441. メカニック(2011)
《ネタバレ》 最初のうちは平凡なサスペンスアクションだと思っていたのですが、スティーヴが弟子入りした辺りから次第に面白くなります。 こーゆー場合、新入りはヘタレであることが多いのですが、スティーヴは違います。アーサーほどではありませんが、結構出来る奴なのです。殺された父親の復讐という立派な動機もあります。適当そうな外見とは違い、結構真面目に仕事をします。これが良い。 思い切りが良いし、肝が据わっているし、戦えるやつなのです。立派にもう一人の主人公となっています。特に、アーサーがスーパーマンすぎるので、スティーヴの存在は貴重です。 アーサーの物置から父親の大切な拳銃を見つけてしまうスティーヴ。彼はすべてを悟ってしまいます。 車内で、『友を殺したことはあるか』とスティーヴがアーサーに問いかけるシーンは名シーン。ベン・フォスターの表情で訴えかけてくる演技が上手すぎて、並々ならぬ緊張感が漂っていました。 そしていよいよクライマックス。ど派手なラスボス殲滅戦で感じるカタルシス。スティーヴがどう出るか分からない緊張感。いろんなものを同時に味わいながら、2人が決別するラストにちょっと残念な思いを抱くのでした。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-06-03 05:08:35) |
442. パレード(2010)
《ネタバレ》 そもそも群像劇は好きじゃないんです。じゃあ見るなよって話ですが、予備知識無しで見たものですから、見るまで知らなかったのです。 1人1人のエピソードの紹介。それがつながってゆくのかと思いきや、そうでもない。みんなそれぞれ全く違う人生。でも同じ部屋に住んでいる。同じ部屋という共通項のみで世界が交わっている。その感覚だけは共有できた気がします。 一番のサプライズは、やはり直輝。5人のなかで最も安定した職業に就き、最も頼りになる存在。そんな彼が最も深い闇を抱えていたという事実。ですが観ている私たちに衝撃を与えたのはそこではありません。直輝が通り魔殺人をしているってことを、他の住人がなんとなく知っていたという事実。泣き崩れる直輝に対し、なぜ泣いているのかを誰も聞かない。なぜなら直輝が泣いている理由をみんな知っているから。未来の『直輝、あんたも伊豆行くでしょ。』の台詞と4人の視線には戦慄が走ります。 あんたがどんな闇を抱えていようが、こっちの世界には関係ない。ここはチャットルームであり掲示板だからと。舞台は現実でもその中身は匿名性の高い仮想空間なんでしょうか。 直輝はもはや勝手にパレードを抜けることは許されないのかもしれません。残りのメンバーにはパレードを抜ける自由があるが、直輝にはその自由が存在しないように感じられました。それって警察に捕まることより恐ろしいことなんじゃないでしょうか。 いや、冷静に考えれば直輝の通り魔を黙認しながら普通の生活送ったり、直輝に人生相談している事実が一番怖えーよ。 [DVD(邦画)] 5点(2021-06-03 02:07:24)(良:1票) |
443. バウンティー・ハンター(2010)
《ネタバレ》 こーゆー軽いノリのサスペンスコメディ嫌いじゃないんですが、この作品はいまいちノリきれず。 理由は多分マイロの性格。と、借金。 元妻との離婚が原因で私生活が乱れ、『職務怠慢』からのクビ。まあそこまでは許せるとしても、ギャンブルに溺れちゃうってのはダメじゃない?1万ドル以上の借金。日本円にして100万円以上・・・。ドン引きです。こーゆーの笑えないんですよねー。 更に劇中でカジノにはまる場面があって、8,000ドル勝つんです。で、そこでやめておけば良いのに、欲を出して全部スッちゃうんです。お約束だとしても、そんなマイロに感情移入できず。全然応援できなかったです。 つまり、借金取りのみなさんは全然悪くない。オープニングでマイロの仕事の邪魔をしちゃったのはどうかと思いますが、概ね借金取りのみなさまはまとも。なにせ返済しない人のもとへ取り立てに行っただけですから。なのにボスの金をばらまかれてかわいそう。もうマイロのやることが最悪です。 せめてラストに、何らかの形で借金を完済するエピソードが欲しい。それがあってはじめてハッピーエンドでしょう。 元妻を牢屋に入れて、自分も入って。『記念日だから今日は一緒にいなきゃ。』って、なんじゃそら。そんなカタチだけのハッピーエンドはいらん。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2021-05-24 02:49:32)(良:1票) |
