401. アンダーワールド:ビギンズ
《ネタバレ》 ベッキンセール主演ではないため、一瞬モックバスターと間違われそうですがれっきとした続編で安心。 …ですが、内容自体は、だからどーした?といった感じです。 ライカンたちの脱出場面やそれぞれの戦闘シーンは見ごたえありですが、このシリーズの宿命というか、どうしてこれを「狼男」と「吸血鬼」でやるかが疑問です。 ライカンは百歩譲るとして、吸血鬼たちは闘うにしても殆ど剣やボウガンやらを使っての闘い。途中思い出したかのようにビクターがちょっと本気出しましたがそれ以外は殆ど人間と描写が変わらず、「別にこの題材なら人間対狼男でいんじゃね?」と思えてくる始末です。というか太陽光で死んで初めて「あぁ、こいつも吸血鬼だったのね」なんて気付くことも…。 前日談としては上手く出来ていると思いますが、どうしてもそこが(初代から)引っかかっているので5点。 [DVD(字幕)] 5点(2011-03-31 19:38:49) |
402. 蝿男の逆襲
《ネタバレ》 前作がカラーだったのに対し本作が白黒という時点でもはやトホホな線が有力になってくるわけですが…。 強引なこじつけですが確かに前作の続編、ということは間違いないんですが、娯楽要素に走りすぎたのか聊か質が落ちています。 皆様仰るとおり蝿の特撮だけはパワーアップしているのですが、ここぞという時に登場させていた前作違いほぼ出ずっぱり、そして自分を陥れた連中を殺しにうろつくって「蝿男の恐怖」の続編というブランドネームがなければ本当にただのB級ホラー映画です。 そう考えると、わざわざ物質転送機に蝿を入れたのはもはやこじつけとしか思えません。 [DVD(字幕)] 5点(2011-03-30 04:20:14) |
403. 蝿男の恐怖
《ネタバレ》 蝿の頭は今見るとやはりどうしてもそこらの玩具屋で買ってきたかのような安っぽさが拭えませんが、問題の蝿男が終盤まで殆ど画面に映らないとことであまり気になりません。 むしろ、蝿男のもたらす恐怖ではなく実験の失敗によって自分の身に起きた異変に対する脅威、恐怖という設定、そして冒頭で物語の結末を提示し、そこから何が起きたかを究明していくミステリーの手法共々、特殊メイクによって阿鼻叫喚の変身シーンを見せ付けたクローネンバーグ版とはまた違ったスリルがあります。 そして、人間の頭に摩り替わった蝿が叫ぶラストも、冷静に観れば滑稽ですが、なんともいえない余韻を残します。 古きよき怪奇ホラーに7点。 [DVD(字幕)] 7点(2011-03-30 04:13:43)(良:1票) |
404. アイランド(2005)
《ネタバレ》 冒頭の“近未来”の造形は無機質でなかなか素晴らしく、クローンは人間か否かというテーマや派手なアクションなど、見応え充分な作品ではあるのですが、前半部分が少々情報過多になっている気がして、“生存者の正体”や虫の発見、“アイランドの事実”と云った印象的であろう場面がどんどん過ぎ去っていく気がします。 まあアクションが売りの映画+予告で半分ネタばれしているような作品だったらしいので突っ込んでも仕方ないのでしょうが。 打って変わって中盤以降の逃走劇は少しくどいかなぁと思ったり。ただ後半になるにつれてまたスリルが増してきて巻き返し、と云った感じですが、何故彼女を捕獲した時点で身体検査をしなかったのか等、雑な部分もチラホラ。 終盤の余韻がよかっただけに、あと一歩と云ったところでしょうか。 [DVD(字幕)] 6点(2011-03-22 02:24:50) |
405. イグジステンズ
《ネタバレ》 内臓と云うか胎児と云うかを彷彿とさせるゲーム・ボードや骨製の拳銃と云った、なんだかよく判らない造詣の小道具が顕在、それでいて同題材のビデオドロームよりも幾分か判りやすいというか取っ付きやすくなっているという点では初心者向けなのかもしれません。 ジュード・ロウやウィレム・デフォーと云った今や大御所の出演も良いですが、以前の作品に比べるとインパクトと云うか、独特のアングラ感が薄れている気がします。 [DVD(字幕)] 6点(2011-03-22 02:12:36) |
406. 狼男アメリカン
