561. 復讐捜査線
《ネタバレ》 緊張感あふれるサスペンス。メル・ギブソン世代なので、彼が頑張っているだけで嬉しい。 今作はエンターテイメント作品というにはストーリーは重いし暗い。タイトルに『復讐』の2文字が入っている以上は、なんらからの悲しいエピソードは予想されるのですが、それにしてもオープニングの悲劇はけっこう辛い。 ただ暗い話ながら、黒幕とは全員きっちりカタをつけるので、復讐のカタルシスは得られます。 そしてすべての真実は新聞社のもとへ。ラストにこのシーンがあるかどうかで見終わった後の感想がまるで変わってくるでしょう。 中盤までは謎ばかり。ヒントも少なめ。ですが最後は点と点がつながって線になり、画になり、ちゃんと全体像をきれいに見せてくれます。 かなり真面目に作られているので、その分ややテンポが犠牲になっている部分があるかもしれません。だれそうになることもしばしば。しかしだれそうになるとショッキングな事件が起きるので、緊張感が途切れることはありません。 小さい頃の娘の幻影がたびたび出てくるのが悲しい。これがドラマとして悲しさや深みを与えています。クレイブンの最期のときには娘が迎えに来てくれるのが救い。 政府側だったはずの証拠隠滅係みたいな人の最期が壮絶。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-09-10 13:33:36) |
562. ゾンビ・ガール
《ネタバレ》 本当に好きな相手がゾンビに・・・ではなく、別れようとしていたサイコ女がゾンビになるわけですから、ただただはた迷惑なだけ。 そこには『好きな人を助けてあげられない苦悩』とか『それでも好きでい続けられるか』なんてものは一切描かれません。そもそもゾンビになっていなくても、この女性と別れ話になったら血の雨が降りそうです。むしろゾンビになっちゃったことで、別れることへの大義名分を与えてしまった気さえします。 オリヴィアがとても魅力的。イヴリンも一方的ではあるが一途。いっそ普通の三角関係ラブコメにしちゃったほうが面白かったんじゃないだろうか。 こーゆー人の感情が残ったゾンビドラマって今まで結構見てきたけど、本作はそーゆー設定の必要性が最も希薄な気がします。 オリヴィアがとっても良い娘だったので面白かったけど、彼女がいなければとても見ていられません。少なくともゾンビものとしては楽しめない作品です。ラブコメとしてもホラーとしても中途半端です。 [DVD(字幕)] 6点(2020-09-08 03:30:28)(良:1票) |
563. Happy! School Days!
《ネタバレ》 それぞれ30分の2つのエピソードを楽しむ短編作品。 濱田岳が出演している『卒業までにしたい3つのこと』が面白い。 『卒業まで付き合おうよ。』『あの、誰ですか。』でつかみはばっちり。 『カップルってこういうもんでしょ。』のノリに終始付き合わされるシンジ(濱田岳)がいい味出しています。 ラストの卒業式直前で、『僕達の関係もこれで終わりなの。』と尋ねるシンジ。そのときのリコ(南沢奈央)の今までに無い真剣な表情が好き。形式から始まった恋人の真似事も、いつしか本当の関係に変わりつつある、そんなことを示唆する瞬間。『とりあえず春休みまで延長しようか。』が最高に良い。きっと2人はこれからも延長を続けていくのだろうと幸せな余韻を残します。 2つめのエピソード『Hello Goodbye』は悪くはないけど、面白みに欠けます。それに、濱田岳に比べると、賀来賢人の演技がいまいちです。こちらを先に見ていたらまた評価は変わったかもしれません。 また、こちらに出演している足立梨花が、個人的にはヒロインの南沢奈央よりかわいく見えてしまったのもいけなかったかもしれないです。これは私の個人的好みによるものですが。 リコが友達とのカラオケの約束をすっぽかして、ワタル(賀来賢人)と学校でいつまでもだらだらとしているのが好きじゃないので、後半は全然気持ちが入っていきませんでした。 好きな演出は2ショット。このシーンが2回あるのですが、笑っているのはいつも相手を好きなほうだけってのがわかりやすくて面白い。こーゆー言葉じゃなく映像で、現在の恋愛感情のベクトルを表す演出ってのは、映像作品ならではですね。 [DVD(邦画)] 6点(2020-09-07 14:56:45) |
