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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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41.  死に花
老いというテーマが背景にあるため、シリアスな部分も当然あるんだけど、基本的には軽いコメディーで、前半あたりに少し退屈な部分があるものの、なかなか楽しめた。時代が時代なら東宝でクレージーキャッツ主演でやっていそうな印象も残り、穴を掘るメンバーに谷啓や青島幸男を起用していたり、メンバーが最終的に7人構成になるあたりはクレージーキャッツの映画を意識していると強く感じられ、クレージーキャッツの映画が好きな身(とはいえ最近は機会に恵まれず見れてないのだけど。)としてはなんかうれしい。しかし、(比べるのもどうかと思うが。)シリアスな部分があるからか、クレージーキャッツの映画ほどの爽快感はなく、最後のシーンあたりはなんか湿っぽく感じてしまったのも事実で、本当に60年代にクレージーキャッツ主演で古澤憲吾監督あたりが手がけていれば、爽快なままラストを迎えたのではないかとつい思ってしまった。とはいえ、山崎努をはじめとする主役の老人たちを演じている俳優たちはみな好演しており、安心して見ていられる。(長門勇が岡山を連想させていて笑える。)それからこの映画はちょうど一週間前に亡くなった森繁久弥の遺作である。出番は少なくセリフも一言だけなんだけど、さすがに登場シーンでは風格が漂い、出てくるだけで圧倒的な存在感を放っていて、まさに名優であると思う。また「社長シリーズ」などの喜劇映画で活躍したこの名優の遺作が喜劇映画なのは偶然ではないような気がする。白寿の老人役なのだが本当にこの映画の役柄のように白寿や百歳まで生きていてほしかったし、あらためて残念に思う。森繁久弥だけじゃなく青島幸男と藤岡琢也にとってもこれが遺作なんだなあと思うとなんだか切ないなあ。
[DVD(邦画)] 7点(2009-11-17 20:32:29)(良:1票)
42.  つみきのいえ
滝田洋二郎監督の「おくりびと」とともにアカデミー賞を受賞したことで話題になった本作。あまり期待せずに見たけど、映像の感じがとてもよく、静かでゆったりとした雰囲気の短編でとても味わい深い良作だと思う。ストーリーはかなり地味ながら、ちょっぴりほろっと来るような感じ。後半の妻とのことを回想するシーンではセリフなど一言もないのにきっと幸せないい夫婦だったんだなあということが想像できてつい感動してしまった。制作のROBOTといえば本広克行監督や山崎貴監督といった監督のいわゆる最初から話題性のある大作映画を作る会社というイメージがあるのだけど、この映画はそういう派手さが全くない小品で少し意外に思うものの、こういう淡々とした作品も作れるのかと新鮮に感じた。それから長澤まさみによるナレーションあり版とサイレント(映像と音楽のみ)版を両方見たけど、サイレント版はナレーションあり版よりもさらに味わい深く、サイレント版の方が断然良かった。
[DVD(邦画)] 7点(2009-04-20 02:24:06)
43.  犬神家の一族(2006)
前作と同じ脚本を使ったセルフリメイクだけあって微妙に変更点があるだけでほぼ忠実に前作をなぞっているので初めて見る映画なのに前作を再見してる気分になったが元の脚本がいいからか期待しなかったわりには楽しめた。(それでもやはり前作に比べてインパクトは半減してる。)市川崑監督の金田一ものですべての作品において刑事役を演じている加藤武が今回も刑事役、金田一を演じる石坂浩二同様前作と全く同じ役で出ている大滝秀治や前作で犬神竹子、梅子を演じた草笛光子と三条美紀が別の役で出ているなど、明らかにオールドファンを意識したようなキャスティングが嬉しい。(存命ならば高峰三枝子も出ていたかも。)柏屋の主人を演じている木久蔵もどこか三木のり平を思わせている。そういう部分も楽しめたので評価はちょっと甘め。それにしてもこの映画でいちばん思うことは96年に映画化した「八つ墓村」で石坂浩二を起用できなかったのが市川監督はよほど悔しかったのではないかということ。
