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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1645
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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【製作年 : 2020年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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21.  コカイン・ベア 《ネタバレ》 
調べると、どうも正に日本における「ヒグマ」と「ツキノワグマ」みたいなコトであるらしく、北アメリカにも「ハイイログマ=グリズリー」てのと「アメリカグマ=ブラックベア」とゆーのが居るってコトらしいのですね。んで、今作の舞台はワリと南の方で、ソコに居るのはこのアメリカグマ⇒グリズリーよりは少し小さい黒い方のヤツってコトみたいです。グリズリーはちょっと流石に、近付くダケでも絶対危険!みたいなバケモノだと思いますので、いちおう今作って実話ベースみたいなコトではあるらしーのですケド、この感じの(ごく近距離での)クマとの絡みの描写を沢山やるんだったら、色々と適切な選択だったと言えるのでしょーかね。全体としては、比較的マイルド&コミカルな質感のノンビリめのアニマル・パニック作品ではあるのですケド、言わずもがなクマがコカイン中毒でコカインに目が無い⇒クマをコントロールするギミックとしてコカインが重要なアイテムとなるってユニークポイントとか、後は(なのに)随所で妙にグロいってスパイシーな部分を含むコトも含めて、例えばまた比較的若年層(ハイティーン~20代位?)で大勢で観たりしたら盛上りそう…みたいな作品には思えますかね。興味が在れば。
[DVD(字幕)] 5点(2024-03-25 12:15:16)
22.  エクソシスト 信じる者(2023) 《ネタバレ》 
うーん…根本的には、ちょっと「捻り過ぎ」「考え過ぎ」て感じなのかなァ…………  かの名作の正統続編に相応しく、冒頭からの前半はそれこそ、重厚過ぎる程に重厚・本格的過ぎる程に本格的(ホラー)てな感じの好ましい質感を貫いて居る、のですし、ソコで端的な映像のクオリティについては(コレは最後まで)まずまず以上の高水準を維持していた様に思えるのですね。しかし、前述のその質実剛健な(≒キョウビのホラーと比較したら確実にややテンポの重い)前半を越えて以降は、流石にちょっと支離滅裂・分裂症気味と言っても好い様な「迷い」しか感じられない様な展開運びだったとも思われるのですね。中で、バチカンが(今どき)悪魔祓いなんて許可しねーだろ…とか、そもそもカトリック的に伝統的なる宗教儀式で悪魔をブッ倒したトコロで(色々な意味で)もはや面白くもナンともねーだろ…てコトだとか、そこら辺の大人の事情的なモノは私とてまた想定の範疇には在るのです。がそれでも重ねて、今作のクライマックスが何故にこ~んなフラっついた代物になってしまったのかは理解に苦しむってレベルのコトではありますし、んで一番根本的には、コレって・この終い方って確実に「悪魔の勝利」の方だった…としか思えないのも(また)事実なのでありますのよね。。  いちおう、当初は三部作を予定していたってコトらしくって、ただそれすらも今作の大コケによって多少(否だいぶん)雲行きが怪しくなって来ちゃってる…位のコトではある様ですし、ソコには全く(私自身も鑑賞後には)大いに納得してしまったトコロでもありますよね。そのコトについては個人的にもう一つ、クリス・マクニール=エレン・バースティンって、彼女も(あくまで50年前の前作においては)今作みたいな感じになるって感じのキャラだったっけ?みたいに、結局はその辺にすらもかなり高度な疑問が感じられちゃって⇒だから登場した正にその瞬間…以降はその貴重な再登板の喜びすらもあんまし感じられなかった、と言いますかね… (⇒また個人的には、何故にこ~んな脚本に納得しちゃったんだろ?とすら思っちゃいました…) (⇒三部作つくり切れたなら、その意図が完璧に伝わる、とかなら好いのですケドも…)
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2024-03-23 21:09:25)
23.  もっと超越した所へ。 《ネタバレ》 
コ~レは中々……話の内容・登場人物個々のキャラクター・ブッ飛んだオチの付け方+ソコでのそもそもの演出の仕方、等々、ほぼほぼ全ての個々の要素に対して共感可能だって観客の「レンジ」が相当に狭そうな映画ではありますかね。とは言えですね、個人的には、どいつもこいつもこーいう男共って絶対どっかで見たコト有ったとも(まずは)思いましたし、ソレは女性陣についてもフツーにそーであるのですし、そーいう人達が結果的に最終的に(≒なし崩し的に)このオーラスみたいなコトを延々続けてるってのも間違い無く(現実世界ですらも)見たコト有ったって確信すらできるのですよね(⇒モチロン、このラストみたいな「抽象性」を取っ払った上での話として)。だから私としては、少なくとも理解自体が全く困難だ…な~んて映画ではなかったとは思うのですし、その「難しいトコロ」を脇に置いちゃえば、単純に映画・ドラマとしては、ソコにおいての個々の演技・演出・展開運び(=4つの話を絡ませた上での語り方・順番)みたいなトコロは、実はワリとかなり出来が好かったのではないかと思ったりもしたのですよ。