41. 岸辺のふたり
絵の単純化に徹している割に動きに様々な工夫が随所に見られ、特に小鳥の群れのリアルな軌跡には驚かされた。音楽も雰囲気も良いのだが、娘を置いて父はいったいどこへ行ったのかが気になって、その後の娘の想いに感情移入することの邪魔をしてしまう。「船に乗って漕ぎ出す=死」と理解していいのだろうか。ストーリーまで単純化しすぎなのと観る前に高評価を聞いていた事が災いしたのか、普遍的な重いテーマを8分間で表現しきることにはやはり無理があるように感じた。 5点(2004-09-11 12:00:38) |
42. ミニミニ大作戦(2003)
強奪物としては今までにないほどにテンポが悪く全く冴えない展開に唖然。ハラハラドキドキさせてくれることもなく本当に下手な作りだ。ミニクーパーでのカースタントに期待して見たのにがっかりした。 4点(2004-09-04 15:33:03) |
43. 天国の口、終りの楽園。
サンベルナベの海の家での7分間にも及ぶワンカットの長回しにビビッた。台詞なのかアドリブなのか、演技しているとは思えぬ自然な表情と連続した会話の出来に驚かされ、そしてここで役者の後を着いて歩いて行くカメラマンの揺れる画面が何だか可笑しかった。三人共が衝動的な行動に走りすぎて思考部分が感じられず、誰もが経験する青春の一幕を生々しく描いた傑作、という評価は私には持てなかった。 4点(2004-08-15 22:53:13) |
44. 一票のラブレター
こんな形のちょっとした出会いがもてない不器用な男には運命の出会いに思えてすぐ好きになってしまうんです。でも女の方は自分のタイプじゃないと相手を男として全然見ていないんですよねえ。そしてまたベッドで溜め息です。 7点(2004-08-13 11:11:58) |
45. キル・ビル Vol.1(日本版)
そこまでやらなくてもと思うほど吹き出る血しぶき飛ぶ足飛ぶ腕飛ぶ頭。まともなスプラッター映画より胃袋の具合が悪くなってテンションが下がります。これを見て「爽快だ」「すっきりした」とか「笑える」と言う人がいる事が信じられません。タ監督が過去の映画に対するオマージュ作品として作ったというなら大きな勘違いです。捧げられた深作監督も決して喜んでいないと思います。多分Vol.2は観ないでしょう。 4点(2004-08-07 16:30:04)(良:1票) |
46. ファイナルファンタジー
哲学を持たないコンピューターオタクを世界中が嘲笑う。映画として見るとツッコミどころ満載なので、とっても綺麗なイメージビデオとしてお店などで流しておくのがこの作品の正しい活用法です。 3点(2004-07-25 22:43:26)(笑:1票) |
47. ジョニー・イングリッシュ
良くも悪くも「Mr,ビーン」そのままなので、一連のシリーズが大好きな人にはたまらない作品となるであろう。が、コメディ映画で思いっきり笑おうと期待して見る人には、いつものローワン・アトキンソンの代わり映えしない一人舞台に食い足りない思いを感じさせる。今までは彼に対して他の国より比較的受けが良かったのか、少し日本に向けた笑いを狙っているようだが、同じ目つき、同じ身振りにもうそろそろ飽きてきているので、次の映画は相当難しくなるだろう。 5点(2004-07-25 22:36:16) |
48. ドラゴンヘッド
な~んにも食わずによく元気で歩き回れるもんだ。本物そっくりなものを作るのは昔から日本人が得意な分野であるが、本物の映画を創れる日本人は本当に少ないと改めて痛感した。知恵の使い所、力の入れ所が間違っている。「これを映画にしたら面白いんじゃないか」という発想で映画を作るのはいい加減やめなさい。 最近顕著に日本映画のレベルが下がってきている事がとても気になる。 4点(2004-07-18 21:05:41) |
49. 永遠のアフリカ