444. 悪魔を見た
《ネタバレ》 後味が悪いなー。婚約者が殺されてしまうのは導入部分だから仕方ないとしても、その家族まで犠牲になるのが許せないです。非人道的かつ悪趣味。妹まで犠牲になるとは思っていなかったので、悪い意味で衝撃的でした。 しかも、婚約者家族は本来であれば犠牲にならずに済んだ事実が痛い。主人公がキャッチ&リリースみたいな特殊な復讐をしなければ、こんなことにはならなかった。もはや人災と言っても過言ではありません。主人公の罪も重い。 スヒョンはどのツラさげて義理の父親に会いに行くつもりなのでしょう。 タクシーの人たちはタクシー強盗?そしてもう一人の殺人鬼はいったい?唐突な登場人物たちに戸惑うこともしばしば。もはやこの辺りからはちょっと『悪魔のいけにえ』シリーズみたいでした。 女子中学生や看護師、監禁されていた女性はみんな助かるのに、自分の大切な人たちだけ誰も助けられないなんて辛すぎます。 殺人鬼ギョンチョルのやったことがひどすぎて、もはやどんな報復をしても割りにあいません。ほら、きっちり復讐を果たしたのに、なんのカタルシスも得られない結末。 映画としては優秀な作品なのかもしれませんが、この救いようの無さは受け入れ難いものがあります。 [DVD(吹替)] 5点(2021-05-24 02:19:40)(良:1票) |
445. ソラニン
《ネタバレ》 あんまり人が死ぬ映画を悪く言いたくはないんですが、これはダメ。 原作があるのも知りませんでした。下手に悪く言うと原作批判にもなっちゃうかもしれませんので気が引けますが、これはレビューなので、自分の気持ちに正直に書きたいと思います。 種田の死に方が納得いきません。 ふっきれたと思ったのに泣き出して、信号無視して死ぬなんて、事故死ではなくこれは自殺ですか?自分勝手すぎます。 残された人間はどうなりますか?事故に巻き込まれた車はどうなりますか?かわいそうな自分に酔って自分のことしか考えていないあまりに身勝手すぎる行為ではないでしょうか。悩める20代の若者は何でも許される免罪符なんですか?これを美談になんかしてほしくないですね。 いや、そもそもこいつはかわいそうなのか? かわいい彼女がいる。友人は良い人ばかり。職場だってバイトかもしれませんがブラックではなさそう。そして『バンド』という燻り続けている夢もある。いや、大好きな音楽をいまだに演り続けているだけでもかなり恵まれていると思いますが。 彼女に背中押されて一念発起。そして挑戦して惜しくも今回はチャンスをものにできず。で、たった1回チャレンジしただけで、その1回が失敗したらもう自暴自棄ですか?甘ったれるのもいい加減にしてほしい。こーゆー自分に酔った人間嫌いです。 そして映画としては前半がとにかくだるい。丁寧さとダルさは紙一重かもしれませんが、今作に関しては完全にダルさが圧勝。 宮崎あおい、高良健吾、桐谷健太。そして誰か知らないベースの人。役者さんは良い人ばかり。なのに前半は退屈すぎて死にそうでした。 ・・・でも終盤からラストにかけてはちょっと泣けました。大切な人を失う悲しみはわかるので。そして最後のライブは素直に感動しました。うん、最後は良かったかな。 [DVD(邦画)] 4点(2021-05-19 07:38:40) |
446. トロン:レガシー
《ネタバレ》 クソつまらない。とゆーかよく意味がわからない。 前作を視聴しているのが前提なのでしょうか。 クルーって誰?トロンって誰?アイソーって何?グリッドって何?ユーザーって何ー?? 説明不足のまま、話はどんどん先へ進んでいきます。 どうやら『黄色い光の人たち』と『白い光のひとたち』は仲良くないらしい。ってことぐらいしかわからないんですけど。 でもさすがに途中からは少しずつ、ぼんやり前述のいろいろが何を指すのかがわかってきます。 そして、わかってきたうえで、あんま面白いストーリーではないなと改めて感じるわけです。 最初に父親だと思っていた人は『クルー』と名づけられたプログラム。どうやらこの『クルー』がゲームの世界から人間界に出陣するため、父親のマスター・キーを狙っているらしい。父親はそうはさせまいと身を隠す。