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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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381.  ダウンタウンヒーローズ
終戦直後の松山を舞台にバンカラ学生たちの青春を描いた山田洋次監督の映画。自分的にはバンカラ学生の青春というと、鈴木清順監督の「けんかえれじい」が思い浮かぶので、題材的に山田監督には合わないかもと思っていたが、確かにストームのシーンとか山田作品としてはちょっと違和感を感じるけど、山田監督らしい青春映画でとても良かった。渥美清や倍賞千恵子など山田組常連俳優はもちろん、主要人物を演じる俳優たちがとてもいい。中でも最後のほうの喫茶店での柳葉と中村とのやりとりにはグッとくるものがある。薬師丸ひろ子もこの頃はまだアイドルのイメージが世間一般に強かった頃かもしれないが、なかなか良かったと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2022-01-18 22:32:40)
382.  翔んで埼玉 《ネタバレ》 
かなり話題になった映画でちょっと気にもなっていたが、舞台になった地域以外の人は楽しめない云々の評価もあり、見るか否かを迷っていたが、実際見てみるとそこは気にすることなく、思っていた以上に楽しめた。最初から最後までテンションが高く、見ていて非常にバカバカしいのだが、大筋のつくりや出演している俳優たちの演技は総じて真面目であり、それが面白さにつながっているし、バカバカしさの中にも差別や偏見といった社会的なテーマも含んでいると感じる部分もあるように思う。それはともかく、いちばん盛り上がったのはやはり埼玉と千葉の川をはさんだにらみ合い。時代劇の合戦シーンを思わせる雰囲気になっているが、やっていることはそれぞれの出身有名人の写真を出し合うというバカバカしさでそのギャップが面白い。麗(ガクト)が草加せんべいの踏み絵をさせられるシーンも純粋にパロディとして面白く、つい笑ってしまう。ガクトが学生役というのは普通に考えたら違和感があるのだが、これだけぶっ飛んだ設定だからかまったく気にならずに見れたし、逆に見ているうちにだんだんとはまり役のように思えてくる。麗と生徒会長である男子生徒・百美の同性愛も描かれているのだが、百美を演じているのが二階堂ふみというのはさすがに同性愛として見るのは違和感があるのではと思っていたが、原作が昔再放送のアニメをよく見ていた「パタリロ!」と同じ人ということで、マライヒとバンコランを思い出したが、そのおかげかとくに違和感もなく見ることができた。描かれる話をラジオで聞いている狂言回しの家族(ブラザー・トム、麻生久美子、島崎遥香)のやりとりも面白く、またこのパートがあることによってこの話をこの家族と一緒に客観視できるつくりになっているが、この三人のなかでぱるる演じる娘が最後のほうまで結納に間に合うことだけを考えているのは製作側も映画で描かれる話がどうでもいいようなことだと分かっていたんだろうと思う。その家族の最後の会話を見ていて、自分自身にとって春日部、いや埼玉といえば「クレヨンしんちゃん」のイメージがあまりにも強いことに気づかされた。テレビドラマチックな映画で、とくに映画的な何かがあるわけではないが、最初にも書いたようにじゅうぶん楽しめたし、純粋に面白かったと思える映画だった。それからエンドロールのはなわの歌も映画の内容にストレートに合わせた曲になっていて、そこまできっちり楽しめる仕様なのも良い。なにか久しぶりに「映画はエンドロールまでが本編」というのを実感した気がする。
[DVD(邦画)] 7点(2022-01-15 19:30:30)(良:1票)
383.  大殺陣 雄呂血 《ネタバレ》 