私は全然、意外に結構楽しくスイスイと(笑い転げながら)観てゆけたって感覚が正直強いのですよね。  特に、千葉雄大さんの扱い諸々、みたいなトコロも考慮するなら、私にはやっぱ今作は「男と女の映画」とゆーよりは、唯々「女の映画」の方だったかな…とも思われるのです(⇒その意味では結果的には、最近ごく「流行り」の…というタイプの作品と言って好いかも知れませんかね)。で、実際にオムニバスではあるのですし、だからマルッと(そーいう)テーマ的なコトを託けてやってナニかを言ってやったぜ!みたいな気になってもまるでしょーがない作品だとは(また)思うのです、がソレでも一つダケ、私には今作って結局、どこまでも真っ直ぐに「ポジティブに」終わっていったな…とはモ~思われて已まないのですよね⇒ソレはモチロン(前述どおりに)今作が「女性の映画」として恐らく完膚無きまでの「勝利」を描いているモノだからだ、という意味で、です。更にその意味では、先ほど言った「この手の」作品の中では、個人的にはワリとかなり好きな方の作品ですらありました(私が実際に最近に観たヤツの中では特に)。興味のある方は是非。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-03-21 22:52:53)
24.  リゾートバイト 《ネタバレ》 
伊原六花ちゃんは、こないだの『星空のむこうの国』でも秋田汐梨ちゃんと共演してましたが、別に同じ事務所とかではないのですかね。ただ、二人とも既に中々に演技が達者で、終盤の展開とか・あと「入替り」の描写なんかもまあまあ結構好く出来てたと思うのですよね(コレも前に『コワすぎ!』とかでも見たコトあるヤツではありますが、ある程度は演者の力量が無いと難しいですよね⇒松浦さんや梶原さんは言わずもがな大層な手練なんでま~ともかく)。個人的に、特に六花ちゃんは全体としてもまた中々「ホラー映え」する表情の感じ…とゆーか、もう一作品くらいはこーいうホラーでも好いから主演で観てみたい…的な感覚も覚えました。期待。  ごく序盤は、結構正統に怖がらせて来る系のホラーなのかな…て感じだったのですが、そっから先の前半は正直かな~り展開の運び方も撮り方も雑だな…って感じでもありまして、加えてこの「リゾートバイト」って元ネタが短編なので(30分過ぎからは)この後モ~どーすんねん?と思い始めていたのですよね。しかし、結果的には他のネット怪談の名作も交えながら、全体としては(前作以上に)かなりハッチャケた!作風に仕上がってまして、やっぱ予算は引き続き厳しいのだろう…てトコロも鑑みると、総じてまた今作も中々テクニカルに巧く仕上げて来たな~という感覚になりましたよね(⇒私はコレ、全然「許せる」とゆーか寧ろ結構好みな方のB級ホラーでしたですよ)。そして再び、オチの付け方が巧かったですよね(⇒コレが在るとやっぱハナシが「締まり」ますよね)。再度、ごくB級な方のホラーであるとは思うのですが、前作よりは1点高く付けておこうかと思います。サクッと観れるので(実は)ワリとオススメでありますね。
[DVD(邦画)] 6点(2024-03-20 23:13:13)
25.  瞳をとじて(2023) 《ネタバレ》 
嘗ての監督作における画的な部分のハイ・クオリティのそれ自体は、今作でも重々に健在だったかとは思うのですね⇒端的なる構図等の美しさ&細部までのこだわり&特にまた「陰」の使い方、などの何れにしても)。でも、まず『ミツバチのささやき』や『エル・スール』なんかに比べると、そもそもかなり急に長尺になってるって感覚は大いにありますね(『マルメロの陽光』は半分ドキュメンタリなのである程度は脇に置くとしても)。プラス今作は(その二作品に比べると)特に前半で矢鱈と「台詞が多い」って感覚もありましたよね⇒主人公ミゲル・ガライが様々な人々と対話してゆくシーンの数珠繋ぎで(軽く)100分位は過ぎ去ってってしまうので。そんな感じで唯淡々と静かなサシでの会話シーンが続く+ゆったりテンポ+大作級の長尺、ではあるので、こーいうのに慣れてないと一撃でスヤスヤと…みたいな作品であるのは正直否めないとも思います。私も最初観て、ちょっとチャンと観れてなかった(=観逃したカモ?みたいな)シーンが在った様な気がしちゃったので、短期間でもっかい観たのですよね。なので(コレも正直)あらすじ的なモノは頭に入れてから観に行く位で丁度好い…様な気もしちゃってますよね(⇒重ね重ね前半は台詞に付いてくダケでも結構骨が折れる)。  んで、肝心の内容自体としてはまた、監督自身が高度に自分を投影したかの様な・自己に替わって登場人物に「人生の振り返り」をさせるかの様な『ニュー・シネマ・パラダイス』みたいな作品だったかとは思うのですね(諸々の人生と映画を「重ね合わせてゆく」…みたいなヤツとゆーか)。まあ私もまた正直、この手の巨匠が晩年に撮るには打って付けな…という感覚はありますが、でもね~~~先ほど二回観たと言いましたが、正直初回はそのクライマックスたるラストの描写が、私にはどーにも「ネガティブなモノ」に見えてしまったのがかなりしっくり来なかったのですよね⇒正にその「瞳を閉じる」コトの意味するトコロがナンかコレ超・ネガティブじゃねーか?と。いったん、つまりは、その部分が(少なくとも)明確に解釈できる様な描き方にはなって居ない=解釈に幅が生じ得るという作品、であるのも間違い無いと思うのですよ(⇒だからまず、この長尺でソレってどーなの?とも考え得る…かと)。その意味でもちょっと、相当に「玄人好み」…みたいな作品であるかなとは、どーしたって思ってしまうのですよね⇒まあ、ソコもある種今まで通りの作風だな、とも思えはしますケドも。  