そこで『クルー』は父親を見つけるために息子のサム・フリンをポケベルでおびき出す。 だったら、最初にサムがゲームの世界に来たときに、死ぬかもしれないようなゲームに参加させちゃうってのはダメじゃない? それにやたら『完全なるシステム』を声高に謳っていましたが、完全なるシステムを構築したと言い張るなら、演説は必要ないでしょう。みんなクルーに従うプログラムなんですから。 で、このコンピューター内部の世界ってのが、最初こそ凄いかっこよくてわくわくしたんですが、そればっかりだとやはり飽きてきちゃうんですよねー。同じ景色。同じ色。もっと色彩プリーズ。 ゲームの世界に入っちゃう序盤。そこから怒涛の『ディスクバトル』と『バイクバトル』。この辺りまでは最高に面白かっただけに、ずっとそのノリでいってほしかった次第です。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2021-05-19 06:26:19)(良:2票) |
447. さんかく
《ネタバレ》 なんかもう居心地の悪い映画だなぁ。なのに目が離せない。 桃がホームステイをしている序盤。連想するのは『じゃんけん』。じゃんけんの関係性もよく考えれば『さんかく』ですね。 佳代は桃に強く、桃は百瀬に強く、百瀬は佳代に強い。最終的に誰がマウントを取るのかっていう主導権争いの映画にも見えます。 また、この映画の『あるある』は周りの人間にまで及びます。 印象的だったのはマルチの女と仕事先の後輩。 後輩は面と向かって逆らうことはしない。小さな恨みを蓄積させていく。例えば、後輩の家で、お風呂から体も拭かずに百瀬が電話に出るシーン。床についた泡とお湯が後輩目線でクローズアップされる。この目の付けどころは凄い。 マルチの女は桃が仕事に来なくなったので電話を入れる。『心配してます。』っていう台詞のあと、『今月のノルマなんですが・・・・』このマルチの女の本性の出し方ってのも非常にリアル。嫌~な気持ちにさせられます。 最近見た映画の中ではダントツで後引く映画。見ていて気持ちの良いもんではありません。 これを見て自分の黒歴史を思い出さない人はいないんじゃないでしょうか。 そういった意味では、人によってはそんじょそこらのホラー映画より取り扱い注意と言えそうです。 [DVD(邦画)] 7点(2021-05-16 02:52:06)(良:1票) |
448. パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海
《ネタバレ》 スタートこそわくわくさせる滑り出しだったのに、終盤に近づくにつれどんどん尻すぼみに。序盤とばしすぎて後半息切れしちゃいましたか。 タイトルにもなっている『魔の海』ってのがこの映画のメインイベントなはず。にも関わらずそこで出てくるクリーチャーがでかいイソギンチャクみたいなのと、サイクロプス1匹ってのはいかがなものか。いや、海の主みたいなのはすげー良かったんだけどサ。なんか序盤で期待させるもんだから、出てきたのがそれだけじゃあ物足りないのですよ。 そして神々の生みの親であり最強最悪のラスボスの復活直前で再会を喜び合うパーシー兄弟。 いやいやいや。早く金の羊毛とってくださーい。ほらー復活しちゃったじゃーん。って、これはもはや人災ですよ。そんな馬鹿な話がありますか。 更にはルーク。いや、こいつが生きていたのは嬉しいサプライズだったのですが、結局こいつ何にも成長していないじゃないですか。相変わらず思春期真っ只中で、『父親どもがむかつくから、つえーやつに頼んで父親たちに一泡吹かせるぜー。』って。なんというしょぼい動機。で、『私が復活させたんですー。』ってそのまんまかい。ほらー食べられちゃったじゃん。なんという小悪党。 なぜルークがキメラみたいなモンスターを従えられるのか。いや、それを言うなら人望も将来性も何も感じさせない小物臭ばりばりのこんな優男になぜ部下達はつき従っているのか。世代交代を声高に叫ぶルークに同調しちゃってるのかな? 郵便局、物を消すテープ、タレイアのエピソード、オープニングの『VS嵐』に出てきそうな競技、コルキスの牛、海馬、1つ1つを取り上げるとどれも良かったんですけどねー。ストーリーの拙さと演出の弱さによる盛り下がり感がなんとも・・・ [ブルーレイ(字幕)] 6点(2021-05-15 03:30:20) |