戦前の坂東妻三郎主演のサイレント時代劇「雄呂血」を市川雷蔵主演でリメイクした大映時代劇。オリジナルも見ているが、5、6年前に一回見ただけなので肝心のストーリーのほうをすっかり覚えていなかった。そのため、オリジナルのことはあまり考えず見ていたのだが、リメイクと考えなくても一本の娯楽時代劇としてじゅうぶん面白い映画に仕上がっているし、ドラマとしてもなかなか見ごたえのあるものになっていて面白かった。雷蔵もニヒルでかっこよく、クールでバンツマの演じた主人公とは少し印象が違うが、これはやはり雷蔵ならではのものだろう。クライマックス、オリジナルではバンツマはもっとコミカルな動きをしている感じだったが、本作はあくまでこのクライマックスの殺陣はリアリズムを意識しているようで、「大殺陣」とタイトルにあるように、雷蔵ひとりで何百人はいようかという敵と大チャンバラを繰り広げる様は圧巻で迫力充分。「十三人の刺客」などの集団抗争時代劇が流行っていた時代に作られたことがおそらく影響してるんだと思うが、それにしてもたった一人でこれだけの数と戦うというのは凄すぎる。一体、何人相手にして何人斬ったのだろうと本気で思えてしまうほどの凄さを感じずにはいられない。はっきりいってこのクライマックスはオリジナルを超えているのではと思うほど凄い。ここだけでも見る価値はじゅうぶんあると思う。そうそう、雷蔵の相手役と言えば藤村志保が多いという印象が強く、実際に本作にも藤村志保は出ているが、この映画のヒロイン役は八千草薫。この女優を大映時代劇で見るのは珍しい気がするし、ましてや雷蔵とのコンビというのもほかではなかなか見られない組み合わせで新鮮に感じられる。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2022-01-15 14:46:49)
384.  虎の尾を踏む男達
エノケンが面白かった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2022-01-15 11:56:03)
385.  武士の一分
山田洋次監督の藤沢周平三部作完結篇。主演がキムタクということでかなり心配だった本作だが、いつもはテレビドラマやバラエティー番組などでかっこつけた印象のあるキムタクが全く違った一面を見せていて、アイドルではなくちゃんとした一俳優として素晴らしい演技をしているのが新鮮に思える。山田監督もこれまでの二本で相当こなれたようでキムタクに媚びることなく自分の作風を前面に押し出して夫婦愛を描いた傑作に仕上げているのはさすがと思う。キムタク以外の出演者で良かったのはなんといっても妻役の檀れい。初めて見る女優だったのだが、この3本の中のヒロイン役女優ではいちばん良かったと思う。キムタクの相手役女優といえば山口智子や常盤貴子、松たか子など既にテレビでお馴染みの人気女優がやることが多い中で、映画初出演の元宝塚女優というテレビではあまり知られてない女優を起用したのは正解だろう。笹野高史も大きな役はおそらく見たのは初めてと思うが、味のある抑えた演技でとても良かった。3本とも同じ点になったが、個人的には世間的評価の高い「たそがれ清兵衛」より「隠し剣 鬼の爪」や本作のほうが山田監督らしくて好きだな。
[DVD(邦画)] 8点(2022-01-14 23:07:51)(良:2票)
386.  無法松の一生(1943)
検閲でカットされたシーンを新たに撮影し直した58年のリメイク版と続けて鑑賞。どちらも素晴らしかったが、やはりこのバンツマ版のほうが完成度が高く、宮川一夫の撮影も素晴らしいの一言。吉岡夫人役の園井恵子がビックリするほど美しく、印象的であり、この2年後に広島原爆で亡くなられてしまったことを考えると非常に惜しい。子役の澤村アキオ(長門裕之)も印象的だった。いつまでも心に残る名作である。
[CS・衛星(邦画)] 10点(2022-01-12 22:45:51)(良:3票)
387.  クレージー作戦 くたばれ!無責任 《ネタバレ》 
クレージーキャッツが全員集合した「作戦」シリーズと呼ばれる作品群の一本。新製品のコーラを飲んだ植木等扮する無気力な会社員が突然モーレツ社員に変身してしまうのが「マスク」や「ナッティー・プロフェッサー」のようで痛快。性格の変化を映像で表現するのもなかなか凝っている。催眠術に凝っている谷啓も笑えた。ストーリー自体はまあ可もなく不可もなくってところだけど、最後に映画を見ているサラリーマン層に向けてのメッセージ的なセリフがあってちょっと驚いた。当時のサラリーマン層にこのシリーズが人気だったというのがなんとなく頷けるような気がする。それにしても、こんなコーラが実在したら欲しいなあ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-01-11 23:16:41)