564. ザ・ウォーカー
《ネタバレ》 信仰心がないのでストーリーにはまるでひきこまれず。 『世界の終末』はいろんな映画で見てきたので、その世界観にもひきこまれず。 とゆーか、個人的に『世界の終末』ってのが好きじゃないんだな。でも『北斗の拳』(もちろんマンガのほう)くらいアクションエンターテイメントに徹してくれたら、ヒーロー映画として楽しめます。 ですのでこの作品で良かったのはアクションくらいかなー。もはやヒーロー並の圧倒的戦闘力でスッパスッパと悪党共の首をはねていくのは爽快。 ただ終盤は防戦一方で盛り上がりはするがカタルシスは皆無。 全体通してエンターテイメントにしたいのか、布教活動をしたいのか、よくわからん映画であります。 テイストとしては好みのタイプではありません。ですがストーリーはつまらないものの要所要所のアクションは楽しめたので、そのプロセスを楽しむ映画と言えそうです。 個人的にはラストのバーでの暴徒騒ぎ、クローディアの離反、カーネギーの高熱が凄く好き。今まで築いた文明や社会や秩序が崩壊していく瞬間ってのが昔から好きなので、このシーンが一番好きかもしれないです。 疑問点はいくつかあるのですが、やたら爪をチェックし、『やつらとは違う』というセリフが出てくるので、てっきりクリーチャーかなんか出てくるのかと思っていたのですが、何も出てきやしませんでした。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-09-06 20:03:08) |
565. ザ・フィースト
《ネタバレ》 やたらアップが多く画面が見づらい。更にはやたらぐらぐら揺れる画面が見づらさに拍車をかける。 1人逃げた女がそのまま放置っていう展開が気に入らない。 アウトローVSゾンビやモンスターっていう、『毒を以って毒を制す』みたいな話は好きなんですが、この人たちはアウトローというよりダメ人間ばかり。性格ブスだし、とりたててビジュアルに魅力があるわけでもないし、この人たちがどーなろうが知ったこっちゃ無いってのが本音。だからあまりハラハラもしないです。 じゃあ『一矢報いる』的な逆襲のカタルシスがあるかっていうと、そーゆーのもほとんどない。 でもシチュエーションは好きです。顔見知りの人たちが集まる酒場に、突如としてモンスターが襲ってくる。籠城・応戦・脱出。これまで数多くの作品が踏襲してきたB級ホラーの定石であり、王道。1970年~1990年代のモンスター系ホラーが好きだった人ならきっと楽しめるのではないでしょうか。 完成度の高い作品や、常に映画に新しい風を求める人には至極退屈でくだらない映画になっちゃうんでしょーけどね。 [DVD(字幕)] 6点(2020-09-05 13:14:46) |
566. アラサー女子の恋愛事情
《ネタバレ》 キーラ・ナイトレイもクロエ・グレース・モレッツも好きなので、二人がメインでストーリーが進んでいくだけである程度の満足感はあります。 映画としてはどーかな。まず主人公のメーガンが好きじゃないな。彼氏が良い人なだけに、ラストのあまりに身勝手な結論には怒りさえ覚えます。 おそらくテーマは少女から大人へと成長していくなかでの変化なのでしょう。 周りが大人になり、社会の一員となっていくなか、大人になれない自分との価値観のズレ。これはまさに今私が経験していること。ただ私の場合は逆で、友人が大学の頃からまったく精神的に成長していないのです。そーゆー人間は『自分』ではなく『周り』に問題があるとほざくわけです。まさにこの作品のメーガンと同じ。まあ、メーガンはまだましなほうで、私の友人は最悪なのですが・・・。 ラブストーリーとしてもいまいち。だってメーガン、ただの浮気じゃん。今の彼氏と結婚したら、昔のしがらみと永遠に離れられないから違う男に走っただけじゃんか。メーガンがフリーの身であれば、まだ素直に応援も共感もできただろうと思います。 ストーリーは起伏が少なく、笑いどころもなく、恋愛ドラマ特有のドキドキ感や多幸感もありません。かと言って深みがある音なのドラマってわけでもない。もう役者の魅力のみで成り立っています。 最語に、邦題からバリバリのコメディ連想しちゃって、このタイトルは最悪だと思いました。 [DVD(字幕)] 6点(2020-09-04 01:47:26)(良:1票) |
