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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1244
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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481.  ムルと子犬 《ネタバレ》 
フィンランドの都市ハメーンリンナを舞台にした、犬と少女とその家族の物語である。少女の父親が出来心で子犬を家に連れて帰ったが、成長すると飼うのが難しくなり、引き取りを申し出た家族に引き渡すまでの話で、おおむね心和むファミリー系ドラマになっている。邦題の「ムル」は主人公の少女(7歳とのこと)の名前だが、「子犬」という言葉はこの映画のほとんどを通じて当たっていない(でかい)。ちなみに犬種はコーカシアン・シェパードとのことで、劇中ではクマを追い払った後にフィンランド軍の歩兵戦闘車に吠えかかる場面があった 時代設定としてはベルリンの壁崩壊(1989/11/9)から東西ドイツ統一(1990/10/3)のあたりまでの1年程度だったようで、その間にクリスマスと主人公の誕生日と夏が1回ずつあり、うち夏は服装のほか、外がまだ明るいうちに人々が寝ようとしている様子で表現されていた。  全体としていいたいことはそれほど明瞭ではないが、主人公の母親が軍に勤務しているという設定は、犬の本来の性質が父親のようなリベラル系ではなく軍隊に近いこと、及び前記の犬種が近代では軍用犬として使われて来たことを説明させるためと思われる。しかし、だからといって軍隊に犬の幸せがあるわけではなく、また主人公の家もいわばベルリンの壁で囲まれた状態であって、それよりこの犬に本当にふさわしい場所はほかにある、という結末だったようである。 結果としては犬の性質に無知なまま、自宅にそぐわない犬種を簡単に選ぶ人々へのソフトな警告を込めていたように見える。劇中家族はどちらかというと悪い例になるわけだが、しかし最後まで犬に愛情をもって接していたのは間違いないらしい。うちには犬がいないのでわからないが、犬好きの人々ならもっと感じ取れることがあるかも知れない。 また最終的には動物愛護全般を訴えていたようで、ラストの“動物を虐待していません”という主旨のコメントが普通よりかなり念入りで長い文章になっている。またエンドクレジットの最初に、出演した動物(犬・ネコ・ハリネズミ・子豚?・ウサギ・馬・ネズミ・ロバ・小鳥)の個体名を全部並べ、その後に人名を出していたのもこだわりがあったように見える。 自分にとってはそれほど感動的でもなかったが、達者な感じの子役に少し加点しておく。金切り声がやかましいが、ネコ顔になったところは可愛らしかった(「猫の恩返し」の主人公に匹敵)。
[DVD(字幕)] 6点(2018-12-31 12:58:09)
482.  旅人は夢を奏でる 《ネタバレ》 
フィンランドのロードムービーである。邦題はどちらかというと意味不明で(「夢」はあるか?)、英題は北への道というような感じだろうが、原題では”pohjoiseen”が「入格」というのを使っており、単純に方向を示すのではなく“北の地へ入って行く道”というような意味だと思えばいいか。 移動の経路としては、国の南端にある首都ヘルシンキから北に向かってユヴァスキュラをまず訪れ、アーネコスキに立ち寄った後、セイナヨキを通って? ボスニア湾岸に出て? オウル経由で? 北上してロヴァニエミ(フィンランド北部のラッピ県の中心都市)に至り、さらに奥地のケミヤルヴィから北に入り込んだ場所を終焉の地にして終わっている。行程中で特に目を見張るような景観はなく、ただ淡々とフィンランドの普通の風景を映しているようである。  物語としては突然帰った父親が、かつての自分の所業のせいで混乱して停滞していたものをひっかき回してぶち壊して、結果的に息子の人生を立て直して家族を再構成した話に見える。 難しいのは父親の語る寓話のようなものの解釈で、うち孫に語ったスグリの実の話は、これまで永遠の40歳のつもりだったが何もできずに来た男が、世界最良のものに出会ったのが人生の最後だった、という状況を語っていたと思えばいいか。コメディめかしていながらどうも最初から陰気臭さが感じられて、自分としてはこのジジイの行末に不吉なものがありそうだとばかり思いながら見ていた。また「射手」の話はストーリーの根幹に関わるものだろうが、何と結末部分が語られないで終わってしまう。ここは息子なり観客なりがそれぞれ思ったことそのままでいいということか。 結果として悪い話ではないだろうが、個人的にはそれほど共感できる箇所もなかった。当然ながら世間では評判がいいらしく、こういうのをいいと思わない自分は映画好きとはいえないのだろうなと思った。  ちなみに今回勉強になったこととして、英語の”Earl”というのはフィンランド人にとっても発音しにくい言葉だったらしい。またホテルで披露されたピアノ曲「ねこふんじゃった」を台詞では”Kissanpolkka”と言っていたが、これは「ネコのポルカ」(kissa「ネコ」→kissan「ネコの」+polkka「ポルカ」)という意味である。フィンランド語の題名にもちゃんとネコが出ていることがわかって若干感動的だった。ついでにいうとジジイの孫はるみちゃんという子だったが、lumiというのは雪の意味である(ゆきちゃん)。
[DVD(字幕)] 5点(2018-12-31 12:58:06)
483.  銀のエンゼル 《ネタバレ》 