密猟者の監視だけでこんなに余裕のある暮らしが出来るはずもなく、何をして稼いで生活しているのかと思ったらもともとお金持ちだったんですね。現地人を使用人として雇っていいロケーションの大きな家での暮らしぶりは何か反感買っちゃいます。アフリカに来てゾウやライオンが危ないって当たり前のことで不便も覚悟して来たんじゃないのかって聞きたい。どなたか書いていらっしゃいましたが、密猟を取り締まりながら自分はハンティングをしている夫と、飼い蛇に咬まれた息子のどちらの死も自業自得です。 5点(2004-07-17 21:11:37) |
50. ハッピー・フューネラル
おっ!おもしろいかな、と思えたのは冒頭の僅かな部分だけで、楽しい葬儀を目指していた筈なのに次第に金集めに奔走し始めるようになって全くつまらなくなって来た。結局、行き詰った監督のタイラーが死んだ振りをして、ヨーヨーが起こす行動をヒントに新アイディアを見つけようとするというお話なだけのように感じた。友情も恋愛も描き足りなくて薄っぺらい。ドナルド・サザーランドもお小遣い稼ぎに出演したぐらいの演技しかしていないし、ヨーヨーとルーシーが剃髪の田代まさしと斉藤由貴に見えて仕方がなかった。中国では大ヒットしたらしいけれど、どこが良かったのかなあ。国民性の違いを感じてしまう。 3点(2004-06-20 11:45:22) |
51. DRIVE
面白いといえば面白いし、つまらないといえばつまらない。いろんなものを欲張って詰め込みすぎたせいかも知れない。奥深さが全く無いのが唯一最大の難点。主役の堤真一は良くやっていると思う。クソまじめな営業マン役がハマっていた。気持ちが昂ぶった時、頭の中で相手を思い切り殴っている映像がリアルに浮かんでくる事って良くある。結局何も出来ないんだけどうまく表現できているなあと思った。ラストのデートで初めて笑い顔を見せましたね。なんで?と思うところはいっぱいあるけれど、何にも考えずにお気楽ポジションで鑑賞する分には一応楽しめる映画と呼べるのでは。 5点(2004-06-06 21:32:00) |
52. ノー・マンズ・ランド(2001)
これほど余韻を残した映画は初めて観た。エンドロールを観ながらしばらく固まってしまった。地雷を背にしたまま助からない恐怖を突きつけて終わるラストシーンの出来の良さで評価が決まった感がある。決して反戦に重きを置いた映画とは言えないが、この戦争を始めたのはお前の国だ、と言い合う場面やお前が刺したから撃つんだというこの二人の人間の論理が、戦っている二つの国の縮図と交錯して見える。戦争状態でなければお互い隣町の住人同士であったのに。遠い国の戦争も生に近い映像を茶の間で見られる事に慣れつつある現在だが、放送局での指示が最前線まで飛び、カメラのレンズが苦悩する兵士の目の前まで迫る様な戦場での報道のあり方に問題提起もしている。観る者の心を揺さぶる素晴らしい映画。 9点(2004-06-06 21:27:07)(良:1票) |
53. 反則王
韓国映画恐るべし。コメディだけどなかなかレベルが高く同じような作風の日本映画よりも数段よく出来ていて結構笑わせてくれます。ドゥシクはこの銀行の何かの策略に利用されていたのでしょうか。突然キレたのはなぜ。韓国でも「スリッパ」って言うんですね、というかスリッパが英語だと知ったのは意外で勉強になりました。なかなか迫力がある試合のシーンと、引き分けという結果(ですよね)にも無理がなくロッキーにも負けない達成感を感じました。惜しむらくは最後のコケ方が下手です。 8点(2004-06-06 11:59:31)(良:1票) |
54. I am Sam アイ・アム・サム
