401. 天使のくれた時間
はっきりと訴えかけるテーマが有る点で非常に好感が持てる作品です。「仕事での成功」か「幸せな家庭」か、どちらが人間の生き方として大切か・・・、非常に難しい問題ですよね。勿論両方とれれば一番良いんでしょうが、人生そう簡単にはいきません。この作品の場合は結論として「家族」の大切さをメッセージとして伝えています。もちろん逆に仕事こそ我が人生という考え方も有ります。それは賛否両論、人それぞれなのですが、一つの作品としての考え方を逃げることなく表明している点を評価したい。 7点(2004-01-22 16:31:28) |
402. チアーズ!
ハリウッド特有の青春コメディーです。全て基本通り作成されているので普通に楽しめます。 この手の作品は当然のことながら俳優の出来不出来が大きく作品に影響を及ぼします。しかし、どのキャラをとっても印象が浅い。「これは!」という俳優は一人も見つかりませんでした。 5点(2004-01-22 16:30:52) |
403. 修羅雪姫(2001)
アイドルにありがちなのは、ワザと自分をアホに見せることです。おっとりと少し足りない娘に思わせることで可愛く見せることに成功。守ってあげたいように感じさせる。しかし実際は普通の女の子、いや計算高い女の子なのである。釈をを初めとして、多数のアイドルはこの技法で多大なる成功を納めている。そんなアイドルのよく有るパターンは、年齢が高くなり人気が停滞してきた時に本来の自分にシフトチェンジすることです。それにより歳相応の仕事や役柄を再び得ることが出来ます。そう言った意味でも、釈には演技力というのは元々備わっていたのでしょう。 そんなアイドルを見抜くポイントは歌う時に注目することです。普段の赤ちゃん言葉は陰はひそめ、しっかりとした歌唱力で歌い上げますよ。 3点(2004-01-22 16:29:21)(笑:1票) |
404. スパイキッズ
テンポが良くて楽しい作品。小学生低学年以下の子供にはたいへん受けそうです。この手のファミリー映画の場合はCGのディテールに細かくこだわる必要は無い。それなりの完成度は有ったと思う。 ただ、大人が本気になって見る映画ではないし、ムキになって批判するような作品でもない。 5点(2004-01-22 16:28:54) |
405. ラッシュアワー
クリス・タッカー大嫌い。ただ騒いでるだけの演技には呆れてしまう。 アクションやスタントにしても過去のジャッキー・チェンの映画で見た内容そのままだし、売りである掛け合いの面白味も墜落気味。暇なときテレビで見る分には損しないだろうが、私は見ない。 2点(2004-01-22 16:28:32) |
406. 地獄の黙示録 特別完全版
カーツ大佐はベトナムでの闘いで自分の中(アメリカ)に潜む偽善と嘘に気付いたのではないだろうか。 ベトナムの子供に予防注射をしたが、その子供達はベトナムの兵士により腕を切り落とされたと・・・。彼ら(ベトナム人)には恐怖は存在しない。狂気そのものである。偽善や自らの社会的地位と確立、或いは浅はかな思い上がりで戦場に来たアメリカ人兵士達とは“殺し合う”という意識が全く異なっていると痛感したのだろう。カーツの言う「恐怖を友にしなければいけない」とはそのことを指していると感じる。 人間の内にある暴力性を訴えかける戦争映画は腐るほど有るが、この作品はそんな単純なモノではない。闘うために必要な“恐怖と狂気をコントロールすることが出来る道義心”或いは“自由に対する欲望と精神的強さ”が自らに有るのかどうか、それをカーツは身をもって経験したのではないか。ベトナム兵士はそれを持ち合わせていた。しかしカーツ(アメリカ)は己の中にある恐怖に屈し、精神は分裂した。つまり敗北したのである。闇の心すなわち恐怖である。 この作品はベトナムが舞台では有るが、ソマリアやイラク等の中東におけるアメリカの関与にも十分に連動した内容である。