公開当時は話題になる理由があったのだろうが今は昔である。ちなみに2018年1月にアイドルグループ「ももいろクローバーZ」を卒業した有安杏果という人が子役で出ていて、当時8歳くらいだろうが小賢しい児童の役をやっている(滑舌はよくない)。  北海道発の映画ということで、景観的には広々した平野部に斜里岳(1,547m)の山容が映えており、またJA系の製糖工場らしい白煙が特徴的に見える。冬の場面はそれほど壮絶に寒そうでもないが、積雪の状態からすると低温で湿度が低いように見えなくもない(要はサラサラした感じ)。家の造りが違うので寒いと思うことなどほとんどないと道民はいいたがるかも知れないが、そういうのを除けば基本的には単なる日本の一地方という印象で、コンビニ中心の映画ということもあって人々も一般の地方民に見える(変人はいる)。 物語的にも大して劇的なことは起こらないが、ただし突然の事故とか、外から来た人間が少々かき混ぜたことがきっかけになって変わるところは変わり(変わらないところは変わらず)、少し新しい状態に移行して終わった形らしい。主人公に生じた変化が、事故を利用した妻の企みだったとすれば夫としては忌々しく思わないかと言いたくなるが、結果は素直に受け入れるタイプの男だったようである。なお題名の意味はよくわからなかったが、5個なかなか揃わない状態で続いていくのが人生だと言いたいのか、あるいはただ待つのでなく主体的に選んでいけということなのか。コンビニダンサーの男が家出娘の挑発に乗らず、自らの意思を淡々と告げたのは少しいい場面だった。 そのように、見れば何がしか思うところもないではなかったが、基本的には長く感じる映画だった。北海道物とは相性が悪いのか。  なお別にコメディでもなく可笑しいところはほとんどないが、唯一「ホーマック」(北海道から関東まで展開するホームセンター)の駐車場で「ほんとあの子人見知りが激しくて」というのは少し笑った。この場面は斜里町ではなく少し離れた美幌町だったらしい。
[DVD(邦画)] 4点(2018-12-29 19:25:32)
484.  ノースポイント フレンズ<TVM> 《ネタバレ》 
北海道文化放送30周年のTVドラマとのことで、「ノースポイント」はシリーズ名、その中に「つばさ」(主演・前田亜季)、「フレンズ」(主演・小山田サユリ)、「ポートタウン」(主演・宮崎あおい)、「ファームサイドソング」(主演・橘実里)の4本が含まれている。放送は2003年1~3月とのことだが、この「フレンズ」は2002年3月の撮影で、雪はあるものの厳寒期は過ぎてかなり緩んできた状態に見える。  題名のフレンズとは高校時代に同学年だった女1人男2人のことで、設定としては23歳とのことである。高校卒業後も適当な感じで生きてきた連中が、高校教員の結婚パーティーに参加するため顔を合わせたのがきっかけで、特に女1人が今後の生き方を見直すことになったという話らしい。男2人の方はどうせ今後も変わらずいい加減なガキのままだろうが、しかしそれでも一緒にいたおかげで女1人に変化がもたらされたのがフレンズの有難味ということか。 大まかにいえばそういう話と思うが、しかし個人的には特に共感できるところがない。また全編のほとんどがパーティー会場に向かうロードムービーのようなものだが、特に徒歩に転じてからは道もなくなり、どういう意図でそこを歩いて野越え山越えしているのかわからないのはさすがに気になる。全般的に長いという印象もあり、あまり好きともいえないドラマだった。北海道物とは相性が悪いのか。  なおこのドラマで注目されるのは、当時満15歳の沢尻エリカが衝撃的に可愛い(顔が)ことである。撮影時期からすると「問題のない私たち」(2004)や「パッチギ!」(2005年公開)よりも前の状態で、この時点で中学校卒業時の3月だったはずだが、役どころとしては20代の男の彼女ということになっている。人物としては極度の自己中女だが(当時からこういう役か)、それでも一応フレンズ3人の背中を押す役目を果たしていたようで、その事情によって全体のちょうど半分程度のところで退場してしまっていた。 また主人公は役柄上それほど魅力的な女性にも見えないが、主演の小山田サユリという女優は、出演者インタビューなど見るともっとかわいい感じの人だったらしい。
[DVD(邦画)] 4点(2018-12-29 19:25:30)
485.  THE HYBRID 鵺の仔 《ネタバレ》 
製作側の説明によると、もとは「鵺 啼くカルデラ」という題名で、母子の断絶と再生を描いたミステリー映画(ホラーでなく)として2011年に作られたが、「納得のいく出来では無かった」ため、2014年に追加撮影と再編集を行ってモンスター映画にしたとのことである。詳細は不明だが、若手監督が手掛けた真面目な映画がお蔵入り状態になっていたのを、製作会社の社長が自らテコ入れして(企画・原案・プロデューサー・共同監督)娯楽性を加えて公開にこぎつけたと思えばいいか。それにしてもクラウドファンディングで3人から7,500円集めた(目標金額1,000,000円)というのはどういう意図だったのかわからない。  そのような経過を反映して、映画自体もとんでもないハイブリッドになっている。 当初制作部分に関しては、温泉地に伝わる「鵺」の伝説にからんだ謎を、美的な映像と人の情欲を織り交ぜながら解きほぐしていき、最後に主人公の心が解放される話だったように見える。しかし後で追加した部分が違和感ありまくりで当初のストーリーとほとんど関係がなく、背景設定も荒唐無稽な上に断片ばかりで全体像が見えない。製作側としてはこれでSFのつもりだったらしいが、オカルト研究家の賛辞を受けるようなものがSFであるはずもなく、ラストの大気圏外の場面と主人公の顔を映したところで心底呆れて終わりになる映画だった。