567. ノウイング
《ネタバレ》 中盤くらいまでは凄く面白かったのに、後半になって話しがどんどん変な方向に。 『予言の数字』を使って、人を助けたり、人類滅亡を阻止したり、そーゆーオーソドックスな展開が好き。なすすべもなくそれを目の当たりにするだけってのは最初の1回で良い。夢も希望もない終わり方にがっかりです。まさかの宇宙人オチにもがっかりです。とても魅力的なミステリー仕立てのディザスタームービーになっていただけに、期待が膨らみすぎちゃいました。 ラストのアダムとイブを連想させる終わりかたは宗教色を感じさせて肌に合いません。 ダイアナという良き協力者であり関係者がやっと現れたと思ったら、割とヒステリー気味な人で事故死するし。なんとなく妻を亡くしたニコラス・ケイジと最後はくっついてめでたしめでたしになるのかと、勝手に妄想していたのでここもがっかり。 飛行機墜落。列車事故。どちらも他の映画ではお目にかかったことがないくらい攻めている映像だと思います。ちょっと不謹慎すぎやしないかというくらい犠牲者の様子を映し出しています。この映像だけでも一見の価値はあるかもしれません。 ですが後半のぶっとんだストーリー展開に、救いの無い結末。しかも現実感がなくなっちゃうので、面白みさえ感じません。正直映画としてはいまいちと言わざるをえない。前半から中盤にかけての衝撃的な事故映像とミステリアスなストーリー、そのプロセスを楽しむ映画です。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2020-08-31 11:00:03)(良:1票) |
568. サバイバル・オブ・ザ・デッド(2009)
ロメロのゾンビはゆっくり歩く。『走るゾンビ』に比べれば、迫力はないかもしれません。 ですが、そんな『歩くゾンビ』特有の恐怖というものが必ず描かれてきました。今までのロメロ作品において、ゾンビは畏怖すべき対象であったのです。 この作品はどうでしょう。今までのロメロ作品とは明らかに何かが違う。この作品ではゾンビはただの記号であり、ただのシンボルであり、ただの消耗品になってしまいました。アイテムであり、オブジェであり、コメディ要員と化してしまいました。 今までのロメロ作品とは違い、本当に低レベルな個性もこだわりもないただのB級作品となってしまいました。 個人的にロメロ作品で好きだったのが、無秩序や狂気のなかに描かれる秩序と平穏。そして壊れ行く文明社会。この作品ではそれも描かれません。サバイバル要素だって全然ない。 人間を捕食する描写がある。だからかろうじてゾンビムービーである。退屈はしませんでした。ですがそれだけの映画です。 [DVD(字幕)] 5点(2020-08-24 23:58:08) |
569. 私の少女
《ネタバレ》 同性愛者という理由で田舎に左遷されたヨンナム警視。 母に捨てられ、継父と祖母に虐待を受けるドヒ。 ためらいながらも傷だらけのドヒを保護するヨンナム。 傷ついた者同士がお互い励ましあいながら新たな人生をスタートさせる?過酷な現実の中に、希望を見出すような物語?確かにそーゆーテイストはありますが、単純に心温まるドラマなんかではもちろんない。 表面的には牧歌的で人情味溢れる村。だけどそんな村に確かに存在する『偏見』『いじめ』『虐待』『不法滞在者』といった社会の闇。弱者が虐げられ、それを周囲の人間が見て見ぬふりをする社会。人の良さそうな警察のおっちゃんが、必要悪だと暗にほのめかすのが何気に怖い。 そんななか、自分の正義と信念を貫こうとするヨンナム。そして屈折した村人たちとは明らかに違う、公平で強く優しいヨンナムに惹かれるドヒ。 ですがそんな二人に『悪意』と『偏見』と『司法』が牙をむく。 更には、社会の底辺で生きてきたドヒの心には、既にモンスターが育っていた。それはドヒが過酷な環境を生きていくうえでもはや必然だったのかもしれません。 そんな救いようの無い話にふさわしく、ドヒに別れを告げるヨンナム。しかし若き警官がドヒのモンスターに気付いていることを知り、遂にドヒと共に生きていくことを決意するヨンナムに一抹の希望が垣間見えるラスト。 はっきり言って好きな映画とは言い難いです。 ですが、韓国映画は凄いと思いました。 [DVD(字幕)] 7点(2020-08-24 01:54:41) |