388.  男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花<特別篇>
渥美清の死後に追悼作品として作られたシリーズ番外編。シューズメーカーに就職した満男が寅さんとリリーのことを回想するという構成。「虹をつかむ男」同様に寅さんのCG合成による「出演」もあるが、内容的には「寅次郎ハイビスカスの花」がほとんどそのままなので、感想はオリジナルと全く同じ。冒頭、満男の回想シーンで「寅次郎忘れな草」と「寅次郎相合傘」の一部分が使われている。
[地上波(邦画)] 5点(2022-01-10 16:30:46)
389.  ルパン三世 DEAD OR ALIVE
先ごろ亡くなった原作者のモンキー・パンチが唯一監督としてかかわった劇場版シリーズ第6作。キャラクターデザインが劇画チックで、いつもと違う渋めの雰囲気なのがさすがは原作者が監督という感じだが、ストーリー的にはいつものテレビスペシャルと同じ感じなので、作画の雰囲気と脚本の調子が合っておらず、そこに違和感を感じてしまう。いっそのこと脚本もモンキー・パンチ自身が担当していればと思うのだが。それでも本作では銭形が優秀な刑事として描かれていて、カッコよかったのは印象に残った。ゲストヒロインの声を高山みなみが演じているが、ルパコナを見た後になって本作を見てみると、出てたのねという感じ。本作の公開年に「名探偵コナン」はアニメ始まったことを思い出して、すごい偶然だなと思ってしまった。このころは将来コラボするなんて双方の関係者も誰も思ってなかっただろう。(2019年5月17日更新)
[DVD(邦画)] 4点(2022-01-06 22:48:33)
390.  みんなのいえ 《ネタバレ》 
三谷幸喜監督の第2作。昔見たときは期待が高すぎたのかイマイチに感じたのだが、久しぶりに見直してみると「ラヂオの時間」より劣るもののそこまでつまらなくはないし、むしろ案外面白かった。家を建てるという日常的でシンプルなテーマをひねりを入れずにストレートに描いているホームドラマだが、今見るとそこに安心感が感じられるのが良かったのかもしれない。(最初に見たときはここが不満だったんだよなあ。)話の主軸になるデザイナー(唐沢寿明)と大工(田中邦衛)の対立も興味深かったが、それ以上に家を建てるときのしきたり云々のウンチクもしっかり描かれているあたりは伊丹十三監督の「お葬式」の影響が見られ、テーマ的にも似通った部分があると思う。しかし、「お葬式」と比べてしまうと毒気がなさ過ぎてそのあたりちょっと物足りないかもと思ったりもするが、三谷監督にはそこを求めていないのであまり気にならなかった。でも、同じテーマで伊丹監督が手掛けていたらというのもちょっと思った。施工主の夫婦を演じる田中直樹と八木亜希子がいいコンビぶりなのだが、とくにクセの強い面々が多い中で、この八木亜希子演じる奥さんのクセのないいかにも「普通の人感」が程よいスパイスになっていて、この配役のバランスも良かった。それから野際陽子演じる夫の母親は親戚に同じような人がいるせいかつい笑ってしまった。チョイ役での豪華な出演者も多く、この映画から三谷監督のフォーマットが出来上がった感じだが、テーマやストーリーとしては三谷監督の映画の中ではいちばん身近に感じられる作品だと思う。少し甘めかもしれないが、7点を。(2020年2月15日更新)
[DVD(邦画)] 7点(2021-12-31 00:10:10)
391.  ラヂオの時間 《ネタバレ》 
自身の舞台劇を映画化した三谷幸喜監督のデビュー作。かなり久しぶりに見たが、限られた空間と限られた時間の中で限られた登場人物が織りなす三谷監督らしいシチュエーションコメディーで、後の三谷監督の映画と比べて大風呂敷を広げたような映画ではなく、あくまで小品であるところがいいし、それにやはり脚本の良さにつきる映画で、やはり三谷監督の脚本家としての巧さをいちばん感じられる映画になっていて、このおかげで最初から最後まで引き込まれ、やはり今見ても面白かった。生放送のラジオドラマが出演者たちのワガママによって脚本が次々に変えられていくというストーリーで、出てくる登場人物たちがどれも個性的で癖のある人物ばかりで見ていてつい笑ってしまうのだが、実際の現場もこういうことはよくあるのかなと思う反面、拡張された部分も多いと感じる。