461. うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー
原作やテレビシリーズ等で既に多くの人々にイメージづけられた個性的なキャラクター達それぞれに、役柄に見合った役をきちんと割り振り、それらがこの映画のために用意されたストーリーの中でその魅力を最大限に示すことができたという点で、正しく原作を消化し、脚色し、自らの世界観に引き込んで新しく再構築するというあまり成功例のない試みに勝利した人物として、特にアニメに関心のない私のような観客にとっても、押井守の名は長く記憶に残り続けた。たとえば生徒をどやしつけながら、今日が何月の何日なのかとうわごとのように言い続ける温泉マーク。あざやかな推理で友引町に起きた奇妙な現象の謎解きをするサクラ。そして宇宙人ならではの素朴さで、自らの夢を楽しげに語るラム。不毛な笑いが売り物のドタバタコメディマンガを原作に、ここまでそれぞれのキャラクターの持ち味を活かしたまま、独特の世界観にまで物語を昇華させた手腕は実に見事というより他にない。「アニメなんて・・・」と抵抗を持つ、実写こそ映画の素晴らしさの一つであると信じて疑わない、私もその一人である。日頃アニメに関心のない人々にこそ、この作品は滅多に観られない傑作の一つとして、是非トライしてみて戴きたいと思う。 10点(2003-12-08 22:33:21)(良:1票) |
462. アメリカン・サイコ
ライオンズゲートが社運を賭けて製作した渾身の力作・・・のハズだったんだけど、まさか潰れやしませんでしたよね?これだけのキャストを集めて、大ベストセラーを映画化したのに、贔屓目に観てもそこらの大学の映画サークル並み。コメディにしても、笑えなすぎです。褒められるところがあるとすれば、クリスチャン・ベールの見事なお腹。だからナニ?ちなみに「2」はVシネになったようだ。ストーリーは、女子大生が猟奇殺人を繰り返すのだそうだ。バカにするな。 0点(2003-12-07 22:18:28) |
463. フォーン・ブース
「オメェ、なんとかせんかいっ!」とハリセン持って駆けつけたくなる主人公泥沼系一人芝居。たまたま鳴っている公衆電話に出てしまったら、電話の向こうから不気味な声が、「切ったら殺す」ですもんね。かような事情で公衆電話ボックスから出られなくなってしまった主人公が繰り広げる緊迫の81分。この短さ、メインキャラがたった1人の密室劇としてはギリギリのところだと思いますが、こういう映画をハリウッドで、しかも監督ジョエル・シューマカーでやっちゃう時代が遂に来たんだナ~と感動しました。無駄にスターが大勢出て来て無駄に爆薬がばんばん吹っ飛び、無駄に長い映画をさんざん見せられた後にこういう映画は新鮮です。面白いと思います。非常に実験的で、なんかやたらインディーズのニオイが漂うんですが監督はジョエル・シューマカーで主演はコリン・ファレルです。この組み合わせが新しいです。人間が集中していられるのは大脳生理学的に見てきっかり90分。だから昔の映画には傑作が多い。この映画は私のようなばかでもちゃんと集中して最後まで観れます。拍手喝采。願わくばディレクターズカット160分バージョンなんか公開されませんように。キチンと整理すれば短くできるのよ。誰とは言わないけど最近3時間以上の映画撮った監督たちはコレを観て思いっきり反省するべき。ビューティフル。 9点(2003-12-07 22:14:46)(良:2票) |
464. ウインドトーカーズ
どうしてもジョン・ウーの雑な作りに馴染めない私だけど、この作品のベタベタな友情の美しさにはうっかりハマりました。ベタもここまでやると芸になるんですね。部下を死なせたトラウマに悩むニコラス・ケイジが、ナバホ人通信兵を「捕虜に獲られる前に殺せ」という条件つきで護衛するハメになる。このジレンマと戦うニコラス・ケイジの苦悩する姿を楽しむのが本来の鑑賞方法なんでしょうが、私としてはアダム・ビーチのピュアな魅力にメロメロ。さらにお情けでジョン・ウーからお仕事をもらい続けているクリスチャン・スレイターの、あわよくば復活を賭けた大芝居にも目が離せず、個人的には本題と関係ないところでうっかり評価が上がってしまったという感じ。やっぱりニコラス・ケイジは上手いです。