ただ、私自身は二回目を観て、初回ホドには(ソレを)必ずしもネガティブにしか解釈できないっていう感覚にはならなかったのでして、ソレこそソレは劇中劇と大いに重なる様な(映画の中の)フリオが、その人生を(劇中で)振り返った時、嘗て挑んだその役柄の本質的なトコロを真に理解した「納得と悔恨」の様なモノとしても解釈できるかもな…という様な感覚にも至りましたのよね。結論、コレも前述どおり「観る人を選ぶ」とゆーか、この手の長尺でまろやかな映画をあまり苦にしないという素養は(確実に)求められる+解釈のブレみたいなモノに対する拒否反応も無い、とゆーのが前提だという作品なのかも知れませんが、一方で確実に人生そのものに係る種々の「含蓄」についても(共感可能なモノもそうでないモノも含めて)またごく芳醇な作品だ、とマデは思えますので、いったんこの評価としておきます⇒迷いに迷って1点分は低めに寄せてます。以上。
[映画館(字幕)] 7点(2024-03-20 15:31:20)(良:1票)
26.  シャイロックの子供たち 《ネタバレ》 
サスペンスとゆーよりはミステリ寄りとゆーか、人がバンバン死んだり殺されたりする様な事件ものではねーので最初は少し「キレ」が無い…(≒ズバリ盛り上がらない…)みたいな感覚もあったのですケド、でもやっぱ銀行業務ってあまり縁の無い世界のハナシなのでまたやっぱ妙に面白くスイスイ観てゆけるともゆーか、結果的にはかなり楽しく観切れました。この原作者の方の映画・ドラマってお恥ずかしながらほぼ観たコト無かったのですケド、多分ドレも同じ様に手堅く面白いんだろーな…と思いましたよね(今後はチョコチョコ観てゆきます)。  ただ、ソレでも部分的に少し「出来過ぎ」感も在ったかな…とゆーか、原作は未読ですが(2時間の)映画に纏め上げる上でたぶん多少調整が入ってる…ソコが個人的には少しチープにも感じられましたかね。柳葉敏郎さんと佐々木蔵之介さんの「因縁」の辺りとか、あとラスト付近でエラくテキパキと諸々が片付いてく感じは(確かに)テンポの好さは感じられますが⇒また×2やっぱ(TVドラマ的な感じに)チョイ安っぽいな…とも。 てゆーか、江島エステートの件が明るみに出てしまったのだったらば、そのワリと直後に耐震偽装物件の取引にもあの支店が一枚噛んでたってコトだって絶対バレて、そしたらソレこそ西木なんてタダじゃ済まなかったのでは…?と思ったりもするのですよね(私の気の回し過ぎ?)。重ねて、全体としては全然楽しく観れたのでソコまで気になってはいないトコロですし、何とゆーか「カネは人を斯くも狂わせるなァ…」というトコロには大いに共感も出来たコトも勘案しまして、いったんこの評価としておきます。上戸彩さんの小局風OLも個人的にはかなり魅力的に見えましたし。
[インターネット(邦画)] 6点(2024-03-20 14:03:06)
27.  コットンテール 《ネタバレ》 
近しい家族の一員を喪って、でもその悲しみを残された家族全員で共有することで家族の絆を再認識する、というのは、実にありふれたことだとも思いますが同時に、実に普遍的で誰しもが共感可能な経験だとも当然に思うのです。私も本当につい最近、実際にそういった経験をした・している最中でもあって、その意味では今作にはごくパーソナルに大いに共感できる部分がありました。これもよく言われることだと思いますが、人を動かす動機になるものって、どちらかと言うとポジティブなそれよりはネガティブな方の感情であることが多い、ともやはり思っています。人生においてだって、他に例え様が無い位に悲しくて辛いことが起こった時というのは、同時にその「転機」ともなるべき最も大きな変化のチャンスである、というのも、これこそが本当に私自身がつい最近に実感し、そして実行・実現し続けていることである、と思うのですよね。  ただ、今作は構造的には上記の通りの作品ではあるのですが、特にその作中現在の時間軸においてフォーカスが当たるのは圧倒的に主役のリリー・フランキーさんなのであって、私は率直に、家族の物語というよりはリリーさんの話(=リリーさんの人間としての有様⇒それを表現する演技を眺めてゆくべき映画)だと思えていました。そして、このリリーさんの役柄というのが、作中の木村多江さんの言葉も借りるなら「ずっと自分の世界に居る人」という、また率直にやや感情移入のし難い役だったとも思うのですし、基本その彼が作品の冒頭からそれこそ自暴自棄に近いってレベルで唯々悲嘆に暮れまくっている、というのも、あくまで私の中のリリーさんのイメージからはどちらかと言うと遠い方だったかな、と思ったりはするのですよね(何か、例えそんな時でも自分も他人も、ニカッと笑う・笑える様な状況をつくってくれる、という様なイメージをこちとらが勝手に持っちゃってた…てな感じですかね)。
[映画館(邦画)] 6点(2024-03-16 22:04:37)
28.  DUNE デューン/砂の惑星 PART2 《ネタバレ》 