449. シャークトパス VS 狼鯨
《ネタバレ》 シャチと狼のDNAを人間に注入し、付けた名前がホエールウルフ。 何でやねん。というつっこみはさておき、2015年になってもチープなCGは顕在で、逆に嬉しくなっちゃいます。B級映画の醍醐味はなんといってもこの絶妙なしょぼさ加減ですから。 相変わらず怖さとは無縁のシリーズですが、前作に比べると見る人を怖がらせちゃろうという意欲は伝わってきます。 そして前作の反省はタコだけにイカされず、今作もどーでもいい人間同士のごたごたにまあまあ尺を持っていかれるシャークトパス。 とは言え、今作の主人公はなかなかのおとぼけキャラ。シリーズ中随一の適当男。なるほど、今作では主人公=人間=お笑いパート、ということですね。主人公の相棒も負けず劣らずのマイペースキャラ。二人はなかなか良いコンビです。2人してブードゥ教の呪いにもだえ苦しむ様は、『カトちゃんケンちゃんごきげんテレビ』を思い出して、なんか懐かしくなりました。こーゆーわかりやすい笑いってのは全世界共通みたいですね。 終盤でシャークトパスがショッピングモールに乱入するという極めておいしい展開に。どう料理しても美味しくなりそうなのに、なぜかパニック感がいまいちで、非常にもったいない。チープさがこのシリーズの持ち味とはいえ、こーゆー見せ場はもう少し頑張ってほしかったところです。 [DVD(字幕)] 4点(2021-05-13 01:43:23) |
450. シャークトパス VS プテラクーダ
《ネタバレ》 前作にひきつづき、チープなCGと愉快なフォルムで楽しませてくれるモンスター映画。 前作ではB級ながらも観客を退屈させまいとの気配りが見られましたが、今作ではやや退屈が勝ってしまったか。 理由は明白。人間同士の諍いに力を注ぎすぎ。無理して本物の映画の真似事をして背伸びしちゃった感がありあり。結果サスペンスとしてもパニックとしても3流の出来になってしまいました。 プテラクーダはダメじゃないけど、モンスターとしては迫力不足。少なくとも主役をはれる器じゃない。ですが、演出の仕方次第では『怖さ』や『パニック感』を引き出すことは出来たと思います。 シャークトパスは相変わらずタコだけどイカす。ですが人間、シャークトパス、プテラクーダと均等に出番を3等分されちゃったので、前作ほどの存在感がなくなってしまったのが残念。 人間同士の駆け引きや諍いや、ましてやドラマなんて誰も期待しちゃいないでしょ。純粋にパニック要素だけつきつめていけば、前作以上に楽しい映画になったかもしれないのにもったいないですね。 [DVD(字幕)] 4点(2021-05-12 05:40:33) |
451. パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々
《ネタバレ》 こーゆー無邪気にビジュアルで楽しませてくれる映画は好きです。 英語の先生が悪魔みたいなのに変わるシーンに始まり、ミノタウロス、ハデス、メデューサ、ヒドラと有名なモンスターや神が盛り沢山。もうそれだけでテンションが上がります。 きれいなCGを駆使したアクションや映像も申し分なし。冥界のビジュアルが何気に良かったです。 ミノタウロスが投げた車が飛んでくるシーン、ヒドラとの戦いのシーン、どれも迫力ある画で大満足。メデューサの蛇の質感やばいです。 現代社会の中で神話の神や怪物が戦うっていう設定は凄くわくわくするものですが、実際にはパーシーたちと現代社会とのつながりがほとんど描かれなかったのがもったいない。ニュースでパーシーとお母さんに関する偽情報が報道されたくらいでしたね。 また、半神ならではの特殊能力を披露したのがパーシーのみってのがちょっと寂しい。 まず訓練所にいる半神の数が尋常じゃない。あまりに多すぎて『半神』という特別感が薄れる。それぞれ何らかの神の子供なわけだから、その神ならではの神通力みたいなもんがあっても良さそうなもんです。中世の格好してひたすらちゃんばらごっこじゃあ、なんかそーゆーのが好きなオタクの集まりにしか見えません。 とまあ最後にちょっとケチつけちゃいましたが、個人的には非常にアリなエンターテイメントムービーです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-05-11 04:25:31) |