当初の予定通り真面目に作ってあれば多少寂しい出来でも3点くらいはつけただろうが、ふざけたオカルトにしてしまったので低い点にしておく。失敗映画の例として見るなら面白いかも知れない。  なお真面目パートの主演は「穂のか」(石橋穂乃香)という女優で、言わずと知れた著名お笑いタレントの娘である。2011年の撮影だったとすれば22歳前後だったことになるが、この映画ではあまりに顔がふっくらし過ぎで、さすがにこれはちょっとどうかと思っていたら最後は慣れた(かわいく見えてきた)。 ほか余談として、群馬県の某温泉の協力で制作された映画とのことだが、温泉地の産物である黒いゆで卵を、拾ってきた化物の卵のように言っておいて適切なフォローもないのでは地元として不本意ではないかと思った。またついでにいえば、カルデラという言葉を榛名山に使うならともかく、ここの「湯釜」は火口湖という方が妥当ではないかと思うが、観光PRなどでカルデラという言葉を使いたい事情でもあるということか。
[インターネット(邦画)] 1点(2018-12-25 22:36:23)
486.  青鬼 《ネタバレ》 
ゲームはやったことがない。小説版も読んでいない。ちなみにAKBの人も知らない。 時間が短いこともあってそれほど損した気はしないが得した気もしない。CGの造形物が単なる変な生き物のようで安っぽく、コミカルな顔や動きはゲーム風なのかも知れないが、映画ならもっと圧倒的に不気味なものが迫るところを見せてもらいたかった。また緊迫しているはずの場面で人物の動きが鈍いとか長々と話し込んだりするのも気が抜ける。 ストーリー的にもよくわからなかったが、実際にああいうわけのわからないことが起きて悲惨な結果になったものの、主人公が事態打開の条件をクリアしたことで、河川敷の場面まで時間が戻ったということではないか。つまり基本的にハッピーエンドだが、死んでよかったと思った男も死んでいなかったことになるのは困る。次回もあるようだがもう見ない(見る動機がない)。 なお主人公の同級生役で出ている古畑星夏さんは当時17歳くらいのはずで、まだ顔に高校生っぽい可愛らしさがある。映画出演は「1/11 じゅういちぶんのいち」(2014)に続く2作目で、女優としてのキャリアはあまりなかった時期かと思うが(本来はモデルだと思うが)、この映画の主演との対比では演技派に見える。この人と須賀健太の組み合わせなら少しまともに見えただろうが、アイドルホラーとしてはそうもいかないということか。
[インターネット(邦画)] 3点(2018-12-25 22:36:22)
487.  惨劇館 夢子 《ネタバレ》 
2004-02-23に作品登録されていながらレビュー数0だったので見た。御茶漬海苔というホラー漫画家の「惨劇館」をもとにした映画化らしい。 原作がどういうものかは知らないが、これを見る限りは中高生向け?のソフトな猟奇サスペンスのように見える。一応は21世紀らしく児童虐待とか援助交際とか、変質者が女子中学生を監禁して惨殺するとかいった刺激的な要素もなくはないが、何より主人公が純真そうな制服女子高生というところがいわゆるジュブナイル的な印象を出している。ホラーではあるのだろうが超自然的要素は主人公の予知夢だけで、基本的には頼りになる(実際はなっていない)探偵を相棒にしたミステリー調の展開である。 物語の骨格は意外にしっかりしているようだが、しかし結果的にはどうも褒めるまでには至らない。主人公が予知夢を頼りに人を救うことを決意しながらも、肝心の人物を救えなかったことを悔いての「ごめんね」とか、あるいは全ての原因になった人物の「もう終わりにしよう」など、理屈としてはわかるが軽すぎる。また終盤のスリリングなはずの部分がかったるいので見ていられないとかCGの甲虫が意味不明だとか、何のせいかわからないが画質が悪すぎるといった問題もあり、決して嫌いではないが不足な部分のかなり多い映画という印象だった。  キャストの関係では美波(名字なし)という人の初主演映画で、当時はまだ15歳くらいだったらしい。フランスとのハーフのため洋風の美少女で、外見的には可憐なところと大人っぽいところが交代する感じだが、人物設定としては無邪気で可愛らしい少女になっている。時機を失しないうちに同じ主演でシリーズ化でもできればよかったのだろうが、それなら例えばポスタービジュアル的にももっとこの人を可愛く見せればよかった気がする。 またその妹役が貫地谷しほりという人で、姉役の美波と実年齢が逆転しているのは変だが、この姉妹が自宅でいかにも今どきの女子中高生風のやり取りをしていたのは面白かった。今どきといってももう十何年も前だが。
[インターネット(邦画)] 4点(2018-12-25 22:36:20)
488.  映画 「咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A」 《ネタバレ》 
マンガもアニメも見たことがなく麻雀も知らないままで本編劇場版に続いて見た。本編と同じくアニメ版あっての実写化ながら、もとからのファンに叩かれていないらしいのはうまく作ってあるのだろうと思われる。 今回は、主演の人さえ知らないからには他の誰も知らないだろうと思っていたらそうでもなく、奈良の部長でもっさりして一番可愛くない人物が「女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。」(2015)の「美少女」の人だったのは意外だった。また福岡の先鋒は「手裏剣戦隊ニンニンジャー」(2015)でシロニンジャーをやっていた矢野優花という人だが、今回はかなりくせのある人物役で同じ人には全く見えず、こういう人々は出ている場所で違う顔を見せるのだということを思い知らされた。当然だが。 そのほか恒松祐里さんは当然知っており、今回はずいぶん可愛い役をやっている。