この2作目も、全体的なクオリティは完全に前作同等の高水準を維持していますね。どころか、映像のクオリティ(⇒特にその「スペクタクル性」)については今作後半は特に大幅に向上していったとも思いますし、ドラマとしても、そもそもが長大・深遠な物語+この映画化では1作目から作品のテンポ自体はごくゆったり進行してきたコト、も踏まえて、いよいよお待ち兼ねの今作後半でそれが佳境に入ってより断然面白くなる+そーすると尚更にこの超・豪華キャスト個々の役へのドハマり様(=その面での完成度の高さ+手抜きの無さ)も実に素晴らしく感じ取れる+何よりお話に一旦の決着が着くコトで間違い無く前作より娯楽性の面も向上している、というコトで、コレは1作目がイマイチだった人にも是非、出来るだけデッカいスクリーンで観てほしいってヤツでありますね。私は池袋のIMAXレーザーGTテクノロジーで観ましたケド、意外にも今作、1.43:1の全画面サイズになるシーンが(特に人の顔のクローズアップ場面では)結構多くって、ソコにも何だかお得感すらありましたよね。重ね重ね是非々々。  正直、今作って諸々と(個人的には)『アラビアのロレンス』みたいなモンだとも思えて居て、ほぼほぼ最高評価にするしかないレベルの歴史的な作品だとは確信しているのですケド、多少、その評価に迷うトコロが在るとしたら、そのテーマ性の部分=徹頭徹尾極めて「古風な」価値観に支配されているコト、位かとは思いますね。それ自体は当然、原作に忠実に準拠しているというポリシー故なのだとは思うのですが、それでも、他にその面に現代性を取り込んだ作品が数多く在る中で、正に今を生きる現代人が今作に共感できるのか、という観点からは、当然に個人差となってくるハズのモノだ(⇒ソコに差が在るコト自体はごく妥当だ)とも思われるのです。あくまで私個人としては、ソコは全く気にならなかった(=ある点で「史劇系映画」だと看做すならば全然フツーにそれらにも共感できた)というコトで、本来の点数と思われるこの評価としておきます。
[映画館(字幕)] 9点(2024-03-16 11:50:30)(良:1票)
29.  ザ・ホエール 《ネタバレ》 
非常に観応えの有るドラマだったとは思うのですが、かつ表現の面でも何故主人公があーいう人物として作中に据えられて居るのかとかには(最後まで観ると)ごく納得がいったのですが、それでも何とゆーか、やはり根本的に主人公の人間性自体には納得がいかない部分がかなり有って、結果「うーん…」みたいな観終り方になってしまったという感覚が強いです。描かれない時間の中においても、どー考えても極めて「自分本位」な人物だったのだろうとは思えていて、だから娘のエリーの(字ヅラは)ごく過激な発言の方が、私にとっては100倍説得力が在った様に(また)思えてもいまして、どーにもなんだか入り込めなかったな…(醒めた眼で観てしまってたな…)という感じなのですよね。  ただ、重ねてそれこそが、今作の表現の結実する最たるモノ=自分の中の自分が暴走して肥大化した成れの果て、というコトだとも思うのですよ。また、それダケを殊更に見せ付けてやって満足する…という作品ではなかった=チャンと他のモノ・それダケではない別の結末も提示してくれては居たとは(確実に)思えるのですよね。いったん、そのうちもう一度観ようと思うのを予感したうえで、この位の評価にしておきます。
[DVD(字幕)] 6点(2024-03-12 10:25:07)
30.  DOGMAN ドッグマン(2023) 《ネタバレ》 
リュック・ベッソン監督作ですし、冒頭の主人公の「見た感じ」なんかからも、観始めた時点では引き続き流行のヴィジランテものと、先般の『ジョーカー』のミックスアイデア的なヤツかな~と思ったのですよね。ただ、その主人公がいったん捕まる冒頭から精神科医との対話という形式で始まる彼の「自分語り」の内容としては、そこまでアクションに振れ切っているワケでもないドラマ要素強めの時間が結構続いてゆくコトもあって、観終わってみると、私がさっき言った様なカテゴライズし易い単なるジャンル映画ってワケではなくって、もうちょっとつくり込まれた作品かな…という感覚には、私の認識もチャンと変わって居たかとは思いますね。  ポイントはまず、その自分語りの中で語られるエピソードがごく奇抜かつ意外とヴァリエーションに富んでいるコト、加えて何より「犬たち」の存在のユニークさ、ではありましょーかね(⇒後者は、より物理的描写の面におけるユニークさとして作中に結実しているとも思われますが)。なので、まず特にその奇抜さの存在ゆえに、全編ごく物珍しさを持ち続けて全く退屈なぞせずに観てゆけた…という気はしておりまして、娯楽作としてはフツーにワリと満足感は高かったと思うのです。難点があるとしたら、その登場する「奇抜な要素」の幾つかは、ドラマ・キャラクター上の必然性よりは要素そのものの奇抜さを作中に持ち込むコトを重視している…的な感じではありまして、だからやや「流れに沿ってない」と言うか作品が総体として統合されているか、という点については少しダケ違和感には成っているかな…とも思いましたかね(⇒特に要は、主人公は「犬使い」としての異能を既に備えている一方で、ピアフやディートリッヒを生き写しに出来るなんて類稀なドラァグクイーンでもある、そのコト自体は流石に「ご都合主義だ」とも思えるってコトですよね)。  ただその上に、前述の作品としての「統合」という意味では、上で書いたコトよりも更に重要なのは正にキャラそのもの=演者の演技のクオリティ(説得力)にあるとも思うのですね。そしてその面では、今作の主演のケイレブ・ランドリー・ジョーンズのその面の仕事とゆーのは、率直にコレは実に申し分ないモノだったと(また)思うのです⇒個人的には別に、あの『ジョーカー』のホアキン・フェニックスのソレにだってそこまで全然引けを取る様なモノではない…と。なので、心置きなく一点加点した上で、更にプラス、監督のファンで彼のアクションが好きって方には全力でオススメしておきたいと思います(正直、少なくとも『レオン』後の彼の作品の中でだったら、個人的には現時点で圧倒的に一押しでありますね)。
[映画館(字幕)] 7点(2024-03-10 09:05:39)
31.  銀河鉄道の父 《ネタバレ》 
