481. ハッピーエンドが書けるまで
《ネタバレ》 何かこう、さらっと薄味すぎるんですよね。息子とその彼女のドラッグどうこうというのは、掘り下げたらもっと面白く展開できたんだろうけど、入口で「大麻はOK」みたいに言われちゃってるもんだから、その後の障壁や葛藤が少ない(結果、パーティー途中での彼女の失踪というせっかくのシーンも、逆に唐突になっている)。娘とその彼氏の方も、娘はちょっと特殊な性格設定っぽい雰囲気を漂わせていながら、特に何も起こらない。2冊目の本とかいうネタを提供しているんだったら、その内容から膨らませられなかったのかな?キニアとコネリーの夫婦関係は、地道に待ち続けた末の元サヤというのが逆に新鮮だったので、むしろここを全面的に軸にしてほしいところでした。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2017-06-12 00:31:29) |
482. とらわれて夏
《ネタバレ》 ジェイソン・ライトマンとケイト・ウィンスレットの取り合わせとなれば嫌でも期待が高まってしまうのだが、これは今ひとつだったかな~。出会いから融合まではやたらとんとん拍子だし、着地部分は逆に突然大技ひねりだし。何よりも困るのは、人の都合も無視して子供を押しつける知り合いのおばさんとか、ストーカーばりに延々くっついてくる警官とか、それらの対応にやたらもたついている主人公親子とか、単に苛々するだけのシーンがやたら多いこと。一方で、多くを語らず静謐な空気すらある逮捕のシークエンスとか、優れた部分もあるので残念。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2017-04-27 02:38:13) |
483. マラヴィータ
《ネタバレ》 せっかくのファミリーもの、しかも実際は証人保護プログラム下、周りからはただの平凡な一家というギャップの設定まで用意していながら、ドラマが動き出すのが遅すぎ。父親なら映画会の拍手喝采とか、姉なら教師見習いとのやりとりとか。なので、やっとそうきたかと思った矢先に、あっさり終わってしまいました。逆に、それまでのダラダラぶりは、デニーロやミシェルのまったくの無駄遣い。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-04-02 01:27:21) |
484. 96時間 リベンジ
《ネタバレ》 感想は前作とまったく同じで・・・最初の方の頭脳戦の部分はいい感じなものの、結局はお約束のカーチェイス&銃撃戦&肉弾戦。やるのはいいんだけど、主人公をこういう設定にしているんだったら、もっとその中にも頭を使う要素を感じさせてほしいのです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-03-17 01:43:37) |
485. アンナ・カレーニナ(2012)
何かこう、演出も脚本も含めて、すべてがどうにも中途半端というか・・・ただやっぱり一番気になるのはキャスティングで、キーラ・ナイトレイは10年前だったらキティ役がぴったりだったろうし、逆にアンナの情念爆発暴走ぶりには合っていない。ジュード・ロウも、10年前だったらヴロンスキー側がぴったりだったのに、カレーニンの重厚さには及んでいない(うまく歳がとれていないように感じる)。超有名な原作があって骨はできているんだから、キャスティングはとても大事だったと思うのですが。その他の人達についても、いい俳優を揃えていながら、使い方が合っていないため、さしたる見せ場なし。もったいない。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-03-12 22:24:49) |
486. メン・イン・ブラック3
あれ、このシリーズって、こんなにつまんなかったっけ?そもそも、このコンビとタイムトラベル&タイムパラドックスって、全然合ってないように思うんですが。肝心の入口の障壁(相棒消失の謎を解く+過去に移動+過去の相手と状況の意思疎通)もあっという間にクリアしてるし、ちょっと飛行機で外国に飛んで消えた相棒を発見する、というくらいにしか感じられませんでした。作中の登場人物同様、グリフィンの存在に大分助けられています。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2017-02-11 22:41:54) |
487. ソルト