452. 武士の家計簿
《ネタバレ》 前半から中盤にかけては大変面白く見られた。お駒の嫁入りから借金返済プランまでの流れは、地味ながらもちゃんとエンターテイメントしていたと思います。生真面目な性格から生み出される笑いのエッセンスが味わい深いです。家財道具を取り上げられる猪山家のリアクションが切なくも面白い。 『お救い米』という名目で着服していた年貢のエピソードも地味ながら良かった。軽いサスペンスからの逆転出世は爽快ですらあります。 後半になると時代が駆け足で進みだします。人の感情より出来事優先。まるで箇条書きのように羅列されるエピソード。みんな瞬く間に歳を取り、病気になり、死んでゆく。前半までの丁寧なドラマが嘘のよう。猛スピードでそんな様子を見せられて、いったい何を思えば良いのでしょう。歴史の教科書を無理矢理読まされているかのような感覚でした。 これ堺雅人と仲間由紀恵じゃなかったらクソつまんねー映画になっていたんじゃ・・・ [DVD(邦画)] 5点(2021-05-10 01:24:33) |
453. ちょんまげぷりん
《ネタバレ》 面白い。錦戸亮君の声質が好きなので、木島安兵衛が最高に良かったです。 かっこよさと面白さを兼ね備えた最強のキャラクター、ここに誕生。 武士の生き方や振る舞いってのを、今の日本人はもう一度見習うべきかもしれませんね。 尺の都合上仕方のないことではありますが、ほとんど何の葛藤もなく現代に溶け込んでしまったのはちょっともったいなかったか。ケーキを作り始めちゃったのはいささか唐突に感じました。 物語序盤はジェネレーションギャップというのか、カルチャーショックというのか、そういったものに大いに笑い、物語後半は頑張るお父さんの姿に励まされる。なんだか随分と元気をもらえる映画でした。 他の方同様、ファーストフード店で友也たちを叱るシーンは最高に良かったです。あれこそ今の日本人が忘れてしまった心かもしれません。ケーキバトルの決勝戦、友也のミスを『それでは仕上げにまいろう』と言って、何てこと無い感じで最上のフォローをするのがまたかっこいい。それが洗濯物を畳みながら泣いている友也君につながっちゃうかと思うと、こちらも泣かずにはいられません。 笑って、泣いて、感動して、一本の映画で喜怒哀楽全部もっていかれました。 ただ最後がね。そりゃないよ。せつねーよ。これからってところで強制送還。地蔵、あんた悪ぃやつだな。 なんか無理矢理良い話っぽく終らせましたが、やっぱ3人仲良く暮らしてほしかったです。 [DVD(邦画)] 7点(2021-05-08 15:07:23) |
454. シャークトパス SHARKTOPUS
《ネタバレ》 めちゃめちゃでかいサメが出てくるシリーズで散々な目にあったくせに、『喉もと過ぎれば・・・』で性懲りも無くまたこんな映画に手を出してしまいましたとサ。 でも後悔はしていません。なにせ見たいものを見れたので。『サメとタコのキメラが人を襲う』。 私は確かにそれが見たくてこの映画を借り、そしてシャークトパスは確かにめっちゃ出ます。 とにかく次から次に人を襲ってくれるシャークトパス。その辺りは退屈しません。 ただそのシーンだけに力を入れすぎて、シャークトパスが出てこないシーンのダルさは如何ともしがたい。 画作りはB級映画にしてはよく頑張っているほうだと思います。個人的にはこのチープ感は結構好きです。 雰囲気作りはとにかく下手。ちっとも緊張した空気にならないのは、サスペンスとしては致命的かもしれません。 ちょっとコメディタッチなところもありますので、あくまで軽いタッチのモンスター映画にしたかったのでしょうか。 その結果、コメディにもサスペンスにも属さない意味不明なジャンルのモンスター映画ができましたって感じです。 シャークトパスの造形はすっごく好きですけどね。そして出し惜しみせず、可能な限り人を襲うシーンをたくさん用意してくれたことには好感がもてます。 [DVD(字幕)] 5点(2021-05-07 05:30:02) |
455. 教授のおかしな妄想殺人