しかし西東京のエースは、顔は妹に似ているが全く可愛げのない人物のため存在意義が感じられない。本編の登場人物としてはその妹も一瞬出ていたようだが、個人的には鶴賀学園の大将とステルスモモが顔見せしていたのが嬉しい。清澄のおっぱいさんがわざと胸を目立たせる場面があったりもした。  内容としては原作またはアニメ準拠なのかも知れないが、今回は登場人物がわりと普通の女子高生に見えなくもなく、かえって長野県がいかに変人ばかりだったかと思わされる。しかしやはり個性的な人物が目立っており、特に北大阪はボーイッシュなのとかおばさんっぽいのとかいろいろで面白い。また特殊能力のある人々も多いようで、そんなオカルトありえませんというのが原則通用しない世界だったようだが、映像面でアクセントをつけるのには役立っている。ほか奈良は別として、福岡と大阪は方言にこだわりがあったらしいのが印象的だった。 準決勝では先鋒戦に力が入っており、やっていることはよくわからないながらもとにかく感動的だというのはわからせられる。また大将戦では膝枕エピソードが効いていて、どうせ最後は西東京が勝って長野と姉妹決戦だろうとは思うわけだが、北大阪や福岡にも負けさせたくない思いは募った(主に両校の先鋒の印象から)。 こういうサイドストーリーを発展させるタイプのコンテンツを見ると、実際の競技の世界でも、勝敗の別なくそれぞれのチームにそれぞれのドラマがあることを改めて知らされる気がして悪くないと思った。  [追記]見てから少し経った時点で一番心に残っているのは花田煌という人物だった。こいつはえらい。 [2018/10/7追記]主演の桜田ひよりという人は知らなかったが、美少女タレントでもアイドルでもなく子役時代から演技の実績のある人だったらしい。知らなくて失礼しました。  [2018/12/23追記]エンディング後の追加場面は、最後に改めて全ての発端の時点(5年前)まで遡ってみせたものらしい。TVドラマ版にもない場面なのでなかなか感慨深い。
[DVD(邦画)] 7点(2018-12-23 08:27:11)
489.  咲-Saki- 《ネタバレ》 
原作とTVは見ていない。自分の年代は麻雀人口比率がわりと高いのではないかと思うが、自分は勝負事が向いていないとわかっているので試しにやろうとしたこともない。それでは何のためにこの映画を見たのかといえば何だかよくわからないが、知っている若手女優が多数出ていることが誘因になったような気はする。 しかし全体の人数が多いこともあって人の判別が意外に難しい。さすがに主演女優は先日見たばかりで主人公でもあるので特定が容易であり、また柴田杏花という人も複数の映画で見たので覚えていたが、「人狼ゲーム」シリーズで見たはずの古畑星夏・浅川梨奈といった人々は申し訳ないが最後まで顔を思い出さなかった。ただ岡本夏美という人は、これまではかわいそうな少女役をやったのしか見たことがなかったが(2つだけだが)、今回は堂々として威厳のある役だったのが嬉しい。ちなみに顔がよく見えなくても発声と話し方で誰だかわかる人もいて、この人はどこにいてもこういう強烈な個性を発揮するらしい。  そのほか映画自体について一応書くと、まず映像的に柔らかで爽やか感のある色彩で統一され、当然ながら薄汚い印象は全くなく、男がほとんど出ないのも清涼感につながっている。また県大会限定のためストレートで純粋な競技映画のようになっており、ルールがわからなくてもそれなりに雰囲気だけで見ていられる。最初は怖い人とか変人ばかりかと思ったが、次第に人間味が出てきて最後は「楽しかったね」で終わるのでけっこう和む映画だった。見ているうちにみんながだんだん好きになって来て、特に龍門渕透華という人物(演・永尾まりや)には少し惚れた。 これと似たようなものとしては「ちはやふる」を思い出すが、競技かるたと比べても動きが少ないのを、いちいち振動させるとかアングルをつけるとか各種視覚効果で退屈させないのは、多くの麻雀映画を手掛けてきた監督に一定の蓄積があってのことだろうと想像する。ちなみに自分としては、麻雀映画というより「スクールガール・コンプレックス」の小沼監督として記憶していた。  なお余談として、「世界の麻雀人口は一億人を突破」というのは隣の大陸国家の文化侵略ではないかと一瞬思ったが、しかし当該国が本気になれば1億どころでは済まないだろうとも思う。それにしてもこの映画を見ている限り、世界の美少女資源を麻雀界だけで独占しようとする陰謀があるようにも見えた。  [2018/12/23追記]しばらくしてまた見ると名場面だらけに見える。風越のキャプテンがにっこりした場面は好きだ。また武田玲奈さんが個性的にかわいい。大勢の中の一人だが結構いい役だった。
[インターネット(邦画)] 6点(2018-12-23 08:27:09)
490.  生きてるものはいないのか 《ネタバレ》 
舞台劇のように見えるが実際そうだとのことである。初演が2007年というわりに、マサヒコという男がマッチと呼ばれていたのはかなり古い時代のものに見える。 背景設定について真面目に考えるのは無意味かも知れないが、人々が次々死んでいく状況自体は原発事故を思わせるものがある。しかし死に方は放射線障害のイメージではなく、そもそも元になった戯曲は震災前からあり、映画の撮影も2010年だったようなので関係ないらしい。また劇中の都市伝説の真偽に関してもよくわからなかったが、それより結局、入院患者の期待が実体化した形で終わったのではないかという印象が強い(少し前に見た別映画の「だからみんなも死んでください」のような感じ)。  内容的には序盤の女子3人と三角関係の3人の会話が単純に面白いが、特に三角関係の男はこういうのが近場に本当にいるので他所事とは思えない。