[DVD(邦画)] 7点(2007-09-25 12:28:40)(良:2票)
44.  ミニパト 《ネタバレ》 
第一話の二頭身の後藤隊長による銃器の解説はなんかシュールで面白かったし、第二話の98式AVについて熱弁を振るうシゲさんを演じる千葉繁のいつものテンションの高い演技が相変わらず最高に良かった。第三話の後半の展開は唖然。そしてそれを淡々と語る南雲隊長の落ち着き払った口調が妙に笑える。よっぽどのファンじゃないとついていけないと思うほどマニアックすぎる内容だが、じゅうぶんに高レベルなギャグアニメとして楽しめた。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-07-12 02:37:18)
45.  映画ドラえもん のび太の恐竜2006 《ネタバレ》 
「ドラえもん」リニューアル後の最初の劇場版となる「のび太の恐竜」のリメイク版。以前にも地上波で放送されたときに見ているが、ノーカット版を見るのは今回が初めて。以前に見た時はオリジナルをあまり覚えていなかったのだが、今回10年以上ぶりに見返すと本作も覚えていない部分が多かった。(笑)でも、そのおかげか新鮮な気持ちで見れたのは結果として良かったと思う。冒頭ののび太が恐竜(正確には首長竜)の卵の化石を見つけるくだりが今になって見ると都合が良すぎる気がしないでもないが、前半は卵から生まれたピー助とのび太の交流が丁寧に描かれていて微笑ましいし、のび太が化石を卵にして羽化させた目的はいつものようにスネ夫を見返すためというのを忘れるほど見入ってしまった。大きくなりすぎたピー助が風邪をひいたのび太に会いたいばかりに家まで来てしまったことにより、世間が騒ぎ始めるという展開は翌年の映画である原恵一監督の「河童のクゥと夏休み」を彷彿させているが、あの映画もやはり旧作からの影響があったのだろう。誤ってピー助をアメリカ大陸へ送っていたことが判明したことから始まるレギュラー5人の冒険はすっかり親世代(未婚で子供もいないけど。)になった今見てもけっこう面白く、またジャングルなどの作画もキレイで丁寧でアニメーターの仕事ぶりも秀逸だった。以前に見た時はラストの展開がオリジナルと違うような気がして、少し違和感を感じた覚えがあるのだが、今回はそれをあまり感じず、むしろ、タイムパトロールの力を借りずに目的地である日本まで自力でたどり着くという結末は他人の力を借りずに目標を成し遂げることの素晴らしさを主たる支持層である子供たちに伝えるメッセージとしてはじゅうぶんだと感じる。恐竜ハンターの雇い主である恐竜コレクターのドルマンスタインの出番が意外に少なくてビックリしたのだが、オリジナルでもこんな感じだったかな。はじめて見た時はまだ新しい声優陣に若干の違和感を感じていたのだが、10年以上たった今では現在のメンバーのほうがしっくりくるようになってる。今では劇場版シリーズは旧シリーズを見ていた世代が監督を手掛けていることが多いのだが、本作は旧シリーズに関わっていた渡辺歩監督が手掛けており、ドルマンスタインの声を野村道子の夫であり、旧シリーズ劇場版の常連悪役だった内海賢二が担当するなど、まだどこか手探りで旧シリーズに引っ張られているような感じがある。でも、映画としてじゅうぶんに面白かったし、これからも「ドラえもん」はずっと続いていてほしいと心から思う。(2018年3月24日更新)
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-03-11 02:42:53)(良:1票)
46.  僕たちの戦争<TVM> 《ネタバレ》 
