41. あるスキャンダルの覚え書き
《ネタバレ》 ジュディ・デンチが主役たるに十分な存在感を放てば、対するケイト・ブランシェットも限られた脚本の中で壊れゆく女を熱演と、アカデミーの名に恥じない演技合戦が存分に楽しめる一本。特にジュディ・デンチの役は、彼女以外の女優が演じる姿が想像できないほどの適役で、暗く孤独なバイタリティーに溢れている。映画全体としてみると脚本の安易さや展開の唐突さが目に付くものの、これほど演技に支えられた作品も珍しいと思える一本。 [DVD(字幕)] 7点(2008-11-16 11:57:30) |
42. アイ・アム・レジェンド
《ネタバレ》 期待値が相当高かった分、中盤以降ありきたりなホラー映画へと落ちてしまった事が何とも残念。原作を観ていないので本作が忠実なリメイクなのか分からないが、少し変化を加えるだけで重厚でよりスリリングな作品になり得そうな予感のする作品だけに物足りなさが残る。犬の活躍と廃れた都会の映像が素晴らしかったのが救い。 [映画館(字幕)] 6点(2008-11-16 11:37:13) |
43. デジャヴ(2006)
十分に楽しめるが、脚本はあまり褒められたものではないのでこの点数。演出で強引に作品の世界へ引き込もうとする所などいかにもジェリー・ブラッカイマーらしく、荒っぽい娯楽作品の域を超えきれていない感が否めない。 [DVD(字幕)] 7点(2008-11-16 11:10:58) |
44. ナイト ミュージアム
ベン・スティラー主演の作品には「大人も子供も楽しめる」コメディーを期待してしまう分、本作はいささか肩透かしを喰らった印象。そのせいか彼の良さが伝わりづらく、純粋なお子様向け映画として落ち着いてしまっている。 [DVD(字幕)] 4点(2008-11-16 10:44:21) |
45. 手紙(2006)
扱う内容やストーリーの展開が良かった分、小田和正の主題歌が泣かせる為に流れているのが残念。もう少し静かなラストにしても、十分にメッセージは残るのではと思う。 [DVD(邦画)] 6点(2008-11-16 10:27:02) |
46. 受取人不明
登場人物の思考回路が揃いも揃って短絡的で、感情移入の余地など皆無。個人的には怒りすら覚えるほどの愚作。別に動物の殺戮や暴行シーンに特別にショックを受けた訳ではなく、純粋に作品としての意義に疑問を感じた。 [DVD(字幕)] 0点(2008-11-16 10:08:12) |
47. ブラッド・ダイヤモンド
今年鑑賞した中でベストと思える出来。社会派的なメッセージ性とエンタテインメントが上手く共存している。主役3人の演技は作品を1つ上のランクに上げていると思えるほど素晴らしく、特に主演のレオナルド・ディカプリオについては、未だ完全とは言えないものの過去のアイドル性を脱却しつつあり、真の演技派男優に近づいているように感じる。『グローリー』『ラストサムライ』など大作を作らせると外れが無いエドワード・ズウィック監督は本作でもその本領を如何なく発揮しており、「彼の次回作はぜひ劇場で見たい」と思わせれくれる数少ない監督の一人である。 [DVD(字幕)] 9点(2008-11-16 09:57:52) |
48. グッド・シェパード
「重厚な作品」と評される事がその作品にとって褒め言葉かどうかは一概には言えないが、本作はとにかく「重厚」。明るさや軽さをうかがわせるシーンは殆ど無く、ひたすら諜報員の一生を追っていく。テーマ的に嫌いな部類ではないのだが、映画にはやはり「見せ場」というものが必要なのではないかと、こういう作品を2時間50分も観ると、さすがに思わずにはいられない。 [映画館(字幕)] 4点(2008-10-19 15:49:30) |
49. ホリデイ
K・ウィンスレット側のエピソードが作品を魅力的にしていて、最後まで楽しめる。展開や2つのストーリーの絡ませ方はベタだが、その分余計な神経を使わずにゆったりと鑑賞できる上質なラブコメディーに仕上がっている。 [DVD(字幕)] 7点(2008-10-19 15:27:57) |
50. プラダを着た悪魔
