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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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561.  踊る大捜査線 歳末特別警戒スペシャル<TVM> 《ネタバレ》 
連ドラ版が放送された年の暮れに放送された「踊る大捜査線」初のスペシャル版。連ドラ最終回で交番勤務となった青島(織田裕二)が湾岸署に復帰し、再び刑事課に配属されるまでを描いたストーリー。新作映画公開に合わせた再放送で久しぶりに見たが、最近のダラダラしたシリーズを見慣れていたためか、あまりのテンポの良さと、脚本のうまさ、そしてその面白さに逆に驚いてしまった。復帰した青島が署内でお荷物扱いされ、署内の各課をたらい回しにされるというのは、黒澤明監督の映画を意識したシーンやエピソードをやることが多いシリーズだけに「生きる」で公園を作ってくれと要望する市民たちが市役所の各課をたらい回しにされるシーンをなんとなく思い出してしまったが、あくまで参考にしたのかな程度のことなので、この後の映画シリーズのような露骨感は皆無。クライマックスの刑事課占拠事件もちゃんと緊張感をもって描かれているし、コメディーとシリアスのバランスも絶妙。こういうのが本来の「踊る大捜査線」らしさなのだとあらためて思うし、定年退職した和久(いかりや長介)が指導員として復帰することになる展開も、いかりや長介が故人となってしまった現在に改めて見直すと、やっぱりいかりや長介演じる和久平八郎は「踊る大捜査線」というドラマになくてはならない人物で、彼が出てくると画面がビシッと引き締まる感じがする。いかりや長介にはやっぱりもっと長生きしてほしかったな。それにしても今改めてこの作品を見ると当たり前だがみんな若いし、見ていてなんだか懐かしい気持ちにさせられる。それに今では売れっ子となっている当時無名の仲間由紀恵や伊藤英明が出演していたりして、出演者は今からすればけっこう豪華。特に仲間由紀恵は殺人事件の目撃者というかなり重要な役柄で出ている。それに対し、逆にアイドルとして人気が出始めていた頃の広末涼子がチョイ役というのが意外だった。犯人役の稲垣吾郎のキレた演技も見もの。杉並北署時代の青島の上司役が谷啓なのだが、もし当時存命であればこの役はハナ肇が演じていたかもしれない。
[地上波(邦画)] 7点(2012-11-17 13:20:40)
562.  ひばりの森の石松 《ネタバレ》 
沢島忠監督の作品はあまり見ているわけではないが、「股旅三人やくざ」、とくに錦之助が主演した第三話の喜劇的面白さが印象に残っている監督で、この映画も実に明るい作風で、これぞ明朗時代劇という感じ。森繁久弥の印象が強く、見る前は少し不安だった石松役の主演の美空ひばりも本当にハマリ役で、何本か男役で出演した映画があるみたいだが、違和感が最初から最後まで全くなく、見事に演じきっている。唐突に夢の中で始まる竜宮城レビューのシーンも美空ひばりが東映の監督の中でも特に信頼していたという沢島監督の演出がうまいのか、彼女にあまり興味のない自分でも楽しく見ることができた。終盤のボウリングのシーンも通常の時代劇では絶対にあり得ないようなシーンだが、純粋に見ていて楽しい。(ああだこうだ考えながら見る映画ではない。)後半の盲目の姫(片岡千恵蔵の娘が演じてる。)とのやりとりには思わずほろりとさせられる。最近見た東映の映画と言えば去年ぐらいからヤクザ映画が中心だった気がして、それ以前の東映時代劇を見るのがかなり久しぶりな気がするが、見終わって本当に心の底から楽しかったと思える映画だった。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2012-11-16 22:33:14)
563.  M:i:III 《ネタバレ》 