この男の人格や風貌が役柄に全くそぐわないのも不条理で、ここはコメディにふさわしい茶番感を出している。ただしそういう流れで見ようとすると、後半はそれほど可笑しいところもないようで退屈になる。 その後半では、死に際して人は何を思うのか、ということが描写されていたらしい。皆さんそれぞれこだわりがあったようだが、生きていること自体に執着するものがいないのはあまりにも軽薄な印象だった。人が死ぬのは当たり前だから今死んでも同じこと、というのは間違っていないにしても、それは現時点で何も背負っているものがなく、かつ今しか見ていない人々の発想である。劇中最も生きることに執着していたのは入院患者だったはずだが、この人物の存在が“生きろ”的なメッセージにつながっていたようでもないのがあくまでとぼけた感じを出していた。  なお登場人物では(女子限定でいえば)、個人的には序盤の女子大生3人(高橋真唯・田島ゆみか・池永亜美)に好意的なのと、掃き溜めに鶴という風情の病院スタッフ(青木英李)が目を引いた。どうせ最後と思えば付き合ってくださいくらいは言ってみたくなるが、断固拒否だったのも最後だからこそのこだわりがあったということか。
[DVD(邦画)] 6点(2018-12-22 18:54:25)(良:1票)
491.  万引き家族 《ネタバレ》 
家族を扱った映画らしい。劇中の家族は当然ながら法的枠組みのもとでの家族より不安定で、いわば万物が流転する中での一瞬の状態を捉えたように見える。年長者の死去や構成員の離反がきっかけで最後は離散してしまったが、いずれこうなるのは目に見えていたともいえる。また家族の情愛も確かに存在してはいたようだが、そもそも私利私欲が動機で集まっていたのなら真の家族といえるのかどうか疑わしいということになる。しかし、それもこれも含めて、実は劇中家族も制度的な家族も本質的には大して違っておらず、また血縁が決定的な役割を果たすともいえない面は確かにある。それより大事なことは、今この瞬間に親しい他者とどういう関係を作り、どのように互いを支え合うかだと思わされるところはあった。 この後のことに関して、特に気になるのは子どもらの行く末である。少年の方は分別もあって最後の別れもしっかり受け止めており、もうこの歳で父親を乗り越えてしまった印象もあったが、それでも家族だった男への情愛はちゃんと残していたようである。また少女の方は心許ない状況だったが、しかし実母をちゃんと他者として捉える兆しは見えていた、というように取ればいいか。この少女の心には、いわば他者との接続ポイントがすでにできていたようで、一度つながった人々とは切れてしまったにしても、いずれまた誰かとつながるのを待っているのだと思いたい。 以上、悪い話ではなかったが、それほど大感動ということもなかったので点数は7点である。ちなみに個人的にはこの内容を、何らかの社会問題や政治問題に直接結びつけて語る必然性は感じなかった(個別の台詞としては何か言っていたが)。ただ全国の児童相談所には頑張っていただきたい。  ところで先日、この映画に関してネット上で少し騒ぎがあり、制作側からも両派に対して自制を呼びかけていたようである。個人的には特に何を言おうとも思わないが、こういう騒ぎが起きること自体が感情問題として不快なため、上で7点としたのを改めて採点放棄の0点にする。今後とも、自国といわず人類全体の文化を豊かにしていただきたい(物議を醸さずに)。 なお余談として、豊かであってもなくても犯罪にだけは手を出さず、真っ当に生きている人々にとって犯罪が許せないのはごく自然な庶民感情であり、実際に被害に遭った人ならなおさらのことである。この映画が芸術作品かどうかはともかく、興行前提の製作物であれば一般から悪感情を寄せられるリスクは当然覚悟の上と思われるので、自分としてもこの面でこの映画を擁護する気にはならない。
[映画館(邦画)] 0点(2018-12-16 17:35:21)
492.  劇場版 東京伝説 歪んだ異形都市 《ネタバレ》 
前作「劇場版 東京伝説 恐怖の人間地獄」と同時制作で、同じく5話オムニバスになっている。 【ぬいぐるみ】 話自体は目新しくもなく単にくどいだけ。主演は中島愛里というカワイイ系美女。 【野外】 これのどこが東京なのか(奥多摩か)。主演は劇団に所属している小野川晶という女優だと思うが、公式プロフィールの写真よりも肉付きがよく見えてユニークな印象がある(好意的)。 【素振り】 自分で部屋に連れ込んだのでなければ単なる夢オチ。主演の堤千穂という人は舞台に出ていることの多い人のようで、最初は脚ばかり見せられるが(悪くはないが)、ラストのとぼけた顔はかわいく見える。 【廃墟】 映像製作マニアは頭が変だと思わせる話になっている(「カメラを止めるな!」の対極)。主演は黒川芽以と同じ事務所の秋山タアナという女優で、あか抜けなく見えるが本来はカラっとした感じの美女らしい。 【ホテル】 黒川芽以に危害を加えようとする者には死んでもらいたい。  一番怖いのは人間、というコンセプトなのだろうが、単に荒唐無稽で面白味もない独りよがりの作り話に終わっている。ただし最終話は、異常さの程度は別としてこういう体質の人間は実際その辺にいるわけなので、現実味がありすぎて単純に不快である。不快なこと自体に価値はないので、要はやられる立場ではなく、他人がやられるのを見て楽しみたい、または自分でやりたい立場(自分がやられるとは思っていない)に奉仕するものとして作られたと思うしかない。ちなみにここは0点がつけられるのでありがたい。  付記:あえて心霊を排除した映画のはずだが、黒川芽以が初日舞台挨拶の時に、自分は霊が見えるとか言い出して体験談を語ったというのを読んで笑った。単純にホラーつながりで話したのだろうが映画の趣旨がわかっていないのではないか(笑)。