570. ウォッチメン
《ネタバレ》 『ウォッチメン』だけならまだしも『ミニッツメン』とやらまで過去にいたようで、その両方が冒頭の回想シーンに登場。これは混乱します。 『暗い』『グロい』は映画の味なのでまだ良い。 ですが『わかりにくい』『不親切』はだめでしょう。 特に『ヒーロー』やら『超能力』やらが存在する、まさに架空のSF世界であれば、その世界観の認識がとても大事。そこを断片的な映像情報の羅列で済ませて『はい、本編』はいささか不親切。もちろん本編のほうで説明不足の部分を補いながら進行してくれるのであれば問題ありませんが、本編は本編で謎の元ヒーロー殺しの謎でいっぱいいっぱい。 更にはまだコスチューム姿とヒーロー名さえ一致していないのに、元ヒーローの方々の本名までばんばん出る始末。覚えるのが大変です。 とまあ、文句ばかり言っちゃいましたが、じゃあ嫌いなのかというと、結構好きだったりします。こーゆーの。 規格外のDr.マンハッタン。No.2はオジマンディアス。この二人は人間離れしています。 ナイトオウル、ロールシャッハ、コメディアンが強さ的には横一列でしょうか。ラストがシルクスペクター。 結構強さのバランス感覚が良くて、見ていて確かに面白い。 黒幕はオジマンディアス。なのですが、全員が手法は違えど『平和』という同じベクトルを向いているのが救い。 最も正義に対して潔癖だったロールシャッハが、合理的平和を最優先するDr.マンハッタンによりその命を散らしてしまうのは衝撃的であると同時にとてもドラマチック。 そしてすべての真実が闇に葬られたかのようにみせかけて、ロールシャッハの手記が出版社のもとに届く結末。 真相が分かった今、もう一度最初から見てみたいとも思いますが、見返すにはちょっと時間が長すぎるのが欠点。 時間を長くしすぎている原因のひとつに、Dr.マンハッタンの哲学の講義があります。この辺りをばっさりカットして、もう少しテンポよくしてくれたら8点以上の価値があります。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-08-23 02:25:42) |
571. 恋人まで1%
《ネタバレ》 『遊び人』ではなく『遊び人を気取りたい20代』という感じ。 金もあれば元気もある。学生ではないから社会的な縛りもない。将来のことを漫然と考えつつ、でもまだまだ遊んでいたい誰しもが経験のあるお年頃。 真っ先に所帯をもった医者の友人は奥さんが浮気。とても幸せそうには見えない。そんな友人がいれば、結婚どころか真剣な付き合いさえまだいいか、と考えちゃうバカ二人。そんな惰性で生きる若者2人が、運命の人と出会っちゃったら、さあどうする?みたいな、ストーリー。 テイストとしては嫌いではありません。 面白いのは唯一真面目に、一途に奥さんを愛していた若き医師は、奥さんではない別の女性と次の一歩を踏み出してみようと決意すること。ある意味、他の二人とはまた違うカタチの希望を見出すわけです。 ベクトルは違っても、3人がそれぞれ人との付き合いを通し、人間的に成長していく様子が微笑ましい。 ただ映画としては盛り上がりに欠けるし、少々共感しづらい部分もあります。 コメディとしては笑いどころが下ネタオンリーではあまりに稚拙。 ヒロインがイモージェン・プーツなので、それなりに魅力ある作品に仕上がっているだけという気もします。 悪くはないですが、今一歩です。 [DVD(字幕)] 6点(2020-08-19 13:08:33) |
572. シュレック フォーエバー