それに対する批判と警告を指したコッポラによる独自の考えであり、偽善と虚による闘争心と本能を題材とした哲学なのだと思う。 あと、くれぐれも言っておきたいのは、通常版の方が断然優れているということ。完全版は無意味に話の流れが殺されている(例えばフランス人入植者のエピソード)。通常版は話の流れがスムーズで極上の編集がほどこされている。無意味に長いのは客の興味を削いでしまうし、気付かぬ内に集中力が散漫になりラストの余韻が薄らぐ。 [映画館(字幕)] 10点(2004-01-22 16:28:00)(良:1票) |
407. オースティン・パワーズ ゴールドメンバー
潔く馬鹿に徹した姿勢には敬意を表すがあまり笑えなかった。ところどころ楽しいシーンは有るけど、下品な笑いが中心なので逆に腹の立つシーンも多々有りました。本当に思うのは、才能のない芸人って絶対にシモネタに走るということ。日本の芸人もそうですよね。 あと、正統派俳優のカメオ出演で笑いをとるというパターンも既に古い。 4点(2004-01-22 16:27:05) |
408. スズメバチ
ひたすらサイコなガンバトル。敵対する人間達はゲームの中のキャラと同じ扱いで、倒しても倒しても沢山出てくる。人間を人間として扱わない馬鹿映画です。そのくせ、仲間の怪我や死には妙に思いやりが有り優しい演出をほどこす中途半端さ。正にこれを偽善的な作品という。閉鎖的娯楽パニック映画として、何も考えずに見る為の作品。 3点(2004-01-22 16:25:47) |
409. ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔
《ネタバレ》 古代ヨーロッパの戦闘を意識した大群同士の激突、壮絶なバトルは息を呑む迫力。壮大な世界観を醸し出した映像も美しい。 服飾、装飾も細部に心配りが行き届いている。 音響・音楽ともに文句なしの素晴らしさ! CGを駆使したデジタル技術も丁寧に作られていて違和感無く物語に溶け込んでいる(特にゴラムは凄い!)。作品に対する監督の思い入れ(愛情)が非常によく伝わってくる。 何と言っても3部作を一気に(1年半)で撮影したのは超大正解ですね。大幅な制作費の節約になったと思うし(3億円チョイのようだが、バラ撮りだと軽く5億はいってるね。)、作品全体のトーンが一つのシリーズとして一定なのが良い。他のハリウッド作品(ハリーポッター・マトリックス・ターミネーターなど)のように撮っては1年空け、撮っては1年空け・・・では作品の統一感以前に役者が変わる可能性が出てくる。そうなったら最悪である。監督が代わるなんてことになったら終わりである。そういう意味でこのシリーズ作品は非常にハイレベルなものだと感じます。 ただ、肝心の物語は演出に深みが無くて幼稚くさい。例1)キン肉マンのように簡単に復活するガンダルフ。例2)大勢の敵をバッタバッタと切り捨てる暴れん坊将軍のようなアラゴルン達。例3)ピンチになって土壇場で援軍が駆け付けるという単純極まりない脚本。あまりにも型にはまり過ぎたストーリーの出来が残念で仕方ない。 5点(2004-01-22 16:24:11) |
410. ロード・オブ・ザ・リング
《ネタバレ》 この作品は世界的に超有名な作品ですが、今回の映画化により日本でも十分に浸透しました。この物語は言語学者であるトールキン渾身の歴史大作です。言語学から見た見解やヨーロッパ各地に残る神話を元にすることにより、人が記憶している時代(ローマ時代?)よりも前の太古の時代の物語を独自に解釈し、リアルに再現しようとしたものである。本人はファンタジーとしての位置づけで作ったつもりは毛頭無いようだ。 ただ、本人はそういう意気込みであったようだが、客観的に見てみればコレは明らかにファンタジーである。子供向けとまでは言わないが。ザックリ見るととても単純なストーリーなのである。