21. ローラーボール(1975)
リメイクをこのあいだ見たけどくだらなかったなあ。この映画、名指揮者のアンドレ・プレビンが音楽担当だったんですね。ショスタコビッチなんかが掛かってて、いい感じでした。「ローラーボール」ってタイトルがシンプルでまたいい。スポーツゲームのSFの可能性を予見させたのはこの映画の功績ですね。 5点(2002-11-01 17:12:58) |
22. 追憶(1973)
ロバート・レッドフォードってホントに男前だ。愛していても目指すものが違う二人ってのは悲しいものですね。シドニー・ポラック監督、こういうドラマは最高です。マービン・ハムリッシュのテーマ曲がヨットの場面で流れるとき、私は泣きました。 8点(2002-11-01 17:00:21) |
23. エクソシスト
ウィリアム・フリードキン監督が絶好調だった頃、こうだったのですね。「当時ボクは映画は短ければ短いほどいいと思ってた・・・」そう語る監督ですが、まさにタイトにきちっとまとまったスタイリッシュな作品ですね。カラス神父が見る母親の夢が心理テストの様で恐ろしい。届かない声、渡れない道路。何かきっと意味があるのでしょうね。都会的な刑事サスペンスの様な運びが今見ても最高です。 8点(2002-11-01 16:54:56) |
24. ロング・グッドバイ
ハードボイルド物ってあんまりいいものを見かけないんですが、これはかっこいいよね。エリオット・グールドのダラダラした感じがすごくいい。オープニングでジョン・ウィリアムスの書いた女性バラードがラジオやコンビニのBGMなんかにリレーしていくのが面白いと思いました。ジョン・ウィリアムスって昔はジャズ書いてたんですよね。「シンデレラリバティ」とか。 7点(2002-11-01 16:44:50) |
25. ミツバチのささやき
この映画って73年の映画だったんですか。知らなかった。洗練されてますよね。この間DVD化されてボックスセットを買ったんだけど、ビクトル・エリセ監督のコメント、ちっとも意味わかんなかったなあ。古いタイプの芸術家って感じ? 6点(2002-11-01 16:34:51) |
26. スローターハウス5
ジョージ・ロイ・ヒル監督のニューシネマっぽいSF映画ですね。公開当時は全然お客さんが入らなかったのだとか。今だってきっと入んないと思う。でもグレン・グールドのゴールドベルグ変奏曲の掛かる真っ白いオープニングは今観てもスタイリッシュです。この間、「ハンニバル」で使われているのを発見してどういうつもりかねー、とか思いました。だって「ハンニバル」ってイタリアの話じゃん。ともかく、ドイツ語の「シュラフト、ホフ、フュンフ」が今でも印象に残ってます。 5点(2002-11-01 16:28:18) |
27. THX-1138
ルーカスが以前「地獄の黙示録」のドキュメンタリーの中で、物語りの掴みとコシについて色々語っていましたけど、そういうモノの考え方がストレートに感じられる作品だと思います。確かに別に面白いものじゃないし、実験映画なんでしょうけど、ラストの直線的なカーチェイス? に妙な興奮があったりして、やっぱり上手いんだなこの人は、と思いました。私が気に入っているのは、坊主頭のふたりが裸で絡み合う真っ白なラブシーンで、女の顔が頭の方までさっと赤らむところ。映画史に残る名ラブシーンだと思うんですけど、どうですか。 5点(2002-11-01 16:17:56) |
28. 2001年宇宙の旅
2001年にもう一度劇場で観られて幸せでした。最初に観たのは「スターウォーズ」の一作目の公開にタイアップしたリバイバル上映でしたね。中学一年生でした。三色分光したネガから焼き込まれる色調はパリッとシャープで、特にディスカバリー号の完全なグレースケールの壁色にしびれました。衣裳がハーディ・エイミスだったりして、今観るととてもお洒落。いろんな見方があると思いますが「2001年・・・」が結局キューブリック監督の最高傑作なのでは? 10点(2002-11-01 16:01:37) |
29. クマのプーさん(1965)
