4721. 愛の選択
話自体は決してつまらないわけではないのですが、不思議なほど印象の薄い作品でした。展開が単調だからでしょうか?主題がはっきりしないからでしょうか?暖色系を周到に配置した映像はとても綺麗でした(2人の訣別の場面だけ、青が基調になっています)。 5点(2003-02-27 21:43:18) |
4722. プロヴァンス物語/マルセルの夏
何といっても、舞台の大半を占める雄大な自然の光景の美しさが見事です。その環境に逆らわずに人が過ごすように、ストーリーも、特に意外な展開も逆転もなく普通に淡々と進んでいきます。頭をひねったり悩ませたりする部分が一切ないので、見ているだけで自分も休暇に行ったような気分になれます。のんびりと休みながら映画を見たい人向け。 6点(2003-02-26 19:16:12) |
4723. ジュマンジ
《ネタバレ》 動物が壁を突き破って集団暴走するとか、屋敷がジャングルになるとか、床がいきなり泥沼になるとか、はっきりいって話としてはアホなのです。しかし、この作品が優れているのは、あくまでもそれを愚直に大真面目にごく単純な「双六ゲーム」のルールの中でやり通している点です(それに、ゲーム盤から問答無用で断定されると、かなり怖い)。サイコロはどこで振ってもいいはずなのに、律儀に屋敷の中にいちいち戻っていくのも、何ともいえないおかしさがあります。タイム・トラベル風に締めるラストも好みでした。●それと、改めて見てみると、当時13歳のキルスティン・ダンストの静かな存在感は凄い。子供目線で見た頼れる冷静なお姉さん、という役回りを完全に理解しているし、ロビンの突っ走り演技をピン留めしてバランスを確保するパワーすら感じる。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2003-02-25 21:49:08) |
4724. マンハッタン
話としてはまあまあ面白いと思いますが、どうしてこの登場人物達は、揃いも揃って、演技をする前にしゃべり出すのでしょうか?頭が痛くなりました。ただし、このクセの強い演出をものともしないメリル・ストリープの強靱な存在感は、やはり凄い。 [DVD(字幕)] 5点(2003-02-24 19:45:31) |
4725. ドラッグストア・カウボーイ
ひたすら救いのない絶望的な前半と、虚しさを抱えながらほのかに穏やかな静けさに包まれていく後半。抑えた会話の節々から漂う一貫した緊張感が見事です。80年代には優れた青春映画が多数生み出されましたが、これはそれらとは逆を行く「裏」青春映画の代表的一角、かもしれません。 [DVD(字幕)] 7点(2003-02-23 18:46:22) |
4726. さよならゲーム
《ネタバレ》 そりの合わない2人がスポーツを通じて共鳴し合っていく、というパターンはそれこそいくらでもあるわけで、その中でこの作品は何がしたいのか分かりませんでした。あえていえばサランドンの役柄で独自性を出そうとしたのかもしれませんが、せっかく人目を浴びないマイナーリーグを素材としていながら、かえってそこを「居心地良く」してしまうという逆の作用を果たしてしまっています(なので、ヌークがメジャーに上がるところにドラマとしての意味がありません)。 [DVD(字幕)] 4点(2003-02-21 20:09:45) |
4727. 羊たちの沈黙
《ネタバレ》 原作に負うところ大とはいえ、あのガラス越しの対面はやはり名シーン。会話の背後に思索と背景をぎゅうぎゅうに詰め込んで、ぎりぎりのところで言葉が対決する。無駄な動作を一切断ち切った静寂が引き起こす恐怖感。そのような表現方法を映画という手法で提示したところに意味がある。中盤もじわじわとしたスリルを滲ませながら進行するが、収束の描写がちょっと安直だったのは残念。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2003-02-21 00:21:16) |
4728. ウォール街
当時ブレイクしていたチャーリー・シーンを鼻であしらうマイケル・ダグラスが、何とも凄みを感じさせていたものです。ラストのあっさりした締めはちょっと物足りなかったけどね。 [映画館(字幕)] 6点(2003-02-19 23:06:41) |
4729. X-ファイル ザ・ムービー
なぜ敵の連中は次々に自分を犠牲にするのかとか、イギリスの人達はいったい何だったんだとか、何で突然南極なんだとか、突っ込みどころが多すぎて逆に感動してしまうのですが、もしかしてはじめからそういう設定なのでしょうか?真面目に見てはいけなかったのでしょうか? 4点(2003-02-18 20:04:26) |
4730. キルトに綴る愛
話の設定は悪くないと思うのですが、制作者側の狙った筋が見え見えで、頭で考えただけのような演出も多くて、見ていて醒めます。あと、おばあちゃんたちについて、昔話をしておしまいではなくて、それを話したことによって自分自身の中で何かが変わったのかどうかをきちんとフォローしてほしかった。あれではおばあちゃんたちが単なる道具です。 3点(2003-02-17 23:18:33) |
4731. グッドモーニング,ベトナム