仲間を集めて旅に出る→敵キャラを倒して先に進む→途中のエルフの町で情報・アイテムを入手→洞窟での死闘→新たな町で武器をゲット→炎に包まれた大ボス登場→3つに分かれてのパーティープレイ→つづく・・・。物語が作られた経緯を知らない人にドラクエと言われても仕方ないような気がします。 何故これで子供向けでは無いかと言うと、中世のヨーロッパの戦国の様相や王族のしがらみなどが物語られているところ&結構バシバシ殺しまくるところ&CG技術や音楽を駆使することにより、ミドルアースの世界観がが現実味たっぷりに描かれているからではないだろうか。特に音響効果は素晴らしい出来栄えで、リアルに物語を堪能できます。監督&スタッフの作品に対する作り込みの細かさが非常に凝っているのがこの映画の強みであると思います。 原作の全てを語って欲しいと望んでいる貪欲な人が多々いるようだが、それやっちゃうと4時間かるく越えちゃうよ。劇場版はこれでも長いぐらいだ。マニアばかりが映画館に通う訳ではないということが分からないのだろうか・・・。昔の映画のように休憩を入れて4時間なんてことにならなくて本当に良かった。マニアはSEE版を見れば良いんだからね。 あと、更にマニアは翻訳(戸田)にもオカンムリのようだが、大きく意味が違わない限りは気にすることは毛頭ないのである。 5点(2004-01-22 16:22:57) |
411. ウェルカム・トゥ・サラエボ
戦争の火種は子供達に対して多大な影響を及ぼす。戦場下の困難のもとで孤児となった子供達、特にエミラの場合は母親の顔も知らないうちに捨てられた子供です。子供達をも戦争に巻き込み、自分に都合が悪いと捨て子にする・・・、その理不尽な大人の身勝手さには嫌悪感がこみ上がる。 今現在もイラク本土では紛争が絶えません。多くの市民や子供が犠牲になっています。人間というのは反省しない生き物なのでしょうか。それとも生命に植え付けられた闘争心という本能がそれを許さないのでしょうか・・・。 6点(2004-01-22 16:20:01) |
412. マレーナ
初恋というのは忘れがたいものです。この作品の主人公が好きになったのは美人で、少し陰のある、何とも言い難い魅力の有る女性です。ラストで主人公は「忘れられない女性はマレーナだけだった」と言うような言葉を残しますが、これ程の女性だったっらそれも頷けるような気がする。 5点(2004-01-21 16:21:23) |
413. 誓いの休暇(1959)
母親への愛情・戦友との約束・一時の恋愛、それぞれどのエピソードをとっても深い味わいが有り、戦争の非常さというものが心に残ります。例えば、貨物列車での物語をとってみても、これが本当の「恋愛物語」だと言えます。純粋で優しく誇り高い。昨今の陳腐な恋愛映画には無い素晴らしさが有ります。 8点(2004-01-21 16:15:56) |
414. 汚れなき悪戯
宗教色の強い映画という印象です。 マルセリーノを一生懸命育てる12人の僧侶、主題歌に乗せて日々の生活が語られるシーンは名シーンと呼ぶに相応しい。 見たこともない「母親」という存在をマルセリーノは切望します。非常に心打たれるものが有り、ラストは何とも言えない感情が込み上げてきます。 7点(2004-01-21 16:06:58) |
415. ノー・マンズ・ランド(2001)
《ネタバレ》 戦闘シーンの無い反戦映画としてメッセージ性が非常に重く表現されている。 中間地点で立ち往生する3人の兵士のやり取りを中心に物語は進みます。 常に啀み合っていた2人は、一度は心を通わせる場面が有ります。しかし、心が通じ合いそうになっても戦場という一種狂気に満ちあふれた場所に居ると、その雰囲気や状況に飲み込まれてしまいます。結局2人とも最後まで敵対したまま死んでしまいます。 地雷を踏んでしまった兵士も救出活動の甲斐無く救われないまま最後を迎えます。 戦争の虚しさと人間の愚かさを強烈にさらけ出した作品です。 6点(2004-01-21 16:02:00) |