《ネタバレ》 マンネリ気味になりそうなシリーズものを、4作目にして大胆なパラレルワールドものにしての新展開。それをここまで面白く作り上げたのが素晴らしい。 確かに笑いの要素は減っちゃいました。ですがそれは今までにないくらいドラマチックなプロットに路線変更したからでしょう。まさかシュレックで感動するなんて夢にも思いませんでした。 いや、正直最初はシリーズ中一番シュレックを好きになれなかったのです。 妻に子供に友人。更には王族の一員で人々の人気者。こんなリア充な人生に、唾も吐けば毒も吐く。いったい何様やねんお前は。確かに人は、ないものねだりする生き物さ。だとしてもこの映画のシュレックはひどいんでないかい? 結局悪いやつと取引をして、自由気ままに生活できる一日を手に入れちゃうシュレック。でもそのわがままの代償はあまりにも大きすぎたのでした。ちゃんちゃん。 反省。そう、まさに自分自身を省みる物語。本当にかけがえの無いものはすでに手に入れていたのに、その価値にも気付かず自らそれを手放してしまった。あまりに切なくて、暗くなってしまいそうなプロットを、暗くなりすぎないよう見事にエンターテイメントへと昇華させている本作。最後は優しいオチでフィニッシュ。めでたしめでたし。 かなり好きです。こーゆーの。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2020-08-19 04:12:32) |
573. シュレック3
《ネタバレ》 『1』『2』のほうが面白かったとは思いますが、これはこれでなかなか手堅い面白さ。大分酷評されているようですが、悪くはないと思います。 少なくともいままでのなじみのあるキャラクターたちがみんな出てくるわけで、このシリーズが好きな人なら楽しめる内容でしょう。新キャラも良いですが、今までのキャラクター達が中心になって活躍するのって、やっぱ良い。いつものシュレックを楽しめます。これからも愛着のあるキャラに頑張ってほしいものです。そういった意味では今作は及第点。 ストーリーは、いろんな物語の悪者たちが結託。シュレックが留守の間に王国に攻め入るという、いつもに比べると過激な展開。前作までは怪物のわりに大人しめだったシュレック。今作では遂に怒りとともにその怪物パワーの封印を解くのか?と、わけのわからん子供じみた期待をしちゃう私。いつもと違う感じの、アクションテイストが見られるのかとワクワクしちゃったのです。 結果はいつも通り。いや、いつもに増して超平和的ぬるま湯解決。いやいや、あんなおこちゃまに説得されて戦うのをやめちゃう悪者ってどうよ。もちろんそれがシュレックシリーズの持ち味と言われればそれまでなんだけどさ。なんかへーんな期待をしちゃったぶん、こんなオチに少なからずがっかり。 ただ確かにそれまでのプロセスは面白かったので、私はこのシリーズと相性は良いようです。 [ブルーレイ(吹替)] 6点(2020-08-17 00:12:12) |
574. バタフライ・エフェクト3/最後の選択
《ネタバレ》 過去改変第3弾。今回の主人公は『火事の中から妹を助ける』『恋人の浮気相手の冤罪をはらそうとする。』『連続殺人鬼をとめようとする』と、不良な見た目とは真逆の善人ぶり。このシリーズって結構主人公が善人で優しいから好き。要領が悪くて全然うまくいかないんだけど、善意から行っていることなので全面的に応援したくなります。ですのでうまくいかないと、こっちもいっしょにやきもきするし、落ち込みもします。 正直3作品中一番整合性やらルールやらは曖昧。 クライマックスなんて、氷も風呂も電源コードもなしに過去に行っちゃって、いつの間にか何でもアリになっちゃってます。 まあいいですけどね。そのへんの杜撰さはこの際目をつぶりましょう。 そんな些細なことより、ストーリーとテイストが私好み。 両親を犠牲に、妹を助けたことで殺人鬼が生まれてしまうなんて最高です。 結局もう一度過去に戻り、最初の過去改変を無かったことに。未来をあるべき姿に戻します。 とは言え、いかれていたとはいえ、あれだけ自分を慕ってくれて助けてくれた妹を見捨てる決断はやはり切ない。いつも通りの切ない余韻を残しつつ、いつもとは違う味わいのハッピーエンド。 だからさ、最後の猟奇的な未来を予感させるエピソードはいらないのですよ。これを蛇足というのです。 [DVD(字幕)] 7点(2020-08-16 02:20:13) |
575. バタフライ・エフェクト2