7歳程度の知能しかないけれど、その他では優しさや熱意や道徳心や協調性など大切なものを健常者以上にたくさん持っているから、サムの場合この先も子育てには何の心配も要らないでしょう。この映画は、子供を育てるのに知能(学歴)は必要ないということが言いたかったのかな。なんとかハッピーエンドで終わったようだが、世の中にはこういったケースで引き裂かれた親子がたくさんいるのだとしたらとても悲しい事です。どちらかと言えば不幸な別れを見せて問題提起されるともっと心に響いたかも知れない。ショーン・ペンの熱演が素晴らしい。 8点(2004-06-02 21:55:15) |
55. ノンストップ・ガール
久しぶりに観た駄作。次第にエスカレートする主人公の行動に無理があり、素直に納得できない。帰ってくる亭主にも金を返す車上狙いもジョリーンの言う通りに担当を替える編集長も他人の結婚式にやってくるニールも全部まとめて滅茶苦茶な印象。「手がかりから情報を得た」という字幕は「情報から手がかりを得た」の間違いではないのか。 3点(2004-05-30 15:53:25) |
56. おいしい生活
二十年も前にカセットテープに録音して今でもお気に入りでたまに聴いているイギリスの歌手のトレーシーウルマンがこの映画に出ていたなんて驚きです。今は、いや元々子役時代から役者だったと知ってまた驚きです。本作を観てからしばらく経つのですが、変な小細工のないウディ・アレン映画はなかなか面白い物でした。銀行強盗のためのカモフラージュだったクッキーショップが思いがけず繁盛して次第に大金持ちになっていく展開は見事。いきなり大金持ちになって金の使い方がわからずに見当違いの方向に突っ走る二人の姿にアレンの風刺の効いた主張を感じました。 6点(2004-05-01 23:04:15) |
57. タイタンズを忘れない
合宿中にチームが纏まるのが簡単に進みすぎた嫌いがあるが、後半に向かうに従って次第に引き込まれていきました。今までブーンの事を疎ましく思っていた近所の白人たちが彼の家に向かって歓声を上げた場面と怪我をしたゲリーをピーティが見舞う場面ではじーんと目頭が熱くなった。人種問題とスポーツを通しての友情とをうまく絡めて感動の名作に仕上げられています。ただ実話とはいえすべてが上手く行きすぎているし、人種間の軋轢や選手同士の不協和音が殆ど描かれていない点が気になった。またもし早い段階で試合に負けていたらコーチ・選手・町の人々はどうなっていただろう。学校は荒れ果て街はアメリカで最も人種差別の激しい街になっていたかもと思うと結果的に勝ち進んだからといって根本的な問題がすべて綺麗に片付いた訳ではないと思う。 8点(2004-05-01 16:10:12) |
58. みんなのしあわせ
タイトルに13(サーティーン)のついた版もあるようですが私が観たのはこちらでした。違う点数をつけようかなとも思いましたがやっぱり6点ですね。もっと笑えるのかなと思っていたけど、これってサスペンス?という感じの撮り方のときがあってこれがなかなかうまいんです。屋上で逃げ回るシーンも面白い。伊丹十三氏が生きていたら宮本信子主演でこんな映画を撮っていそう。あれっ、二人の警官はどこへ行ったのだろう。 6点(2004-04-25 23:49:43) |
59. スパイダーマン(2002)
あまりにもアメリカンコミックそのままなので少々落胆した。せめて「スーパーマン」くらいのレベルの出来ならもっと高評価を得たであろうに。このクモに咬まれた人間が他にいないのを不思議に思う。「大いなる力には大いなる責任が・・・」なんて無理やり深みを持たせようとしているところがこの作品を余計薄っぺらくしている。CGはグルグルと振り回しすぎで気持ち悪い。 5点(2004-04-22 23:04:11) |
60. 少林サッカー
ハリウッドに対抗できるのは最早香港だけなのか。映画に対する情熱と観客を惹きつけるための心得をよーくご存知でいらっしゃいますね。 8点(2004-04-17 23:34:56) |