戦争を扱っているので暗いのかなあと思っていたが、笑えるシーンも意外に多く、あまり暗い雰囲気になることなく見れた。それに、そんなに期待してなかったけど全体的になかなか良い作品に仕上がっている。現代の主人公と入れ替わりに現代にタイムスリップした戦時中の主人公に現代人としての意識が芽生え始める過程がなかなか面白かった。ラストも最近の作品には珍しく見る側に解釈を委ねてるのも良い。出演者の中では森山未来が全く違う時代に生きる二人の主人公をうまく演じ分けていて好感が持てるし、これで初めて見た上野樹里も良かった。ただ軍人役の石井正則にかなりの違和感を感じたのがちょっと残念。
[地上波(邦画)] 7点(2006-10-03 13:50:17)
47.  古畑任三郎ファイナル 今、甦る死<TVM>
久しぶりの新作。三谷が同時期に放送された「新撰組!」の続編の脚本とこのスペシャルの放送後に公開された「THE 有頂天ホテル」の監督・脚本をやっていたため、やっつけ仕事的内容の駄作を覚悟して見たのだが、なかなか楽しめたので満足。ゲストが石坂浩二だからか、珠代という人物が出てきたり、吉田日出子が手毬唄をうたっていたりと、ところどころに金田一耕助シリーズを意識した演出があるのがちょっと嬉しい。
[地上波(邦画)] 7点(2006-03-31 20:03:58)
48.  逃亡者 木島丈一郎<TVM>
「交渉人 真下正義」をまだ見ていないので楽しめるかがかなり不安だったけど、後日談ではなく前日談だったのですんなりと入っていけた。個人的に「踊る大捜査線」シリーズは連ドラ時代がいちばん面白いと思っているが、久々に面白いと感じることが出来る作品だったと思う。ただちょっと設定が「グロリア」っぽかったのは気になったけど、まあそこは大目に見よう。木島を演じる寺島進は北野映画でヤクザ役を演じている印象が強い俳優で、見る前は子連れで逃げ回る姿が想像つかなかったけど、なかなかいい演技をしている。それと子役が何年か前のNHK朝ドラ「私の青空」で田畑智子演じるヒロインの息子を演じてた子で、当時、ほぼ毎日見ていたのでかなり懐かしく思えた。
[地上波(邦画)] 7点(2005-12-23 02:44:28)
49.  アイ,ロボット 《ネタバレ》 
近未来が舞台の映画なので荒唐無稽なのかなと思っていたら、案外そうではなく現実の世界でも起こりうるようなストーリーだったのでけっこう面白く見られた。でも最後のほうで普通のアクション映画になってしまったのがちょっと残念。これは余談だが、ジェームズ・クロムウェル演じる博士の声を日本語版で演じているのは大木民夫。だから彼の「コンピューターの中にゴーストがいる。」云々のセリフが「攻殻機動隊」の荒巻が言っているようにしか聞こえなかった。
[ビデオ(吹替)] 7点(2005-08-24 02:21:47)(良:1票)
50.  ショウタイム
初めて見たエディー・マーフィーの映画はフジテレビ系「ゴールデン洋画劇場」で放送された「星の王子ニューヨークへ行く」。エディーの声を担当していた下條アトムの演技が印象に残り、以後、フジ系で放送されるエディー作品はほとんど見ていた。(フジ系のエディーのFIXが下條アトムだったため。)なので僕もエディー・マーフィーといえば下條アトムの吹き替えの印象が強い一人。でも、最近は山ちゃんが多くなり、ときたま放送される下條版エディーを見ては懐かしがっていた。だからこの映画の吹き替えが下條アトムだと知ったときにはすごく嬉しかった。内容的にもデニーロとのコンビが思ったより新鮮で、いくらかB級映画臭いもののけっこう楽しめた。番組のプロデューサーを演じるレネ・ルッソも懐かしい。吹き替えの良さで点数は少し甘めに。
[ビデオ(吹替)] 7点(2005-06-28 01:50:40)(良:2票)
51.  OUT(2002) 《ネタバレ》 