《ネタバレ》 かなりたたかれまくっている本作。個人的には結構面白かったです。 『過去改変』ってのに憧れがある自分としては、この設定はツボなんです。最後まで目が離せないくらいには面白いと思うのですがどうでしょう。 前作よりストーリーは簡潔。コンパクト。小粒な作品が好きな自分とは相性が良い。 2回目の過去改変エピソードは強引かもしれないですね。 大手取引相手との会食でうまくいったように見えたのに、その翌日には社長から破産を告げられる。いったい何がどーなっているのかさっぱり。何か見逃したのだろうか。 わけがわからぬまま、三度目の正直。クライマックスは前作同様愛する彼女との別れを選択。 正直前作は切なすぎるラストだったので、2作目はもっとお気楽ハッピーエンドにしちゃっても良かったんじゃないかと思える今日この頃。 [DVD(字幕)] 7点(2020-08-12 03:56:21) |
576. シュレック2
《ネタバレ》 シュレックがピノキオをさしおいて人間になっちゃう話。人間になったシュレックがどー見てもイケメンに見えないのですが、完全なるイケメンのモテメン設定。まあいいですけど。製作者は神ですし。 前作では『周囲からどう思われようが俺は俺。』みたいなシュレックのスタンスが好きだったのですが、今作ではフィオナのためにそんな自分を変えようとします。もちろんそれは1つの美しい愛の形。ですがその分前作にあったシュレックの開き直りとも居直りともとれる唯我独尊的魅力は薄くなってしまいました。 今作ではアクションがやや控えめなのもちと物足りない。 ですから個人的には『1』のほうが好きではあるのですが、これはこれで面白いのもまた事実。 シュレックとフィオナ姫が、何があってもお互いに対する思いやりを忘れないのがいいじゃないですか。 前作はつきあう前だったので、『ラブワ○ン的ハラハラ』がちゃんとあったのですが、言ってしまえば今作はフィーリングカップルの後日談。そんなハラハラはほとんどありません。でもそのぶん、二人の絆が感じられる今作は見ていて心地良いものがあります。 シュレックが『フィオナのためにイケメンになって父親に認めてもらう。』と決意。この流れは悪くない。ですがそのために薬を盗んじゃうのは良くない。応援も共感もしづらくなります。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2020-08-10 04:21:39) |
577. シュレック
《ネタバレ》 10年以上前に一度見たきり。久しぶりの再鑑賞。 テンポが良く、無駄が無く、やっぱりアニメは面白いですね。 難を言うなら浜ちゃんの関西弁吹替えのクセが強すぎるくらい。 とは言え、シュレックもフィオナもドンキーも、愛すべきキャラクターたちであることに変わりはありません。 最初はドンキーを煙たがり、フィオナに何の関心も示さなかったシュレックが、次第に二人と心を通わせていく様子が微笑ましい。 序盤こそ『ゲテモノ食いのシュレック』の紹介が気持ち悪くて仕方ありませんでした。特に『耳クソのローソク』は生理的にまいりました。ただゲテモノシリーズはオープニングにつめこみ、そこから先は王道のラブコメチックアドベンチャー、ソフトタッチな御伽噺として大変見やすく仕上がっています。 フィオナ姫がカンフーの使い手など、王道のキャラから少しだけはずす絶妙の匙加減。こーゆーの好き。 子供向けの映画。ですが『人はいつの間にか外見で差別しているものだ』という教育的メッセージがあるため、この映画の存在意義は意外と大きい。 おしゃべりロバ、外見にコンプレックスを持つシュレックやフィオナ姫、そして皆から恐れられるドラゴンも、心を開いてみれば皆仲良くなれたっていうのが心温まります。 すれ違いラブストーリーや、独裁者の退場はお約束。 アニメはこれで良い。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-08-06 13:57:24) |
578. Re:Play-Girls リプレイガールズ
