41. 惑星ソラリス
もちろんリアルタイムで観ていない。映画『2001年宇宙の旅』と対極にあるらしいが、むしろ、本作の対極にあるのはS・レムの原作じゃないかと個人的には思う。レムは未知なるもの(理性をもった惑星の海)と遭遇した時の人の感情の変化に興味を持っている。ところが、タルコフスキー監督の興味は人間のもっと内側の魂の問題にある。ゆえに、クリスの気持ちは、常に地球の方向に向いている。ド派手な仕掛けや装置を徹底的に排除したかのようなSF映画に感じるが、「ややこしい機械とか、点滅するランプとかどうでもいいようなガラクタがどっさりでてくる。」と監督は本作に不満をもらしている。そう考えると、果たして宇宙に行く必要があったのか?などと思ってしまうが、長くなるのでこの辺にしておくでござるよ。 9点(2003-03-30 17:53:44) |
42. 2001年宇宙の旅
もちろんリアルタイムで観ていない。本作のような抽象的なSF映画を評価するのは大変難しい。しかし、公開当時の時代背景を考えると、おそらく、キューブリック監督にとってこの時代のSF映画は陳腐で子供騙しのものばかりだったにちがいないはずで、彼が作る以上、過去・現在はもちろん将来にわたっても最高と称されるSF映画にしなければならない。それを如実に表現しているシーンがある。冒頭で猿が何かにとりつかれたように骨を何度も何度も打っ叩くワンショットがそれである。一見すると映画『プラトーン』のデフォーのワンショットに似ているが、とんでもない。プロレスラーのリング上でのアピール“1番・1番”と聞こえてくるようだ。このシーンは今までのSF映画に引導を渡し、今後でてくるSF映画にたいしても絶対に負けないぞという監督の力強さが伝わってくるのでありました。そのようなことを考えながら、もう一度観ると武者震いするでござるよ。余談ですが、僕の敬愛していたデイヴィッド・ボウイも本作にインスパイアされ「♪スペース・オデッティ」を作った。その衝撃もかなりすごかった。 9点(2003-03-30 17:29:01) |
43. グリッター きらめきの向こうに
いくらなんでもひどすぎる。これでは、M・キャリーのイメージビデオかミュージックビデオではないか。映画を馬鹿にしているとしか思えない。コメントする気にもなれないでござるよ。 0点(2003-03-30 16:31:58) |
44. 虚栄のかがり火
今まで数多くの映画を見てきたが、この映画ほどくだらなく感じた映画はなかった。腹立たしいぐらいだ。更に、監督・出演者も一流どころを使っているにもかかわらずだ。デ・パルマ監督といえば、ヒッチコックの再来と呼ばれた人で、面白い作品も数多く作っているんだから、くだらない仕事でも安請け負いするのはやめて、自分なりの一貫したポリシーを持ったほうがいいのでは。また、僕にとってT・ハンクス=『虚栄のかがり火』のイメージが焼きついているのは、この映画で彼を始めて見たからだろうか?これ以来僕のT・ハンクス嫌いは始まった(ファンの方ゴメンナサイ)。今後はこの映画を基準に評価していきたいでござるよ。 0点(2003-03-30 16:24:01) |
45. ブレードランナー
『ブレードランナー』を語ろうとすると、語りたいことがいっぱいあるけど、みなさんが書いてるとおりなので手短に書きましょう。まず、DVD版と完全版の違いは、完全版には1.デッカードのナレーションがある。2.デッカードがピアノを弾く時にユニコーンの回想シーンがない(これは重要)。3.ロイがタイレルの目を潰すシーンがかなりエグイ4.ラストでデッカードとレイチェルはエレベーターを降りた後、ロサンジェルスを脱出し、冬季管理人としてコロラドにあるオーバールックホテルに行く。というのは冗談で、どことなく映画『シャイニング』で見覚えのあるシーンのような気がするが・・・5.その他。 このように、いくつかのヴァージョンが存在するために意図的もしくは明らかにミスと思われるようなシーンが多数ある。特に、蛇の鱗を顕微鏡で調べてもらっているシーンから、途中で購入したチンタオのボトルを自宅で飲むまでの間のシーンは謎の宝庫である。しかし、これは、R・スコット監督の我々観る側に対する挑戦状として受け止めたい。次に、ガフの作った折り紙の意味についてですが、深読みするとデッカードも実はレプリカントではないか?との疑問がわいてくるので、それはやめて浅く考えると、最後にでてくるユニコーンの折り紙は、ユニコーンとはレプリカントの意味で、更に言うとレイチェルを表しており、ガフのデッカードに対する「レイチェルといっしょなのはわかっていますよ。彼女は短い命ですから生かしておきましょう。早くお逃げなさい。」とのメッセージがこめられていると思う。最後に、余談ですがデッカードが冒頭で飲んでいる四角いグラスはとても格好よくて、僕も特注して作ってもらいました。 10点(2003-03-30 15:40:35)(良:1票) |
46. 時計じかけのオレンジ
本作はもちろんリアルタイムで観ていません。古い映画ってリアルタイムで観ていないことが、多少のハンディキャップになることがあるが、本作が傑作だと思うのは、今観ても決して色褪せることなく“すごい”の一語につきるところかな。特異なメイクに特異な格好で「♪アイム シンギン イン ザ レイン」を口ずさみながら、無抵抗な人間の腹にケリをおみまいするチーム・リーダーアレックスの悪のヒーロー像はダムド、クラッシュ、ピストルズといったパンク・バンドとともに、真面目少年だった僕の人格形成に多大なる影響を与えたものでありました。どうもありがとうミスターロボット。今後は本作を基準に評価していきたいでござるよ。 10点(2003-03-30 14:35:48) |