偶然つけていたテレビで桐野夏生のインタビューが放送されていて、見ていると本作の映像も流れ、懐かしくなって初見以来久しぶりの再見。弁当工場で働くそれぞれに問題を抱えた4人のパート主婦たちが一人が起こした殺人事件をきっかけに社会から脱していくさまを描いていて普通なら重くなりそうなテーマだが、それをどこかあっけらかんと見せていて、とくに前半の見せ場である弥生(西田尚美)の夫(大森南朋)の死体を弥生を除いた三人で解体するシーンなどはやっていることは確かに凶悪犯罪そのものなのだけど、おどろおどろしさよりも死体解体に臨む主婦たちの平凡さとうろたえぶりがどこか笑いを誘い、演出の軽さもあって脱力してつい笑ってしまう。(それ以前の弥生の家にかけつけた雅子(原田美枝子)が弥生の夫の死体を見たときのリアクションもどこか軽かったのでこの時点からすでに笑ってしまっていたのだが。)死体処理の仕事を受けよった雅子たちが最初と違って手際よくことを進めていくのも見ていてつい笑ってしまうのだが、劇中で言及もされているように弁当工場のパート主婦という設定はここで活きていて、このための設定だったと分かる仕組みになっている。確かに後半はやや失速した気がしないでもないし、雅子とベテランパート仲間であるヨシエ(倍賞美津子)との友情話が始まるのは唐突に感じる部分ではあったが、この雅子とヨシエの話もうまく描かれていてそこまで悪くはなかった。カラオケで「人生いろいろ」を歌うシーンが初めて見た時から印象に残っているが、今見てもやはりこのシーンはとても秀逸で、本作の中でいちばんの名シーンだと思う。欲を言えば雅子の家族の背景が描かれておらず、口を利かない息子や万引きしてしまう夫(小木茂光)の存在が中途半端に感じてしまったのはちょっと残念だったかも。(このあたりはたぶん原作を読めばいいんだろうなぁ。)佐竹を演じる間寛平の悪役演技は彼の普段のテレビでのイメージから賛否両論みたいだけど、個人的には普通になんの抵抗もなく見れたし、役者として普通に上手いと思った。希望のある終わり方で見終わった後の後味が良いのも個人的には好きだ。(2022年7月4日更新)
[DVD(邦画)] 7点(2005-04-20 21:03:07)
52.  刑務所の中
崔洋一作品を初めて見た。刑務所の受刑者たちの生活を描いた起承転結のない物語だったが、飽きることなく最後まで面白く見られた。出される食事がものすごくうまそうだったのが印象的。
[ビデオ(邦画)] 7点(2005-04-12 23:49:25)(良:1票)
53.  みんなのいえ 《ネタバレ》 
三谷幸喜監督の第2作。昔見たときは期待が高すぎたのかイマイチに感じたのだが、久しぶりに見直してみると「ラヂオの時間」より劣るもののそこまでつまらなくはないし、むしろ案外面白かった。家を建てるという日常的でシンプルなテーマをひねりを入れずにストレートに描いているホームドラマだが、今見るとそこに安心感が感じられるのが良かったのかもしれない。(最初に見たときはここが不満だったんだよなあ。)話の主軸になるデザイナー(唐沢寿明)と大工(田中邦衛)の対立も興味深かったが、それ以上に家を建てるときのしきたり云々のウンチクもしっかり描かれているあたりは伊丹十三監督の「お葬式」の影響が見られ、テーマ的にも似通った部分があると思う。しかし、「お葬式」と比べてしまうと毒気がなさ過ぎてそのあたりちょっと物足りないかもと思ったりもするが、三谷監督にはそこを求めていないのであまり気にならなかった。でも、同じテーマで伊丹監督が手掛けていたらというのもちょっと思った。施工主の夫婦を演じる田中直樹と八木亜希子がいいコンビぶりなのだが、とくにクセの強い面々が多い中で、この八木亜希子演じる奥さんのクセのないいかにも「普通の人感」が程よいスパイスになっていて、この配役のバランスも良かった。それから野際陽子演じる夫の母親は親戚に同じような人がいるせいかつい笑ってしまった。チョイ役での豪華な出演者も多く、この映画から三谷監督のフォーマットが出来上がった感じだが、テーマやストーリーとしては三谷監督の映画の中ではいちばん身近に感じられる作品だと思う。少し甘めかもしれないが、7点を。(2020年2月15日更新)
[DVD(邦画)] 7点(2005-03-27 22:17:32)
54.  CUTIE HONEY キューティーハニー 《ネタバレ》 