特に好きでも嫌いでもないですが、この人のどんな作品でも真剣勝負な力一杯の演技には誠実さを感じます。たまに無駄に熱演しすぎて空回ってますけど、マジメな人なんでしょうね。そういう主役だから比較的安心してわき道に逸れられるというところも確かにあって、アダム・ビーチも新人ながら非常にマジメに一生懸命やっているしクリスチャン・スレイターもそろそろ1作1作が真剣勝負。みんなが真剣に一生懸命やった結果、ベタでクサい映画が誠意あふれるマジメな作品になり得たわけです。アメリカはネイティブ・アメリカンを迫害したのね、その上でここまで利用したのね、ってマイノリティの立場からこういう話をきちんと映画化したのは偉いです。ナバホは中西部の比較的温暖な地域で一大勢力を誇っていましたが、白人によってユタやコロラドの豪雪地帯に追いやられた不幸な民族です。でも暗号にキミたちの言葉が必要なんだ、と言われれば、アメリカ国民として必死に義務をまっとうしようとするマジメな人たちでもあります。必死で頑張るアダム・ビーチの姿に、普段あまり脚光を浴びることのないネイティブ・アメリカンの将来を背負った若者を観てしまうと号泣できます。アメリカが抱えている人種問題の中で、ネイティブ・アメリカンへの差別は見落とされていることが多いです。アダム・ビーチは将来政界入りしてネイティブ・アメリカンのために働きたいそうです。頑張ってもらいたいと思います。 8点(2003-12-07 15:07:35)(良:3票) |
465. ウイラード(1971)
ヒッチコックの「鳥」がバカ当たりしてから山ほど湧いて出た雨後のタケノコの1つとしては、かなり作り手の誠意が感じられる良い作品であると言える。孤独な青年とネズミとの交流を真剣に描いたあたり、ちょっと最近のサイコホラーブームに影響を与えていると言えるような気がしないでもない。たぶん「鳥」と「サイコ」を同時にやったらどちらかの映画の半分ぐらいの価値は出せるんじゃないのかな?と、世間並みの想像力の人たちがおずおずとやってみたらこうなった、という感じでしょうね。でも凡人ながら分相応に頑張っている、という感じが伝わって来て私は好き。アーネスト・ボーグナインはどこに出て来ても映画が締まりますね。 8点(2003-12-07 14:49:26) |
466. ザ・ウォッチャー
おバカ映画と割り切って楽しめば、かなり通好みのするおバカさではある。いくらなんでもジェームス・スペイダーとマリサ・トメイが爆発をバックにダイビングするなんて普通あんまり考えませんよね。キアヌの変質者ブリも気合が入ってるんだか入ってないんだか微妙に笑っていいセンだと思う。あまり真剣にサイコホラーみたいなのを期待するとコケます。笑うが花。 7点(2003-12-07 14:43:31) |
467. インナースペース
まあまあ楽しい普通の映画。特に観客の積極的な参加も必要とされず、ひたすら受身で楽しめるという意味では、究極のひまつぶし映画と言えるかも。後から観ると、「ひょー。メグ・ライアン若いぞ」という楽しみ方も出来るし、特に時間の無駄にはならないと思う。映画から何らかの感銘を受けたいとか、明日への気力を得ようと思う方には不向き。ごくごく普通に使い捨てて良い娯楽作品としては優秀な出来栄え。 7点(2003-12-07 14:41:28) |
468. イントルーダー/怒りの翼
どうも「プラトーン」のイメージから抜け切れず、ナニをやらせてもエリアス軍曹になってしまうウィレム・デフォーがここでもカッコよく決めている。個人的にデフォーの熱狂的ファンである私にはかなり満腹な作品であるが、デフォーなんか別にどうでもいいもん、という一般の方を満足させているのかどうかはちょっと想像するのが難しい。でもフライトシーンなどは楽しく観れるし、戦争映画好きな方ならそこそこ楽しめる作品なのではないかと思う。特に飛行機にも戦争にも興味のない女性の方だと残念ながら退屈してる時間の方が長いかも。 6点(2003-12-07 14:38:31)(良:1票) |
469. フレンズ/ポールとミシェル