《ネタバレ》 非現実的な設定も最後まで見れば腑に落ちる。なるほど。そーゆーことですか。 キャストはアイドルが多く、ヴィジュアル的には悪くない作品です。 『血まみれの女子高生』という、こーゆー作品ではおなじみの映像もちゃんとあります。 とは言え、脚本、ストーリー、決して面白いとは言い難いレベルです。 前半の自殺志願者たちの独白。これはそれなりに面白かったのですが、如何せんそれぞれの志願理由が弱く、共感できない。 当然集まった女子高生の誰にも感情移入できるはずもなく、あらかじめ決められたプログラムを黙々と消化していくような無味乾燥なイメージ。まさにB級Vシネマのクオリティ。 私はアイドルに疎いので、ほとんど知らない人ばかりなのですが、主人公のミチより、アリサ役の人がちょっと好き。 総評としては、オチが弱く、ストーリーが弱く、ヴィジュアルはまあまあ。暇つぶしの粋を出ない作品。オススメはできません。 [DVD(邦画)] 4点(2020-08-03 06:05:32) |
579. トライアングル(2009)
《ネタバレ》 息子は?なぜ1人ヨットハーバーに?あの突然現れた積乱雲は?無人の定期船の正体は?なぜジェスはここに来たことがあるの? とにかく1から10までミステリーに埋め尽くされた作品。 タイムループ系でもあるし、不思議系でもある。 1つの時間軸に自分という存在が2人いるというのはよくあります。ですが3人というのはあまり見たことないですね。だから『3つのアングル』で『トライ・アングル』なのでしょうか。かなり考えられている脚本とタイトルなのかもしれません。 ごちゃごちゃした構成なのに、ごちゃごちゃしているように感じさせないのに、作り手のセンスを感じます。 とは言え、映画としてはミステリーに重きを置きすぎて、それ以外の要素にあまり良いところが無い気もします。 まずこれだけ個性的な面子を揃えながら、ジェス以外はただのやられ役で終わってしまっていること。 ホラー的演出をしながら、ホラー的な面白さは足りないこと。 どうもアイデア先行の作品という気がしないでもないです。 映画としての面白さ、完成度、満足度でいうと、どれもちょっと物足りないですね。 それから映画とは全然関係ないのですが、DVDのタイトルに勝手なサブタイトルがついています。『殺人ループ地獄』。クソださいうえに、壮大なネタバレ。このサブタイトルをつけた人の良識とセンスを疑います。 [DVD(字幕)] 5点(2020-08-03 05:46:49)(良:1票) |
580. ヴィンセントが教えてくれたこと
《ネタバレ》 こーゆー映画嫌いです。 これって、普段真面目に生きている人が良いことをしてもスポットが当たらない。 ですが不良が良いことをすると、途端に美談に見えるのに似ていませんか? ヴィンセントって聖人ですか?私にはただのクズにしか見えませんが。 子供が困っていれば誰だって手を差し伸べます。 愛する奥さんの洗濯だったら私だってやります。 お国のために戦場に行ったことは、そりゃあ立派なことだと思います。ですがみんな大なり小なり社会のために働いているわけです。彼だけが特別立派なわけではありません。 そして、そういった善行が、金を踏み倒して良い理由になるんでしょうか。 子供を競馬場に連れて行くところまではまだ許しましょう。 ですがそこで大穴を当てたのであれば、借金を返済するのが筋です。外れたフリを子供にまでさせて借金を踏み倒すところを子供に見せつけるのはクズです。 子供のために口座を作ってあげたのには感心しました。ところがその口座から勝手に金を引き出して競馬でスる始末。 『それは奥さんのため?』いやいや、だったら最初からギャンブルなんてするんじゃねえよ。 何か月分も入居費が溜まっているから出て行ってくれと言われるのは自分の責任。むしろ今まで待っていてくれたことに感謝すべき。 酒とギャンブルに溺れるから金がないんでしょーが。どんな良いことをしようがクズはクズです。 どこかで良いことをしているからって、他者に迷惑をかけることを肯定するようなエセ美談はうんざりです。 こんな人間を賞賛するかのように盛り上げる過剰なクライマックスの演出には虫唾が走ります。 むしろ聖人は、オリバーであり、マギーであり、ダカであり、介護職員であると思います。 [DVD(字幕)] 3点(2020-07-31 11:36:49)(良:1票) |