庵野秀明監督による実写版の「キューティーハニー」。アニメはオリジナルはちゃんと見た事がなく、セーラームーンの後番組でやっていたリメイク版も少し見た程度で今ではほとんど覚えておらず、そもそも永井豪作品にも馴染みがあまりない状態で本作を見たのだが、逆にそれが先入観がなくてよかったのか、思っていたよりは面白かったし、最後まで飽きることなく楽しく見れた。「シン・ゴジラ」のような大作然とした感じではなく、作っている側もB級と割り切っているような感じがよく出てて、それが潔い。オープニングタイトルバックがテレビアニメ版のオープニング仕様だったり、映像表現にアニメを取り入れているのはアニメ畑の監督らしいところで、それを駆使した冒頭のゴールド・クロー(片桐はいり)率いる戦闘員とのバトルはアニメ的なコミカルさも加わっていておかしみがあり、とても楽しかったし、エレベーター内でのコバルト・クロー(小日向しえ)との戦いも見ごたえがあるものになっている。ハニー役のサトエリは本作を見る数日前にネットニュースのインタビューを見ていたので、とくに始まってすぐの街中を走るシーンは絶対恥ずかしかっただろうなと思ってしまったのだが、それでもよく頑張っていて素直にハマり役だと思うし、魅力もじゅうぶんに出ていたと思う。しかしそれ以上に印象に残ったのが秋夏子で、演じる市川実日子は「シン・ゴジラ」でも強烈なインパクトを残す役を演じていたが、本作でのこの役はその原型といった感じがする。その他、悪役であるパンサークローの面々を演じる役者陣も実に楽しそうに演じていて、中でもブラック・クロー(及川光博)が歌い始めるシーンのノリノリさはそれがいちばん伝わってきて、見ている側としてはつい笑いが込み上げてくる。一方、ゴールド・クローを演じている片桐はいりはもともと個性的な女優のためか、こういう特殊メイクで扮装した役だとなんかもったいなく感じる。映画全体の構成としてはハニーと夏子の出会いからパンサークローの壊滅までを一時間半で描いているためか、テンポが良すぎて展開が目まぐるしく、そこがちょっと残念だったかな。やはりこの構成だと映画一本よりもテレビの連続ものの方が向いてる気がする。
[DVD(邦画)] 6点(2023-04-16 16:04:40)
55.  ダイ・ハード4.0 《ネタバレ》 
「アルマゲドン」や「シックス・センス」が流行っていた高校の頃、もうブルース・ウィリスは「ダイ・ハード」はやらないのかと友人と話していたことが今となっては懐かしいが、前作から12年後に公開されたシリーズ第4作。マクレーンが完全にスキンヘッドになっていたり、1作目で登場したマクレーンの娘ルーシーが成長して再登場(役者は変わってるけど。)したりと1作目から続けて見ていると登場人物の変化に時の流れを感じる。敵がサイバーテロ集団というのも現代的で、新聞の文字ならぬ歴代大統領の映像をつなぎ合わせた犯行声明などは強烈にブラックで印象に残るものの、アクション映画としてはかなり普通の印象で、マクレーンもトレーラーに乗って戦闘機を墜落させるなど別の映画なんじゃないかと思うほど無敵のヒーローぶりを見せていて1作目のたまたま巻き込まれただけの普通の刑事という設定はどこへという感じになっているのはちょっと残念に思う(1作目でハンスに「ランボーのつもりか」と問われて否定的な答えをしていた同一人物とは信じられない。)し、サイバーテロというハイテクなテーマも確かに面白いのだけど、ちょっとこのシリーズには似合わない感じがした。とはいえ、今回のマクレーンの相棒となるハッカー青年が良いキャラしてるし、ホリーと別れたことでマクレーンと疎遠になり、彼を嫌うようになったルーシー(このへんの話をちゃんと映画でやってほしかった気もするが、それだけで一本アクション映画ではない違う映画ができそう。)がしっかりマクレーンの血筋を引いているところはニヤリとさせられる。いろいろ書いたのだが、何も考えず見る分には退屈はしない映画だとは思う。でも、やっぱりシリーズとしては前作のほうが面白かったかな。
[DVD(吹替)] 6点(2023-01-21 23:45:33)
56.  夕凪の街 桜の国 《ネタバレ》 