クリストファー・ロビンの可愛らしい動きには圧倒されます。今日の日本製アニメにも通じるリアリティなのですよね。ページ立ての画面展開の途中で、雨が降って文字が流れるところなど、愛らしいアイデアが一杯。ラストの「何にもしないをする・・・」の名ゼリフに思わず涙が出ました。最近のテレビCMのなかでもこの台詞が息づいていているのにはびっくり。疲れた現代人の深層心理に響く、癒し系アニメです。癒されたいお父さんに、ぜひ。 6点(2002-11-01 15:30:07) |
30. エイリアン
ひさしぶりにDVDで見直しました。面白い。サスペンスの作り方が最高ですね。ダラスの通風口のくだりがやっぱりすごい。しびれる演出です。さて、最近のDVDってのは音声トラックがいくつもとれるのでいろんなコメントが入ってますよね。リドリー・スコットの作品、大体コメント入りなんですよね。はっきりいってこの人、喋りがかなり達者ですね。なんか広告屋のプレゼンでも聞いてるみたいな聞かせるコメントです。やっぱりこの喋りでクライアントを説得するんでしょうね。芸術家って言うより、かなりのビジネスマンですよ。経営者としても有能らしいですね、この人。 9点(2002-11-01 08:51:34) |
31. ブレードランナー
私の中でのベストムービーです。でも全てが全てリドリー・スコット監督の才能の結果であるとは思えませんが。製作された良い時代や、幸せな偶然が積み重なった結果としての、だからこその名作なんでしょうね。そういった意味では「2001年・・・」とどこか共通するところがあるかも。「ブレードランナー」は皆さん思いが強くて、語り尽くされてる様ですね。私も何度も繰り返し観た映画ですが、この映画の主人公というか、語り部はやはり背景であるセットなのだな、と感じます。都市そのものが人間とレプリカントの営みを内包している。オープニングに現れる巨大な瞳のカット。もちろんコンテとしてはホールデンの瞳なのですが、それに神の如き視線を感じます。都市そのものが全てを見下ろしている。そう考えると「ブレードランナー」は、物語としても珍しい、二人称の映画ってことになりますね。 10点(2002-11-01 08:36:24) |
32. 2010年
HAL9000とチャンドラ博士の最後のやりとりが、すごくいいですね。「私は夢を?」「・・・それはわからない」。胸に迫るいい台詞です。ピーター・ハイアムズはやっぱり70年代の脚本家です。映画的につまらないシーンほどキチンと書いてある。ロイ・シャイダーが奥さんと食事をするシーンや、スタジアムのマスタードは茶色が黄色か、なんてくだりは現代の若い脚本家は書かないですね。そんな視点がドラマにないんだと思う。ハイアムズ監督としては、自作の脚本で撮った最後の作品だったと思います。もっと脚本を自分で書くべきです、ハイアムズ監督! 7点(2002-10-31 17:01:01) |
33. シカゴ・コネクション/夢みて走れ
この映画もだれもコメントなしか。ハイアムズ・ファンとしては寂しい限り。でも正直いってかなり面白くない。ピーター・ハイアムズの映画って中盤のアクションが独創的なんだけど、ラストで息切れしてしまうみたいですね。高架線の上をタクシーでチェイスするところは、「フレンチコネクション」を逆さまにしたみたいで結構、面白いんだけど、ラストのビルの中の銃撃戦はつまらない。最新作の「ヤングブラッド」も同じ構造ですね。でも、最近こういう軽いポリスアクションがないので、久しぶりに作って欲しいかも。監督ファンとしては。 3点(2002-10-31 16:46:44) |
34. アウトランド
うーん、だれもコメントしていないのね、この映画。でもこの映画でハイアムズの目指したヴィジュアルって、大友克洋さんの「アキラ」なんかに強く影響してるんじゃないですか。合理主義的なハードエッジなセットデザインがアホっぽいけど、本当はみんなどこか感じているんじゃないかな? パトレイバーの最新作でもエレベーターが出てきたけど、これが鉱山の減圧エレベーターにそっくり。廃棄物13号の動きは「レリック」にそっくりだったなあ。「カウボーイビバップ天国への扉」のモノレールのシーンは「シカゴコネクション・・・」みたい。あんまりいいたくないんだろうけど、みんなハイアムズ節の洗礼を受けてる様ですね。 7点(2002-10-31 16:35:10) |