休日に気を楽にして楽しめる作品。メリル・ストリープのキャラクターが全編に緊張感と魅力を与えており、本作におけるその存在感の大きさは、大女優の名に恥じないものだった。 [DVD(字幕)] 6点(2008-10-19 15:08:25) |
51. マッチポイント
《ネタバレ》 本人が出ていないウディ・アレン作品を初めて見たが、展開の妙や画面から伝わる雰囲気は彼ならではのもので、味があって非常に良かった。予想外の結末もまた良かった。 [DVD(字幕)] 7点(2008-10-19 14:39:47) |
52. ブラックブック
バーホーヴェン監督の、既存の型に捉われない作り方が吉と出た作品。『スターシップ・トゥルーパーズ』や『インビジブル』など、彼の作品とは相性が良くなかったが、本作は率直に面白かった。主演の女優さんの役者魂が光った一本だった。 [DVD(字幕)] 8点(2008-10-18 16:44:12) |
53. ヒロシマナガサキ
「伝える」事に真摯に取り組んだ作品。息苦しささえ感じさせる映像からは、受け取らないわけにいかない重要なメッセージが伝わってくる。受け取ったものを語り継ぐのも心にしまうのも、また廃棄するのも個々人の判断次第であり、伝承を強要する時代ではないけれども、一人でも多くの人がこの作品を通じてこの歴史を知り、8月6日の8時15分と9日の11時2分に思いを寄せるのであれば、それは素晴らしい事だと思う。最後に、まさに骨身を削る思いで辛い体験を語り伝えてくださった被爆者の方々に、心から尊敬の意を表したい。 [映画館(字幕)] 10点(2008-09-15 15:40:05) |
54. 存在の耐えられない軽さ
役者3人の演技力もあって、何とか3時間見ることができた。大筋のストーリーは把握できるものの、微妙な心象や関係性の移り変わりなど作品の見所(と思われる箇所)を純分に堪能できたとは思えない。時間をおいて再度鑑賞してみたい。 [DVD(字幕)] 4点(2008-09-15 14:57:01) |
55. トランスフォーマー
「孫がトランスフォーマーの大ファン」という理由だけでこれだけの大作を作ってしまうスピルバーグは凄い。製作者側が変身や戦闘のシーンにしか主眼を置いていないため、脚本だの構成だのは二の次・三の次・・・。一本の作品として総合的に評価をするなら、百歩譲って5点が精一杯。 [映画館(字幕)] 5点(2008-09-15 14:38:04) |
56. 運命じゃない人
脚本、特に構成力の勝利。宮田君の右往左往する様もたまりません。映画で声を出して笑ったのは久々でした。 [DVD(邦画)] 8点(2008-09-15 14:11:42) |
57. レミーのおいしいレストラン
映像は素晴らしいがストーリーが物足りない。これまでピクサーが制作してきた動物(など人間以外のもの)が主人公の作品では、人間は最小限にしか登場せずインパクトも薄かったのだが、本作では意思の薄い中途半端なキャラクター「リングイニ」が準主役として描かれてしまった事で、従来のピクサー作品が有していた人間社会へのメッセージのようなものが、イマイチ伝わりにくくなっているように感じた。 純粋にネズミ同士のやりとりを深化させたほうが、より面白い作品になったと思う。 [映画館(字幕)] 5点(2008-09-15 13:54:01) |
58. 大いなる休暇
田舎独特の連帯感と医者とのやりとりがコミカルに、そしてシビアに描かれていた。ただ単に全編が笑いに包まれたコメディーも良いが、本作のように暗いバックグラウンドを抱えたコメディー(とヒューマンドラマの中間くらいの)作品にはより現実味が感じられ、その分面白く感じられた。 [DVD(字幕)] 7点(2008-06-07 18:55:32) |
59. 記憶の棘
邦題が素晴らしすぎて期待値が上がってしまうが、作品としてはあまり出来が良いとは言えない。ニコール・キッドマンの存在感で、何とか作品として成立していた感があった。 [DVD(字幕)] 4点(2008-06-07 16:57:02) |
60. 傷だらけの男たち
途中、脚本にブレが見られた部分もあったが、全編を通して醸される陰鬱な空気感は決して悪くなかった。 [映画館(字幕)] 7点(2008-06-07 16:41:57) |