《ネタバレ》 発想としては、脚本のつじつまなんかは二の次で、とにかくアンジーの格好良い活躍を撮ろう(トゥームレイダーほどお馬鹿にならない程度に)、というものだったんでしょうから、その意味では成功しています。アンジーは、走っているところとか格闘場面とか車両飛び移りとかよりも、じっと周りを窺ったり、必死で急造武器を組み立てたりしているときの方が数段格好良いのですが、制作側はそこまで見ていないんでしょうね。あと、ロシア大統領のありえない無防備ぶりには、さすがにずっこけました・・・。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-01-01 14:46:48) |
488. ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅
《ネタバレ》 この監督って、「サイドウェイ」でも「ファミリー・ツリー」でも、頭で考えただけのような観念的で作為的な描写しかしてなかったのですが、やはりこの作品でもそれは変わりませんでした。●頑固親父が一歩も譲らないので渋々連れ出す、しかも道中でも全然言うことを聞かない、というのはこの種ロードムービーの定番でもありますが、それならば親父はそれを超えるほどの何らかの渋さや格好良さを見せてくれないといけません。それに、途中から金の亡者やら何やらが絡みついてくるという展開が1つのポイントになっていますが、元はといえば自分が軽々しく周りに話して回ってるからでしょ。なので、限りなくどっちもどっちにしか見えません。妻が期せずして得意の猛広舌でそれを撃退するシーンは、予想しない心理の発展があって一瞬面白かったのですが、そういうシーンはそこだけでしたね。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-12-22 02:07:30) |
489. インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌
正統派の伝記物でないのは別にいいし、この監督なら素直な作品にはならないだろうというのは予測できるんだけど、それならそれ以外の場所できちんと凝ってくれないと・・・ただ思いつきのようなシーンをスルスル重ねられても、何のために作りたかったのかが分からないです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-12-14 23:29:40) |
490. タイタンの戦い(2010)
いやもう、ニーソン&ファインズという「シンドラーのリスト」の映画史上に残る黄金善悪タッグに、あんなコスプレ対決を大真面目にさせている時点で、笑いが止まらないわけですよ。結局、このシーンが撮りたかっただけなんじゃないの?と思うくらい。マッツ・ミケルセンを投入しておいて、あんな無駄遣いぶりをしているのも凄いね。なお、作品としては、人智を超越した神々しさを描かないといけないはずのところに、人工物の最たるものともいうべきCGベタベタてんこ盛りで全部を塗りたくっている時点で、テーマと手法が分裂してしまっています。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-12-12 22:25:43) |
491. ポリス・ストーリー/レジェンド
《ネタバレ》 途中でやっとこさ「えっ、これって場所限定密室劇サスペンスをやろうとしてる?」ということに気づきました。その試み自体は悪くないし、回想シーンの多重視点描写もなかなか面白いのですが、全体としては何とも方向性がチグハグで。冒頭のジャッキー現場説得シーンとか、犯人の過去の体験回想とか、何の意味もなくて、むしろどう見ても邪魔です。ポリス・ストーリーの冠を外して、徹頭徹尾建物内で地道に話を展開させたら、ジャッキーもこの御年で新機軸!ということで美しく完成したんだろうけど、やはり慣れないことはやりにくいのか、そうはならなかったね。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-11-28 03:37:09) |
492. 宇宙人ポール
《ネタバレ》 主人公二人に魅力がないのが何とも致命的。オタクが宇宙人とめぐり会ってそこから大冒険の活躍、というからには、宇宙人とも一体化できるほどのハイパーオタクぶりを期待するわけですが、この二人は言葉でオタクと説明されているだけで、実際の言動は伴っていません。一方で、脇役が揃ってからはストーリーはまあまあの動きを見せており、コミック店でのやりとりのおかしさ、タラとの再会、ラストに登場する大ボスなど、終盤にかけては盛り上がりを見せるのですが、中盤までの退屈さはカバーしきれませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-11-07 00:34:42) |
493. ツーリスト
