41. シャッター アイランド
《ネタバレ》 「いやはや疲れたわねえ」というのが友人と私の感想。見る前は「スコセッシとレオっていうだけで、文句ないもんねえ」と笑い合っていた二人だったというのに(笑)。それにしても、主人公は最初から「変な人」だし、空や海の色も「変」。謎は最初から明かされてるような「作り」なんだから、「聞いてたのとずいぶん違~う!」と肩すかし。多くの人が憤慨しているように「宣伝の仕方に問題あり」という思いがわきますね。主人公の過去があとあじの悪いものだったしかといって戦争の影響との関係性にイマイチ切実感がないし、あー挙げていくと「だめじゃん」というとこばかり。簡単に謎解きできたと思ってる人、実はそうじゃないんだよ、という話もあるけど、もう一度見て解明したいなんて意欲はぜーんぜん起きない。殆どの人が「何これ?」と言うような作品て、やっぱだめでしょ。 [映画館(字幕)] 5点(2010-04-16 07:38:10)(良:1票) |
42. 酔いがさめたら、うちに帰ろう。
ここでの高評価に期待しすぎてしまったかもしれません。私の感想はあにやんさんに一番近いかな。アルコール依存症の人とその家族の、一番核になるはずの「苦しみ」=「葛藤」が感じられないのが、一番残念。それと、日本人の男性監督って、女性の描き方がほんとに下手。ナマミの女がダメ男に愛をそそがずにいられない、その葛藤が何も描かれず、彼女は主人公氏の単なるミューズにすぎない。男にとっては「何もかも許してくれて、いつも笑顔の女」が便利なんだろうけど、それじゃあ女の共感は得られないですわ。第一、本物のサイバラ+カモシダ夫婦像ともほど遠いし。これじゃ原著者カモシダ氏も納得するのかどうか。亡き人には何も聞けなくて、残念。浅野の演技、人物造形はよかったし、永作博美は好きな女優だけに、いろいろ残念な作品でした。 [映画館(邦画)] 4点(2010-12-25 00:07:35) |
43. BECK
《ネタバレ》 私の周りにはバンドをやってる、かわいくてイキのいい子たちがいっぱいいるので、 トータルとしてこの程度の魅力のバンドなら日本全国にゴマンといる、ということを知っています。なのになぜ見に行ったの?って? 65歳のお友達が「タケルくん見たい」というので、つきあったのよ。周りは若い子だらけの中(笑)。で、話を戻すと、「BECKは確かにONE OF THEMだけど魅力的だろ?」っていうスタンスなら鼻白まなかったと思うけど、そのま逆だったから、失笑の連続。さらに、どのサイトでもネタバレになってるでしょうけど、佐藤健は天才的ボーカルという設定なのに、歌うシーンのたびに、音なし。あれじゃツインボーカルで声張り上げてるラッパーの桐谷健太まで、間抜けに見えて、俳優・佐藤も、俳優・桐谷もかわいそう。何でも、原作コミックで「天使の声」とか何とか表現されてるんだそうですね(原作ファンの人、ニュアンス違ってたらごめんなさい。天使・・云々は合ってると思うんだけど? にしても、ロックなのに天使って表現は、天使の歌声と聞けば真っ先にウィーン少年合唱団を思い出すオバサンには違和感ありまくりですけどね。笑)。もとい。コミックで表現されてる「すばらしい歌声」を表すのが不可能だったから、ということでしょうけど、単なる演出放棄、としか思えない。堤監督の、映画作家というより職人的な志向性は嫌いじゃないけど、今回のは完全に手抜きでしょう。抜群のボーカルの男の子(場合によっては女の子だって可かもね)を探してきて、佐藤の口パクに合わせたって、佐藤の経歴に何もキズはつかなかったでしょうに。(あるいは、佐藤サイドの要望により音なしになったのかもしれないが、いずれにしても完全に戦略間違えてますね。これが本作の最大のマイナスポイントであることは、間違いない。これじゃ「バンド」として成立しない!) [映画館(邦画)] 4点(2010-09-14 10:50:25)(良:1票) |
44. マイ・バック・ページ
《ネタバレ》 一冊まとめて読んだ記憶があるわけではないので恐縮ですが、さまざまな媒体でたまさか川本三郎の文に出合っても、評価できると思ったためしがなかったのに、映画の評判の良さにつられてこの人の原作と知りながら見に行っちゃった私がアホでした。それでも、氏がジャーナリストとして若き日々に挫折を味わったと初めて知ったので、この映画が若者らしい苦悩を描いているのかと思いきや、さっぱり伝わってこず。映画としての思想性が浅くても、せめてジャーナリストらしさの片鱗でもあればその世界に身を置くことの臨場感を味わえたのではと思いますが、それもなかったなあ。いったい何を描きたかったんだろう。この時代を笑い物にしたかったのか、この監督は。わざとらしくゲバラのポスター貼ってるとことか、いちいちムカツク。感動した方には申し訳ありませんが、最後の沢田の泣くシーンなんて、松田聖子のウソ泣き?を思い出してしまったほど、私にはつまらなかった。時代考証がしっかりしてるとの評判もあるようですが、私に言わせれば「あの時代にこんなもんなかったぞ」というもの、幾つもありましたぜ。それに、いくらあの時代だって、家に帰ったらすぐタバコ、飲み屋でもすぐタバコ、何かにつけてすぐタバコなんてほど、みんながモク中だったわけじゃないですよー。時代を表す小道具としてのタバコを安易に使いすぎ! [映画館(邦画)] 3点(2011-06-09 01:50:43)(良:1票) |
45. 死刑台のエレベーター(2010)
いやはや。何もかもがダサイ。キャスト含めスタッフロールをボンヤリ眺めながら、これだけの数の人間が関わりながら、元ネタの本質がコメディということに気付かなかったのはなぜだー!? と叫びたくなった。 <追記>コメディ、の一言で表現してしまうのはほんとはちょっと正しくなかったですね。ゴージャスなおふざけとでもいいましょうか。元ネタだって、「どうしてこうなっちゃうの!? 」という変な人たちばかりなんだけど、味わいが違いすぎるんですよっ!! この邦画は「ゴージャス」さもなきゃ、おふざけを楽しむ「大人のゆとり」みたいなものもない、なーんもないっ!! [映画館(邦画)] 3点(2010-10-28 00:05:55) |