同じ評価点ではあるが、ジョン・ウー印のトム・クルーズのPVと化してしまった感のある2作目よりはストーリーの面白さで魅せる構成となっていて、前作よりははるかに面白かったと言える。でも、やっぱり派手な見せ場シーンが多く、一作目ほど緊張感がないので印象としては可もなく不可もなくといったところ。一作目からちょうど10年後に作られた作品で、冒頭の婚約パーティーのシーンにおける「この仕事を始めて10年だ。」というイーサンのセリフが妙に印象的。トム・クルーズはかなりこのシリーズに愛着があるのだろう。3作目までほぼ間をおかずに見て、少々飽きてきた気もするが、ここまで来たら残る1本も見てみよう。
[DVD(字幕)] 5点(2012-11-13 01:32:06)
564.  ALWAYS 続・三丁目の夕日 《ネタバレ》 
シリーズ第2作。先に3作目を見てしまったので、2作目も取りあえずという感じで見たのだが、なんというか1作目の後始末という感じで流れは1作目とそんなに変わらないように思い、先に見た3作目のほうが面白かったと思う。そもそもが大ヒット作の2作目なのでどうやっても1作目の後日談的内容になってしまうのは致し方ないところか。今回は社長が戦友と再会するエピソードや、社長の奥さんが昔の恋人とバッタリ再会するシーンとか原作で読んだことがあるエピソードがいくつか盛り込まれているのに気づけたのが嬉しかったが、やはり原作のほうが良かったかな。主題歌はけっこう好きだったりするけど。それにしても冒頭のゴジラが三丁目を襲うシーンはかなりよく出来ていて、既に何人かの方が書かれているとおり、このクオリティーで新作のゴジラ映画が見てみたい。はっきり言って本作はこのシーンさえ見ればあとの本編はおまけみたいなもの。またいつかゴジラ映画が復活する際には東宝は是非に山崎貴監督に依頼するべきだろう。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-11-08 14:45:02)
565.  ロボコップ(1987) 《ネタバレ》 
このシリーズは2作目と3作目は昔見ているが、この1作目はテレビで断片的にしか見たことがなく今回DVDで初めて全編見た。2作目と3作目は面白くなかったおぼえがあるが、1作目である本作はマーフィがロボコップになる過程や、マーフィの記憶が戻ってからのロボコップの哀しみが丁寧に描かれ、ただのヒーローSFアクションではなく、純粋に人間ドラマとして深みがあり、見ごたえのある映画になっていて面白かった。中でも記憶が戻ってからの「生きていた」頃の記憶に苦しめられるロボコップ・マーフィの姿は見ているこちらに彼の哀しみが伝わってきて、売り家になった自宅を訪れるシーンや、マーフィの家族が既に新しい地へ転居していることをルイスから聞かされるシーンはあまりにも残酷で、思わず感情移入せずにはいられない。最後のマーフィのセリフは主人公の苦悩がじゅうぶん描けているからこそカタルシスも大きいものとなるのだ。激しいバイオレンスの応酬もこういったキャラクターヒーローSFアクション映画では異色な気もするが、それもポール・バーホーベン監督らしく、ドラマ部分もそうだが、この暴力表現の激しさも続編とは一線を画している。繰り返しになるかもしれないが、やはりこういった娯楽を前面に出したような映画でも人間がしっかり描けていれば傑作になるということを証明しているような映画だと思う。マーフィがクラレンス一味に撃たれて病院へ運ばれたあとのシーンで、死んでいるはずのマーフィの視点から彼の目の前の人物たちの会話が描かれているのが、実際はまだ死んでいないのではというのを観客に思わせるような演出で印象的だったが、知り合いに一人交通事故で入院した時に全く同じような体験をしたという人がいるので、このシーンはよけい印象に残る。その知り合いはこの映画には特別の思い入れがあるようだったが、実際にこの映画を見てみると、それも分かるような気がする。
[DVD(字幕)] 8点(2012-11-07 20:41:53)(良:3票)
566.  雪の喪章 《ネタバレ》 