あまり妄想を膨らませて見ると清潔感漂う映像にちょっとガッカリするかも知れませんが、何度観てもアニセイ・アルビナは異常に美しいのでキレイなものをたっぷり見たいゾ、という向きにはお勧めできると思います。まあこのぐらいの作品が「衝撃のエロティシズム」だったこの時代はある意味とても平和だったというか。ローティーンの子育てモノが流行ってたこの頃、あちこちから湧いて出た類似作品の中では「青い珊瑚礁」と並び鑑賞に堪える作品ではあります。けっこう好きです。 6点(2003-12-07 14:34:00) |
470. レイダース/失われたアーク《聖櫃》
盛り沢山のエピソードをたっぷり集めて、キチンとタイトに詰め込んだらテンポ抜群の映画が出来るゾ、というルーカス・スピルバーグが共通の哲学を実証して見せた作品。ある意味コロンブスのタマゴ的発想ではあるのだが、行間を重視しすぎたニューシネマが続いた中で作り手側がおろそかにしがちになっていた普遍的手法を復活させた功罪は大きい。これを境にニューシネマの流れがあってこそ世に出ることが出来たルーカス、スピルバーグはコロッと体制派に鞍替えをして独立小資本作品の立ち入るスキを無残に閉ざしてしまう。狭き門から入れば後のことは知らないってことね。80年代のアメリカ映画を思いっきりダメダメにしたのはこの2人。この映画は「映画は面白ければ良い」といういかにもな価値観を振りかざして見事に勝利した。面白いだけの映画も時には必要なものだと思う私としてはこういう動きもまたアリかとは思うが、80年代の売らんかな主義がいかに退屈だったかを思い返す時この映画を手放しでは褒めちぎれないジレンマに苦しむ。2作目以降テンションがガックリ落ちたことを考えても、あくまでもこれはコロンブスのタマゴ。要するに飽きられたらおしまいなのが娯楽映画というモノなんですね。 8点(2003-12-07 14:26:45)(良:1票) |
471. フィフス・エレメント
《ネタバレ》 ほとんど眠っちゃってた作品に0点つけるのもアンフェアな気がするので1点献上。いくらミラ・ジョボビッチが可愛いからと言って、彼女におかっぱ頭で裸同然の格好をさせるためにアレだけの大仕掛けを作っちゃうベッソンってある意味すごくステキな存在だ。バカもここまでやれば立派に一級品である。いろんなところで笑いモノになっているブルース・ウィリスはまあこれに出たからと言って損にも得にもなってないような気はするが、あんなコスプレまでやらされちゃったゲイリー・オールドマンは義理がたいというか。クリス・タッカーの独演シーンで思いっきり眠り始めてしまい、正気に返った時には地球は愛の力で救われていた。別にもったいないことをしたという気もしなかった。こういう世界観が好きという人も中にはいるだろう。私はどっちでもいい派。 1点(2003-12-07 14:11:59) |
472. シャイニング(1980)
《ネタバレ》 映画と小説は別、なんてキレイごとは言っていても、なんとなく中途半端に原作と繋がってしまっている映画が多い中で、映画が原作を離れて独り立ちした非常に稀少な作品。まあキューブリックはこれが多いが。原作のエピソードをそのまま使っている部分もけっこうあるわりに、原作の意図したところと完全に別の方向に向かっちゃっているあたりは、あっぱれと言うより他にない。原作もコワイが映画も立派にコワイ、なおかつ両方のベクトルが全然別の方向を向いているのはスゴイ。だいたいキューブリックという人はかなり茶目っ気のある人で、折々のトップスターを主役に持って来て話題騒然なテーマをぶつけて来る遊び心たっぷりな監督であるわりに、映画が独特の重厚感を持ってズシンと迫って来るギャップが凄いんだけど、たぶんこの作品も「ジャック・ニコルソン主演でホラー映画を撮っちゃおう」という楽しいアイデアから出発したはず。斧持って走り回るジャック・ニコルソンはとてつもなくおっそろしいし、逃げ回るタリア・シャイアの表情もおっそろしい。無表情な双子が放つ「Hello, Danny.」は当時ちょっとした流行語になるほどコワかったし、「REDRUM」はアマチュアバンドのバンド名として引っ張りダコになった。とにかく冒頭、コロラド山脈をのろのろと登って行く黄色いフォルクスワーゲンひとつであれだけコワイというのは既に名人芸と言って良いだろう。ワケもわからず巻き込まれるスキャットマン・クローザースの存在感も無駄にコワイし、キューブリックがホラーをとことん笑った映画と考えればこれは傑作の域に入るのではないか。 9点(2003-12-07 14:06:57)(良:2票) |
473. インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
《ネタバレ》 飛ぶ鳥を落とす勢いのブラピに、トップスターの座を譲り渡すまじと崖っぷちに立たされたトム・クルーズの捨て身の演技に、底力を見せつけられた作品。白塗りの化粧にフリフリ衣装のコスプレで、笑っちゃうぐらいシリアスなストーリーが、最後の最後で「全部、いつもの泣き言」であったと知らされるラストには正直、人生最高に笑わせて戴いた。おまけにカーステから流れ出すBGMがストーンズの「悪魔を憐れむ歌」なら最高でしょ。全編に漂うミステリアスな雰囲気に魅力的な子役、かなり先の読みにくい筋立てで、こういう世界が好きな人なら比較的楽しめる内容。インタビュアーのマイロ役には、急逝したリバー・フェニックスの代役としてクリスチャン・スレイターが好演。彼は場をわきまえてますよね、特に見せ場もないし地味にやっている。関係ないけどこの映画の「原作」は絶対に萩尾望都の名作「ポーの一族」。ルイ、レスタト、クローディアの三点ショットはマンガに出て来る1場面とまったく同じところまである。これもまあご愛嬌。オチははっきり楽しかったし、こういう遊び心っていつまでも大切にしたいですね。 8点(2003-12-06 23:10:09)(笑:1票) (良:1票) |
474. イレイザーヘッド
二度と観たくない映画を10本挙げよ、と言われたら間違いなく上位3本以内に入ると思います。決してつまらなくはなかったですが、観ていて辛い映画でした。別れた恋人が赤ん坊を押しつけて行ってしまうだけでも充分辛いですが、その赤ん坊が爬虫類だったら辛すぎます。ただし腹黒い猟奇趣味的好奇心だけは満たされます。ホラー映画は大好きでずいぶん観て来ましたが、どんなホラーよりもこの映画の方が怖いです。私もオトナになったので、今観てもあんなにコワくはないかな?と思いますが、やっぱりよほどの必要に迫られない限りは、これから先ももう二度と観ることはないと思います。 2点(2003-12-06 22:59:16) |
475. 今そこにある危機
ウィレム・デフォーのカッコ良い活躍をもっと見たいぞ、という方にはかなりお勧めできると思います。アロハシャツの怪しいチンピラ風から、白スーツにアーミースタイルなど、デフォーの七変化も堪能できます。お話はよくあるアクション映画という感じで、特に目新しくもなかったですが、ジャック・ライアンもほどほどに活躍してるしまあこんなもんじゃないでしょうか。悪いけど完全にデフォーの映画でした。私はデフォーの熱狂的なファンなので楽しかったですが、やっぱり脇役が主役を食うというのは映画として正しい姿とは言えないと思いますので公平を期して6点にとどめておきます。デフォーのファンにのみお勧めします。 6点(2003-12-06 22:55:26) |
476. 愛しのローズマリー
すみません。どうしても納得が行きません。外見だけで人を判断してはいけない、って言いたいんだろうと思うんですが、この映画だけを観てると、むしろ外見だけで人を判断しろ、と言ってるように思えるんですよね。だいたいコレではまるで、人の性格が「良い」と「悪い」の2種類しかないみたいじゃないですか?実際はもっとカラフルですよね。それに主人公だって、本当にローズマリーを愛してるんなら、何とかして痩せるように努力させるべきですよ。だってあれじゃあ健康とは言えないでしょう。ローズマリーは贔屓目に見ても卑屈で不健康な精神の持ち主で、確かに心は優しいかも知れないけど、もう美しくなりたいなんてことは諦めちゃっていて、フルサイズのケーキを半分食べちゃったりしてますよね。そんな彼女の心のどこがそんなに美しいのか、ちょっと理解に苦しみました。それに彼女はハルの長所に惚れ込んでるワケじゃなくて、見苦しい自分に興味を持ってくれたという希少価値にしか目を向けてないでしょう。そんな情けない恋愛をして本当に幸せなんですかね?私はローズマリーほど太ってるわけじゃないけど、もし自分がそうだったら、この映画を観てバカにされたような気がしてかなり頭に来たと思います。唯一、病院で出会う顔に大やけどした女の子のエピソードだけが救いでした。こういうのをブラックユーモアというのかなあ。私はかなりひねくれた話でも喜んで笑いますが、この映画には笑えませんでした。ジャック・ブラックにはかなり期待しているだけに、残念さで一杯です。 2点(2003-12-06 22:51:05)(良:4票) |