[インターネット(邦画)] 0点(2018-12-16 17:29:26)
493.  ねこにみかん 《ネタバレ》 
和歌山県有田郡有田川町のご当地映画である。 まず題名との関係でいえば、ネコは1匹出る。また登場人物がミカンを食う場面がやたらにあるが、皮をむきかけて半端になる例が多いようで気に障る。ちなみにこの題名は「ネクロノミコン」を思い出させるので印象がよくない(ホラーかと思う)が、その言葉を知らない人間が多ければ支障ないかも知れない。  基本設定としては17年前に、当時35歳の男が妻(連れ子あり)を亡くした心の痛手を癒す名目で、30歳、25歳、18歳の女3人を同時期に妊娠させたことになっている(妊娠しなかった、あるいは男に黙って堕胎したのはもっといたかも知れない)。その関係者が今も一つの家に同居しているという突飛な状況で、劇中でも「一夫多妻」という言葉が使われている。 その上で、この映画で何がいいたいのかは正直わからない。「ちゃんと迎えてあげる」という言葉が大事そうには聞こえたが、そのことをこういう事例をもとにして訴える必然性はなく、そもそも皆がこの“家族”を維持しなければならないと思っている理由が全くわからない。普通にいう家族の有難味ということよりも、家族に関わる固定観念を破壊してみせることの方が主目的に見えたが、それなら今となれば「万引き家族」(2018)でも見れば自然に納得する。黒川芽以という女優は嫌いでないが、もう少しまともな映画に出てもらいたい。  ところでこの状況について、登場人物も“普通でない”とさかんに言っていたので、有田川町とか旧有田郡域とか和歌山県全部とかでこれが普通なわけではないことが一応アピールされてはいたようである。しかし先日死去した和歌山県田辺市の実業家のイメージなどからすれば、そもそも内縁の妻の存在を自慢する感覚とか、社会の枠に縛られない性的な自由を容認する風土がこの地域にあって、それを全国に認めさせたい承認欲求でもあるのかといった想像が広がる…本当にそう思っているわけでもないが、ともかくこういう映画が地方政界その他の絶大な?支援で製作されたのを見ると、日本もいろいろ多様性のある国だと思わせるものはある。 なお最後によかった点を書くと(かなり局部的だが)「なに忘れたん?」「言い忘れ」というやり取りは気が利いた感じだった。また主人公の父親の言動はマンガのようだったが、最終的な割り切り方は好きだ。相互理解が不可能なら断絶するしかない。
[DVD(邦画)] 3点(2018-12-16 17:29:23)(良:1票)
494.  テツワン探偵ロボタック&カブタック 不思議の国の大冒険<OV> 《ネタバレ》 
東映特撮番組「テツワン探偵ロボタック」(1998~1999)の特別編である。当時は当然見ていなかった。 見た目は1970年代の「がんばれ!!ロボコン」のようでいかにも小学生向けの番組だが、宇宙刑事に始まるメタルヒーローシリーズに属するという考え方もあるらしい。確かに、いつもは呑気なロボコン風ロボットでも、危機が迫ると少し格好いい戦闘形態に変化して(CGで)アクションをこなして火薬も爆発するのは東映特撮ヒーロー物のパターンになっている。また現在もあるように、前作の「ビーロボカブタック」(1997~1998)との共演形式になっており(いわゆる「クロスオーバー」)、本編とは全く違う異世界設定にしてあるらしい。  物語としては、悪徳国家の悪徳大統領が隣国の王女(美少女)を「キャワイイ~」という理由で拉致して嫁にしようとした(これは許せない)のを、正義の主人公が阻止する話になっている。主人公にとっては切ない恋物語だが、同時に正直者が馬鹿をみる類のありがたい教訓を残す話である。全般的に見る者を笑わせるように作ってあり、「おれの妻になるのだ」との横暴な発言に対し、健気な王女が決然と「身体を奪うことはできても…」と真顔で答えたのは(申し訳ないが)爆笑してしまった。当時から大人の目を意識しながら作っていたということか、あるいは小学生向け番組を見て笑っている大人はおれだけか。 またこの特別編ではレギュラーが普段と全く違う役柄で出ていたようで、本編を知っている人ならそれ自体が面白かったかも知れない。岡っ引きの親分をやっていたのは後の黒川芽以(当時から黒川芽以)で、「番屋でゆっくり話を聞こうか」という台詞はいわゆるタイホしちゃうぞという意味と思われる。ただこの当時は普通の小学生女子のように見えて、顔もほっそりして黒川芽以らしくない。 ゲスト出演者では、ほとんど同時期の「がんばっていきまっしょい」(1998)で“ヒメ”役だった清水真実という人が出ている。このビデオでは本物のお姫様役で、「がんばって…」のようなあか抜けない地方の女子高生ではなく正規の美少女になっている。そのほか国王役で出ていたのは、1980年代に「夢見るぞ」で一世を風靡した赤星昇一郎という人物だった(知っている人は知っている)。
[DVD(邦画)] 6点(2018-12-16 17:29:21)
495.  キスできる餃子 《ネタバレ》 