でも、本作の原作となった舞台が三谷監督が初めて脚本を担当した連ドラの撮影現場で、書いた本人に無断で脚本を書き替えられた経験から発想されたとのことで、その拡張された部分はそれを皮肉っているのだろうと考えればあまり気にならずに見れる。そんな中にあって採用された脚本を目の前で書き換えられてしまう鈴木京香演じる主婦には、やはり思わず感情移入させられ、彼女がスタジオに立てこもるシーンでそれは頂点に達してしまった。(三谷監督の術中に見事ハマってしまった?)騒動の発端となる女優・千本のっこを演じているのが戸田恵子なのだが、実写の女優として初めて見たのが本作であったせいか、見た実写出演作の中では今でもいちばん印象にある役なのだが、久しぶりに見てもそれは変わらなかった。やはりマイクの前に立つ姿が様になっていて、声の艶や出し方もよく、あらためて声優であると感じることができる。女優として見慣れてしまっても声優のイメージが大きいのは昔から声優としての出演作を見慣れていたせいもあるが、初めて見た実写出演作品が本作の千本のっこ役だったせいもあるかもしれない。それとラジオドラマを聴いているトラックの運ちゃんを渡辺謙が演じているのは最初見たときは気づかなかったのだが、伊丹十三監督の「タンポポ」のガンのその後の姿を思わせていて、宮本信子がチョイ役で出ていることも併せてオマージュであると感じずにはいられない。(2020年2月9日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2021-12-30 15:22:41)
392.  ぼくの伯父さんの休暇
ジャック・タチ初体験。最近、チャップリンの短編作品を立て続けに見ていたせいか、最初は淡々としたノリにちょっとビックリしたけど面白かった。真夏のビーチの雰囲気やテーマ音楽もとても良くて癒される。でもチャップリンと違ってそこまで映画にのめりこめなかったのがちょっと残念。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-12-28 16:46:25)
393.  男はつらいよ 寅次郎夢枕
ラストのとらやの面々と八千草薫の談笑シーンが少し悲しい。
[地上波(邦画)] 8点(2021-12-25 10:49:35)
394.  HANA-BI 《ネタバレ》 
10年ぶりに再見。以前見た時にはたけしの監督作を「菊次郎の夏」しか見ておらずあまりの芸術性の高さに驚いた記憶があるのだが、たけしの監督作を10本ほど見た今あらためて再見すると、いかにもたけし映画らしい激しい暴力描写とそれでいて美しさを感じさせる映画になっていると思う。初見以来の再見なのでストーリーをあまり覚えていなかったのだが、とにかく西(ビートたけし)とその妻(岸本加世子)の夫婦愛に以前見た時よりもグッとくるものがあり、ケーキのシーンなどたけしの得意とする必要以上に登場人物に語らせない演出がすごく活きていて、言葉などなくてもこの夫婦の固い絆というものが見事に美しく表現されていて素晴らしく、同時に切なさも感じられて感動的だった。二人が旅に出る後半も時折ギャグを入れつつも、どこか同時に物悲しさを漂わせている雰囲気が良い。この孤独な二人の旅と、回想による犯人に撃たれ下半身不随となった堀部(大杉漣)の孤独を対比させるような描き方も良かった。一言も喋らなかった西の妻が最後の最後になって喋る一言、以前見た時もここは印象的だったが、特になにも感じなかったのに今回はこの夫婦に初見当時よりも感情移入できていたせいか、このセリフがものすごく悲しく、切なく聞こえた。この映画はなによりもこの不治の病に侵された妻(劇中ではっきりとした病名を最後まで示さないのがいい。)の存在が大きく、演じる女優にはおのずと演技力がもとめられるわけだが、演じる岸本加世子は見事にたけしの要求に応えて素晴らしい演技を見せている。西を演じたたけしもそうだが、岸本加世子という女優の存在がこの物悲しい映画の完成度をより高めており、ラストシーンも印象的なものになっているのだと思うし、実際、僕自身もこのラストシーンは好きだ。全体的にもたけし映画らしい静かな作品であるが、シーンが静かであればあるほど、久石譲の音楽がでしゃばりすぎのような気もして少し邪魔にも思える。(曲自体はいい曲なんだけれども。)例えばさっき好きだと書いたラストシーンも音楽がなければもっと良かったのではないかと思わなくもない。でもこの映画は間違いなく北野武監督の代表作であり、傑作であることには間違いないと思う。(2011年6月19日更新)