《ネタバレ》 『せっかく生きる喜びを見つけたんだ。自首なんてしてたまるか。』 この一言がなければなー。あまりにも俗っぽい一言。それまでは世捨て人の哲学者みたいな感じが凄く良かったのに。 ああ、そうそう、私はこの教授に結構共感しながら見ていたのです。なにも自殺願望やら破滅思想やらがあるわけではないんです。なんかストイックな性格や生き方に憧れるんです。でもこの一言で、この教授は唯一の人間からその他大勢の一人に成り下がった気がして残念です。 最後はジルを殺そうとして最悪です。自殺を選ぶとか、負けを認めて自首するとか、もしくはシラをきりとおして論破するとか、頭の切れる哲学者ならではの着地点が欲しかった。 ですがラスト以外はとても良い。 ってゆーかエマ・ストーンに言い寄られるなんて羨ましい。更にはそんな状況にも関わらず、エマの誘いに乗らないのがまた良い。懲りずに何度もアプローチするエマがかわいいんです。 いやあ、羨ましい。中年の夢ですね。この作品は中年のおっさんが見るからこそ価値がある映画です。 それにしてもこんな結末になっちゃうなんてねー。もったいねー。せつねー。 [DVD(字幕)] 8点(2021-05-07 05:09:37)(良:1票) |
456. ロープ 戦場の生命線
《ネタバレ》 NGO?みたいな国際的支援団体が、必ずしも行く先々で歓迎されるわけではない。とゆーなかなかリアルな実体を知ることができました。 井戸に投げ込まれる死体。親を失った子供。廃墟となった街。なるほど、反戦映画としての価値はあるのかもしれません。 ですが映画に娯楽ばかりを求める私のような人には向かない映画。 なにせ淡々とロープを捜すだけの、ちょっとしたロードムービーのような映画。 吊るされた両親。地元軍による検問。道に横たわる牛の死体と地雷。銃を持った子供。 緊迫したシーンは数あれど、幾度と無く挿入される他愛のない会話がいちいち話の腰を折る。どーにもテンポがよろしくありません。 極めつけは主人公の色恋沙汰。 例えば牛で立ち往生してからの夜のキャンプまではまあ良かったのですが、そこから先の男女のやりとりがまあだるい。マンブルゥとカティヤのプライベートな話なんてどーでも良い。 最後のオチは好き。ただあの巨体が浮き上がってくるには浮力が足らん気もしますが・・・。 教科書的な意味合いでは大事な映画だと思います。 ですが、なにせ退屈という気持ちが大きすぎて、大切なメッセージが素直に心に響かなかった次第です。 [DVD(字幕)] 3点(2021-05-06 14:11:54) |
457. ロンドン・ブルバード -LAST BODYGUARD-
《ネタバレ》 これはお洒落というのか硬派というのか、なんとも形容しづらい作風です。 いや、映画として説明不足すぎじゃないですか。 そもそもギャントがなぜそこまでミッチェルにこだわるのか、まるで意味がわかりません。 『俺の下で働け。嫌なのか?じゃあ死ね。』 ざっくり言うとこれがギャントの言い分でしょ?マフィアの世界は映画でしか見たことありませんが、こんなめちゃくちゃな言い分って実際あるんですかね? ビリーは最初から最後までただのクズだし。襲われたホームレスは耳が聞こえないふりをしていて、なんや思わせぶりで何かあると思っていたら何も無いし。 そしてキーラ・ナイトレイの存在価値。 おそらくミッチェルとシャーロットの恋愛を取り入れることで、より悲劇を際立たせようっていう狙いなんでしょうが、これがものの見事に機能していません。むしろ、この二人の恋愛パートで映画が間延びしちゃってます。 ラブストーリーとしてもドラマとしても中途半端だけど、サスペンス部分はそれなりに面白かったかな? とは言え、何か起こりそうで何も起らないのに大分疲れてきて、途中が結構だるかったです。 大物を倒し、小物に刺されるっていうオチは悪くないけど後味は悪い。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2021-05-01 00:01:34) |
458. グリーン・ホーネット