この映画でも、クライマックスでは引用されていますが、宮沢賢治の『雨ニモマケズ』って何度読んでも本当に善いコト言ってるよな…と思うのですよね。だから、根本的には彼の伝記映画である今作も、そのテーマの部分については誰しもが絶対、全く興味が無いなんて在り得ない、とも言って好い様な普遍的で手堅い題材だ…とまずは思います。加えて、今作はそれを明示的に彼の家族の「複数視点」から語る…というコトで、2時間の映画のドラマとしてもまた確実に手堅く仕上がっているとも思いますし、タイトルにある通り彼の父親=役所広司さんに対しては特に、感情移入も非常に容易で、だから全体としてもより観易い…とも言えるかと思うのですね(⇒たぶん、宮沢賢治本人というのは、こういう場合に必ずしも感情移入し易くて+2時間を眺めてゆき易い、という人物でもないのかな~とは思ってますよね)。  再度、観易く分り易く共感し易い宮沢賢治の伝記映画…という時点でその価値は十二分だと思ってはいるのです。ただ、観易い一方で(逆に必然)賢治本人に対する掘り下げや解釈は浅くなっている様に思えたのも確かで、此処は完全にトレードオフとして致し方無い部分かも知れませんかね。全体としては演者のクオリティもごく行き届いていたコトも踏まえて(⇒役所広司さんはやっぱ凄いな~とまた思いましたが、菅田将暉さんの安定ぶりも負けず劣らず、プラス森七菜ちゃんもアクセントと言うか要所で立派に美味しく目立っててこのコもやっぱ凄いな~とは思わされてしまいました)いったんこの評価とさせて頂きます。また、宮沢賢治作品を色々読みたくなってしまいましたよね。
[DVD(邦画)] 6点(2024-03-09 16:22:01)
32.  マッチング 《ネタバレ》 
内田英治監督としては、ちょっとチャレンジングなジャンル…なのかとも思えますが、ホラーと言うよりはサイコ・スリラー or サイコ・サスペンスと言うべき作品ではあって、要は謎解き要素が結構モロにメイン…みたいな感じではありますかね。ただ、それで居てホラー的にビビらせようって部分もかなり手堅く仕上がってたかな…とは思えてまして、その面の見応えも決して悪くはなかったと(まずは)思います。加えて前述どおり、より肝心なサスペンス部分についても、その「片側」の方はモ~これ見よがしに終盤手前で見当が付いてしまう…のですケド、そっから先に実は更にトリックが2つも3つも在る…てトコロに関しては意外性も高くってまま好く出来てる方だ…と完全に思えましたですよね。先に結論、再び少し迷ったりしたトコロでもありますが、先年の『キャラクター』より評点を下げるのはややフェアじゃない…的な感覚が強く在ったコトからも、一旦この点数としておきます。フツーに面白く観終われたな~と全然思える感じなのですよね⇒お暇なら是非。    ただし一応、ホラーマニアの眼からすると重ねて、それでもワリとホラー(のレベル)に見えなくない箇所も在ったってコトで、逆にその面からはイチャモンをつけたくなる部分も在る…みたいな感じなのですよね(⇒再度、謎解きが主眼の映画だとは思うので、コレは完全にイチャモンでしかねーのでありますね)。その一つは、シンプルに全体的にかなりテンポがマロいコトで、コレは所謂「ヒトコワ」系であれば(ホラーとしても)まま採り得る選択肢であるとは思うのですが、それでも一旦のクライマックスを越えた後の例の20分位については、流石にちょっと「勿体ぶり過ぎ」かな…と思ってしまったのが正直なトコロですかね⇒ホラーだったらもっとテキパキしてる方が妥当かな…的な感覚ってコトですね。  もう一つ、私が単純に(意外と)土屋太鳳ちゃん大好きだから…てコトなダケって気もしますケド、今作はこの終わり方だと流石にちょっと太鳳ちゃんを「イジメ過ぎ」みたいな感覚も在りますかね。特に、ホントにホントのオーラスを迎えても尚、彼女の恐怖=恐怖すべき状況自体がほぼ解決されて居ないっちゅーのは(少なくともホラーとしては)またちょっと頂けない…と思ってしまいます。あと重ね重ね、そもそも何よりそのラスト20分位って、佐久間大介くんの方に主役自体が移っちゃってない?て気もしちゃったのですよね。再度、もし根本的にホラーであったなら、この「途中で主人公が変わっちゃう」てのはやっぱまた非常に頂けないと個人的には考えてるトコロがありまして(⇒ダレがナニに恐怖してるのか?という一番根本的な捉えるべき「感情の流れ」が絶対的に途切れてしまうから)その意味からも流石にちょっと、オーラスのあのアップのカットだけは少し「やり過ぎ」だったのでは…て気がしてしまってますかね。太鳳ちゃん自身の演技の面でも、少~しキャラ自体においても「軸がブレてる」みたいな感じもあった様に思えて、その意味でも(特に終盤は)演技自体も多少ボヤけちゃってたかな…という気もしたりしてます。その辺りは、やや心残りになってしまってる感じではありますかね。
[映画館(邦画)] 7点(2024-03-08 16:42:33)
33.  マダム・ウェブ 《ネタバレ》 
ちょうど、ダコタ・ジョンソンがかなり思い切ったコトを言ってるインタビュー記事が出てきてしまったタイミングでの鑑賞になりましたが、私も正直「うーん……」とか「ムムム……」とか、結果的にはちょっと頭を抱えてしまう様な感覚の中で観終わったのは否めませんのですよね。まず、マダム・ウェブなんてキャラについては(元々)知ってるハズなぞ無いのですケド、鑑賞後に英語版Wikiを読む限りではそもそもも大体こーいう感じのキャラってコトで好いよーです。「未来予知」てのは一見は確かに、ヒーローの能力としては地味ではあるかとも思うのですが、ゆーてそれでもオーソドックスっちゃあオーソドックスって言って好いモノだとも思いますし、逆にそーでないとも思ったりもします。それは端的に、もし完全にコレがコントロール出来ちゃったら最早ちょっと「強すぎる」とゆーか、最低限確実に「飛び道具」と言うべき大いにクセの有る能力ではある、と思うのですよね(根本的に)。  