《ネタバレ》 同年に公開された「ハウリング」と何かと比較されがちですが、とにかく、リック・ベイカーによる狼変身シーンは圧巻。 近年では「ウルフマン」でも仕事をしていますが、この時代の特殊メイクが自分には肌に合っているようで…。 物語は、冒頭は正統派ゴシックホラーの趣ですが、舞台をロンドンに移してからはどちらかといえばブラックユーモアを交えた作風になります。 登場する度に腐敗が進んでいく友人や、主人公に殺され、亡霊となってこの世をさ迷う羽目になった犠牲者たちが一堂に会す場面はなんともいえない場面です。 全般的に、それ程じめじめしない物ですが、テーマは結構陰気、そしてラストシークエンス(ロンドン市内でのクラッシュは結構見ごたえあり)で一気に現実に突き戻されるように唐突に終わるので、もう少し余韻を大事にしてほしかったですねぇ。 [DVD(字幕)] 6点(2011-03-20 02:33:55) |
407. ヴィデオドローム
《ネタバレ》 冷静に観るとさっぱりなストーリーですが、元々クローネンバーグって御方は突拍子もないストーリーを強烈なインパクトと独特なグロテスク描写で強引に引き込んでいく人ですのでこれでいいのです。 そもそも、血管の浮き出たテレビやらウニョウニョ動くビデオテープなんてもの、この人くらいしか考えないであろうといった感じで、シュールでありグロテスクですが、不思議と嫌悪感はそれ程感じません。 ビデオ、メディアの有する有害性、中毒性を変わった視点で描いた作品として傑作の部類に入るでしょう。ただ万人受けはしないでしょうが。 というより、こうした作品を観続けている人は、すでにビデオドロームの世界に逝っちゃってるのかもしれませんね。自分含む。 [DVD(字幕)] 7点(2011-03-20 02:16:46) |
408. ゴースト・ハウス(2007)
《ネタバレ》 皆さん仰るとおり、邦題ゴースト・ハウスに対しこの原題ですので観る前に半分ネタばらしをされているようなものです。 編集が平坦、というより、(モノクロのクレジットではなく)冒頭から超常現象が起こったり音響で驚かせる手法をところどころ使っているので、いざそういった場面になっても緊張感がまったく感じられません。 鳥やらポルターガイストやら、色々とオマージュしたであろう場面が出てきますが、それ程見所になってはいません。 まあ、ひまわり畑と、ジョセフ・ロドゥカの牧歌的な音響はそれなりに効果を発揮してはいましたが。 [DVD(字幕)] 5点(2011-03-20 01:49:07) |
409. サイコ(1998)
《ネタバレ》 元がサスペンス映画の最高峰だけあってこれを再映画化するのは相当な勇気が要ったでしょう。もっと云えばこれをリメイクできるということは相当な誉れなのかもしれませんが。 で、実際内容としては、「悪魔のような女」のような改悪はないにしても現代的な解釈もなく、最後にライラの一発が加わるだけで(あとは館の外観が違う)ほぼオリジナルと一緒です。 カラーになってとっつきやすくなった分、オリジナルが放っていた白黒の不気味さ云々がすべてなくなっているように思えます。登場人物については、言わずもがなでしょうか。 元々完成度の高い作品だけに、外れもしませんがリメイクの域は脱していません。まあ当然といえば当然なのでしょうが…。 [DVD(字幕)] 5点(2011-03-20 01:36:11) |
410. ロックンロール・ハイスクール
《ネタバレ》 低予算映画で有名なロジャー・コーマン製作総指揮っつーことで、とりあえず物凄く肩の力を抜いて観るのが正解。 ラモーンズが出ているというだけでファンには必見の映画かもしれないがそこを取れば普通のロック映画。 主人公を女の子にしてバカ要素を120パーセントくらい入れると出来上がるような作品。 トンでも設定も多数あるが、前半写真だけで出てきたロックネズミが後半しっかり実物が出てくる芸の細かさはある意味関心。 何にも考えないで映画観たいときには最適かもん。 [DVD(字幕)] 7点(2011-03-14 02:37:20) |
411. 輝ける青春
