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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2102
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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41.  ラスト・ホリデイ(2006) 《ネタバレ》 
僕の苦手なジャンルに「余命あと○日もの」がある。途中までは「最高の人生の見つけ方」を思い出すストーリー。  でもね。この作品、ひょっとしたらこういうオチなんじゃないかなあ・・・という予感がずっとあったんです。しかし「何だ、予想通りじゃないか」とガッカリの映画もあれば、その予想通りが本当に嬉しい映画もある。本作は勿論後者。  災い転じて福となす。ラティファ姐さんの魅力炸裂の重いテーマを軽いコメディタッチで描いた人生賛歌。厨房から突然ドパルデューが顔を出した時はビックリ。そして監督がウェイン・ワンということにもビックリでしたが、やはり優しさのある映画を撮る監督さんですね。  「憧れファイル」が「現実ファイル」となるラストも粋でした。 
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-02-21 21:12:03)
42.  灯台守の恋
地味で意外性の無いストーリーかもしれないけど、鑑賞後は上質のいい映画を見たとしみじみと思える作品でした。  この監督さんの作品を見るのは「パリ空港の人々」に次いで2本目。「パリ空港の人々」はある意味登場する全ての人が「ヨソ者」。本作はフランスでも独自の歴史、文化風習を持つブルターニュ地方の小さな島にやって来た一人のヨソ者が主人公となっています。両作品ともどこかすきま風を感じる独特の人間模様ですが、そんな中に人の心をしっかりと感じさせてくれる作品に仕上がっています。  荒々しい海と風の中に立つ灯台の姿が印象に残る。厳しい風土の中しっかり根を張って生きるこの土地の人間の強さを表しているようでもありますが、ポツンと寂しげでもある。許されざる恋をメインにしながらも、この2人が一緒の時間は意外に少ない。しかし、2人の恋やイヴォンとの友情など人と人を繋ぐ、主人公の男が修理したアコーディオンや時計といった小道具が作品の中で実に効果的に作用しています。  1963年の物語の中で、自転車(マベや神父さん)や船はよく登場したけど車はほとんど登場しなかった。これもこの土地の風土を表していたのでしょうか。
[DVD(字幕)] 8点(2011-12-17 11:38:52)(良:2票)
43.  その土曜日、7時58分 《ネタバレ》 
子が親を、そして最後は親が子を・・・。ひたすら重く救いの無い映画。犯行当日前後に時間軸や親、兄、弟それぞれの視点が交錯する。この手法は一つ間違うと何だか分からなくなる事も少なくないですが、よく練られた構成で非常に分かりやすく、それぞれの関係を徐々に浮かび上がらせていく。犯行以降の破滅に向う過程の見せ方もキャストの好演もあり、ひきつけられます。今年お亡くなりになられ、本作が遺作となった訳ですが、老いてもその手腕に衰え無し。さすが巨匠ルメットと思わされる作品です。 
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-12-11 16:27:28)
44.  ベッカムに恋して
サッカーが大好きな女の子のサッカーへの情熱、夢、悩み、友情、恋愛、家族への思い、などなど・・・を爽やかに描きながら、人種やジェネレーションギャップといった問題を巧くミックスさせた、良質の青春映画でした。練習風景や試合風景、街を散歩したりといった際に使われる音楽が素敵で、その使い方も巧い作品です。この邦題が今まで鑑賞を遠ざけていたとも言えるけど、見ると「ベッカムに恋して」という邦題も作品の雰囲気をうまくとらえているんじゃないかなと思います。 