《ネタバレ》 行き当たりばったり系の映画は苦手なんですが、これは楽しく見られました。 こちらが落ち着いて考える間もなく、次々と話が展開していくからかもしれません。 主人公はあんま好きじゃないです。最初は嫌なやつでも良い。そこから成長してくれたらそれで良い。 ブリットはどうでしょう。最初から最後まで嫌な奴。なんでブリットにカトーがつきあってやるのか理解に苦しみます。まあ気が合ったのかな? 最初のほうは面白かったんです。カトーの凄さを目の当たりにしたブリットがカトーを大絶賛。ブリットの潤沢な資金力とカトーの類稀なる才能で生まれるニューヒーロー。こーゆーの好きです。 ハイブリッドな車やガスガンなど、ユニークなアイテムも良い。キャメロンディアスも良い。容赦の無い悪党も良い。本格的なマフィアって感じの登場シーンがとても良かった。そんなマフィアが悪ふざけのようなヒーローに翻弄されるってのが痛快。 やはりブリットのキャラかな。終盤で『君に嫉妬していたんだ』って心情を吐露しますが、もっと早く言って欲しかった。 カトーとレノアを二人ともクビにしたのはドン引きです。まさに何不自由なく育ってきたボンボンの、一番クソな部分が出ています。とても応援できないです、こんなやつ。 そういえばクライマックスで、突然ブリットがカトーと同じような能力に目覚めるシーンがあったんですが、あれは一体何?いや、別にそーゆー展開にもっていっても構いませんが、だったら伏線の一つくらいはってほしいものです。 と、ちょっと文句が多くなりましたが、見ているときはなんだかんだでずっと面白かったのも事実です。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-04-30 23:45:43) |
459. 半分の月がのぼる空
《ネタバレ》 感動しました。泣きました。でも何でしょう。この腑に落ちない感じは。 時系列トリックで奇をてらい、この映画ならではのサプライズ企画。ですが結局ヒロインが亡くなってしまう悲劇にしちゃうんだったら、結局星の数ほどあふれているお涙頂戴難病ドラマの枠から出ないと思うのです。もういい加減、誰も死なない難病ものが見たいです。 それにそもそもこのトリックは必要だったのでしょうか。そりゃあ驚きましたし、虚をつかれたことは否めません。ですが振り向いた女の子が違う子だったとき私は頭が混乱し、ヤンキー少年が大泉洋に喰ってかかったときには、完全に置いてけぼりになってしまったのです。『意味がわからない』という意味ではなく、『もしかして・・・だったらやだなー』という心の置いてけぼりです。そしてその嫌な予感はものの見事に的中してしまうのです。 私はうんざりするほどワンパターンな映画が好き。 裕一が、最後は大泉洋演じる心臓外科医にお願いして里香を助けてもらう、そーゆーべたな映画だと思い込んでいたし、それで良かったのです。里香が助かって、2人幸せな未来を築きましたっていうオチなら満点つけたって良い。 ついでに言うと、裕一は子供と大人で役者が変わったのに、里香は同じ役者さんなので、どーにも変な感じを受けてしまいます。 一人一人の役者さん達の演技はもう素晴らしかった。とりわけ主演二人は最高です。 それだけに、最後まで大人裕一に感じる違和感を拭えなかったのが残念です。 [DVD(邦画)] 6点(2021-04-29 03:13:14)(良:1票) |
460. シーサイドモーテル
《ネタバレ》 いわゆる群像劇。苦手なジャンルなんですが、これはまだ見られるほうでした。 特に借金取りのエピソードは緊迫感があって面白い。 それぞれのエピソードは基本的に独立。本格的に交わることはなし。 だけどスーパーの社長の女装や、ぎっくり腰で呼んだ救急車が、ちょっとずつ他のエピソードに影響を与えているのが面白い。そもそも亀田とキャンディが出会ったのも、元はと言えばスーパーの社長がキャンディのお店に電話したのがきっかけ。こーゆー絶妙なつながりを楽しむってのも悪くないもんですね。 登場人物はドラマを面白くするために多少デフォルメされている部分はありますが許容範囲。 山田孝之は好きな俳優さんですが、彼が演じる今作での朝倉はクソヤローで最低。柄本時生演じるチー坊も躊躇なく女を殺そうとしたり、引き金をひいたり、ちょっと笑えないキャラでしたね。 ただそれ以外は眉をひそめるほどの悪人は出てきません。だけど魅力的な人物もいない。見ていて『誰がどーなっても、まあ別にどーでもいーや。』って感想しかありません。 一番つまんなかったのがキャンディとセールスマンのエピソードなんですが、最後にはあの二人にうまくいってほしいと思っていたので、いつの間にか感情移入しちゃったようです。 あと温水さんよかったです。一瞬だけ凄むシーンがあるんですが、目付きが怖い怖い。凄んだときの迫力はさすがベテランといった感じ。とは言え、爪きりでの拷問はまじで痛そうなので勘弁してほしかったです。 [DVD(邦画)] 6点(2021-04-27 04:50:54) |