《ネタバレ》 6時間越えという稀に見る長さですが、その長い上映時間に負けない内容でした。 と云っても、特に往年のハリウッド史劇のようにスペクタクルな描写があるわけではないのは他の皆さまのコメントも読んでいただければ判るでしょうが、イタリアのごくありふれた家族、もっと言うと1つ違いの兄弟を主軸に1966年から2003年までの37年間の軌跡を描いた作品です。 フィレンツェの大洪水や学生運動、赤い旅団のテロ等イタリアの歴史に関する事件も登場しますが、基本的にここで描かれている出来事は普遍的な家族ならどれも経験することです。 描かれていることのおおよそ半分は悲しいことなのですが、楽観視と云いますか七転び八起きと云いましょうか、とにかく「明日は明日の風が吹く」といった感じでじめじめした感情にはさせず、前向きな姿勢で生きていこうという様に描かれています。 そして、兄弟のその後の人生を大きく変えた一人の少女、と云った感じに、「巡り会わせ」の大切さも込められている気がします。 イタリア各地の情景の美しさも手伝って、時間を忘れて観ることができる良い作品だと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2011-03-14 02:27:44) |
412. カプリコン・1
《ネタバレ》 他の方もご指摘の通り、アポロの月面着陸偽装問題を彷彿とされるストーリーですが、それをゴシップのネタ止まりではなくしっかりと一級のサスペンスに仕上げたところがすばらしい。 前半はNASAの威信をかけて、カプリコン1号の火星地表着陸映像及び船内通信を偽造するというSFの形を借りたサスペンス調で話が進み、中盤より、計器の数値及び船内映像の些細な違和感から調査を始め、真実に迫る記者、機密漏洩を防ぐために追われる身となった3人の宇宙飛行士を交互に描き、後半、事態が収束し、圧巻のスカイ・チェイスへとなだれ込む構成は観ていて非常に魅力的。 確かに、記者を追う政府の手が若干手ぬるいような印象を受けたり、追われる3人の宇宙飛行士の場面になると若干トーンダウンしてしまう気もしたが、何より、実際にありそうな(そして大センセーションである)国家の陰謀をここまでスリリングかつエンターテイメント感満載で描いたことがすごいと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2011-03-14 02:01:29) |
413. 幽幻道士
《ネタバレ》 個人的には「幽幻道士」よりも「キョンシーズ」のタイトルの方がしっくりくるクチでして、霊幻道士共々小さいころ何度も観返した作品です。 霊幻~が大人向けのゴースト・ストーリーならこちらは子供むけのゴースト・ストーリー、と云った感じでしょうか。 カンフーアクションもさることながら、登場人物の掛け合いやキョンシーの魅力など、あちらとはまた違った面白みがありますし、何よりやはりテンテンとチビキョンシーの可愛さに尽きるでしょう。 しかし、一番印象に残るのがどう聴いても「はとぽッぽ」なテーマ曲だったりして(笑) [ビデオ(字幕)] 7点(2011-03-12 22:45:30) |
414. 第七の予言
《ネタバレ》 この題名、そして黙示録というテーマということで、「オーメン」のようなオカルト映画を期待してみると見事に外れます。 ハイチの海での魚の死や、イスラエルでの雪に閉ざされた村など、前半、というより冒頭はかなりいい雰囲気を出しているのですが、デミ・ムーアが出てきてからは現代劇になってしまい、少しトーンダウンします。 それでも、デミが真相に迫るシーンと黙示録の予言が交差する作風はなかなか緊張感があるのですが、その予言自体の描写が小ぢんまりしたものに見え、どうにも終末観が伝わってこないのも事実。 最大の欠点は、日ごろから新旧の聖書及びキリスト教の教義に触れる機会が少ない我々にはあまり実感がない、というところでしょうか。 [DVD(字幕)] 5点(2011-03-12 21:18:21) |
415. 地球最後の男