昭和30年代と現代の二部構成で描かれた佐々部清監督による広島原爆を描いた映画で、こうの史代の漫画を原作としている。昭和30年代が舞台の前半「夕凪の街」は原爆に遭った主人公・皆美(麻生久美子)が生き残ってしまったことへの葛藤を抱えながらそれでも懸命に生きていく姿が描かれていて、淡々としているが、情感たっぷりで心に刺さるようなセリフもあり、思ったよりはかなり良いし、思わず引き込まれた。それに現代の邦画戦争ものにありがちな回想形式でなかったのも良かった。しかし、やはり後半の現代パートである「桜の国」は、最終的に伝えたいことは伝わってくるものの、前半とのつながりがうまくいっているとは思えず、前半が良かっただけにイマイチに感じる部分が多い。「桜の国」の主人公である七波(田中麗奈)の子供時代の回想が入るのもせっかく前半は回想形式でなかったのにと思えてしまって何か残念だった。見たあとで調べて分かったのだが、原作では七波の子供時代も回想ではなく、現在進行の物語として書かれているみたいなので、たとえ三時間くらいになっても映画でもそうしたほうが良かったような気がした。また、原爆資料館で吐き気を催した友人(中越典子)を七波がラブホに連れていくところは思わず突っ込んでしまったし、二人で風呂に入りながらテレビでかかっていたプリプリの「diamonds」を歌うシーンは、原爆映画という本作の趣旨とかけ離れてしまっていて違和感があり非常に残念だったように思う。悪い映画ではないのだが、前半の良さを後半が足を引っ張ってしまった印象は否めず、あまり人にすすめようとは思わない。それに、映画を見ているときにふだんほとんど原作の存在は意識しないのだが、本作は久しぶりに原作の漫画を読んだほうが良さそうと思ってしまった。それでも、前半の良さに免じて6点を。
[DVD(邦画)] 6点(2019-11-17 18:13:21)
57.  ルパン三世 1$マネーウォーズ<TVM> 《ネタバレ》 
テレビスペシャル第12作。今回は敵である銀行頭取が女性であることがやや斬新に感じるし、その頭取が戦争を利用して金儲けを企んでいるところなどは妙にリアルに感じる。ルパンとのラストの対決もみごたえがあり、女は殺さないがだからと言って容赦はしないというルパンのキャラクターがよく出ていて、テレビスペシャルほかの作品ではここらへんがブレているものもあるのでテレビスペシャルではけっこう貴重かもしれない。ただ、ルパンとこの頭取の対決は確かに面白いのだが、ほかのゲストキャラの印象がイマイチで、ナビコフなんかはわりと好きそうなキャラクターだっただけに少々勿体なく感じた。登場人物を絞ってルパンと頭取の対決をもっと全面に出しても良かったと思うのだが、30分枠なら可能でも90分のスペシャル版だとほかにいろいろ要素を入れる必要があり、難しいのかもしれない。(でも、今回の五右衛門が宗教にハマるエピソードは削ったほうが絶対良かった気がする。というか、五右衛門いつもこんな感じだし。)それを考えるとやっぱりテレビスペシャルよりも週一レギュラーの30分アニメのほうが良いなと感じてしまう。
[DVD(邦画)] 6点(2019-10-26 23:18:26)
58.  ルパン三世 お宝返却大作戦!!<TVM> 《ネタバレ》 
今回はルパンたちが標的であるトリックダイヤを手に入れるため、かつてルパンのライバルだったマークが盗んだ品物を元あった場所に戻していくという筋立てだが、目的があるとはいえ泥棒が盗んだ品物を返していくという発想が面白い。実際、ルパンたちが世界中を駆け巡って次々と返していく前半はテンポもよく、見ていて楽しい。それに五右衛門が敵の女に狙撃されて深手を負ったり、次元が敵に捕まって拷問を受けたりするのはどうなるかが分かっていてもハラハラさせられる展開でわりといい。そしてラストに判明するお宝の正体。これが非常に美しく、今まで見た「ルパン三世」シリーズの中でも特筆もので、思わずうなってしまった。イマイチと思う作品の多いテレビスペシャルシリーズの中にあっても本作は良作の部類に入るのではないかと思う。余談だが、ルパンとマークが過去に盗みに入った場所としてトランプタワーが登場しているが、ここの主は今や大統領なんだよなあとつい思ってしまう。
[DVD(邦画)] 6点(2018-10-06 17:01:11)