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-12-21 17:59:54)
395.  明治侠客伝 三代目襲名 《ネタバレ》 
久しぶりに見る東映任侠映画。加藤泰監督が初めて手がけた本格的な任侠映画とのことだが、それを少しも感じさせることがない手堅さで、それでいていかにも加藤監督らしい映画になっていて、冒頭のクレジットタイトルのバックの俯瞰映像から既に魅せてくれているし、何といっても浅次郎(鶴田浩二)に買われた初栄(藤純子)が、そのおかげで父親の死に目に会いに帰ることができたことで浅次郎に礼を言いにくる川べりのシーンもとても美しく、このシーンだけでもこれぞ映画と感じさせていてここだけでも見る価値はあると思う。本筋としてはよくある任侠映画のフォーマットに収まった作品と思うものの、この浅次郎と初栄のラブロマンスを絡めたことで映画に奥行きが出ていて、よりドラマチックな内容になっていると感じる。この二人のお互いに秘めた想いや情念というものをうまく描いていて、ただの任侠映画に終わらないドラマとしての深みを出そうという加藤監督の意気込みのようなものが伝わってきて、名作と呼ばれている理由も分かり、じゅうぶんに楽しめたことは確か。でも、浅次郎が三代目を継ぐことに反対していた二代目の息子である春夫(津川雅彦)が家業を譲ると言われた途端にコロッと態度を変えるところなどもう少しじっくり描いてほしかった部分もあり、その点で少し物足りなさも感じたのも事実。ラストの鉄道の上を連行される浅次郎とそれを見送る初栄のやりとりも良く、印象的だった。それにいちばん最後、汽車の映像で終わっているのがなんとも加藤監督らしい。
[DVD(邦画)] 7点(2021-12-19 17:37:06)
396.  烈車戦隊トッキュウジャー THE MOVIE ギャラクシーラインSOS 《ネタバレ》 
スーパー戦隊シリーズ第38作の劇場版。「ゴーバスターズ」と同じくテレビシリーズも見ていて、(メンバーが戦隊になる前の記憶を無くしているという設定のおかげで、少しミステリー要素があるのが面白い。)その流れで本作も見たのだが、やはり劇場版になると30分にこれでもかと詰め込まれていて、全体の印象としてはテレビシリーズの一話とそれほど変わらないものの、展開が目まぐるしくいかにもイベント映画という感じ。テレビシリーズでも関根勤演じる車掌が持ちネタを披露していてつい笑ってしまうのだが、(「新幹線大爆破」の千葉真一のモノマネとか分かる子供、たぶんいないよな。)本作でも敵に囲まれた車掌がとる構えに思わず笑ってしまった。クライマックスはトッキュウジャーが動物の力を得てパワーアップするのだが、ほかのメンバーが動物系戦隊のような姿になるのに対し、5号(ピンク)だけはスーツの上にパンダの着ぐるみを着込んだような姿になるのがけっこうインパクトがある。このクライマックスでは専用の挿入歌も流れているが、歌っているのが串田アキラと堀江美都子というのがなにか嬉しい。
[DVD(邦画)] 5点(2021-12-18 12:08:57)
397.  乳母車
裕次郎初期の文芸もの。それまで映画スターだった頃の裕次郎に対しては不良っぽい印象が強くてあんまりいいとは思ってなかったが、この映画で初めて良い俳優だと思った。芦川いづみも顔を覚えたのがこの映画で、非常に可愛らしかった。新珠三千代や宇野重吉もさすがにうまく、手堅くまとまったこの時代らしい邦画で安心して見られる映画だと思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-12-16 22:21:22)(良:1票)
398.  真田風雲録 《ネタバレ》 