[DVD(吹替)] 8点(2011-11-17 23:17:19)
45.  13デイズ
第3次世界大戦を回避すべくたたかった男たちのドラマです。戦闘機や海上のシーンはかなり限定され、大統領とその弟と側近達が室内で繰り広げるディスカッションが作品のかなりの部分を占めますが、これがなかなかの緊迫感にあふれ、重厚感のあるポリティカル・サスペンスとなっています。対ソ連にとどまらず、軍部やマスコミ、アメリカ国内、世界に対する情報戦なども見応え十分でした。2時間を軽く越える長尺ですが、無駄が感じられずその長さも全く気になりませんでした。
[DVD(字幕)] 8点(2011-11-03 20:13:14)
46.  ゾンビランド
いい年したオジサンのくせにやたら怖がりだし血を見るのも苦手な僕はホラーやゾンビ映画の類は怖くて見ることが出来ません。でも、何となく本作は面白そうだと思い、ゾンビファンの皆さんから見れば物足りなさを感じるかもしれない本作ですら、借りてきたDVDを意を決して恐る恐るプレーヤーに挿入・・・。  前置きが長くなりましたが、楽しかったです。僕はシートベルトが嫌いで何度もシートベルト違反で捕まってますが、いつ何があるか分からないし、ちゃんとシートベルトしめるか・・・。と思わせてくれたことにも感謝?でしょうか。  ビル・マーレイを出す大技からちょっとした台詞の小技に至るまで笑いドコロ十分なところもコメディ好きにはたまらないです。特に僕が大好きなマーレイさん!死んじゃったのに「ツボに入っちゃった」と笑ってしまった姉。これ、分かるなあ・・・。マーレイさんらしいギャグのような死にザマ。最高でした。あっという間に出番は終わりましたがマーレイさんも満足だったんじゃないかな。アイゼンバーグがチラッとフェイスブックを語るところも笑ってしまいました。  人と親しくしたくないから名前を名乗りたくないと言うタラハシー、「人を信用するな」という姉妹、そして数々の己に課した誓いで生き抜いてきた人間嫌いのコロンバス。人との関わりを避けていた彼らが誰もいなくなってしまった世界で人の温もりや人は一人では生きてはいけないことに気付いていくストーリーもいい。愛する人を守るためにストイックに守ってきた誓いを破り、ラストで人間臭さを見せてくれたコロンバス。素敵じゃないか。
[DVD(吹替)] 8点(2011-09-03 10:50:14)(良:3票)
47.  スコルピオンの恋まじない
俳優ウディ・アレンと監督ウディ・アレン、両方のいい味がよく出ている作品です。  相変わらずの屁理屈に自虐ネタ炸裂でヘレン・ハントと楽しい喧嘩を繰り広げるアレンの台詞まわしの楽しさをたっぷりと堪能できます。そしてヘレン・ハントも負けてはいない。立派にアレンの喧嘩相手を努めており、見事なアレンのパートナーぶりでこの2人の喧嘩の台詞がとにかく楽しい。  本作の中で唯一無理のあるキャストはアレン自身。しかし無理を承知で自分をキャスティングして、しかもシャーリーズに迫られるという設定の強引さにはむしろ清々しさを感じるし、こんなこと、アレンさんにしか出来ないですよ。ラストもあのキーワードを最後の最後まで取っておくアレン話術の巧みさにまたしてもやられました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-08-10 22:25:32)
48.  メルシィ!人生