416. アメリカン・ヒストリーX
物事に対する価値観の違いや意見の相違から発せられる怒りや恨みのパワーは強力である。まして、それが民族間や宗教間の争いとなると事態は深刻化する。この作品で描かれている白人と黒人の抗争は町レベルの規模ですが、結局「殺し合う」という点では国同士の戦争と何ら変わりない。怒りが弾きがねとなり、偏った考え方しか出来なくなってしまう。人間の争う事への本能というものは本当に恐ろしいが、それよりも怖いと思ったのは、人が他人に与える影響の重要性です。作中では、兄が弟に多大な影響を及ぼします。しかし、その兄も父親から影響を受けました。尊敬を与えうる人物の意見や行動の重要さを思い知らされ、身に詰まる思いがしました。 7点(2004-01-20 08:54:11)(良:1票) |
417. マイ・リトル・ガーデン
《ネタバレ》 戦争というものは本当に悲しい行為だとひしひしと感じる作品です。壁を隔てての天国と地獄。命を賭けたリアルな隠れんぼ。少年の勇気を支えたのは「家族の愛」と一冊の「ロビンソンクルーソー」だった。少年の直向きな生への挑戦、父親を一途に思う純粋な気持ちに心打たれる。 水が無いので仕方無く酒を飲んで酔っぱらってしまう少年。父親と叔父さんの幻影がセピア色で表現されるこのシーンは、最後の父親登場のシーンに生きてくる。少年と同じように、見ているこちら側も夢なのか現実なのか混同してしまうように仕込まれた演出は非常に上手い。 7点(2004-01-20 08:52:31) |
418. スミス都へ行く
悪の巣窟のような環境に長い間浸かってしまうと、良識有る人間ですら悪い方向へと進んでしまうのですね。ペインは正義感溢れる人物でしたが、世の中の汚い風潮に流され飲み込まれてしまいます。日本の国会議員も汚職や裏金に関する疑惑の話題には事欠きませんが、それは先人達がコツコツと築き上げてきた悪どい風潮によるものが最大の原因だと思います。世の中、本当に悪い人間は一握りです。しかし、その一握りの悪が長年蓄積され、その結果付け入る隙を与えない程に巨大な「偽りの世界」を作り上げてしまうという恐ろしさ。その世界観は人の良識をも簡単に越えてしまう。 この作品は、そんな「人の醜い部分」に対して痛烈に一石を投じた珠玉と呼ぶべき作品です。 7点(2004-01-20 08:51:34) |
419. シャレード(1963)
ケイリー・グラント演じるピーター。彼が何者なのかという謎を最後まで引っ張るのですが、ラストに驚きの正体が明かされます。これには完全にやられました。 その他にも色々な謎が投げかけられます。盗まれた大金の在処はどこに隠されているのか?、連続殺人の犯人は誰?・・・と、謎解きの面白さを全面に押し出しています。それに加えて、地下鉄のシーンなどスリリングな場面も有るし、少し短絡的ながらもラブコメディーの要素も兼ね備えていて、かなりハイレベルな作品です。もちろん、オードリーの魅力も全開で言うこと無し。ミステリーサスペンスとしては最高傑作と言えます。 8点(2004-01-14 18:24:10)(良:1票) |
420. シカゴ(2002)
悪女2人の出世物語にミュージカルを絡ませたコメディータッチの作品です。リチャード・ギアを除く俳優陣は、歌も上手いし踊りも素晴らしかった。奇抜で面白みのある個々のミュージカルシーンの舞台演出もハイレベルな仕上がり。徹底して悪女を全面に押し出したロキシーのキャラクターには不思議と魅力を感じてしまう。 ストーリーもサッパリとミュージカル向けに脚本されていて、女2人のライバル心むきだしの掛け合いも面白いし、あえて正義的道徳というものをキッパリと切り剥がした設定に潔さを感じる。 7点(2004-01-13 18:25:20) |