三隅研次監督による若尾文子主演の年代記もの。三隅監督といえば座頭市や眠狂四郎をはじめとした時代劇の印象が強いが、こんな映画も手がけていたのだなあ。話としては昭和初期から戦後にいたるまでの一人の女の人生を描いているが、どうも駆け足気味で、特に後半になるとイベントが起こりすぎて見ていてちょっと疲れてしまうし、こういう映画で若尾文子を主演に起用するなら、三隅監督ではなく増村保造監督のほうが良かったのではと思えてしまう。若尾文子が老け役を演じているとのことだったが、冒頭とラストを比べてもそれほど印象は変わらなかった。天知茂(ほかの三隅監督の映画でも印象に残る役柄の多い。)や中村玉緒が好演しているだけになんだか惜しい。それにしても雪の降る日に誰か死ぬというのはみんな単なる偶然だろうが、それにしてはちょっと重なりすぎていて薄気味悪い。ホラー映画じゃないんだから。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-10-30 14:28:27)
567.  われに撃つ用意あり 《ネタバレ》 
若松孝二監督の映画は一本も見ていなかったが、訃報をきっかけに取りあえず一本見てみようと思い、本作を見た。全共闘世代が主人公ということで社会性の前面に出たような映画なのかなと思いながら見始めたが、娯楽映画としてじゅうぶんに面白い映画だった。夜の歌舞伎町の雰囲気も映画に合っていてよかったが、やはりなんといっても原田芳雄の魅力がこれでもかと言わんばかりに伝わってくる映画となっていて同じ年に公開の黒木和雄監督の時代劇「浪人街」でも彼の暑苦しい存在感が際立っていたが、本作でも原田芳雄の存在感は圧倒的で、本作の魅力の半分以上は原田芳雄の存在感でもっているような気もして、改めて原田芳雄という俳優の良さを感じられた映画だった。(でもエンドロール前の原田芳雄のPVのような映像には少しひいてしまったが。)出番のほぼすべてで酔いつぶれた演技の石橋蓮司もいい味を出しているが、やはりあっけなく射殺されてしまうスローモーションのシーンはインパクトがあり、印象に残る。
[DVD(邦画)] 7点(2012-10-25 17:52:45)
568.  妖星ゴラス 《ネタバレ》 
本多猪四郎、円谷英二両監督によるSFパニック映画。長らくなかなか見る機会に恵まれなかった東宝特撮映画の一本だが、ようやく見ることができた。巨大隕石が地球に向かっていてこのままだと激突するかもしれないというのは「アルマゲドン」や「ディープ・インパクト」と全く同じなのだが、あれらのように隕石を破壊しにいくのではなく地球の軌道を変えてしまうという発想が素晴らしく、また荒唐無稽とも思えるその方法が説得力を持って描かれており、なかなか面白いし、その発想だけでハリウッド大作であるさっき挙げた二本にはじゅうぶん勝っていると思う。特撮のミニチュアワークもよく、今のCGでは出せないような魅力を感じることができ、まさにこれが円谷英二の特撮映画だ。脚本的には唐突な怪獣の登場(本当になんの前触れもなく登場し、あっけなく倒される。ちなみに当初は予定になかったらしい。)や、久保明がゴラスの影響で記憶喪失となる展開が中途半端に終わっている感があるなど難もなくはないが、まあ大目に見よう。出演者も東宝特撮映画常連の久保明や志村喬などに加え、主演が池部良だったり、小沢栄太郎や西村晃といった東宝特撮映画ではなじみの薄い名優も出演していて豪華である。さっき書いたように脚本的にはアレな部分も多いが、間違いなく「アルマゲドン」や「ディープ・インパクト」よりも面白かった。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2012-10-18 16:26:53)
569.  日本暴力列島 京阪神殺しの軍団 《ネタバレ》 