昔にも一度見てそのハチャメチャなぶっ飛び感が強烈に印象に残っていた加藤泰監督の映画なのだが、17年ほど経った今久しぶりに見てもやはりそのハチャメチャぶりというか、隕石落下の影響で赤ん坊の時に超能力を身に着けた猿飛佐助(中村錦之助)や、お霧(渡辺美佐子)という女性の設定の霧隠才蔵、時代劇なのにギターをかき鳴らしているミッキー・カーチスなど登場人物をはじめとした荒唐無稽さ(本間千代子演じる千姫などもコミカルに描かれていて好感が持てる。)が強烈な印象に残り、まさにこれぞカルト映画と呼ぶに相応しいと思える映画でやはり今見ても非常に面白かった。それに以前に見たときは加藤監督の映画をそれほど見ていなかったせいか、そこまで意識しなかったのだが、今見ると加藤監督はこの荒唐無稽で風変わりな異色時代劇の中にあってもあくまで真面目な視点で演出していることが分かり、ぐるぐるさんの書かれている通り、当時の学生運動といった社会への風刺を取り入れていて、終盤では戦に敗れた佐助と半蔵の個人的な一騎打ちが描かれているところなどは加藤監督らしいところか。また、佐助や真田幸村(千秋実)の生きざまがしっかりと描かれていて、ここがしっかりしているからこそ、どんなに荒唐無稽でハチャメチャでも全体を通した統一感があり、それが本作をただのキワモノ映画に終わらない青春ドラマとしての魅力も感じられる映画になっている。「やりてえ事をやりてえな。てんでカッコよく死にてえな。」というテーマ曲の歌詞とそれを歌いながら行進するシーンが実に心地良く、本作でいちばん好きなシーンだ。カッコよく死ぬことを望んでいた真田幸村がカッコ悪い無様な死にざまを遂げるのは今見てもブラックで笑えるのだが、今回改めて見たらそれ以上にどこかやるせなさも感じることができた。癖のある映画なので好き嫌いははっきりと分かれるかもしれないが、見ると元気になれる部分もあると思うし、やっぱり好きな映画の一本だ。(2021年12月12日更新)
[DVD(邦画)] 9点(2021-12-15 17:59:22)
399.  大江戸の侠児
大川橋蔵主演の鼠小僧誕生秘話。BSの放送を最初はスルーするつもりでいたけど、加藤泰作品であることを知って見ることにした。そこそこ楽しめたけど、あまり印象に残らない作品だった。これの一つ前に見た加藤監督の映画「真田風雲録」がインパクトありすぎる作品だったのに対し、この映画はオーソドックスなつくりなのでよけいにそう感じるのかもしれない。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-12-12 15:38:16)
400.  八つ墓村(1977) 《ネタバレ》 
横溝ブーム真っただ中に作られた野村芳太郎監督による「八つ墓村」。これまでに二度ほど見ているが、改めて久しぶりにDVDで再見。前回見たときはちょうど市川崑監督のシリーズを見ていた頃だったこともあって、作風や雰囲気の違いも含めて楽しめたのだが、久しぶりに見返すと面白いことは確かなのだが、大作映画にありがちな冗長さや粗が少し気になり、脚本的には微妙に感じてしまったのも事実。しかし、任田順好演じる濃茶の尼や、要蔵(山崎努)の32人殺しシーン、犯人と露見した後の美也子(小川真由美)が怪物のような顔に豹変して洞窟内で辰弥(萩原健一)をひたすら追いかけるクライマックスなどは今見てもじゅうぶんにインパクトがあり、オカルト・ホラー調の作風も相まってとにかく怖い。このインパクトの強さと怖さという点ではおそらく今まで見た横溝映画の中では群を抜いていて、やはり本作がいちばんだろう。そんな中、金田一を演じているのが渥美清というのが一種のカンフル剤になっていて、彼が演じる金田一が出てくると、なにかホッとするし、下條正巳も出ているので、怖い映画なのにどこか寅さん的な雰囲気もあるという不思議な映画になっているし、もし、寅さんが旅先で殺人事件に遭遇したらというあり得ないシチュエーションもつい考えてしまい、それが楽しい。もちろん、この渥美清の金田一に否定的な意見も多いとは思うが、やはりこの不気味さや怖さが目立つ本作の金田一役にあえて渥美清をキャステイングしたというのは正解だっだだろう。それともう一つ、本作は吉岡秀隆のデビュー作でもあるのだが、落武者のひとりを田中邦衛が演じており、同じシーンに出てくることはないが、のちに「男はつらいよ」や「北の国から」で長く共演する二人の名優とデビュー作で既に同じ映画に出ているのはもう縁というものを感じずにはいられない。(2021年5月8日更新)
[DVD(邦画)] 7点(2021-12-12 15:22:51)
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