こーいうキャラがサポート役に回る…つーのは今まででも幾らでも観てきたとも思うのですケド、今作では彼女=マダム・ウェブが完全に主役なのですし、他に味方に肉弾戦用のキャラも居ないという中々にストロングスタイルな状況なのです。コレはやっぱある種、何年も前から言われてきた「いつまでヒーロー映画ばっかつくってんだ!」状態の打破…とゆーか、シンプルに「一味違った」ヒーロー映画をつくろうとして⇒結果的にヒーロー映画だか何なんだか好く分からないケドも(それでも)ヒーロー映画としか言い様が無いという珍妙なモノが出来上がった…としか(また)言い様が無い様な感じなのですね。特に、マーベル初の本格ミステリー…な~んて宣伝文句は完全に嘘っぱちでしかない!としか(またまた)言い様が無い有様で、私自身も実際に鑑賞してこの支離滅裂さを思い切り体感してしまうってーと、正にダコタが言ってたのはこのコトか…としか思えないという状況ですよね(企画当初はだから、チャンともっと全然ヒーローものっぽくない映画だったんじゃねーかな…と)。  重ね重ね、支離滅裂とゆーか・完成度がどーにも低いとゆーか、特に展開運びが随所で異常に「強引」に思えるコトとか、何処にも彼処にも何とゆーか不要な=必然ではない捻れや葛藤・鬩ぎ合いが芋洗い状態だ!みたいな感覚も在ります。加えてあと、かなり個人的なコトなのですケド、私はどーにもあの手の「実は幻でした=現実じゃあありませんでした」系の描写がとにかく苦手で、それが連発される中盤のシーンはまたどーにも居心地・気持ちが悪くてそれも好みではなかったりもしましたね。ただ、そんな中で一つダケ、そーいった(若干ホラー的な)居心地の悪さも含めて、唯一今作においては「今までのヒーロー映画になかった」質感、とゆーのダケは、こーいった変化球的なヒーロー映画の数々の中でもトップクラスに高度に感じ取れた…とも思うのです。中でも特に、腕力ゼロだケド⇒予知能力と知恵を駆使してピンボールみたいな闘いを繰り広げる…なんて、それこそ「ジョジョ」だよなコレ…と思ってしまったのも事実なのでして、だからジョジョ好きな私としてはその「トリッキーな戦闘」に特化してフツーに分り易いヒーロー映画としてやってくれたら、絶対にもう少しダケはマシな出来には成ったのではねーか(+更にその部分に斬新なアイデアとかが積めていれば、良作にだって成り得たのではねーか)とちょっと思ってしまったりもするのですね。個人的には、かなり「惜しまれる」作品…と言って好い様な感覚もあります(⇒どこかで何らか再利用されれば…とは思ってしまいますかね)。
[映画館(字幕)] 5点(2024-03-07 00:42:02)(良:1票)
34.  ARGYLLE/アーガイル 《ネタバレ》 
公式サイトとかの作品紹介にもある通り、主人公の小説家が書いたスパイ小説が作中現実世界の陰謀に(何故か)ソックリで…というお話なのだったら、そりャまァコメディにしか為らないだろ…とは思われるのです。が、今作はソコにチャンと「仕掛け」が在った…とゆーか、観てると更にその仕掛けってのがドンデンドンデンと最後まで二転三転してゆく…みたいな、より仕掛け=ストーリー重視って方のスパイ・アクションだったと思われるのですよね。なので同時に、アクション自体はソコまでド派手!てワケでもないよーなワリとアナログ・レトロ・肉弾戦主体、みたいなヤツだったとも思うのですが、それでもまたソコにも監督一流の端的なクオリティに加えて意外性も再び多分に含まれていて、一押しな場面でかき鳴らされる(また)レトロなディスコサウンドのノリの好さも相まって、意外にかなり楽しく長尺を観切るコトが出来て個人的には満足度高かったですね(全然ソコまでコメディに振れてるってワケでもねーのに妙に楽しかった)。例の如くの下品さ・グロさ+(無駄な)エロ、とかがごく控えめだったのも好印象です。様々な層の方々に概ねオススメできるって感じかと思いますね(キャストも地味に超・豪華ですし)。  多少、指摘とゆーか難癖とゆーか論っておくなら、まずその「仕掛け」の最も肝心な部分が、こないだ観た『ドミノ』のヤツにナンかちょっと似てる…とゆーのは言わずには居られないトコロではあります(⇒まァ『ドミノ』を観てない・観る気が無い…てなら全く気にする必要が無いコトでもあります)。もう一点、私が『ジュラシック・ワールド』を観てないのがいけないのかも知れませんが、ブライス・ダラス・ハワードって何時からこんなに顔まん丸なんでしたっけ?実にふくよかちゅーか太ましいっちゅーか、そんなんで終盤はも~プリンプリン!を通り越してブリンブリン!て感じに暴れ回ってくれるので、私もこの年になって見てると「膝に悪そう…」な~んて余計なコトを考えちゃったりもしまして、ですね。。
[映画館(字幕)] 7点(2024-03-02 00:06:16)
35.  湯道 《ネタバレ》 
非常に優れた一つのアイデアだ、と思うのですね。こーいうのってこの国には他にも、ホントに&フツーにたっくさん在るのだと思うのですよ(⇒例えばそれこそ、こないだの『PERFECT DAYS』のアレとか、とて)。おそらくそれは、概して単なる技術・知識の体系には留まらず、或いは実践や修行の方法論や数限り無い(成功と失敗の)経験則を含めてもまだ足りない、もっと高次の文化や伝統、場所・人の集まり、価値観・思想・美学、そして更に上のナニか、までをも包含している、それに「道」と付け加えて「可視化」するというやり方は、実にしっくりと分り易く、且つ効果的だと思うのですね。もし失われるくらいなら、とりあえずも~ナンでも「道」って言い張っちゃえば好いじゃんか!な~んて(⇒ジャンルも問わず、集団だろーが個人だろーが、誰かが一生掛けて懸命に極めて・歩んでるモノだったら全部それで好いんじゃねーか…と)。  群像劇とも言える様な言えない様な、確かに少し雑多な印象が冒頭からも強いという作品には見えたのですが、この構成は結局、そーいう非常に多様な側面を持つ奥深きとある概念、を表現するための演出上の仕掛けだったのだ…と思えば、個人的にはソコにもかなりしっくり来たとは言っておきたいです。また実に、ホッコリと文字どおり「温まる」お話の集合であったコトも含めて、心置きなく一点プラスしておきます。