東映実録ヤクザ映画の一本で殺しの軍団と異名を取るヤクザ組織を描いた作品だが、ややドラマとしての盛り上がりに欠け、印象は「仁義なき戦い」などと比べるとかなり普通。小林旭扮する主人公が朝鮮人である設定はもっと生かすことができたのではないかという気がするし、組織に利用されるだけされて結局は使い捨てにされるという主人公を描いているのだが、あまり掘り下げられているとは言えず、深みは感じられない。山下耕作監督の実録ものは初めて見たが、深作欣二監督の演出と違ってやはり落ち着いているが、小林旭や梅宮辰夫、成田三樹夫、金子信雄など「仁義なき戦い」シリーズで印象に残っている俳優が多数出ているからか、(ナレーターも同じ人だし。)その延長線上で見てしまい、もう少し勢いがほしいところだった。しかし、同じ山下監督の晩年作「極道の妻たち 最後の戦い」でかたせ梨乃が殺されるシーンが印象に残っているのだが、この映画でも梅宮辰夫が殺されるシーンは同じように山下監督らしい演出でとても印象に残るものとなっている。
[DVD(邦画)] 6点(2012-10-17 11:28:02)
570.  UDON 《ネタバレ》 
実際にうどんブームが起こった頃に作られた映画だけあって便乗映画の印象が強いのだが、(参考文献として「おそるべきさぬきうどん」がクレジットされている。)それでもうどんブームが起こってそして終焉を迎えるまでの展開はそこそこリアリティーもあって、情報系映画としてはまあまあだと思うのだが、(それでもキャプテンうどんのシーンとか明らかにいらないし、ブームを強調するシーンもくどく感じた。)それが後半の親子の人情話にほとんどからんでおらず、なんだか同一人物が主人公として描かれているオムニバス映画でも見ている感覚。うどんブームの話に一時間半近くをかけており、これだけで終わっても良かったのではないか。冒頭にアメリカで屈折する主人公が描かれているのも不要で、帰国したあと少し説明するだけでいいのではないか。本広克行監督は香川出身で実際にうどんが好きなのだろうし、思い入れもあるのだろうことはよく分かるのだが、かなり構成に難がある映画のように思う。下の方も書かれているが、同じ題材でもしも伊丹十三監督が手がけていたほうが面白くなったのではないか。実際この映画を見ると伊丹監督の「タンポポ」がいかによく出来た映画かというのがよく分かる。チョイ役で香川出身の芸能人がたくさん出ていて、その中に松本明子もいるが、「タンポポ」にもチョイ役で出てたなあとか思ってしまった。ちなみに昨夜寝る前に本作を見たのだが、その数時間前に食べた夕食が偶然、天ぷらうどんだったことも書き加えておこう。
[DVD(邦画)] 4点(2012-10-09 15:03:35)
571.  哀しい気分でジョーク 《ネタバレ》 
内容的にはかなり重苦しいのだが、たけし演じる主人公の芸人・五十嵐洋のキャラクターが「ビートたけし」そのままなので、重い話だが、そんなに肩に力を入れず、軽い気持ちで見られるのがいいし、それでいてちゃんと泣かせどころは心得ていて、ラストの飛行機の中で息子が死んでしまうシーンでは分かってはいてもジーンとさせられた。「グリーングリーン」が劇中で何度か歌われているが、このシーンではメロディーのみが流れるというのも捻った演出でいい。(死んだ息子の前でたけしが歌うのかと思っていたら、少し違った。)ただ、後半シドニーに行くまでのシーンをもう少し丁寧に描いたほうがよかった気がしないでもないし、シドニーについたらついたでいきなり観光案内のテロップが表示されまくるのはちょっと興ざめ。とはいえ、たけしを当時の本人とだぶらせるようなキャスティングは成功していると思うし、たけしの監督作品である「菊次郎の夏」の原型のようなものも感じられる。(あちらはこの映画ほど重くなく、コメディー色がかなり強いのだけど。)「女王蜂」でのあまりにも下手くそな演技が逆に印象に残ってしまっている中井貴恵もこの映画ではそこそこうまくなっていて、普通にいい演技をしていたのが印象的だった。ベタな映画だが、見て良かったと思えた映画だったので少し甘いかもしれないが7点を。
[DVD(邦画)] 7点(2012-10-04 14:53:37)
572.  ALWAYS 三丁目の夕日‘64 《ネタバレ》 