デップとアンジーをキャスティングしてしまった時点で失敗。演技の相性は良いように見えないなあと思っていたらまさにその通り。しかもこのクラスになると、何かがごちゃごちゃと起こっていても、あまり危機に見えません。これでもかというくらいのベネチアの風景は視覚的に楽しめましたので、点数はそこに対して。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-09-23 01:54:31) |
494. エヴァの告白
《ネタバレ》 入口からしていろいろとすごくドラマチックそうなのに、その後はさっぱり盛り上がらない、というかむしろ進めば進むほど収縮してしまう。主人公は何もできずおろおろ流されているだけかと思ったら、時折別人のようにきっぱりとした意思を見せたりして、どういう人なのかさっぱり分からない。それはホアキンやレナーの役も一緒で、演技が全然本領発揮に至っていません。だから、すべてのシーンが置きにいっているだけで、ようやくたどり着いたラストにもカタルシスがないのですよ。 [DVD(字幕)] 4点(2016-08-31 01:54:40)(良:1票) |
495. ハンナ
《ネタバレ》 施設の脱出シーンなどはなかなかスリリングだったのですが、そこで制作側が力尽きてしまいました。あとの見所は、バスを降りてから地下フロアでの戦いまでの長回しくらいでしょうか。あと、音楽が最悪です、というか中身に全然合ってません。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-07-02 02:20:23) |
496. SUPER8/スーパーエイト(2011)
《ネタバレ》 何かこう、あれこれ詰め込まれてるんだけど、見事に放射状に方向性がバラバラになってしまいました。しかもその割に雰囲気は妙に暗く、前半は一体どうなるのかと思いました。焦点が絞られてくる後半はまだましになりますが、わーわー騒いでいたらいつの間にか終わったという感じで、解決もなければ着地もありません。それはそうと、エル・ファニングちゃんは可愛くなったね。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2016-06-11 00:28:45) |
497. シャーロック・ホームズ/シャドウ ゲーム
モリアーティが「ただの悪党大物」になっている時点で、ダメというか、分かってないというか。どの事件でも余裕綽々のホームズは、モリアーティを相手にしたときだけは必死で真剣で、「彼を滅ぼすことができれば、僕は引退することに何の後悔もない」とまで言っていました。こんなに適当に相手ができるモリアーティなど、モリアーティではないわけです。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2016-05-20 21:43:09) |
498. ある愛へと続く旅
《ネタバレ》 導入部のところで、全体に観念的で自己満足的な描写の雰囲気が漂っているなあと思っていたのですが、結局最後までそう変わりませんでした。終盤のひねりはなかなかインパクトがあったので、何とも惜しいところでした。いろいろ展開している割に、時系列的・場所的な拡がりも、あまり感じられなかったんだよなあ・・・。 [DVD(字幕)] 4点(2016-01-20 01:30:40) |
499. J・エドガー
インビクタスもジャージー・ボーイズもそうだったんだけど、実在の人物や著名な人物を対象とすると、イーストウッドの演出はとたんにつまらなくなる。逆に、ミスティック・リバー以降の一連の作品に顕著なように、架空の人物を好き勝手に造形させた方が、よほど伸び伸びと創作が機能している。この作品も、そもそも何で対象がこの人だったのか、さっぱり分かりません。それから、ディカプリオはモノマネは頑張って行っていますが、演技はしていません。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-08-01 12:56:36) |
500. 永遠の僕たち
まったくの勝手な推測だが、ガス・ヴァン・サントは、前の「ミルク」が実在の人物を素材とする直球勝負作品という彼にとっては珍しいタイプのものだったため、その反動で、初期のような浮遊感(それとある種の虚無感)あふれる静謐な作品を作りたくなったんじゃないだろうか。しかし、漠然と死に近い人たちというイメージしか形成されておらず、各人物の核となるべき部分が確立されていないので、いくらそれっぽく作っても、後にドラマが残らない。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-06-01 00:50:11) |