ウィットに富んだやり取りにやんわりと社会風刺を挿入しながら笑わせ、冒頭で自殺しかけていた中年男の人生を見事に再生させてみせるコメディです。  とある会社に送りつけられた社員の私生活を暴露するタレコミに、噂話に流される者に、翻弄される者に、それを利用して同僚を陥れようとする輩に、ただの噂話に「私は前から怪しいと思っていたのよ」なんて知ったような台詞を吐く者に・・・そうこうしてる間に嘘が真になってしまい・・・と小さな1つの会社の人間模様で見事に社会の縮図を作り上げています。  90分に満たない小品ながら主演のダニエル・オートゥイユにドパルデューに久しぶりに見たなあ・・・ミシェル・オーモンなどフランスの実力派が顔を揃えたキャストの面々も皆が流石のとても可笑しな人間模様を見せてくれます。  生きる希望を失いかけている冴えないおじさんの人生が、あるきっかけであれよあれよと言う間に好転していく。結構都合のいい展開でもありますが、そんな中に生きる希望を見出す「人生にちょっと疲れた冴えないおじさんの人生一発逆転モノ」って、これでいいんだと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2011-08-04 22:13:40)
49.  ザ・ロイヤル・テネンバウムズ 《ネタバレ》 
章立ての構成と、序章で描かれる驚異の天才家族という設定があまり生きていなかったとは思うし、ここでの平均点も高くないですがこの作品、僕は好きです。  主人公ロイヤルを演じたジーン・ハックマンの巧さが際立ちますが、脇を固める豪華な顔触れも見事に活きています。妻と3人の子供たち、一家の周辺に登場する人物に至るまで非常に上手く作品の中で機能しています。  淡々と登場人物それぞれの日常の中のエピソードを積み重ねていくだけなのですが、考えてみればそんな日常の積み重ねが人生というものか。そこに多くの主要登場人物を見事に噛みあわせて、人生の中にある泣き笑いを軽妙に見せてくれた作品でした。  ダメ親父ロイヤルが家族それぞれが自らの抱える事情を乗り越えられずにいる現状を前に、自らの抱えている事情を乗り越えてみせ、妻に離婚届を差し出し「おめでとう」と再婚を祝福して以降長男と和解を果たし、ラストまでの展開にはしんみりとさせらます。  さらに本作は音楽の使い方が素晴らしく、特にマーゴのこれまでの人生を調べさせた報告書の内容を軽快な音楽に載せて一気に見せるくだりなど、要所要所で挿入される音楽が実に効果的に機能していました。
[DVD(字幕)] 8点(2011-07-26 22:53:40)
50.  微笑みに出逢う街角
ソフィア・ローレンの100本目の出演作と言う事で話題になった作品。監督はエドアルド・ポンティ。名前からも分かりますが、イタリア映画界の超大物カルロ・ポンティとソフィア夫妻の息子さんです。100本目に息子の初監督作を選んだソフィアにとっても、監督デビュー作で母の区切りの作品を監督した息子にとっても記念の作品。それだけに年は取りましたがソフィアがとても綺麗な作品です。  同じ町で暮らしているが全く重なり合う事の無い3人の女性それぞれが抱える心の闇と、それでも立ち上がり新たな人生のスタートをきるまでを3人のストーリーを平行して淡々と見せていきますが、散漫にならず3つのストーリーを巧く切り替えながら3人の心の声が確かに伝わってくる作品でした。その中でもやはりソフィアの存在感が際立っています。  ソフィアの夫役など3人の周りにいる男たちにも名優を揃え、その中にはドパルデューまでが登場するのですが、せっかくドパルデューまでキャスティングした割には扱い方がちょっと勿体無かったか。ただ、重さのある作品の中で彼の登場シーンにはほっとさせられました。  ラストはようやく顔を揃えた3人が笑い合う。3人の問題はまだ全く解決していませんが、人生の新たな一歩を踏み出した3人の笑い声に希望が感じられるラストでした。この息子さん、この後も映画を撮っているんでしょうか?もしあれば他の作品もぜひ見てみたいと思える作品でした。
[映画館(字幕)] 8点(2011-07-24 15:47:13)
51.  ノーウェア・ボーイ/ひとりぼっちのあいつ 《ネタバレ》 