シリーズ3作目。今回は劇場公開時には3D版もあったということで、冒頭の東京タワーのふかん映像や、六子(堀北真希)の恋人(森山未來)が鈴木オート社長(堤真一)にぶん殴られて、ガラス戸を突き破って吹き飛ばされるシーンなどは、明らかに3Dを意識した演出となっているが、本作は特撮映像が売りではなく、東京オリンピックの時代を舞台にした人情喜劇なので、3Dでやる意味は(2Dで見たのだが)ほとんど感じられず、2Dであっても支障はまったくないように思う。話としては六子の結婚や茶川(吉岡秀隆)の父親(米倉斉加年)との関係、淳之介(須賀健太)の茶川の元からの巣立ちなどが描かれ、それぞれに感動のポイントはあるのだが、どうも、作り手が感動させようといろいろ詰め込みすぎた感じで、冗長とまでは思わないがゴチャゴチャした感じではある。2作目を見ていないのだが、子役だった須賀健太や小清水一輝がかなり成長していたのには驚き。
[DVD(邦画)] 5点(2012-10-03 15:51:31)(良:1票)
573.  ダメおやじ 《ネタバレ》 
うだつの上がらない万年平社員の主人公とその妻子との日常を描いた野村芳太郎監督の喜劇映画。こう書くと何やら家庭に起きる騒動を描くほのぼのした映画なのかと思ってしまいそうだが、出世欲のないダメおやじである主人公(三波伸介)に対して妻(倍賞美津子)と小学生の息子が今でいうDVをするという展開である。原作の漫画がそういう内容らしいのだが、70年代の日本映画においてこういうのは珍しいと思うし、実際に男より女のほうが強くなった感のある現代になって見るとかなり先見の明がある映画のように思う。三波伸介扮するダメおやじに対してDVを振るう倍賞美津子の演技がすごく、朝ドラ「梅ちゃん先生」でいつも見てるせいか役柄のギャップに少々驚いた。(元々、ヒステリックな役のイメージがないというのもあるのだが。あと、ついでに言えば若い頃と今とではかなり見た目の印象が違うように思う。)三波伸介の主演映画というのも初めて見たが、お笑いの人だけあって喜劇俳優としての魅力もじゅうぶんあり、ふくよかな体型も相まって愛嬌があり、見ていてなんだかかわいらしく見える。少し過激な映画かもしれないが、「男はつらいよ」シリーズの同時上映作として劇場で流してもいいような感じの映画で、この後何本かシリーズ化してもよかったかも知れない。ただ、係長への昇進試験を妻に強要され、妻子にあれこれ言われながら試験勉強をした挙句ノイローゼになるという後半のエピソードは喜劇として見るには話が少し深刻すぎて笑えないのだが。伊東四朗が最後のほうにチョイ役で出ているが、この頃既に戸塚睦夫は鬼籍に入っていて、てんぷくトリオは二人になっていたんだなあ。
[DVD(邦画)] 6点(2012-09-25 22:39:04)
574.  火宅の人 《ネタバレ》 
深作欣二監督が壇一雄の私小説を映画化した文芸大作。深作監督の代表作のように言われている映画の一つであるが、一方で駄作との評判もある映画で、実際どうなんだろうと思って見たのだが、とくにつまらないというわけでもなければ、だからと言って特別面白いわけでもない至って普通の凡作という感じだった。しかし、出来としてはあまりよくなく、緒形拳は三人の女の間を行ったり来たりする主人公の作家を演じているが、どうも人物設定がよく分からず、ただのダメ男にしか見えないし、壇ふみ(本作冒頭に主人公の母親役で出演。)のお父さんてこんなダメ男だったのかとなまじはっきりとしたモデルがいるために思わずそう感じてしまう。ドラマとしてもあまり深みがなく、時代背景もよく分からない。おそらく大長編である原作をまとめるのに精いっぱいであったであろうことがうかがえる。音楽もこの映画に合っているとは言い難い。深作監督らしさが出たのはやっぱり緒形拳と原田美枝子のケンカのシーン。やっぱりこの監督はこういう激しいシーンを撮ると、途端に演出がイキイキとしてくる。ラストはなんとなくハッピーエンドで終わる(原作は未読だが、たぶん原作とラストは変えてあるような気がする。)が、ここに至って深作監督はこの主人公に女癖の悪い自己を投影しているのではないかと思えてきた。(言い方は悪いが。)妻のいしだあゆみのセリフである「あなたのなさることはなんでも分かるのよ。」という言葉は実際に中原早苗が深作監督にかけている言葉のように思える。