《ネタバレ》 現代風にローカライズされたリメイク作「アイ・アム・レジェンド」を観てしまうとどうしても展開のかったるさが目に付いてしまいますが、雰囲気や物語展開などはオリジンだけあり流石によくできています。 特に、ロメロ作品の原型になったと思しき、夜の民家に集まる吸血鬼の不気味さはモノクロの画面も相まってことさら不気味に見えます。 まあ、設定は、伝性病の蔓延による終末ものと云ったモダンホラーと吸血鬼ものの古典ホラーの中間といった感じで、取りようによっては中途半端なものにも思えますが、ほかのリメイク作とは違い、原作通りの“伝説”のニュアンスを表現した作品として、色々と考えるところの多い作品だと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2011-03-12 17:00:26) |
416. ゾンビランド
《ネタバレ》 それこそゴミくずのような作品が無尽蔵にあるゾンビ映画の中にあってこれは意外とよくできた方。 しかもともすれば人体破壊見本市のような修羅場の映像集になりがちな(もしくはそれだけ映しておけばよい)この類の作品にのなかにあって、決して残虐描写のみに逃げず、王道ではあるがしっかりとした物語と一般人にも観賞可能なゾンビ映画に仕立てた点は評価できます。 ただ、生き残るためのルールが、いまいち使いきれていないように感じました。 確かに、内容自体はゾンビ映画の「あるある」なのですが、↓六本木ソルジャーさんの仰る通り、それを逆手にとって徹底的に笑いに転じるか、もしくはルールを守る者、守らない者の対比を描き、徹底的に有効性を取って頭でっかちさをアピールさせるか等の描き方をすればなおよかったのではないか、と思います。 [DVD(字幕)] 6点(2011-03-11 03:22:28)(良:2票) |
417. 悪魔を見た
《ネタバレ》 欧米の作品よりもどことなく描写が生々しく感じるアジア映画。恐らくは俳優の顔つきや生活様式が似通っているところから来る一種の親近感からなんでしょう。 結構な頻度で頭をぽかぽか(本当はそんな生易しいものじゃない)殴っていて、少々一撃が軽い、と勘違いされそうな描写でしたが、全体ではむしろ結構どぎつい残虐描写が多いです。そして作中占める割合が結構高い。 ストーリーに関しては、みなさん仰る通り、反撃やアクシデントに対しての備えが不十分で、それゆえ復讐者としての圧倒的な気迫が薄れる、というマイナス要素になってしまっていますが、場面単位で見れば、イ・ビョンホンの抑揚のない顔がより一層彼の心の闇を引き立てており、また繰り出される体術もなかなか見ごたえのあるシーンになっていると思います。 対するチェ・ミンシクも、徹底的に鬼畜な役柄をこれでもかと熱延していて、結果作品の長さを気にすることなく観終えることができました。 [映画館(字幕)] 7点(2011-03-11 03:09:13)(良:1票) |
418. 斬撃 -ZANGEKI-
《ネタバレ》 無敵超人のセガールおじさまのことですから、例え対象が人間ではなく異形の者になっても危機感無しの無敵モードで闊歩していく…そんなことは端から判ってるんです。 ただ、セガールおじさまのもう一つの見どころであるセガール拳が殆どなく、刀で斬るばかり。まあ確かに題名「斬撃」ですけどね。 おじさまvsゾンビという取り合わせ、やりようによっては物凄く面白いアクション、エンターテイメントになり得たはずなのに、どうしてこんなものになっちゃったんでしょ。 [DVD(字幕)] 5点(2011-03-11 02:58:13) |
419. TEKKEN 鉄拳(2010)
《ネタバレ》 とりあえず、平八のあの鬼瓦のような顔と、髪の毛のとんがり具合が再現されてない時点でこの作品の志の低さがうかがえる。全く「アナタ(監督)のヤッテルコトワカリマセーン!」 [DVD(字幕)] 5点(2011-03-11 02:50:13) |
420. アデル/ファラオと復活の秘薬
《ネタバレ》 というよりそもそもTSUTAYAの新作コーナーのPOPには「女版インディ・ジョーンズ」という宣伝文句が掲げられている。 ウソウソ!確かにヒロインアデルの設定は女版ジョーンズ先生と言えなくもないが、冒頭、王家の谷を少し冒険した後はパリに舞台が移ってしまい、そっからの作風が皆さまの仰る通りナイト・ミュージアムのような趣。 “ルーブルのピラミッド”など、恐らくフランス人にしかわからない皮肉も多数入っているので、合わない人にはてんで合わない作品だろう。 [DVD(字幕)] 5点(2011-03-11 02:46:15) |