餃子といえば常識的には宇都宮と浜松だろうが、これは宇都宮の方の映画である。個人的には別にどちらを応援する義理もないが、これを見ると地元でも相当PRに力を入れているらしいとは思う。ただネット上では「浜松餃子まつり2018」といったイベントの記事も見られたので、両者なお競り合っているということらしい。  映画としては同じ監督の「クハナ!」(2016)に続くご当地映画の第2作とのことで、前作のような爆笑続きでもないが、題名で端的に表現されたようなラブコメ調の人生ストーリーと餃子PRを兼ねたものになっている。 物語としては、要は人間の活力の源泉をどこに求めるかという話だったらしい。主人公の父親の、技術よりもっと深いところまで刺さる鋭い指摘には感銘を受けた。ラブストーリーとしての結末は不明瞭なようでもあるが、要は活力の源泉としてのイケメンを実生活から分離した点が今回の革新の中核だったと解される。ほか餃子に関しては、まずは積年の課題だった「デートできる餃子」を達成した後に、主人公の本質をより強力に表現した「攻めの餃子」が登場し、さらにその先に題名の餃子があったと思えばいいのかも知れない(少し整理が難しい)。 また一方では、製作上の都合によるのだろうから絶対悪いとも言わないが、宣伝臭がかなり強い映画である。「特別協賛」の会社が前面に出て来て代表取締役社長も顔を出すほか(政治家よりマシだが)、餃子に限らず各種事物のPRをやたらに詰め込んだ印象があり、「ルルルンのとちおとめ」とは一体何だという感じだった(フェイスパックの商品名らしい)。映像上のPR以外にも協賛企業がタイアップ商品を出すとか、JRの誘客事業である2018栃木DCにからめたイベント列車「キスできる餃子号」を走らせるなど各方面での動きがあったようである。ちなみにホリプロの宣伝も兼ねた形になっていたらしい(地元出身の佐藤美希という人が本人役で出ていた)。  最後に個人的見解として、この映画の最大の価値は何といっても足立梨花さんである。少し前は女子高生役だったが今回はいきなり男に懲りたシングルマザーで、男をぶん殴って蹴りも入れる硬派なところと、円満で優しい笑顔を両極にした女優の魅力が全開状態だった。これまで見た範囲では「傷だらけの悪魔」(2017)とこれがあだっちぃー映画の双璧である(両方とも主演だから当然だが)。そのほか子役も笑顔に愛嬌があって和んだ。
[DVD(邦画)] 7点(2018-12-10 19:57:59)
496.  劇場版 東京伝説 恐怖の人間地獄 《ネタバレ》 
5話オムニバスである。 【立ち読み】問題外、何も迫って来ない。足立梨花さんの顔をじっくり見るだけ。ネットカフェというのに入ったことがないので物珍しい。 【エンスト】何が面白いのか。撮影地は茨城県石岡市宇治会という場所で、北に走れば100mも行かないうちに人家の集まったところがあったはずである。主演は藤澤志帆という人で、小柄でキュートな感じの女優さんだが、できればこういうのでないところで見たい。 【ネックレス】題名に意味があるようだがだから何だ。ちなみに撮影地は静岡県富士宮市西小泉町にある公園。主演は真凛という人で、就活スーツ姿と顔の雰囲気に少しギャップのあるところがいい。 【夜道】こういうのをやりたかったのは一応わかったがそれだけ。主演の林裕子という人は、現在は結婚・出産して引退とのこと。性的倒錯をイメージさせるエピソードのため、短いスカートの脚を少しエロく見せている。 【食べてはいけない】一応見たがだから何だ。主演は鵜飼真帆という人で、ちょっと年増な感じで出ている。役としては部屋に来て「あたしで大丈夫ですか」と聞くような職種だが、この人なら歓迎だ。  人間の怖さを追求する企画のはずだが、単に心霊が出ないというだけでリアリティも何もなく、怖いと思うところも全くない。また宣伝文句の「大都会東京を舞台に」という方向性が一貫しているわけでもなく、静岡県の都市公園はともかく茨城県の薄暗いGSでは意味が違って来る。平山夢明氏の「東京伝説」シリーズはごく一部読んだことがあったかも知れないが、さすがにこんな話だったかどうか。 脚本・監督・編集を1人でやっていて、いわば作家性も出ているのかも知れないが積極的に評価はしたくない。一つの場面を長引かせるとか同じ台詞の繰り返しといったくどい趣向にも付き合う気にはならないが、しかしとりあえず女優だけ見ていれば耐えられるという面はある。女優の色気を見せようとはしているが、生の露出に頼らず抑制的なのはよかったかも知れない。
[DVD(邦画)] 3点(2018-12-10 19:57:51)
497.  散歩する侵略者 《ネタバレ》 
SFでもなくホラーでもなく舞台演劇の印象が強い。基本設定はSF風でも隙間だらけで骨組みさえまともにできていないようだが、これはそもそも話を作るためのご都合設定に過ぎないわけで、SFでは許されないが演劇なら突っ込まないのがお約束と思われる。ちなみに全体的にコメディではあるかも知れないがどう見てもホラーではない。 やっていること自体もそれほど面白くはないので2時間強を見続けるのがつらい。中盤あたりで最後のオチがもう見えた気がして、どうせそうなら長々と引っ張らないで早く終わらせろと思っていたら、本当にそうなって終わってしまったのがまた拍子抜けだった。 さらに「概念」をネタにして観客にものを考えさせようとする態度が煩わしい。共産主義者は戦争をしない、という主張はどこまで本気だったか不明だが、愛は地球を救うの方は大真面目だったようで、こういうのはもうコメントする気も失せる。 ほか特に好きな女優が出ていないこともあり、自分にとっては単純に取り柄のない映画で終わった(「予兆」の方を見る予定だったので本編も見なければならない気がしただけ)。  ちなみに、そもそも好きになれない映画の解釈を考えるのも何だが思いついたので書いておくと、聖書の記述はともかくとして教会の少年少女や主人公の発言にもあったように、一言で「愛」といっても幅が広すぎて単一の概念としてイメージするのは困難なわけだが、その中で、例えば主人公が宇宙人に提供したのはいわば「与える愛」だけであって、「与えられる愛」は事前も事後も欠乏したまま同じだったということではないか。そこを宇宙人だった夫が一生かけて満たしていこうとするラストだったのかと思った。
[インターネット(邦画)] 3点(2018-12-07 18:52:20)
498.   《ネタバレ》 