[DVD(字幕)] 8点(2024-02-19 23:57:37)
36.  ゴールデンカムイ 《ネタバレ》 
いや~評判に違わず面白いですね!原作等には全く馴染みがありませんが、そんな私でも全然フツーに楽しめましたし、諸々と「彩り」が頗る好かったという印象がありますね。アクションとしても、戦争もの・サバイバルもの・アニマルパニック⇔剣技・銃技・体術、と普通に多彩だったと思いますし、軍・(アナーキーな)脱獄囚・アイヌ、と登場する勢力も様々です。特にそのアイヌの方々に関して、色々な用語や概念の説明とかだって少なからず「箸休め」的に違った面白さを作品中に差し挿むコトが出来ていたと思いますし、映像も(アクション部分が最近の邦画準拠の”思ったより”好い出来であるコトに加えても)また特に「自然の美しさ」を際立たせた様なカットも随所で脳裏に焼き付く様な素晴らしいモノだったと思います。ラスト付近のアクションもキョウビ決して超常現象レベルの要素を入れ込んでいないにも関わらず、かなり工夫して必要に「派手」に見せ付けるコトが出来ていて、コレも優れたつくり込みだったと思いました。続編にも大いに期待します(重ねて、原作未読で映画から先に観るかを大いに迷ったのですが、率直に映画館で観ておいて好かったと思ってます)。
[映画館(邦画)] 7点(2024-02-19 00:05:14)(良:1票)
37.  ボーはおそれている 《ネタバレ》 
スッッゴく雑に一言で言っちゃうと、多分「実験映画」系…てヤツかなって思いますよね。結局、筋書きとかテーマだとかってレベルのトコロに一貫性が在るってコトでは(必ずしも)なくって、どちらかとゆーとソレ=一貫性が在るのは、描写の個々の性質・方向性の方のレイヤーだ…とゆーか、要はこの世の森羅万象の中でごく「正視に耐えないモノ」「(全力で)見て見ぬフリを極め込みたくなる様なモノ」を手当たり次第に全部詰め込んだ!(⇒監督の感性の下に!)て方のヤツに見えるのですよ。ソレはまた取りも直さず、全体としても特に諸々の「虚実」が終始綯交ぜで進行し続け+最後まで観てもソレが全く整理も解決もされず+最初から最後までナニが「真実=主人公の(具体的な)現在地」なのかが分からないという、非常に根本的で強力な「不安・不快感」に包まれ続けたままフツーにシレっと終わってゆくコト、であるとか、ホアキン・フェニックス演じる主人公だってコレが余りにも事態対処能力が低いから尚更に感情移入が超・難しいコト、とか、そもそもそんな居心地の悪い時間が(明らかに意図的に)3時間も続くコト、だとかにだって思いっ切り表れて居ると思われるのですよね。人に依っては正直「嫌がらせ」みたいな映画だ…て思うと(私も)思うのですし、ソレって全然的外れじゃあねーよな…とも個人的には思ってますよね。  またごく個人的に、もう一つ例示しておくなら、なんとな~く『ハウス・ジャック・ビルト』と『ファニーゲーム』の中間…みたいなヤツって気もしてます。『ファニーゲーム』ほど「完全に」嫌がらせではない・ケド『ハウス・ジャック・ビルト』ほど明確に所謂「映画」としてつくられても居ない⇒から、絶対に映画として観れないってワケじゃない・ケド所謂「映画」として観れる作品にも+シンプルに摂取可能な(映画的)芸術にもなり切れても居ない、みたいな。まァ私もさっき「実験映画」だとは言っちゃってる以上、いくら摂取自体が難しいモノでもいちおう芸術は芸術だ(=見方に依っては芸術にはなり得るヤツだ)とは言わねばならんのかも…と思ったりはするのですが、だとしても少なくとも私自身は、そのコト自体にも根本的にあまり「価値」を見出すコトが出来て居ないのですよね⇒またまた取りも直さず、根本的に今作のこの「方向性」っての自体に、然程の面白み・興味・共感を覚えなかった…という事情もあります(またすっごくざっくり端的にゆーと、極めて「好きくない」方の映画だったよなコレ…と)。結論、正直、コレを観るんだったら(今なら)『哀れなるものたち』を観た方が好んじゃね?とも(少~しダケ)思ってはしまいますかね⇒コレもなんとな~くではありますケドも、多少その方向性「のみ」に関しては近いトコロも有るカモ…とは。
[映画館(字幕)] 5点(2024-02-18 00:34:22)
38.  ドント・ウォーリー・ダーリン 《ネタバレ》 
意図的ではねーのですが、ついこないだ『MEN 同じ顔の男たち』を観てやったと思ったら、ま~た超・似たよーなヤツを観てもーた…てのが最大に支配的な感想ですよね。。示し合わせたワケでは(また)ねーのですが、毎度のコト実際に観る頃には観ようと思った理由を忘れちゃってるモンですから。。そもそも(なんとな~くですが)観始めるまでマジでコメディかなんかだと思ってたし。。  今作は、所謂「ディストピア」系のSFスリラーで、かつその内容・展開運び自体の面に限ればごく非常にコテコテ・典型的な作品だとも思うのですね。しかし、今作が監督二作目というオリヴィア・ワイルドですが(兼任で助演女優もやってますが)、彼女は前作『ブックスマート』でもシンプルな青春コメディに多分に+現代的にまた所謂「ダイバーシティ」な要素を取り入れて、キョウビごく受け容れ易い作品に見事に仕上げていた…というトコロは今作でも引き継いでいます⇒今作では、そのスリラーとしての「恐怖の根源」=ディストピアがディストピアである「理由」の部分を、再び現代的に(フェミニズム的な観点から)アップデートした…というコトかと率直に思えますね。