22. ブラックホーク・ダウン
この映画は事実を元に・・・で始まった。事実って何ですか?二時間かけて延々と言い訳を聞かされているような印象でした。映画として面白ければ言いという人もいると思いますが、これを見たアメリカ人を始め大勢の人が、字幕も付けてもらえないソマリア民兵が訳わからん言葉で叫び、暴れる姿を見て、「なんだこいつら、野蛮で知能の低いサルやないか」と考えてしまいませんか?はじめに捕まった捕虜と将軍とのやり取りでも、「これは内戦だ」「いや、虐殺だ」と将軍の言葉で終わっている恣意的な運びなど、意図を感じずにはいられません。もちろんこれは映画というエンターティメントであり、アメリカ寄りの映画になるのは避けられないかもしれませんが、映画は、時に強烈なプロパガンダとしてその影響力を示してきた歴史があり、作り手もそれを意識しないはずがありません。映画だから、というには、僕たちはあまりに無知で無防備なのではないでしょうか?映画としてのみの評価というのは難しいでしょう。たとえ映画としての評価をするにしても、この一面的な描き方では深みが感じれられませんでした。ソマリア民兵を単なる集合 -言うなれば「あいつは何々高校の生徒やから、気をつけろ」的に粗雑に普遍化されたものー として描かれ、アメリカ兵が勇気と愛と個性に満ちた英雄として描かれているなど、んなわけあるか!と思わず突っ込みたくなる陳腐さでした。あと、ひとつ引っかかったのが、途中で「墜落機と同じコースを飛べ」という指示が出た部分です。?が浮かびました。何の説明もなくて。戦争中だからそんなもんやで、と言われればそうかもしれませんが、それでもう一機墜落したんだから、あのあたりは説明がないと引っかかってしまって話のテンションを下げるだけでした。もしこの映画で見るべき点があるとすれば、海岸沿いを飛ぶヘリの群れ。映像としてきれいでした。それだけの映画です。 3点(2003-05-18 21:11:02)(良:1票) |