レビュー数は少ないですが高評価の多さに納得の、後に世界を揺るがすビートルズのジョン・レノンの青春時代を瑞々しく描いた佳作。それはビートルズ結成以前の若き日のジョン・レノンの伝記モノとしても、一人の青年を主人公とした青春映画としても。  ジョンの周りの大人の人物描写も良く、ハーモニカを与えた叔父、ロックンロールとバンジョーを教えたジュリア、ギターを買い与えたミミ、(ついでに7ポンドでギターを売ってくれた楽器屋さんも)それら全てがビートルズのジョン・レノンにつながっていくんですね。有名なセント・ピーターズ教会でのレノン=マッカートニーのコンビ誕生の場面とその後の2人に友情が芽生えていく過程も印象に残る。  ビートルズのジョン・レノンの成長と同時に、ジョンの生い立ちも交えながら2人の母との関係も、ジョンをめぐる2人の母の互いへの思いも巧く描き分けられており、一人の青年の成長と家族の関係を描いた映画としてもいい映画でした。  何といってもジョンを演じたアーロン・ジョンソンの若き日のジョンを髣髴とさせる風貌が良かったし、シナリオや演出も良かったのだと思いますが、台詞とその言い回し、振舞い方もきっとこんな感じだったのかな・・・。そう思わせてくれるものが確かにある作品です。
[DVD(字幕)] 8点(2011-07-23 01:11:12)
52.  ピエロの赤い鼻 《ネタバレ》 
主人公の男2人が勢いで起こしてしまった行動が引き起こす悲劇。赤い鼻をつけたドイツ兵のピエロや身代わりに処刑される事を選んだ男、彼らは死ななければならなかったのか?2人が早く自首していれば死なずに済んだ命ですが、自首すれば確実に自分達が殺される。果たしてその状況で自首できるだろうか?いくら後悔しても死んだ人は帰ってはこないし、生かされた人の心からその後悔の念と重い過去が消え去る事も無い。事の発端となる2人の男の行動を含め全ては戦争さえなければ・・・。という思いしか出てきません。あたたかみ、ユーモアのある人物描写と語り口の中に戦争というものを描き出した見事な人間ドラマでした。特に人質達の心に安らぎを与えたピエロのドイツ兵の優しさと勇気に感動しました。 
[DVD(字幕)] 8点(2011-06-25 00:10:18)(良:1票)
53.  トランスアメリカ 《ネタバレ》 
ある事情から初めて会うことになった性同一性障害の父と、義理の父から虐待を受けて育ち犯罪に手を染め始めていた息子の2人旅を描いたロードムービー。性同一性障害や虐待、他にも数多くの人種や宗教を抱えるアメリカらしい問題を挟みながら旅は進みますが、ゆったりとのんびりとしていて程よい軽さがあり予想以上に見やすい作品です。  心に傷を負った2人が少しずつ打ち解けていく過程、グレていた息子は少しずつ素直さを取り戻し、父は少しずつ親らしい言動になっていく過程の見せ方も無理が無く、淡々とした旅の道中に挿入される様々な出会いもいいし、互いの故郷を訪れながら2人の過去が少しずつ明らかになっていく見せ方も実によく練られています。  見渡す限り何も無い砂漠の風景に、野宿の夜の焚き火を囲んでの語らいに、ヒッチハイクに、途中からはトラックの荷台にカウボーイハットの地元のオッサンと一緒に揺られ、その合間に現われる小さな町・・・流れる音楽は勿論カントリーミュージックがよく似合う。のんびりとしたアメリカン・ロードムービーの良さを随所に見せてくれる旅の風景もとても良かったです。
[DVD(字幕)] 8点(2011-03-22 21:10:19)(良:1票)
54.  エリックを探して 《ネタバレ》 
予告編を観て以来ずっと気になっていた作品。予告編を見る限りでは何だか普通のコメディ。ここまでなら気にならないのですが、監督がケン・ローチであることに凄く興味が沸いたのです。  やっと見る事ができたのですが、最後の四の五の言わせない勢いで突っ走ってしまうカントナ作戦まで、自らの人生を「クソ人生」と表現した主人公のおじさんの家族の再生、自らの人生の再生を周りの愛べき仲間達と共にあたたかく描いた作品です。  主人公のおじさんも息子達もそれぞれの事情で少し人生の道に迷っている。そんな困っている友人のために仲間が一致団結して助け合い、悪い連中をこれでもかとコテンパンにやっつける。実に単純で分かりやすい。友情とか人情とか、こういう映画に弱い自分を再認識。  