますからね!んでもって正に血は湧くわ(諸々の)肉は踊り跳ねるわ、腕は落っこちるわ雪は降ってるわ⇒その雪の白のみならず玲子さんの白い肌にも血飛沫が紅い花を咲かせるわ、ココにはモ~度胆を抜かれてしまいましたです。タランティーノの脳裏にも焼き付いて離れなかった…としても、然も在りなん…としか言えません。  上記のシーンが在る時点で、正直高評価からは既に外し難いのですが、それでもちょっとそっから先がだいぶんアバウトな映画であるのも確かなのですよね(やや悩ましい)。池玲子さん=猪の鹿お蝶は父の仇として名和宏・河津清三郎(+ほかシークレット一名)を狙っていて、で愛国青年ヤクザみたいなイケメンが同じ様なコトを考えてて、んでクリスチーナ・リンドバーグが(イギリスのスパイだけど)その愛国青年と恋仲で…みたいにそもそもワリと入り組んだ話だと思いますし、んでまたクリスチーナちゃん自体がドエラい大根だったりもして…(まあ、日本語にせよ英語にせよその方の演技に単に馴れてないってコトかも知れませんが…)あとはシンプルに、全体としてもかなりポルノの方面に注力してる作品なので、尚更にそのややこしい筋を描く方に力が回らなかった…というコトにも思えますかね。  ただ、いちばん根っこのトコロではまたシンプルな話でもあるので、ラスト付近はサッパリと分り易く観れますし+そのオーラスのカチコミ場面とて中々リキが入っていて好かったと思いました。あと、エロ&アクションな娯楽作にも関わらず音楽や画づくり(画のモチーフに何を使うか)の方面に関してはだいぶ凝ってるな…とゆーかなんかアート系ぽい雰囲気すらも在って個人的にはソコもかなり面白かったすね。もう一点、エロスという意味では、池玲子さんとて若くてピチピチのグラマラス+クリスチーナちゃんは超美人(+コッチもごくグラマー)なのですがもう一人、絵に描いた様な豊満熟女!という三原葉子さんが、演技的な意味での「色っぽさ」の表現の面で若い二人より一枚上手だったかな(いいアクセントだったかな)とも思われました⇒これは、多分に私自身の「趣味」というコトかも知れませんケドも。
[インターネット(邦画)] 7点(2023-08-14 11:47:44)
39.  未来惑星ザルドス 《ネタバレ》 
展開運び自体はやや難解とゆーか、結構駆け足で説明も不足ぎみ…ではありますかね。ただ、内容自体は(今や)嘗て結構よく見たな~て方のSF的なお話で、んで全体的にもその設定・話の中身の詳細自体はまずまずつくり込まれてたと言えるのではないでしょーか。かつ、かなり低予算で撮った…とゆーのも含めれば、逆に好くココまで撮り切ったな…と思ったのが正直なトコロでして。個人的には事前の予想以上(+最初の10分を観終わった時点の感覚以上)に最後まで観たらだいぶ楽しめたという感じっすね。悪くなかったです。  ただ一点、例えばその漫画版『ナウシカ』とかにも通じる様な「滅びを希う人類」だとか「ある極致に到達した『知』」だとかいった概念に関してはある種、やっぱ20世紀のSFだな~と思ったのも確かでして。結局ソコから半世紀経った現時点、技術的な進歩は確かに在ったけれども人類の在り方としての進歩なんてのは殆ど無かったのではねーかな…てのが(個人的には)強力な実感として在るのですよね。ソコを踏まえると、今作に描かれる類の「心配事」なんてのは、正に「絵空事」にしか思えない…とゆーのがまた正直なトコロでして。ソコはまた×2、ある種我々がいま真に憂うべきコトなのかもなあ…とも思ったりなんかして(ちょっと暗~い気持ちで観終わってしまいましたよね)。
[DVD(字幕)] 7点(2022-11-06 18:00:14)(良:1票)
40.  ノスフェラトゥ(1978) 《ネタバレ》 
私も確かに今作、リメイクを謳いつつもだいぶ雰囲気違うな…と最初は怪訝に思いながら観てました。ことモノクロだとやはり演出の諸々は畢竟ごく抽象的なモノに見えてくるものかと思いますし、取り分けサイレントなら尚更とゆーか、ムルナウ版で終始見事に表現される「恐怖」とゆーのはごく絵画的な悍ましさ・恐ろしさだったかと思うのでして。翻って今作、まずはとにかくその生々しい撮り方と言い、矢鱈と感情的なドラキュラ伯爵と言い(見た目はかなりムルナウ版に寄せては居るのですケド)、また非常に緩いテンポ+まどろむ様な物侘しい音楽と言い、ナニはともあれコレ「ホラーじゃあねーな」と思ったのですよね。  しかし、見ていくうちにソレは私の勘違いだったと理解したとゆーか、否、コレはホラーなんかじゃない人間ドラマだ!とゆーか、非常に見事なヒューマニズム作品だと思ったのですよね。先に述べた演出は総て、吸血鬼というその悲しく哀れな存在の「弱さ」を体現しているモノなのだ、と。その意味では、このクラウス・キンスキーの演技とゆーのは実に的確な・見事なモノだったとまずは思いますし、片やイザベル・アジャーニが体現する方の「正の人間性」とゆーのも(キャラ的な裏付けが薄いワリには)立派に凛と仕上がった優れたモノだったと思いました(⇒コレは多分に、その本来的で正統なる美的なルックスに依るモノかとは思われますが)。私の結論は、ヒトならざるモノを通して人間とは何かを描くというオーソドックスながらごく高尚なテーマ性、を一個の芸術として纏め上げたとある傑作…だと思ったのです、が……  ただね……だとしたら、ラストがコレはちょっとしっくり来ないのですよね。。。ココを重く&描写そのままに受け取るのならば、今作は一種「悪が勝利した」物語となってしまうのでして、だから上述の私の論理は殆ど破綻すると言って過言でねーのですよ。(面倒なので)いったんソコは深く考えずに(=見なかったコトにして)一点だけ引いてこの評価としておきますです。。
[DVD(字幕)] 7点(2022-07-21 01:18:00)
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