[DVD(邦画)] 5点(2012-09-18 22:28:47)
575.  踊る大捜査線 BAYSIDE SHAKEDOWN 2 《ネタバレ》 
「踊る大捜査線2」の海外公開を意識して作られた再編集版とのことだが、あまり印象は以前見たものと変わらない。確かに再編集のおかげでストーリーは追いやすくなっているが、その分、コメディーリリーフとして登場するスリーアミーゴスの出番の極端な減少など、シリーズ独特の笑いの部分がオリジナル版よりも少なく、そこが物足りないといえば物足りない。ラストの和久のセリフも吉田副総監の出番がカットされてしまったため、セリフに唐突感があり、オリジナルではけっこう印象に残るシーンだったのに、ここだけ少し印象が変わってしまった。そもそもこのシリーズはもともと海外に出して売れるとは全く思わないので、わざわざインターナショナル版を製作する意図もよく分からない。この映画自体を久々に見たが、脚本がかなり適当になっている気がして、面白くないうえに、最後の事件解決もあっさりしすぎている。ところで、真矢みきという女優がどうも苦手なのだが、最初に見たのがこの映画の沖田役だったからかもしれない。
[地上波(邦画)] 3点(2012-09-17 01:17:08)
576.  リメインズ 美しき勇者たち 《ネタバレ》 
JACの結成20周年を記念して深作欣二監督の監修のもと、千葉真一が自ら監督を手がけたアクション映画で、マタギと人食い熊との戦いを描いた作品。見る前はつまらないだろうなと思っていたが、俳優の監督デビュー作にしてはそこそこといった感じでそんなに悪くないし、サスペンスとしての盛り上げ方も思ったより良かった。しかし、最初はリアルに見えた熊が最後のほうではもろに着ぐるみ丸出しで、クライマックスの熊との戦いはけっこう緊迫感が感じられるものになっているのにそこが気になってしまった。千葉真一は俳優としては出演しておらず、演出に専念しているが、これには話題作りのための監督業でないことが感じられた。(JACの映画だったら、菅原文太演じるマタギのリーダーを千葉真一が演じていてもおかしくはないのに。)主演の真田広之は音楽監督と主題歌の作詞・作曲も担当しているが、この映画のしばらく前にJACを退団しているので、本作は彼の置き土産的な映画でもあるのだろう。
[DVD(邦画)] 5点(2012-09-11 16:51:37)
577.  四月物語
大学進学のため、北海道から東京に出てきて初めて一人暮らしを始めた女性の日常を描いた岩井俊二監督の映画。取り立てて何か起こるわけでもなく、淡々としているが、爽やかな青春映画となっていて、思ったよりは面白かった。光の使い方が印象に残り、映像的にも美しく、岩井監督の映画はまだ何本も見たというわけではないが、初めて見た岩井作品である「Jam Films」の「ARITA」も、光の使い方がうまかったような印象があるので、これが岩井監督の個性なのだろう。初主演となる松たか子も初々しく、見知らぬ土地で初めて一人で生活する期待と不安をよく表していて良かったと思う。ひょっとしたら主人公を初主演の女優に演じさせることで、役柄と演じる側の状況をある程度ダブらせてリアリティーを出そうという岩井監督の演出意図があるのかもしれない。冒頭の松本幸四郎一家総出演はこの映画で初めての主演を飾る松たか子にエールを送っているようにも見える。(ここの主観ショットはけっこううまい。)上映時間も短くサクッと見られるし、後味もいいのだが、名画座で「生きていた信長」を見るシーンだけは、いちいち劇中劇として挿入しなくても、劇場で映画を見ているというシーンだけでじゅうぶんだったような気がする。
[DVD(邦画)] 6点(2012-09-06 16:09:43)
578.  生きていた信長 完全版