それにしても主人公にしか姿が見えないエリック・カントナは何だったのか。(本作で初めて知ったのですがエリック・カントナ自体は実在するイギリスのサッカーの英雄なんですね。)誰の心の中にも必ず自分にとってのヒーローがいるはず。そんな自分のヒーローを見るたびに励まされ、勇気や元気を貰う。人それぞれの心の中にいる自分だけのヒーローであり勇気の源の象徴だったのかな。  本作も主人公を初めサッカーの事となるとやたらと熱くなる仲間達も、これまでもケン・ローチが見つめてきた自らの祖国イギリスの庶民、労働者階級の人々が主人公の作品でした。いつもとはガラリと味付けが変わっていますが、イギリスへの愛情を一杯感じる(ローチさんもサッカーのこととなると熱くなるのかな)本作もやはりケン・ローチの映画なんだなと感じました。
[映画館(字幕)] 8点(2011-02-07 22:37:40)
55.  永遠<とわ>の語らい
前半の人間の文明の歴史を巡る旅と、後半の多国籍の人々による多言語が飛び交うディナーという2部構成のようになっており、まずは前半のポルトガル人女性が小さな娘を連れての人間の文明史を巡る旅。寄港地ごとに母が娘にその土地で過去に何があったかをわかりやすく教えていく。本作に登場するれポルトガル人はこの母と娘だけであり、オリヴェイラ監督が観る者に人間とは、文明の歴史とは何かを訴えかけているようです。この旅に込められたオリヴェイラ監督のメッセージが全て理解できたとは思いませんが、この旅を通して古代から中世、現代に至るまで、文明の歴史は争いを抜きには語ない事に気付かされます。後半のディナーの中でカトリーヌ・ドヌーヴの、文明とは悲しき人間の歴史だ、という台詞があった。そして悲しき人間の歴史は繰り返され続け、いつ誰がどこで突然テロに巻き込まれてもおかしくない現代に至る。その衝撃のラストが鑑賞後もずっと心に突き刺さっています。 
[DVD(字幕)] 8点(2011-01-23 20:16:40)
56.  人生万歳! 《ネタバレ》 
見てよかった、と納得のウディ・アレンらしい映画でした。自らが演じアレン映画に何度も登場した○○恐怖症の男といった役どころ。本作の主人公の男も人間嫌いの暗闇恐怖症の頑固爺さんといったところか。  監督・脚本・主演の3役をこなすのがアレン流スタイルだったものの、近年はさすがに映画には出なくなってきましたが、本作はちょっと違うキャラクターになっていただろうけれど、アレン自らに演じてほしい役どころでした。  最初は一人暮らしのこの男のアパートに宿無し文無し娘が転がり込んできて、この2人のロマンスかと思って見始めましたが、中盤以降は老若男女、様々な人物が二人の前に現れる。そこに無駄な登場人物は全く無く、気が付けば現れた全ての人物が絶妙に絡み合って様々な愛のカタチを織り成す群像劇へと話が発展していく、その語り口が見事な一編でした。  主人公の男が見ている僕達の方に向かって何度もスクリーンを通して語りかけてきますが、このアレン流人生に対する前向きなメッセージも実に気分良く楽しむことが出来る作品でした。
[映画館(字幕)] 8点(2011-01-07 21:12:22)
57.  クリスマス・ストーリー 《ネタバレ》 
クリスマスに合わせて公開され楽しみにしていた作品でしたが、大晦日にようやく鑑賞。期待通り重厚で見応えのあるホームドラマでした。家族の相関図がちょっと複雑なのですが、その複雑なそれぞれの関係がしっかり物語の中で生きています。  母親の白血病の治療のため骨髄移植が必要になり、久々にクリスマスに合わせて顔を揃えた家族のクリスマス前後の数日の人間模様が、過去、そして現在の家族それぞれの様々な事情を交えながら描かれていきます。  一見どこにでもありそうな家族。しかしこの世の全ての家族に何かしらの事情がありドラマがあり、それを大げさになりすぎず見事に普通に表現し、味わいのある家族の絆の物語を見せてくれた豪華キャストそれぞれの演技も見応え十分。特に数年前にある事情で家族と疎遠になっていたアンリの存在が効いており、一家の問題児的存在であった彼の骨髄が母に移植されていくシーンが感動的でした。「血は水よりも濃い」という諺を思い出しました。