以前に「Jホラーシアター」の名前で無料配信されたのを見て以来である。 この監督の映画は見慣れていないが全体的な印象は悪くない。「赤い服の女」は顔がかなり怖いが、変に実物感を出しているのが触れるゆうれいといった感じで、風に乗ってひらひら飛んでいく姿はけっこう気に入っている。また外科医の関連では飛び降りも印象深かったが、特に取調べの場面が、舞台の四方を目いっぱい使った一人芝居のようだったのが印象深い。  ストーリー的にはよくわからないところもあるが、自分としては特に刑事と女2人の三角関係が気になった。刑事の彼女が部屋にいたときに、何かを睨むような顔をしていたので意識(牽制?)はしていたらしく、旅行に行けと言ったのも危険を回避させるためだろうが、しかし刑事が「赤い服の女」を優先して本物の彼女を追い払うような態度だったのは、された方からすれば傷ついたのではないか。それでちゃんと決着つけたにしても、その後になってやっと真相を思い出すというのでは「目の前にいるはずの人が、全然私を見ていない」というのと同じに見える。 恋人とはいえ年齢がかなり違うのは職務上で知り合ったことを思わせるが、心根が優しく諦念が強いように見えるのも昔の境遇を想像させるものがある。刑事を恨んでいたわけではないようだが、ストーカー女よりも自己主張が弱い分、この人の心情を思うと見ている方も心が痛む映画だった(小西真奈美さんも嫌いでない)。  ところで劇中の地図によれば、問題の病院があったのは現在の江東区東雲2丁目の海際のようで、公開当時も今も東京ビッグサイトに至近の場所である。また映像に出ていた場所も、警察署の名前になっていた有明や、近頃耳にする機会の多い豊洲が中心だったように見える。当時としては、要は臨海副都心開発の頓挫で放置状態のようなイメージだったのかも知れないが、今になってみればまた2020年に向けて関心が集まっている地域のはずで、この映画の制作時とは早くも場所感覚が違ってきているのではないかと思われた。 ほか以前から思っていたのは、刑事とその彼女が身長は大して違わないのに顔の大きさが明らかに違うことである。これは男の方を何とかしろというよりは、小西真奈美さんが小顔なことを称賛すべきものかも知れない。
[DVD(邦画)] 7点(2018-12-07 18:52:19)(良:1票)
499.  劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!! 《ネタバレ》 
2017年の特撮TVドラマ「ウルトラマンジード」の劇場版である。ウルトラシリーズというのはここ十数年間ほとんど見ていないのでまるきり部外者の立場になる。 世界観としては、昭和のいわゆる第2期ウルトラシリーズ以降に定着した兄弟設定を基盤にしているようで、「光の国」をあからさまに映像化していたのは個人的には物珍しい。昔の宇宙人が多く出ているのも見ればわかるが、そういう旧作から継承されたものとは別に、キャラクターの多さや軽さなどに何となく東映特撮風の印象があり、昭和も遠くなったものだという感慨がある。 ストーリーの面では本編を見ていないので何とも言えないが、TVシリーズが一通り終わっているはずなのに主人公がまだ「ウルトラマン失格だ」などといじけているのはこれでいいのかという感じで、よほどこれから期待される成長幅が大きい若者なのだろうなと思った(一生こうなのか)。ほかのキャストに関して、沖縄在住の宇宙人役の本仮屋ユイカという人は、これまで年齢なりの可愛い役をやってきていると勝手に思っていたが(全部は見てないが)、今回は主人公が幼く見えることとの対比ということなのか、変にオバサンっぽく見せていたようなのが非常に残念だ。これはまことに心外だ。  なお今回は主に沖縄が舞台で、沖縄風の木造建築物のミニチュアを作って赤瓦が崩れるなど結構細かく作っている。普通の特撮番組なら、どこだかわからない(恐らく首都圏)の街が壊されるのを普通に見ているだけだが、この映画では現地の実景を見せて、「沖縄市街地」(沖縄市の市街地という意味)といった具体的な地名も出しているので、いかにも沖縄の街が大被害を受けている感じが痛々しい。 ちなみに劇中の設定では、太古の昔から「大地を守ってる」怪獣が沖縄にいたことになっていたが、こういう強力な守り神がいたのなら島の平和のために一切の武力行使を許さず、沖縄一円を非武装地域にするくらいの強権発動をしてもらえば、周囲のどこからも自由で平和な沖縄ができたろうにと思った。しかし太古の昔から武力行使が許されないとなると、琉球王国も成立しないことになってしまうといった問題はある。
[DVD(邦画)] 5点(2018-12-04 18:56:26)
500.  CMタイム 《ネタバレ》 
本仮屋ユイカ嬢が目当ての機能性映画として見たが、機能性成分があまり濃くないので満足ということにはならない。しかし姿全体が可憐で清涼感があるので、見ているだけで解毒効果はある気がする。 話としては広告代理店のお仕事映画のようでもあるが、クリエーターの心意気のようなものも入っていたようである。雇われ監督というのはご苦労様なことで、自分としては「カメラを止めるな!」(2017)を思い出したが、題名からすれば「ラヂオの時間」(1997)の方に近いのかも知れない(見たことがない)。 そのほか注意を引いたのは島根県の人口が少ないことである。劇中では731,531人(なぜか2007.11.1推計人口)と言っていたが直近の数字は679,444人(2018.11.1推計人口)で、東京都の特別区1個分程度しかない。人がいなくて寂しそうだが、それでも鳥取県の560,413人(同前)よりは多い。
[DVD(邦画)] 3点(2018-12-04 18:56:24)
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