《ネタバレ》 脚本はロビン・ウィリアムスの当て書きなのか?と思うくらい、もうロビンが絶好調に喋りまくり。そこを見せる作品なんだから、そこはよい。が、DJシーン以外の部分は案外凡庸だったような・・・。特に、英語を勉強するために集まってる英語の授業で、ラジオみたいなマシンガントークをしてしまっては、いろいろな意味でいかんでしょ。喋りが本業の人間だからこそ、ああいうところでは「別の喋り」を見せてほしいものです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2003-02-17 00:00:17) |
4732. ペイバック
単純明快なハードボイルド。それ以上でもそれ以下でもありません。しかし、死人の数が多すぎるのはちょっと安易では? 4点(2003-02-15 23:03:37) |
4733. 裸の銃を持つ男
アメリカ人と日本人の笑いのセンスにはかなり隔たりがあると思うが、この作品は日本人でも笑えるぎりぎりのラインで成り立っている。また、何よりも、主人公のキャラをこの90分だけで堂々と確立しているところが評価に値すると思う。 [DVD(字幕)] 6点(2003-02-14 20:55:51) |
4734. ボーイズ・ライフ
ホームドラマの体をとってはいますが、そこはかとなくホラーのような気もしますよね。最初は紳士だったのが、ちょっとずつ地が出て、じわじわとマインドコントロールを進めていって(しかも当の本人には別に悪事を働いている意識はない)、いつしか支配関係を築いていって。デニーロの父親は、ところどころトラヴィス・ビックルだったりアル・カポネだったりしますし・・・。 [DVD(字幕)] 6点(2003-02-13 23:43:19) |
4735. リプリー
途中から話が破綻しかかっているのが難点ですが、巧者揃いの俳優たちの安定した演技を鑑賞するだけで普通に楽しめます。中でも、あれほどイヤミな役をあれだけ格好良く演じられるジュード・ロウが見事です。 5点(2003-02-12 23:54:11) |
4736. シックス・センス
《ネタバレ》 オチが読めるとか、読めないとか、そういうところで評価が決まるレベルの作品ではありません。この映画は、かりにオチの手前でエンディングを迎えていたとしても、それなりにまとまった作品として完結したでしょう。劇のシーンや車のシーン(これら自体名シーンです)で、少年に関してきちんと結論を出して、「単なるホラーではなかったんだな」と観衆を感動させ、無事に着地させる。その一瞬の隙をついて一気に全体を裏返す二段落としのラストであり、しかもそれまでのすべてのシーンが伏線となっているからこそ、このラストはトリックとして何よりも「美しい」のです。そして、そのように「美しい」からこそ、私はこの映画を評価したいし、オチが読めるかどうかなどはどうでもいいのです。 [DVD(字幕)] 8点(2003-02-11 23:13:49) |
4737. L.A.コンフィデンシャル
なかなか良質なサスペンスです。3人の刑事がいずれも大きな欠点ありの人物なのが面白い。内容的にもひねりがあって、2回目以降も楽しめます。 6点(2003-02-10 19:26:38) |
4738. 陽のあたる教室
《ネタバレ》 最初に見たときは、何か単調で平坦だと思っていたのですが、再見して、ことさらに途中で力を入れて盛り上げないところに意味があることが分かりました。主人公は教師だから、一つの年度が終われば次の生徒がやってくるし、感傷にひたっている暇はない。むしろ、何か生徒をちょっとだけ変えたり、その中に何かの芽を目覚めさせたりして、あとはそのまま生徒が未来に向けて自ら育っていくのを祈るしかない。そういう、意外に現実の厳しさも踏まえた作品ではないかと思います。そんな中にロウィーナとのエピソードがちょっとした切なさを添えていますが、奥さんとの間で何かが起こりそうで起こらないのが良いし、最後に(私もてっきり出てくるものと思っていましたが)あえて出てこないのが、余韻と想像を残していて、良い。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2003-02-09 20:29:18) |
4739. 美女と野獣(1991)
まさに直球ど真ん中のハッピーエンドアニメ。余計なことをしていないのがよい。たまにはこういうのを見て、基本を思い出さないといけない。 [DVD(字幕)] 6点(2003-02-09 00:08:23) |
4740. インデペンデンス・デイ
映像の迫力と話の内容的欠落の落差が、これほど激しい映画も珍しい。第1に、宇宙人の形状や攻撃の態様が完全なステレオタイプで、全然面白くない。第2に、地球人側も、誰が、どういう立場で、何をしたいのかがさっぱり見えてこない。第3に、中途半端なラブロマンスを絡めているから、さらに見ていて恥ずかしい。輪をかけて最悪なのが、アメリカ万歳・軍事力万歳の態度であることはいうまでもない。だいたい、たかが一国の独立記念日が人類全体のIndependence Dayだなんて、タイトルからして傲慢だよ。 0点(2003-02-07 21:09:21)(良:1票) |