[映画館(字幕)] 8点(2010-12-31 18:36:07)
58.  シチリア!シチリア! 《ネタバレ》 
トルナトーレ監督が久しぶりに故郷シチリアに帰ってきた。勿論盟友エンニオ・モリコーネも一緒だ。本作でも凄い音楽で作品を盛り上げます。本作もトルナトーレの代表作と同様に彼の故郷シチリアを愛する思いを非常に強く感じる作品でした。  主人公の男がいて、彼の少年時代である戦争中から戦後、そして初老に差し掛かるまでを一気に見せる叙事詩であり、この男が話の軸になっています。  しかし貧しくとも明るく生きる名も無き庶民が暮らす小さな町ヴァーリアそのものが主人公であるかのようなドラマとして楽しんだ。町を駆け抜ける少年が空に舞い上がり作品の舞台となる町全体を見せるダイナミックな冒頭に続き、戦争中のファシストの支配にも負けず明るく生きる戦争中のヴァーリアの人間模様も、戦後のマフィアや政治と人々との関わりもユーモアもたっぷり交え描かれます。  そんなヴァーリアの町を捉える素晴らしいカメラワークにモリコーネの音楽にトルナトーレの故郷への思いが一体になり見せる町のどのシーンもとても美しく迫力がある作品でした。
[映画館(字幕)] 8点(2010-12-22 22:06:36)(良:2票)
59.  ふたりの人魚 《ネタバレ》 
語りだけで最後まで姿を見せない、カメラマンが職業と言う「僕」の語りで映画は進んでいく。  その「僕」の彼女であるメイメイと、彼らの前に現れた一人の男、マーダー。そのマーダーの過去と、マーダーの過去の物語の中に登場するメイメイと瓜二つの女性、ムーダン。マーダーは行方不明のムーダンをあても無く探し続けている。  この二組のカップルの今と過去が語られるのですが、その独特の語り口が見事な映画でした。「僕」が語る過去のマーダーとムーダンの物語。これはひょっとしたら姿を見せない「僕」とマーダーが同一人物で、途中は自分の過去を語っているのか?とも思わされた。一方女の方もメイメイとムーダンは別人なのか、ひょっとしたら同一人物なのか?二組のカップルの物語なのか、一組のカップルの過去と今の物語なのか・・・?  川岸に現れるという人魚。探しても見つかるはずもない人魚を探しているかのような男。ロマンスでもあり、ミステリでもある。そんなミステリアスな雰囲気を醸し出す映像も良し。何層かになっていながらも分かりやすく非常によく考えられた映画でした。邦題も秀逸。 
[DVD(字幕)] 8点(2010-12-13 21:42:07)
60.  大阪ハムレット 《ネタバレ》 
公開時見に行こうか迷ったけど結局見に行かなかった作品。こんなにいい映画だったんですね。なんてことの無いシーンに何故か涙が出てくる。本作の原作も、「ハムレット」自体も読んだことは無いし、「ハムレット」の映画も実は見たことは無いけれど、「生きるべきか死ぬべきか」だったかな、ハムレットの有名な一節だけは知っている。この一節だけでは何も分からないですが、難しい事を考えたくない映画です。ただ、「頑張って生きていくんやで!」と素直にこの家族に感情移入できる映画でした。明るくて大らかなお母ちゃんを演じた松坂慶子、見るからに人の良さそうなおっちゃんを演じた岸部一徳の二人の演技が素晴らしく、それぞれに悩みを抱え、映画の中でそれぞれの存在感がしっかりと出ている3人の個性的な息子達も良かったです。この家族の関係がハッキリと描かれていない部分も多いのですが、互いに支え合って生きている姿にいい家族だな、と素直に思える映画でした。 
[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-10-16 11:38:56)(良:1票)
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