重ねて、お話の内容(⇒どう展開して何処に帰着するか)なんかは観始めて10分でおおよそ見当が付いてしまう…みたいなヤツなのですが、前述のアップデートがしっかりしているコトや、映像の端的な出来の好さ、加えて主演のフローレンス・ピューの(コレまた)出来の好さ、なんかも加味すれば、全然悪い作品ではなかったかな…とは余裕で思える程度の作品だとは思うのですね。個人的には、やや尺は長いかな(=この内容ならもう少し短くても好いかな)とも思ったりしますが、そんな私でも全然フツーに最後まで楽しく観終われたかとは思ってます。お暇なら是非。  再度、フローレンス・ピューはまた中々好い仕事をしていたと思うのですね。実際、ヒーローもので大暴れ!してたりもする彼女ですが、なんとゆーか単純に諸々と「強そう」な女のコに見えるのですわ。だから、その意味でも確実に今作の主役にはピッタリだったな…と(重ね重ね、その件の「アップデート」を考慮したとしても)。
[DVD(字幕)] 6点(2024-02-16 22:12:46)
39.  コンパートメントNo.6 《ネタバレ》 
旅は人生の象徴・縮図とゆーか、それが非常に分り易く伝わる様な(+それでいてソコまであからさま・押しつけがまし過ぎずにアッサリともして居る様な)手堅い良作だったかと思います。人生は(否応無しに)どこかに向かって進んでゆくモノであって、旅はそれを可視化・具現化する…とでも言いますか(⇒前進・成長や挫折・焦燥、また望む望まざるに関わらぬ人との出会い&別れをも産んでゆく…と)。かなり淡々と進行してはゆくモノの、主人公がフィンランドの人で舞台はロシア、という(端的な)モノ珍しさもあり、私もワリと淡々とスンナリと観てゆけた気がしてますね。重ねて、ユニークと言うよりは⇔手堅いと言った方がしっくり来る様な作品かとは思いますが、十分に楽しめるとは思います。一点、今作は製作も(本国での)公開も2021年で、翌年からのウクライナ戦争は作中の演出には無関係だと言っても好いかとは思うのですが、それでもフィンランドとロシアの歴史的な&現状における二国間関係を鑑みても、ニュートラルに眺めるのが少~し難しくなってしまっている…というコト自体は、やはり少し残念な事象だとは思われますかね。
[DVD(字幕)] 6点(2024-02-13 17:47:26)
40.  リトル・マーメイド(2023) 《ネタバレ》 
前提として、主演女優の選定に関するあまり面白くない議論があった作品なのは(私も)承知しているのですが、観終わって私自身が考慮・検討した限りでは、この事に係る本作中の各種の変更・調整・配慮といったものは、作品の本質的な部分にまで及ぶものではなかったと結論しておりますので、この事が作品に対する(私の)評点に影響を与えるということはありません。    その上で、私自身は、また全然フツーに面白かった・楽しめたと思うのですね。映像面は近年のディズニー水準ド真ん中…みたいな感じとは言え、まずやはり水中の煌びやかなシーンなんかは十二分に爽快で美しかったと思いますし、流石の名曲揃いに流石のロブ・マーシャル監督…ダケあってミュージカル部分の出来もごく行き届いていたと思いましたよ(+特に主演女優さんは中々の歌唱力だったと素直に思いました)。全体の尺自体は(話の内容に比しても)ちょっと長かったかな~とは思いますが、ミュージカル映画だとごく通常どおり…かとも思ったりはします(エンドロールがまたちょっと長めだったりもするので、個人的にはまァ別に…とも)。原作にも比較的忠実っぽいので、ある種・ある意味「無難」と言って好い様な手堅いクオリティの実写化だったかな、と思いますかね。  ただ、私自身はまた正直、アニメ版にはそれほど思い入れが無いって鑑賞者ではあるので、そーいった個々の感情が有る場合は、どーしようもない「違和感」とゆーのはまま生じ得る…てのは理解してる積りです。私自身においても多少、そーいうモノが在ったのだとしたら一つ、今作って妙に「画面が暗い」コトが多かったな…という気はしましたね。特に、アニメのディズニーだともっともっと「明るく楽しく」て感じだったんじゃね?みたいな感覚は比較的強くて、だから今作は(その感覚からすると)明るい・楽しい・元気!とゆーよりは、結構シリアスで・ちょっと「怖さ」も在って・かつナンか活気が無い=大人しい…みたいな質感に寄っちゃってた様にも感じられますね⇒ソコは、個人的には(少しダケ)そーじゃない方が好みだったかな…という気もします。  もう一点、否応無しに(+本来不要で不当なコトだ)とは思えど、またどーしたって主役のアリエル(の一挙手一投足)に観客の視線が集中する様な状況になっちゃってた…とも思うのです。がソレを鑑みた時に、そーいった視線の集中を巧く「逸らす」様な(望ましく目立つ)サブキャラとゆーのがまたちょっと居なかった…て気もしてますかね。この点でもある種「無難」だとゆーか、この場合なら流石に「王子」に関してはもうオーソドックスにした方が好い…てのは状況的にもそーだと思いますが、他も総じてそーだってなるとちょっと…と(コレも少しダケ)モヤっとしてしまうトコロはありますかね。色々と、複雑で高度なプロの検討&判断が在ったモノだとは思うのですケドも……
[インターネット(字幕)] 7点(2024-02-11 23:02:25)
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