「四月物語」のDVDに特典映像として収録されている時代劇。元々は「四月物語」の劇中劇として登場する作品らしいが、「四月物語」を見る前に見てしまった。もし織田信長が本能寺の変のあと生きていたらという内容で、これだけ聞くとけっこう興味をそそられるし、「四月物語」では名画座で流れる昔の映画という設定なのか今にもフィルムが切れそうな状態の白黒の画調を見事に再現しており、映像にすごく味があるのがいいし、なかなか凝ったつくりで、岩井俊二監督の意欲というものを感じられる。しかし、中身としてはなんだか一発芸を見せられた感じで、完全にお遊びで終ってしまっている印象。まあ特典映像に入っている短編にあれこれいうのも野暮というものだが。冒頭のクレジット部分でスタッフやキャストの名前が全員漢字の変名で表記されているのは面白い。
[DVD(邦画)] 5点(2012-08-31 23:40:54)
579.  びっくり武士道 《ネタバレ》 
野村芳太郎監督は松竹でのコント55号の映画シリーズも手がけていて、これもそのうちの一本なのだが、原作は松田優作主演の時代劇「ひとごろし」と同じ。「ひとごろし」は松田優作の喜劇俳優としての側面がよく出た映画だったが、本作は主演がコント55号ということもあって「ひとごろし」よりもコメディー色の強い映画になっているが物語自体は「ひとごろし」と同じく、犬が嫌いで甘党で臆病な侍である双子六兵衛(萩本欽一)が上意討ちを買って出て、力では到底かなわない武芸の達人である仁藤(坂上二郎)を奇想天外な作戦で追い詰めるというもので、テーマやメッセージ的にも「ひとごろし」と同じなので普通に時代劇としても楽しめる。ただ、仁藤に対して六兵衛が「この男はひとごろしだ。」と周囲に吹聴して回り、驚いた宿屋や茶屋があわてて店を閉める展開が「ひとごろし」以上にコミカルに描かれ、かなり漫画的になっている印象。「ひとごろし」を見た時には思わなかったことだが、ひとごろしという噂だけで上意討ちの相手を追い詰めるのはどうなのとか他人の噂をすぐ信じてしまうのはどうなんだろうと思えてくる。だからだんだん仁藤のほうが哀れに思えてくる。コント55号の映画を見るのはこれが初めてだが、原作があるためか思ったよりは真面目な映画だった。(おそらく一連のシリーズでは本作は異色作かも。)しかし先に見たせいか「ひとごろし」のほうが面白かった。ただ、終わり方は本作のほうが良い。いろいろ書いたが、見ていて退屈はしなかったので、また機会があれば野村監督のコント55号映画は見てみたい。
[DVD(邦画)] 6点(2012-08-29 22:35:44)
580.  でっかいでっかい野郎 《ネタバレ》 
渥美清は「男はつらいよ」シリーズ開始以前は野村芳太郎監督の喜劇映画に何本か主演していてこの映画もそんな一本。物語は若松に突然現れた風変わりな男 松次郎(渥美清)を描いた内容で、どことなく山田洋次監督が初期にハナ肇主演で手がけた馬鹿シリーズを彷彿とさせている。岩下志麻が語り手となる院長夫人を演じているが、渥美清とのやりとりを見ていてつい岩下志麻が「男はつらいよ」シリーズのマドンナとして登場したらどんなだっただろうと考えてしまった。(岩下志麻のマドンナ役、本当に見たかった。)作品そのものは平凡な出来だし、終わり方も唐突に思えるのだが、やはり渥美清という喜劇俳優の魅力をこの映画でもじゅうぶんに感じることができるし、伴淳との共演も珍しく、ふたりのやりとりは見ていて素直に楽しめた。松次郎が無法松ともてはやされるくだりをもう少し膨らませてもよかったような気がするが、このくだりがあるために松次郎の世話をすることになる院長役で長門裕之が出演しているのが妙におかしく、見ていて思わずバンツマの「無法松の一生」を思い出さずにはいられなかった。劇中では三船敏郎の「無法松の一生」のことを言うシーンがあるが、書いてたらなんだかまた久しぶりにバンツマの「無法松の一生」が見たくなってきた。
[DVD(邦画)] 7点(2012-08-23 14:23:32)(良:1票)
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