59.  ゼロの焦点(2009) 《ネタバレ》 
松本清張生誕100年を記念して東宝で製作された「ゼロの焦点」の再映画化作品。野村芳太郎監督の松竹版を先週に再見したばかりだが、それから約一週間経ってから本作を見た。ドラマ部分に物足りなさを感じた松竹版と比べると本作は佐知子(中谷美紀)と久子(木村多江)の関係などのドラマ部分を掘り下げようとしている点や、松竹版で不足していた部分にも補足がしっかりされていて、松竹版よりもこちらのほうがストーリーは分かりやすくなっている。室田夫妻のキャラクターが松竹版とはまるで違うのも、まあこれはこれで悪くはない。しかし、中谷美紀演じる佐知子はどこか怪物的な怖さがあり、すごくインパクトがあるのだが、少々やりすぎてしまった感があり、演技もうまいんだけど少しオーバーに感じたのがちょっとなあ。(中谷美紀は普通の役よりもこういうややエキセントリックな役が似合うとは思っているけど。)禎子(広末涼子 主要三人の中ではかなり浮いて見える。)の推理シーンが断崖でないのは2時間ドラマっぽくなるのを避けたかったというのは分かるのだが、そこはやはりこの物語のハイライト部分なのでそのままが良かったかなとも思う。後半の途中あたりから終盤までが松竹版と変わってしまっているのはドラマ性を強調しすぎるあまりと思うのだが、逆にこんな話だっけと思ってしまうし、佐知子の夫とか最初とキャラがぶれていて違和感があった。久子の死に方も松竹版のほうが切なさが出ていたと思う。全体的な雰囲気も昭和に製作された松本清張原作映画を見慣れてるせいもあると思うのだが、なんかいかにも今どきの映画という雰囲気が出すぎていて、松本清張原作と聞いてイメージするものとは違う気がする。それに、記念映画として製作するなら何も過去に何回も映像化されているものでなくてももっとほかに映画化されていないものの方が良かったのではとも思えてしまったのも事実だ。松竹版と合わせて2作品見終わったあとの印象は最初のほうは分かりやすさで言えばこっちのほうが良いけど、終盤にかけては松竹版のほうが良かったというどっちつかずの微妙な感じ。点数はとりあえず松竹版の補完版と見て同じ点数を。でも、松竹版を見ずにいきなり本作を見たらどう思っていただろうか。
[DVD(邦画)] 6点(2018-09-22 17:43:34)
60.  血と骨 《ネタバレ》 
崔洋一監督が「御法度」で俳優として共演したたけしを主演に起用して手掛けた映画。大阪へ渡ってきたたけし演じる在日朝鮮人の男の一代記を描いているが、とにかくこの男 金俊平の横暴で狂暴なキャラが終始際立っていて、演出やストーリー云々言う前にこのパワフルな主人公の存在に圧倒されっぱなしの2時間半で最後まで目が離せなかった。たけしは自身の監督作以外では久しぶりの主演だったそうだが、まさしくこの役はたけししか考えられないと思うほどにハマっていて、たけしなしにはこの映画は成り立たなかったのではと思う。ただ、やはり全体としては長い原作(未読)をがんばって映画にまとめているといった印象で、重厚で見ごたえある内容にも関わらずダイジェスト感が強くなってしまっているのは仕方がないと分かっていてもちょっと残念。とはいえ、連作でこの物語を見たいかと言われてもなにか微妙な感じ。絶対に感情移入できないような主人公なのだが、彼に振り回されるほかの登場人物たちには思わず同情に近い感情を抱いた。とくに、父親である俊平の暴行から逃れるために結婚し、その夫からも暴行を受け、自殺してしまう花子(田畑智子)が哀れすぎる。その通夜にふらりと現れた俊平が娘を出せと暴れるシーンは唯一、この映画の中で主人公の子供に対する愛情を感じさせていて良かった。(ちょっと笑ってしまったシーンでもあるけど。)ほかの出演者に目をやるとのちに「アウトレイジ」シリーズに出演する國村準や塩見三省が出演しているのが今になって見るとなんだかにやにやしてしまった。
[DVD(邦画)] 6点(2017-08-15 17:44:51)(良:1票)
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