477. いとこのビニー
スコセッシ監督のマフィア映画では、あれほどカッコいいキレっぷりを披露してくれるジョー・ペシが、こういう役をちゃんと真剣に演じてくれるのって嬉しいですね。悪趣味で下品で頭悪くて、こういう役をやれる人って頭いいんだろうなぁと思います。彼と同じぐらい下品でイケイケのモナ・リザを演じたマリサ・トメイも、ちょっとテレビシリーズに出てたぐらいのはっきり言ってポッと出の新人だったくせに、いきなりバネッサ・レッドグレーブを押しのけてオスカーを獲ってしまうって、ハリウッド史上に残る快挙だったと思います。しかもコメディで受賞ですし。これは珍しいですよね。映画は非常にテンポ良く、ほどほどに笑えますし、ちゃんと最後には爽快感もあります。本当のコメディファンにはもう一つ二つ納得の行かないレベルだと思いますが、コメディ寄りの一般作品と考えればかなりのハイレベルを保っています。かなりおバカで、ハイテンションです。はっきり言って、一見の価値はあると思います。 10点(2003-12-06 22:41:29) |
478. イグジステンズ
ウィレム・デフォーだけを目当てに観に行ったのに5分ぐらいしか出て来ないし、しばらくエビカニ類は食えなかったですね。たしか90分台のかなりコンパクトな作品なのに、ジェニファー・ジェイソン・リーとジュード・ロウが主演じゃなかったら確実に3時間ぐらいに感じたと思います。2人のおかげで体感時間は2時間半ぐらいですみました。かなり疲れました。クローネンバーグもトシかなあ、と素朴に思いました。好きな監督さんの1人なんですが、このテンションで一生突っ走るのは無理があるのかも知れないですね。頑張っているとは思いますが。 6点(2003-12-06 22:31:36) |
479. 生きてこそ
原作となった「アンデスの聖餐」を先に読んでから観たので、それなりに覚悟は出来ていましたがやっぱりおっそろしかったです。ちなみに原作の方が、ウソっぽい映像がついてない分リアルでした。しばらく肉は食えませんでした。映画の方は、特に偏った食べ物(馬刺しなど)でなければ食べながら観てもどうにもならないってほどではないと思います。ただし世の中の半分以上が、こういう映画って単なる覗き見趣味で、猟奇趣味的好奇心から観るんであって、「人の命の尊さ」とか本気で思う人はかなり少数だと思うので、なんとなく良識を試された感じがしてちょっと憂鬱にはなります。原作本に何枚か写真がついていましたが、同じ場面を本物と映画とで比べてみると、やっぱり映画の方はみんな丸々としていて元気そうです。今どきCGとかいろいろあるんだし、もっとスゴい映像は出来たんじゃないのかな~という気もしますが、これって自主規制なんでしょうか。まあ一応映画なんで、このぐらいがちょうどいいのかも知れないですね。あんまりキレイごとは言いたくないので、猟奇的好奇心は満たされました、とだけ言っておきます。 7点(2003-12-06 22:27:20) |
480. イーストウィックの魔女たち
もちろん映画は映画なのであって、1本の映画として独立した面白さが保てていなければイケナイ。シニカルで辛口な語り口を売り物にするジョン・アップダイクの風刺小説を原作にしたこの映画も、おそらくアップダイクの作風または原作を知っていなければ特に何の値打ちもないワケワカラン退屈な映画。うっかり点が甘くなってしまったのは、愛するジャック・ニコルソンとスーザン・サランドンの稀少な共演作品だから。公の場に私情を挟み込んでごめんなさい。でも私、この2人が大好きなんです。スーザン・サランドンとタッグを組むのがシェール御姐様とミシェル・ファイファーという組み合わせもなかなか気が利いている。この3人にボロクソやっつけられるミス常識の議員夫人がベロニカ・カートライト、もう幸せ(笑)というワケで、広く一般に受け入れられるタイプの作品でないことは充分承知しているのだが、どうしてもこの作品にはキビシいことが言えない。でも正直、アップダイクのファンにはちょっとたまらない面白さがある。腹黒い人にはお勧め。 8点(2003-12-06 22:20:26) |